※この作品はR-18です。

【R18】 このすばらしからぬ展開にも祝福を!   作:レイトカマー

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 初めましてだね、あたしだよ。
 アクセルの冒険者、盗賊職のクリスだよ。

 だけどまあ、それにしても助手君だよね、見事にすっとぼけてくれたよね。
 あたしにあんなことやそんなことまでして、剰え女神のエリスに那華山車までしといてさ。
 うん、気持ち良かったのは否定しないし、またねって約束までしてるけどね。

 確かに、今はまだ内緒にしてくださいってお願いしたのはエリスで間違いないけど、だからと言って、目の前で見せ付ける様にいちゃいちゃしてるのって何なのよ?
 アクアさんが酔っ払って寝てたから、あそこまであからさまにいちゃついて見せたの?

 どうすんのよダクネスはこれを、こんなにいちゃいちゃしてる二人を許容してるの?
 えっ、なに、ご褒美なの? 放置プレイもなかなかに来るものがあるって?
 お~い、エリス教の敬虔な信徒がそれで良いの? あたし、泣いちゃうよ?

 あたしもパジャマパーティーなんて初めてだけどさ、女の子同士でそんなお話しをするの?
 そっかあ、日に四回なんて普通なんだ。
 そりゃあカズマが凄いってことは、あたしも知ってるけどさあ、言えないけど。
 えっ、なに? 助手君て、カズマって、めぐみんにそんなことまでシテたの?
 そんなこと、ダクネスはともかく、あたしに聞かせても良いの?





第53話 この盗賊の嫁入り順に繰上げを!

 あたしを唆してダクネスを焦らせようとしためぐみんの暴走が始ったところで、カズマが『そろそろ宴も酣でございますが』と、半ば強制的に締めに掛かった。

 

 カズマの膝の上で胸にしな垂れ掛かって甘えながら、あたしを食べちゃえと騒いでいるめぐみんの唇を、あっつい口づけでぶちゅうと封じて黙らせたカズマは、あたしとダクネスに風呂に行けと言ってテーブルを片付け始めた。

 

 着替えがないんだよと言うと、脱衣所にバスローブが置いてあるから今夜はそれで我慢してくれと返して、めぐみんを抱きかかえたままで後片付けを始めたんだ。

 両手が塞がってるんだよ、しかも片手はブラウスの中に潜り込ませて何かしてるんだよ、それなのに詠唱もなしに魔法を使ってるんだ。

 

 別荘のアリの巣でも散々見せ付けられたけど、これってそうそう真似できるレベルじゃないよ。

 ダクネスと一緒にお風呂に向かいながら、あんなの初めて見たよ、驚いたよと、知らないふりでその話を振ると、なぜだか誇らしげにカズマの成長ぶりを話してくれるんだ。

 

 お風呂場の設備もどこかで見たことがある物が色々と並んでいたけど、これも全部カズマの手によるものだと、領地経営の一助にもなっているんだと、嬉しそうに説明してくれるんだ。

 え~っ、そうなの、優良物件じゃんて大げさに反応してあげると、まるで自分が褒められたみたいに照れて見せたんだよ。

 

 ダクネスと一緒にお風呂に入るなんて初めてだけどさ、知らなかったよ、おっぱいて浮くんだ。

 その浮袋で悩殺しちゃえばカズマなんてイチコロじゃんて言うと、実は一度だけ一緒にお風呂に入ったこともあって、自分から好きだとも言ってるし、力尽くで唇も奪ってやったって。

 だったらもう後は押し倒すだけじゃんかと言うと、途端にヘタレて乙女になっちゃった。

 

 そこまでしてて、カズマはいつまでも待てるって明言してるし、めぐみんだって喜んで迎えると言ってるのに、家や信仰の事は‥‥‥、まあ置いといたとしてもよ、どうして踏み切れないの?

 え? なに? そんな小っちゃい声じゃ水音で聞こえないよ。

 

 あっそう、ふ~ん、じゃあお風呂から上がったらおでこに書いてあげるよ。

『私は組み敷かれたい変態お嬢様です』って、そしたらカズマも応えてくれるんじゃないかな?

 でも、カズマはあの通りの体格だし、筋力差もねえ‥‥‥、ちょっと無理なんじゃないかなあ。

 

 ダクネスが襲い掛かった方が成功すると思うんだけど、純情乙女な変態お嬢様の奮起を促すために、ここはやっぱりめぐみんの提案に乗っかってあたしが一肌脱ごうかしら?

