※この作品はR-18です。

【R18】 このすばらしからぬ展開にも祝福を!   作:レイトカマー

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第6話 この傷心の魔法使いに再起動を!

「さて腹が減ったろ? 最弱職の料理スキルで朝飯作っといたから」

 

 俺は背嚢に括りつけてきた敷物を日陰に広げると、背嚢からサンドイッチを取り出して、スープを詰めてきた容器を人間電子レンジ魔法で触れられる限界まで温めて、朝から何も口にしていないめぐみんに手渡した。

 

「おいしいです。こんな山の上で、恋人が作ってくれたお弁当を食べられるなんてまるでピクニックに来たみたいです」

 

「うん、いい響きだよな。恋人とピクニックかあ‥‥‥」

 

「どうしてそこで泣きそうな顔になるんですか?」

 

「うん? ああ、感慨深くてな。なんせ、そんな経験今まで一度もなかったから」

 

「その割には、昨夜は随分と余裕がある様に感じましたけど?」

 

「そりゃあ、一世一代の大勝負だもの、一生懸命がんばりました」

 

「とても優しかったです‥‥‥、あの、私って、その‥‥‥、どうでした?」

 

「抱き心地満点、肌触り150点、その先はもう点数なんかつけられねえ」

 

「即答ですね、嬉しいです」

 

「それよっか、その、アッチは大丈夫なのか? 我慢できずに出しちゃったけど」

 

「アッチ? ああ‥‥‥、赤ちゃん‥‥‥、ですか?」

 

「う、うん‥‥‥、何ていうかその‥‥‥、二回もめぐみんの中に‥‥‥」

 

「出来ちゃってたら‥‥‥‥‥‥、どうします?」

 

 どうしますって聞かれても、そりゃもうどうしようもないだろ。

 しちゃったわけだし、責任取んなきゃいけないだろうし。

 だけど、俺がパパかあ‥‥‥、うん、それも悪かないかな。

 

「まあ、そんときゃそんときだな。まだ父親になれる自信はねえけど、金はあるし屋敷もあるから、里からお母さんに来てもらえれば、なんとかなるかなって。お父さんはわかんないけど、孫の顔が見られるってんならたぶん許してくれるだろう」

 

 うん、言うたったぜ、完璧な回答だと思うぞ。

 なのになんでこの娘は、俺の顔見てクスクス笑ってるんだ?

 なんかおかしかったか?

 

「女性は冒険者になるときに、ギルドで講習を受けるんです。防止するためのお薬も売ってくれるんですよ、知りませんでした?」

 

「‥‥‥知りませんでした」

 

 そうですか、それは知りませんでした。

 そうかあ、男と違って色々とあるもんな。

 

「まず、パーティーが行き詰まる原因の第一だそうですよ」

 

「男女でパーティー組んでるとありがちだよな。吊橋効果って話も聞くし」

 

 例えに上げてなんですが、ソードマスターの勇者のアララギさんだかカツラギさんだとかのとこの、二人のふんどし娘たちだって、あからさまにアピールしまくっていらっしゃるし、どちらかのお腹がポンポコリンになったりしたら、あの三人の関係はどうなっちまうんだろうな?

 

「それから、月のものが始まると、血の匂いで魔獣や獣を引き寄せてしまいます」

 

「なるほど、危険が増すんだな?」

 

 確かにそれは、男たちの認識の中では聞いたことがなかった。

 女性冒険者は、そんなところまでコントロールしながらクエストに出てたのか。

 

「そして最後に、意にそぐわぬ相手に襲われても、最悪孕むことが無いようにと」

 

「山賊に不良冒険者、トチ狂った仲間ってか‥‥‥」

 

 これも深刻な話だよな、何日も風呂に入ってない野郎に襲われて、ご褒美だって思えるのは特定の性癖をお持ちのお嬢様くらいのもんだから。

 

「魔獣もです」

 

「そ、そうか‥‥‥」

 

 そういや、ゴブリンやオークって、人間相手に繁殖可能だったな。

 オークなんて‥‥‥、いやよそう。

 思い出したくもない。

 

「だから‥‥‥、大丈夫なのです‥‥‥」

 

「そ、そうか、ごめんなそんな大事な事、気づかなくて‥‥‥」

 

 努めて優しくしようと思っていたのに、肝心なことを忘れて、なるようになるさと思っていた自分の心根を恥じました。

 

「いえ、気にしてくれていただけでも嬉しいです」

 

 そんな聖母みたいな表情で微笑まないで。

 自分の罪深さに凹んでしまいそうになりますから。

 しかし、めぐみんてホントにいいおんなだったんだなあ‥‥‥

 

「ところで、今日はこれからどうするんですか?」

 

 そう、俺のテレポートで跳んできたから、時間はたっぷりあるはず。

 

「それなんだけど、あそこの宿からここまで歩いてどんくらいかかるかなあ?」

 

