【R18】 このすばらしからぬ展開にも祝福を! 作:レイトカマー
先に口を開いたのはダクネスだった。
「お父様の定期健診というのは、ただの口実だ。これからもずっと、カズマたちをこの地に留まらせるための方策をどうするか、その糸口を掴みたかったのだ。冒険者というのは、基本的に移動移住の自由がギルドによって保証されているからな」
「実力を付けて名を上げた冒険者たちは、更に稼げる街へ移ってしまうからか? 俺たちってそんなに評価が高かったのか? 確かに実績だけを並べりゃ、俺たちを知らない奴らは凄えなって思うだろうけど、実態はお前だって知っての通りだし、俺がどんな風に何回死んじまったかなんて、その目で見てるだろう?」
「お前が皆に買ってくれたこのバスローブだって、お風呂場に置いてある石鹸だってシャンプーだってリンスだって、他にも新たに生み出された色々な商品が、この街の新たな産業として、アクセルの街はおろか、魔王軍との戦いに明け暮れて碌に産業など育てられなかったこのベルゼルグ王国の経済を、物凄い勢いで立て直しているのだ。そして、その発展の礎となった者が誰なのかは、すぐに調べがついた」
「なるほど、さすがは為政者として民を導く大貴族や王家といったところだな」
「その者は最弱職と呼ばれる冒険者でありながら、数多の魔王軍幹部を討ち取って、領主だった貴族にも喧嘩を売るし、王都の大貴族に媚も諂いもせず、剰え王家の姫様までをまるで妹の様に扱っている」
「扱ってんじゃなくて、妹として可愛がってんだ」
「そんな事を平気な顔をして宣う様な大それた男を、王家の盾たる我がダスティネス家が、放っておけると思うのか?」
「いんにゃ、有用なら手駒に収めたいだろうし、言うこと聞かないならコレだな」
俺が首を掻き切る仕草をして見せると、ダクネスは目を剥いて息を飲んだ。
めぐみんが不安そうな表情で何かを言おうとしているが、俺はそれを視線で制して、黙りこくるダクネスに話し掛けた。
「だけどアクアさえいてくれれば、俺は何度だって蘇る。だからだろ? アクアを篭絡しようと考えたのは親父さんか? そりゃあ思う所はなくはないが、それが国を引っ張る為政者の務めってモンだろ? ダクネスの親父さんは立派な方だと思うし、一人の男としても誰かの父親としても、こんな俺だって尊敬できるぜ。強力な呪いに侵されて死の床にあったときだって、俺にダクネスをもらってくれとまで語り掛けた人だからな」
「お、お前はっ、即答で断ったじゃないかっ⁉」
「そりゃあそうさ、いくら見た目が良くたって、大貴族のお嬢様だって、それが自分の意思でなきゃ。借金のカタに自分を犠牲にすんのと何が違うんだ?」
「わ、私だって、カ、カズマの‥‥‥こ、ことが‥‥‥」
最後は消え入る様な小さな声になってしまった。
「誰かに決められて結婚しちまう文化圏とは違う国で、俺は生まれて育ったんだ。もちろん俺はダクネスのことも、めぐみんのことも、まあアレなアクアのことだって好きだし、そうじゃなきゃパーティーの仲間として一緒に活動なんかしてない。ましてや一つ屋根の下で一緒に暮らしたりなんかしないさ」
「カズマは‥‥‥、めぐみんやアクアと同じくらい私のことが好きなのか?」
「少なくともアクアと同じくらいには好きだぞ。そうだな‥‥‥、めぐみん、こっちにきて、俺の隣に座ってくれないか?」
「はい‥‥‥」
左側に腰を下ろしためぐみんの肩を抱いて、少しの間見詰め合ってからそっと唇を重ねた。
めぐみんは瞼を閉じて俺のキスを受け入れると、それとわかる様に吸い返した。
重ねた唇を離した俺は、めぐみんの肩を抱いたままダクネスの方に向き直った。
「今まで隠してて悪かったけど、これが俺とめぐみんの関係なんだ。内緒にしてたのは、ひとつはこっ恥ずかしかったのと、もうひとつは大切な仲間たちとの絆を壊したくなかったからだ」
「そうか‥‥‥、やはり、先を越されてしまっていたのか。いや、私も薄々感づいてはいたし、めぐみんの母君の帰り際の言葉にも打ちのめされてしまった。そうか、私の知らぬ間に二人の関係はそこまで進んでいたのかと」
お、おい、ちょっと待て、それは‥‥‥違わないけど、ちょっと待て。