 脱がされて乗っかられるのは、あたしなんだけどさ。

 言っとくけど、仕方なくなんだからね、表向きの順番と実態が同じになるだけなんだからね。

 

 お風呂から出たら、廊下に居間の灯りが漏れていた。

 ダクネスと顔を見合わせて、後片付けなんてとっくに終わってるはずと、足音を立てない様に抜き足差し足で覗いてみると、今度は暖炉の前のソファーでいちゃいちゃべたべたあんあんしてた。

 

 あたしたちが覗いていることになぜだかすぐに気付いためぐみんは、カズマの首に回していた腕を解いて、お休みなさいと長めの口づけをして立ち上がると、いつの間に着替えていたのか乱れたパジャマの裾と襟を直してから、カズマに小さく手を振りながらあたしたちの方に歩いて来た。

 いちゃいちゃべたべたは兎も角も、パジャマが乱れるくらい何をあんあんしてたのよ?

 

 

 

「さあ、今夜はパジャマパーティーですよ」

 

「そのパジャマパーティーとは一体何なのだ?」

 

「お貴族様はやらないのでしょうけど、一つの寝室に集ってお喋りに興じる女の子たちだけの夜遊びだそうですよ」

 

「それって、紅魔族の風習なの?」

 

「カズマの国の年頃の娘たちの伝統行事だと聞きました。私も一遍やってみたかったんです」

 

「ふむ、異文化と言うものか? 面白い、それなら私の部屋でやるか」

 

「あたし、この下はすっぽんぽんなんだけど?」

 

「ドレスコードは基本パジャマらしいのですが、別に厳格なものではないそうですから、もちろんそのままで構わないし、ダクネスのせくし~なネグリジェでもOKみたいですよ」

 

 二階に上がると階段の左右に廊下が伸びていて、アクアさん、めぐみん、ダクネスの順に部屋が並んで、カズマの部屋は反対側の廊下の一番奥。

 さっき酔死体を遺棄しに入ったアクアさんの部屋は、結構広くて空瓶がいっぱい転がってた。

 

 遠慮は無用だ入ってくれと、実に漢らしい台詞に促されて入ったダクネスの部屋は、大貴族のお嬢様の部屋とは思えないほど殺風景で、唯一大きな天蓋付きのベッドが豪華なことを除けば、質素な鏡台とテーブルに椅子とドレッサーだけで、防具立てに掛けられた鎧と剣が目を引いた。

 う~ん、ダクネスが冒険者として過ごす部屋だと考えれば、こんなものなのだろうか?

 

「貴族のお嬢様の私室とは思えない質素さだね?」

 

「うむ、この屋敷で過ごす時は冒険者のクルセイダーだからな。パーティーに加入した当初は出自も伏せていたし、身分など関係ない暮らしならこれで十分だと思うぞ」

 

「でも、男の人を招き入れる雰囲気ではありませんね」

 

「そうなのか? ちなみに、参考まで聞かせてくれ。めぐみんは、どうしているのだ?」

 

「私は迎え入れてもらう側ですからね。カズマからは来ないと言ってますし、何よりアクアとダクネスの部屋の間ですから色々と拙いのですよ」

 

「おおっ、結構生々しい話だね。そうか、パジャマパーティーってそんなお喋りをするんだ?」

 

 何がどう拙いのかは、これからじっくりと聞かせてもらおうじゃないか。

 

「異性の前ではできないお話や、昼間には堂々と語れないお話で盛り上がるんだそうです」

 

 大体理解できたよ。すると今夜は、三人でカズマをダシに盛り上がろうって言うんだね?