「う~ん、これくらいの距離だと、ざっと2時間というところでしょうか?」

 

 やっぱりそうか、こればっかりは実際に歩いてみないとわかんないもんな。

 丘や谷や森もあるし、道が真っ直ぐ通っているはずもないし。

 

「すると、本当ならここに到着するのは昼前くらいだな。その頃になったら岩山の反対側に一発撃ってくれ」

 

「つまり、カズマがテレポートを使えることは、当面内緒にするのですね?」

 

「察しが良くて助かる。今のところは唯一の切り札だからな」

 

「ということは、4時間くらい二人っきりでいられるんですね?」

 

「ま、まあ、そういうことだな」

 

 いやん、見透かさないでぇ。

 

「もしや、爆裂魔法を撃った後、魔力切れで動けなくなった私に‥‥‥?」

 

 あんなことや、そんなことをって?

 それを妄想して期待したら、あの変態クルセイダーと同じだぞ。

 さすがに無抵抗の相手、それもロリっ子にいたずらなんかしてたら、人生詰んでましたがな。

 

「今までだって、何もしてないだろ?」

 

 だがしかし、今では俺とめぐみんは全てを許し合った恋人同士。

 もはや、何をためらう必要があるだろうか?

 むしろ、ためらう方が失礼というものでは?

 

「これからも‥‥‥、ですよ?」

 

 ナニ、この子? 超能力者? それとも紅魔族は人の心が読めるとか?

 

「うぅっ‥‥‥、そ、それは‥‥‥」

 

 ええと、ロリっ子枠をご卒業なさって、大人のおんなにおなりあそばされたのでございましたね、某魔道具店の店員の見通す悪魔じゃありませんもんね。

 

「我慢しないんですか?」

 

 ええ、それはもうたいへんおいしくいただかせてもらいましたから。

 機会がございましたら、またぜひに何度でもと。

 

「し、しなきゃ‥‥‥、ダメデスカ?」

 

「私もカズマのことは好きです。愛しています。いつでも、どこでも、愛して欲しいと思っています。だから、カズマの気持ちもわからないでもありませんし、正直なところを白状すると、私の中にもそうして欲しいという欲求もあります。でも、獣や魔獣が跋扈する荒野で、無謀にも警戒を怠って愛を確かめ合うなど、自殺にも等しい行為だとは思いませんか?」

 

「デ、デスヨネー」

 

「だから‥‥‥」

 

「ダカラ?」

 

「今は、これくらいで我慢してくれませんか?」

 

 岩を背にしてもたれていた俺に、しな垂れかかる様に体を預けてきためぐみんは俺の手を取って頬ずりしながら紅い瞳で見上げている。

 

 その華奢な肩を抱いて細い顎を指先で持ち上げると、瞼を閉じためぐみんは花びらの様な唇を薄く開いて軽く突き出した。

 う~ん、逆効果の様な気もするけど‥‥‥

 

 ちょっとだけマスタードの香りが残るキスの後、俺はなけなしの理性を総動員してめぐみんの体を膝の上に抱き直すと、背嚢に括り付けてきたブランケットをかけてやった。

 

「まだ眠いだろ、時間になるまで休んでな」

 

「カズマは大丈夫なんですか?」

 

「ああ、まだ興奮してっからな、嬉しくって眠れそうもねえや」

 

 クスリと笑っためぐみんは、嬉しそうに微笑んだまま瞼を閉じた。

 俺は腕の中で寝息を立て始めためぐみんが愛おしくて、ずっとこんな時が続いて欲しいと願った。

 

 

 

 めぐみんが眠っている間、俺は右の手の平をめぐみんのお腹の比較的下の方辺りに乗っけて、といってもブランケットの上からだけどな。

 痛いの痛いの飛んでけ~と、脳内で繰り返していた。

 

 実は俺のスキルリストには、初級の『ヒール』が入ってる。

 いくら頼んでも脅しても、アクアが教えてくんなかった回復魔法の初心者用だ。

 ギルドで魔法使いのお姉さんに、シュワシュワを三杯おごって教えてもらった。

 

 今の俺の魔力じゃ、せいぜいかすり傷や筋肉痛くらいにしか使えないけど、それでも気休めにはなるんじゃないかと思ってね。

 鍛えていれば、その内に魔力だって増えるかもしんないし。

 

 昨夜めぐみんの初めてをもらった時、つっかえる様な感じがした。

 俺は、現代日本人の基礎知識とシュミレーションで学習した内容に従って、聖剣エクスカリバーに力を込めて一気に腰を入れたんだ。

 

 すると何かが裂ける様な、引き千切れる様な感触があった。

 一瞬めぐみんの体も強張ったし、痛みを堪えている様な表情も見せた。

 苦しくないかと聞いても無言で首を横に振ってたけど、瞼をぎゅっと閉じてた。

 なんていじらしいんだろうと思ったよ。

 