「やはり私が臆病なだけだったのだな‥‥‥、私もめぐみんやアクアのことが好きだし、失いたくなかった。何よりも大貴族の娘ではなく、唯の一人のダクネスとして、私を受け入れてくれたパーティーを壊したくはなかったのだ‥‥‥」
「それは少し違うと思います」
そう言い放っためぐみんは、スッと立ち上がって俺の前を横切り、よいしょと膝の上に右を向いて腰を下ろすと、両腕を俺の首に回して胸にしな垂れ掛かった。
このまま俺が両手で抱えれば、お姫様抱っこの体勢だ。
「こんな風にカズマに抱き上げられたのは、ダクネスの方が先でしたよね? 私は見ていませんが、結婚式をぶち壊して全財産をぶちまけて『お前はもう俺のものだ』でしたっけ? 花嫁を抱き上げて搔っ攫ったその話を後から聞かされた私は、それはもう猛烈に焦りましたよ」
「「そ、それは‥‥‥」」
「二人してハモらないでください。妬いちゃいますよ? それとも焼いちゃいましょうか? その前は、ダクネスの真意を聞くために寝室に忍び込んだこの人と、ベッドの上でまさぐり合って、一線を越えようとまでしたんですよね?」
「「ま、待って‥‥‥」」
「またしてもハモりましたね? なんて息がぴったり合っているのでしょう? やっぱり妬けますから、焼いてしまっても良いですか? それでも私は、泣いたりも諦めたりもしませんでした。だって、その頃にはもうこの人しかないと思っていましたから。だから、思いの丈をぶつけました。それでだめだったら、何度でも何度でもと思っていました」
え? そうだったの? 俺ってニブちんなの?
「まあ、それはさておき、私は里を出て一族からも離れて、一人で生きていこうとしていました。行き倒れる寸前でカズマとアクアに出会って、一緒にカエル狩りに行きましたが、そこで爆裂魔法しか使えないことがバレて、捨てられそうになりました。けれど、カズマが根負けして諦めてくれるまで、必死にしがみついて、いつの間にか好きになって、そして今に至ります」
「逞しいのだな‥‥‥」
「ええ、紅魔族は舐められたら負けですからね。だから一生懸命に我を張って、見栄を張って生きてるんです。一回ふられただけでメソメソと泣いていらっしゃる深窓のご令嬢になんて、負けてなどいられないのですよ」
「確かに言われるまでもなく、想いをぶつけるなどしてもいなかったな‥‥‥」
「そんなことはないでしょう? エルロードでの最初の夜は、かなり際どい格好で迫っていたじゃありませんか。その上、力尽くで手籠めにしようなんて」
「ま、待ってくれ、た、確かにそれは事実だが‥‥‥」
「あの後、私は朝まであの部屋にいました。ひょっとしたらダクネスが戻って来るのではないかと心配して。でも、あの夜にダクネスがそこまでしたのは、結局アイリスのためだったのですよね?」
「その通りで間違いないが‥‥‥、お前たちは‥‥‥?」
「ええ、今想像したでしょう? その通りですよ。戻って来たら見せ付けてやるつもりでしたから。だって、たとえダクネスといえども、この人を奪われたくなかったのです。狡いと思うでしょう? はしたないと思うでしょう? でも、私はこの人を手放すなんてことはできません。この人を好きだという気持ちだけは、誰にも負けたくないのです」
「そ、そうか‥‥‥」
「私は貴族の社会を知りませんが、誰も皆最初に結ばれた相手とだけ添い遂げるのものなのですか? 出遅れてしまったなら涙を流して諦めるのですか? 何かのために全てを諦めて、身を捧げることが当たり前なのですか? 私はそんなの嫌です」
長い沈黙の後ようやく顔を上げたダクネスは、真っ直ぐに俺たちを見詰めた。
「なるほど、どちらが先か後かという話ではなかったのだな? 確かにめぐみんの言う通りだ。そうだな、私は自分から気持ちをぶつけるなんてことはしなかったのに、ふられてしまったと泣いているのだな‥‥‥」
「そうか‥‥‥、よし、わかった。ありがとう、めぐみん」
それだけ言うと、すっくと勇ましく立ち上がったダクネスは、バスローブの裾を翻して白いおみ足が露わになるのも気にもせずに、出て行ってしまわれたのだ。
なんか吹っ切れた様な顔してたが、大丈夫だろうか?