 と展開を想像してたら、ドアがノックされた。

 

 ダクネスが応える前にめぐみんがドアを開けると、ご注文の品をお届けに上がりましたと、両手に色々と抱えたカズマが立っていた。

 それをドアの所で受け取っためぐみんは、ご苦労様と言ってあたしたちに聞こえる様に音を立ててキスして、なんとそのまま帰してしまったから、やっぱり男子禁制なんだ。

 

 カズマが届けてくれたのは、厚手の敷物とお酒にグラスにお摘みとお菓子が入ったバスケット。

 ベッドの横の絨毯の上に敷物を広げためぐみんは、勝手にテーブルの天板を外して裸足になって敷物の真ん中に据えると、バスケットの中身を並べ始めた。

 

 どうやら床に車座になる遊牧民の宴会のスタイルみたいだ。

 敷物自体に綿が入っていて柔らかいから、どこでも座れるし寝っ転がっても気持ち良さそう。

 なるほど異文化だと感心しているダクネスを放っといて、あたしも裸足になって座ってみた。

 

 ああこれ悪くないかも、知らない解放感がある。

 試しに寝っ転がって頬杖突いてみても、全然違和感がない。

 並べたグラスにめぐみんがお酒を注いでいる間に、ダクネスも裸足になって座った。

 

 大皿に盛られた色んな種類の一口大のお摘みには、短いトゥースピックが刺さってるし、お菓子も指で摘まめる物ばかりで、手指の汚れを気にする必要もなく、礼儀もマナーも何にも気にせずに楽しめるのか、なるほど異文化侮り難し、確かにこれはパジャマ姿で楽しめるパーティーだ。

 

 さっそく乾杯して、リラックスした雰囲気で女の子同士の忌憚のない意見交換に入りましょう。

 それならやっぱりお題はカズマだよね。

 

 

 

「ねえねえ、めぐみん。カズマって、こんなに気が利く人だったっけ?」

 

「人は皆、成長するんだって言ってます。最近は、私が喜んでくれると嬉しいなんて言ってくれるんですよ。どうです? クリスもその輪に入りたくなりませんか?」

 

「うん、なるなる。その場合、めぐみんはあたしを受け入れてくれるのかな?」

 

「さっきも話した通り、クリスがカズマのものになってくれれば、ダクネスが直面している信仰上の障害が薄まって、心理的にも壁を乗り越え易くなります。私はとっくにダクネスのことを受け入れているんですけど、この変態箱入り娘は最後の最後で躊躇っているんです。ねえ、ダクネス?」

 

「いや、だから、そのな‥‥‥」

 

「なるほど、あたしも背中を押してるんだけどね。だったらしょうがないか、やっぱりあたしが先にカズマにもらわれちゃうね」

 

「クリスは受け入れるのか? 一夫多妻を」

 

「別に正式な妻じゃなくても、あたしは全然気にしないかな。領主でも貴族でもないし、あたしが何をしようと咎める人なんていないよ。あたしはエリス教を信仰してるけど、エリス様はダメって言われないと思うよ。王都の教会のお偉いさんの解釈は知らないけど、そもそもエリス様のお言葉は、生涯一人を愛し続けられるならあなたの人生は幸せですと言うことだから、あたしがカズマと同時に他の人を愛さない限り問題ないはずだよ。カズマはエリス教徒じゃないから、何人の女性を同時に愛しても咎められたりはしないしね。それに愛することと結婚は同義じゃないでしょ?」

 

「確かにそれは言えますね。特に王侯貴族の婚姻は多分に政治的で、アイリスだってエルロードのソバカス坊やと婚約していましたよね? アイリスだってエリス教徒でしょう? 国の都合でお金のために結婚するのは、エリス教も許容しているのでしょうか?」

 

「それを言われると、返す言葉もないが‥‥‥、なあ、どうしてめぐみんはカズマを独り占めしたいとは思わないんだ?」

 

「そうそう、あたしもそこが一番気になるかな」

 

「色々と理由はあります。私だってできることなら独占したいです。でも、あの人は何度も死んでしまいましたよね? その度にアクアが蘇生してくれましたけど普通は有り得ないことですよね? あの人は私の目の前で何度も死んでしまいました。カズマは運は良いけど決して強い人じゃありません。私だけでは弱いカズマを守れないのです。次も必ず生き返るとは限らないのです」

 

「その場には私もいたじゃないか、めぐみんだけの責任じゃないし、私もいたのに守れていない」

 

「そう、だからもっと欲しいんです。カズマを愛して守ってくれる人が。でも、私もカズマに愛して欲しいから、独り占めしたい人じゃだめなんです」

 

「あたしならカズマを独占しないと思ってるの?」

 

「もちろん、そう思っていますよ。私もクリスのことは好きですから」

 

「あたしもめぐみんが好きだよ。今夜一緒に寝る?」

 