それよりもアクアの話じゃなかったのか?
黄色いバスローブの背中を見送った俺は、膝の上のピンクのバスローブを抱き直して、午後からずっと抱いていた温もりを腕の中で味わいながら、さてこれからどうしようかなと思案していたら、無意識の内に膝の上の仔猫みたいな恋人を撫で回していることに気付いてしまった。
これって、ちょむすけをゴロゴロいわせてんのと同じ状態か?
撫でられているのが気持ち良いのか、腕の中のピンクのちょむすけは俺の胸に横顔を擦りつける様に預けて瞼を閉じている。
黒いちょむすけと違って、撫でられる範囲も広いから撫で甲斐もあるな。
おや、腰んとこの感触は? 紐? 今日はもういっぱいシタけど、どうすっかな?
俺の邪念に気付いたのか、ピンクのちょむすけが瞼を開いて俺を見上げた。
「とうとうバラしてしまいましたね?」
「いつかは話さなきゃいけないことなんだろうけど、大丈夫かなあ?」
「何がですか? お金持ちで、どこへでも逃げられるカズマさんでしょ? この後、武装したダクネスが戻ってきて『お前をコロして私もシヌ~、ぶっころ~!』と叫んだ瞬間に、一瞬でテレポートだってできちゃうんでしょう? でも、私としてはお姫様の様に抱き上げられての逃避行に憧れちゃいますね」
「そう言えば、そんなリッチーもいたなあ」
「魔術師キールの物語りですね? 良いですねえ、王国軍は私が爆裂魔法で一掃しますから、どこかのダンジョンに逃げましょう」
「王国軍と戦う理由がないぞ?」
「お兄様を返しなさいと、なんとかカリバーを掲げた王女が追ってくるのです」
「ドラゴンスレイヤーと破壊神の戦いか? 国が一つ滅びそうだな?」
「きゃぁ、恐いぃ」
棒読みみたいな舞台台詞を聞いてたら、武装したクルセイダーが戻ってきた。
王家の盾たる騎士様は、左手に殴打用のボトルの様な鈍器と、右手には投擲用であろうか透明なガラス製の脚が長いグラスの様な武器を三つ持ち、いつもの鎧とは異なり肌が透けて見えてしまいそうな、きっと絶対防御の魔法が掛かっているに違いない上等な絹製の衣を纏っていらっしゃる。
重厚な胸部装甲の谷間を見せつける様に深いところまで開かれた衣は、首の後ろでリボンの様に結んであり、よほど防御に自信があるのだろう、腕や肩どころか背中ですらも腰の辺りまで大きく開かれていて、下ろして緩く一本に纏められた金色の長い髪が、白い肌に彩を添えていた。
その衣は床を擦りそうなくらい長い裾であるにも関わらず、戦闘時に於いては足捌きの障害とならないように、腰の両側までスリットが切れ上がっていて、クルセイダーが歩を進めるたびに、凶悪な脚力を秘めた白い腿が覗いてしまい、転がした相手を蹂躙するための尖った爪先と細い踵の恐ろしさを知らしめる様に、コツコツと靴音を響かせて、『きゃぁ、恐いぃ』と恐怖に慄き、震えながら抱き合っている俺たちに近づいてきた。
「公表した途端、もう堂々と乳繰り合っているのか?」
テーブルの上に殴打用の鈍器の様なワインのボトルと、投擲用の武器に見立てたグラスを置いたクルセイダーは、全身を覆う強靭な筋肉の重さでソファーを軋ませて、有無を言わさずズイッと俺の左側に密着するまでご立派な腰を寄せてきた。
「ほら、乾杯するぞ。めぐみんもその膝から降りて付き合え、私の第一回失恋記念なのだから」
「ええ、良いですよ。第百回くらいまでは付き合ってあげますから。でも、いきなり開き直ってはっちゃけちゃいましたね?」
「ふっ、うふふふふふ、確かにそうだった。最初からこの男は、私のことをエロいだの、エロネスだの痴女ネスだのと嬲ってくれていたのだから、今更しおらしく取り繕ってみたところで、何の意味もあろうはずもなかったのだ。これからは貴族らしく腕力にものを言わせて既成事実化すれば、何も問題ないのではないか?」
「きゃぁ、恐いぃ」
「問題だらけの様な気がしますが。カズマ、大丈夫ですか? 女アルダープがいますよ?」
「なに、何も心配しなくても良い。カズマは天井の染みでも数えていろ」
「すぐに終わるんですか? じゃあ私はちょっとだけ待ってれば良いんですね?」
「ダクネスもなんでドMからいきなりSに変身してんだよ? めぐみんも助けてはくれないのか? 俺、犯されちゃうんだよ? 汚されちゃうんだよ?」
「大丈夫ですよ、すぐに清めてあげますから。ほら、カズマが買ってくれたこれを、『しゅるり』といつもの様に指先で引っ張るだけで良いんですから」
そう言ってピンクのバスローブの裾を指先で摘まんだめぐみんは、青少年の憧れの的、煩悩の起爆剤を、ほんの一瞬だけダクネスに見せ付ける様に、まさしくチラリズムの神髄を披露した。
「な、なんだ、それは?」
ダクネスの喰い付き様も凄いが、めぐみんもホント対抗心を露わにすんのが好きだね。
舐められたら負けだったか? んじゃあ、もう俺の常勝は決まりってことだな?
俺は左に侍る美女と右の美少女を卒業したての可愛い娘に挟まれて、アニメと妄想でしか知らなかったモテ期とやらを噛み締めながら、グラスにワインを注いだ。
「はいはい、それじゃあ乾杯致しようぜ」
「何に乾杯するのですか? ひょっとして、今日の新記録にですか? それとも新たな必殺技にですか?」
これこれ、アドバンテージを開陳するなんてハシタナイデスヨー、勝つためには手段を選ばないというのはイケマセンヨー。
「カズマは私の失恋の第一回目に憐れみの目を向けてくれるのか? 第二回目以降は、もっと残酷に拒絶して突き放してくれても良いのだぞ?」
こらこら、そんなんでもお前はオカズにできんのか? 恐ろしい女だな?
ハアハアと息を荒げるな、何の新しい扉を開いてるんだよ?
色々と危ない乾杯をしたなあ‥‥‥
俺は両腕を絡め取られて自分でワインを飲むことは許されなかったのだが、ボトルが空になるまで代わる代わる飲まされてしまった。
めぐみんが口移しで流し込んでくれたのを皮切りに、対抗心を燃やしたダクネスからも、『これは乾杯の一環だからな、勘違いするんじゃないぞ』と流し込まれてしまったんだが、どこのツンデレお嬢様だよ? 良いのか? これってファーストなんとかじゃないのか?