「良いですけど、できればカズマに夜這いを掛けて欲しいですね。ヘタレなお嬢様にプレッシャーを掛けるためにも」

 

「色々と理由があると言ったな、二度と死んで欲しくないのは私も同感だが、他にもあるのか?」

 

「将来の危機回避のためでもあります」

 

「将来って? 具体的な危機が想定されるの?」

 

「カズマに想いを寄せる娘が成人します。おそらくその娘はカズマを独占することを望みます」

 

「それは、まさか‥‥‥?」

 

「ええ、そのまさかです。ベルゼルグ王家第一王女のアイリスですよ。あの娘は美人になります。そして、アイリスにとってカズマ以上に惹かれそうな男性に、心当たりがありますか?」

 

「し、しかし、王家の姫様だぞ?」

 

「だからこそ問題にならないのです。大貴族の子弟だろうが平民だろうが、自分より身分が低いわけですからその高低は関係ありません。その気になれば高い身分を与えることも可能でしょう?」

 

「確かに有り得ないとは言えないが、それなら妻の数が多ければ障壁足り得るのか? 王家の姫様が側室入りなど許されるはずがないから必ず正妻になるだろうし、そこでも国教たるエリス教徒であることが前提になるから、配偶者も有無を言わさず信徒にされる。そうなれば一夫一婦だ」

 

「数ではありません、質です。王国の権力を背景に私からカズマを奪おうとするなら、それは紅魔族を敵に回す事と同義です。更には王家の盾たる大貴族の恋人までいるとしたらどうでしょう?」

 

「確かに力尽くで奪うのは無理だな。だが、カズマが私たちよりも姫様を選んでしまえば?」

 

「そうなってしまったら涙を飲んで諦めるか、若しくは奪われるくらいならいっそのことと言う選択肢も無きにしも非ずですが、そうならない様に努力したいとも思っています」

 

「あたしたち三人の愛で繋ぎ留めるの?」

 

「三人で足りれば良いのですが‥‥‥」

 

 そこで言葉を切っためぐみんは、何かを思い出した様にお酒を一口啜って、何だか遠い目をしてるんだけど、ねえ、どうして顔が綻んでるの? 口元が緩んでるよ?

 

 

 

「アクアも‥‥‥とか?」

 

 おっと、ダクネスが爆弾をぶっ込んで来たね。

 確かに外見だけを見ればアクアさんは美女、カズマが惚れちゃっても不思議はないんだけど。

 

「おそらくそれは有り得ないと思います。カズマはアクアのことをそんな対象とは見ていない節があります。現にカズマは私と話すときはアクアのことをオカンと呼んでいます。オカンとは、カズマの国の一地方の方言で母親のことを指すそうです」

 

「アクアさんが、カズマの‥‥‥ママなの?」

 

「ダクネスも知っているでしょう? アルカンレティアで魔王軍幹部のハンスと戦って死んだときに、カズマがどんな姿になってしまったか」

 

「確かに‥‥‥、溶かされてしまって骨だけしか残らなかったな‥‥‥」

 

(はい、確かに私も天界で見てしまいました)

 

「そこから肉体を再構築して、魂と記憶を呼び戻したのはアクアなんです。今のカズマの肉体は、言ってみればアクアが生み出したものなのですよ。アクアのリザレクションが凄まじい力を持っていることを、私たちはいつの間にか自然に受け入れてしまっていますが、カズマの体は昔のままではないのです。これは私の推測で何らエビデンスに裏付けられたものではありませんが、カズマは死ぬ度に生まれ変わっているのです。そしてそれは、アクアの神の御業で」

 

「カズマの肉体がアクアさんのことを、番となる対象から除外していると? それも無意識の内に母親の様な存在だと思わせていると?」

 

「そう考えています。でなければ、中身は兎も角、あれだけ完璧なプロポーションと美貌の持ち主のアクアに、とってもえっちなカズマが全く興味を示さないことなど有り得ないはずです」

 

「うむ、そこは確かに同感だな。だが、あの中身が原因と言うことは考えられないのか?」

 

「カズマのとってもえっちな本能が、相手の中身で左右されるくらいなら、ダクネスに好きだと告られて、唇まで奪われて喜んでいるはずがないでしょう?」

 

「なるほどな、いや、ちょっと待て。それはどう言う意味なのだ? このパジャマパーティーと言うものは、こんなご褒美‥‥‥、いや、責めもアリなのか?」

 