「なあ、私ではだめなのか‥‥‥?」
お代わりのワインをめぐみんが取りに行った隙に、お胸のたぷんたぷんの谷間に俺の左腕を抱き取ってしな垂れ掛かるお嬢様にどぎまぎしていたら、背後から髪を掴まれて『この浮気者!』と、顔を上向きにされて口にワインのボトルを突っ込まれてしまった。
鼻をダクネスに摘ままれて、息もできない状況で‥‥‥
『ガボガボガボボー』と一気に、俺がクリエイトウォーターで止めを刺した魔剣の人みたいに。
そこからもう、しっちゃかめっちゃか。
窓の外では、今日も元気に小鳥たちが囀っている。
俺は自分の部屋のベッドの上で大の字になって、知ってる天井を見上げていた。
どうやらトレーナーとTシャツは脱ぎ捨ててるみたいだけど、ちゃんと布団が掛かっているから寒くはないし、早起きのぶんぶん丸が突っ張っているからパンツはちゃんと穿いているみたいだ。
しかし、身動きひとつ取れない‥‥‥
その理由の一つは、時々俺の腕を枕にしている可愛い恋人が、今朝は右腕を枕にして抱きついて脚まで絡めていて、その背中に回している俺の右腕は温かい素肌に触れて、手の平は狭い布地に覆われたまあるいお尻を包んでいるみたいだ。
問題なのは左側だ。
右側と同じ様に抱きつかれて脚まで絡みついているし、こちらも素肌同士が触れ合っていて温かいのは良いことなのだが、右側の華奢で愛らしい感触とはふた味も違う、圧倒的なボリュームが俺を包んでいるのだ。
うん、確認するまでもない。
天井に固定している俺の視線を右に振れば、安心の黒髪が視界に入るだろうし、左に振ればおそらく、いや間違いなく危険な香りのする金色の髪が目に入るはず。
これは切腹ものだろうか?
この地方一帯を管理する大貴族、ダスティネス家のご息女様が同衾なさっておられることは疑い様もないし、それがあられもないお姿であることも間違いない。
俺の聖剣エクスカリバーがヒーメンブレイカーと化した記憶はさすがにないが、酔っていたとはいえ、大貴族のお嬢様と肌を合わせて枕を共にしたのだから、何らかの責任を負わされることは間違いない。
めぐみんに限って言えば、自由恋愛の末に婚前交渉しました、てへって世界。
必ず幸せにしますからめぐみんを俺にくださいと、華麗な土下座を披露して、ひょいざぶろ~お父さんのぐ~パンチを一発耐えればそれで済む話だ。
子供ができるまでは定住なんて考える必要もないし、めぐみんとなら世界中のどこに行ったって生きていける気がする。
だけどなあ、王国の大貴族のご令嬢様だよ。
本人も王家の盾であるってのが矜持だし、一族揃って敬虔なエリス教徒みたいだから、一夫多妻なんてもっての外だろうし。
そんなメンドク‥‥‥いや失言、そんな厳格なお家のお嬢様をキズモノにしたとあっては、実際には裸ん坊で一緒にお寝んねしましたってだけなんだけど、それでもエライこったからね、ヒーメンブレイクしたかどうかなんて関係ないからね。
もしもさ、責任取ってララティーナお嬢様の婿になりますって言っちまったら、間違いなくめぐみんとは別れさせられる。
当然めぐみんだって黙って身を引くとは思えないし、それは紅魔族への宣戦布告にも等しい行為の様な気もするし、めぐみん個人にしても俺が知る限り人類最強の破壊兵器だし、仮に王国軍が束になって掛かったとしても魔王軍相手に手を焼いてるって時点で、紅魔族相手に勝てそうな気がしないんだよ。
そんなことを考えていたところで、右腕がふっと軽くなったと思ったら、紅い瞳が俺を見下ろしていたんだよ、天使の様な微笑みを浮かべてね。
「おはよう、カズマ。家族が増えましたよ」
そうか‥‥‥、家族か‥‥‥
だったらもう、こう言うしかないよな?
これからどうなるか、ホントわかんないけどさ。
『しょうがねえなあ!』って。
ゆいゆいお母さんの去り際の台詞は『孫の名前は私が付けてあげますからね』でしたね。