「そこで、ハアハアと息を荒げて頬を染めるドMな性癖すらも、カズマは個性として受け入れているのですよ。それくらいあの人はとってもえっちなんです」

 

 う~ん、納得だねえ、さすがは知力にも優れると言われる紅魔族だね、見事な推論だよ。

 そっかあ、アクアさんはカズマのママだったのか。

 

 

 

「じゃあさ、あたしたち三人で足りないかもと言うのは、具体的にどんなとこが?」

 

「では、ズバリ聞きます。クリスは経験はありますか?」

 

「経験て言うと、アレのことだよね?」

 

「そうです、男女のアレです」

 

「あったよ、随分前のことだけどね」

 

「関係を断てたのですか? エリス教徒なのに?」

 

「うん、同じパーティーの仲間だった。もう二度と‥‥‥、会えないんだ‥‥‥」

 

 悲劇的な別れじゃなかったけど、証人もいないし結果しか伝わっていないし、嘘でもないからセーフだよね?

 

「ごめんなさい、無神経なことを聞きました。でも、大事なことなんです」

 

「わかってるよ、めぐみん。それで? 百戦錬磨のクリス様に何をお望みかな?」

 

「私一人では、その‥‥‥、たぶんカズマの本気を受け止めきれないと思うのです」

 

「本気のアレ?」

 

「はい、本気のアレです‥‥‥」

 

「手加減されてるの?」

 

「おそらく‥‥‥」

 

「物足りなさそうにしてるの?」

 

「いえ、そんな雰囲気は見せていませんが、その‥‥‥、何と言いますか‥‥‥、賢者にもならないし、終わった後も優しくて‥‥‥、その‥‥‥、余裕たっぷりなんです」

 

「参考までに、え~と、日に何回?」

 

「今はまだ最高で四回です。まだまだ余裕がありそうでしたが、私が力尽きました‥‥‥」

 

「えっ、そんなに? タフなの?」

 

「タフと言うか、底が見えませんでした。それに‥‥‥」

 

「それに?」

 

「知識と言いますか‥‥‥、技巧的にも‥‥‥、その‥‥‥」

 

「凄いの?」

 

「はい‥‥‥」

 

「二人とも、初めて同士なんだよね?」

 

「そのはずですが、カズマは急速に上達しました。私がそれについて行けてない状況です」

 

「な~るほどねえ、ベッドの上の魔王様ってことだね。これは倒し甲斐がありそうだ」

 

「済まない、話が良く見えないのだが、要するにカズマは、せ、精力が、と言うことなのか?」

 

「私は比べたことがないので何とも言えませんが、話に聞く内容よりは遥かに‥‥‥」

 

「ら、乱暴にするのか?」

 

 こらこら、処女のお嬢様がそこで唾を飲むんじゃない。

 

「乱暴にされたことは一度もありません。まるで壊れものを扱うみたいに凄く優しいんです♥」

 

 こらこら、処女のお嬢様がそこでがっかりするんじゃない。

 そうか、カズマって凄いんだ、身に沁みて知ってるけど。

 ふ~ん、だけどこれは渡りに舟ってやつだね。

 

 酒精も手伝って饒舌になっためぐみんは、それからも具体的な体験について色々と語ってくれたけど‥‥‥、えっ、そんなことしたの? うっそ~、初めて聞いたよ、なになに、それってどうやるのって具合に、あたしの知識も色々とアップデートできたよ、うん、感謝だね。

 

 

 

「それじゃ、行ってくるよ。本当に良いんだね、めぐみん?」

 

「私はクリスを歓迎します。私とカズマの家族になってください」

 

 そう言ってめぐみんが握らせた小さなガラス製の容器には、ピンクの液体が揺れていた。

 

「何なの? ポーション?」

 

「ギルドで売っている経口避妊薬ですよ、知りませんか?」

 

「あたしたちの頃はなかったんだよ。効くの?」

 

「私はずっとそれです。アクアが監修してから、安全性と薬効が飛躍的に改善しているそうです」

 

 そうなんだ、知らなかった。

 

「ダクネス、悪いけど先に行くね」

 

「複雑な気持ちではあるが、成功を祈っている」

 

「性交ね?」

 





ヤリ過ぎは体に毒ですので、今週はデトックス用二話をお送り致しました。
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