 終わった後にさ、ゆっくりと引き抜いた時にさ、腰を引きながらな丸い片方のお尻を軽く少し持ち上げて、スティールの応用でこっそり引き寄せたタオルを敷き込んだんだ。

 

 うん、俺のに混じって紅い染みができてた。

 嬉しかったのが半分、申し訳ないと思ったのが半分の複雑な気持ちだった。

 だけど、それで覚悟は決まったかな。

 

『出来ちゃってたら‥‥‥、どうします?』と聞かれた時だって、ちゃんと目を見て素直な気持を言葉にできた。

 だけどモーマンタイなんだってさ。

 ちょこっとだけパパになった自分を想像してしまった。

 

 腕に抱っこしてたのは黒髪の、もちろん女の子、パパのお嫁さんになるって。

 くう~っ、嫁にはやんないぞって思ったら、ヒョイザブローお父さんの顔を思い浮かべてしまった。

 ゴメンナサイ、俺、絶対にめぐみんを幸せにしてみせます。

 

 

 

 そろそろ時間だぞって起こしてやったら、何だか腰が軽いと不思議がっていたから、俺の未熟なヒールも長い時間繰り返せば少しは効果があるのかもしれない。

 ちょっと嬉しかったけど、そこんとこには触れずに、そんなら思いっ切りぶっ放してくれと言ったら、『いいでしょう、見せてあげますよ』といつもの調子に戻っていた。

 

 うん、お見事としか言いようがないよね。

 岩山の向こうの空に広がった幾重もの巨大な虹色の魔法陣は、目も眩まんばかりの光の柱を大地に突き立てて、一瞬で辺り一面の景色を歪めながら広がった透明な衝撃波に遅れて、雷鳴の轟など比べようもない爆音を響かせた。

 

 その一発に、数日分の魔力のありったけを込めためぐみんは、全身の力が抜けてその場に崩れ落ちようとする。

 その華奢な体を差し伸ばした両腕で受け止めて、いわゆるお姫様抱っこで回収した俺は、評価点を聞こうとする可愛い唇を触れるだけの軽いキスで塞いで、もう点数なんて付けられないやと伝えて、片目をつぶって見せた。

 

 それから2時間ばかり、膝の上に抱いた華奢な恋人との触れ合いを、とりとめのない話と時々交わす甘い口づけで楽しんだ俺は、爆発しろと妬まれるリア充の余裕で、さあ、大魔法使いの復活を皆が待っているから、そろそろ帰ろうと促した。

 

 敷物を畳んで丸めて背嚢に括りつけて、背負おうとしたところでめぐみんが抱きついてきた。

 

「本当にありがとうございます。おかげで色々と吹っ切れました。やっぱりカズマは私にとってかけがえのない人です。好きです、愛しています」

 

 頬を染めて、紅い瞳で真っ直ぐに俺を見詰めてそう告げるめぐみんを、きつく抱き締めて耳元で囁くように答えた。

 

「めぐみんと出会えて良かったよ。最強の魔法使いはとってもいいおんなだった。俺もめぐみんが大好きだ、愛してるよ」

 

 そして爆発しろと妬まれるリア充の余裕で、俺は熱い抱擁を交わしている可愛い恋人と唇を重ね合った。

 

 

 

 背嚢を背負っためぐみんをおんぶしたまま、街道近くの林の中の草原にテレポートした俺が、林を抜けて何食わぬ顔で街道に出ると、背中の可愛い恋人がクスクスと笑っている。

 

「秘密を抱えるということは、結構面倒くさいものなのですね?」

 

「そうだな、その辺りも含めて色々と考えてるけど、皆の前では当面の間、今まで通りってことでお芝居してくれな?」

 

「わかってます。ちょっと寂しいですけど。寂しさを我慢できなくなったら、こっそりとカズマの部屋に行きますね」

 

「ああ、気長に待ってるよ。先に言っておくけど、俺からは行かないからな」

 

「私に会いに来てはくれないのですか?」

 

「女性陣三人の部屋は隣り合わせで固まってるからな、ぼろが出るとまずい。俺はひたすら待つことに徹するよ」

 

「わかってます。ちょっとすねてみたかったのです」

 

「いいおんな必須の上級スキルだな? 憶えておくよ」

 

「でしょう?」

 

 お子様みたいにおんぶされてる大人の女性は、まんざらでもなさそうに笑った。

 そんなところも可愛いと思えるのは、俺も一皮むけたからだろうか?

 

 

 

 宿場を守る城壁の門を潜って宿に向かうと、玄関の前で待っていた三人が俺たちの姿に気づいて、めぐみんの名を呼びながら駆けて来る。

 

「なんだか、後ろめたい様な気持ちがこみあげてきました」

 

「頼むぞ、いいおんなの上級スキルの見せどころだ」

 

「めぐみ~ん、お帰り~。童貞ニートに変な事されなかった?」

 

「おい、トイレの駄女神、お前とはきっちり話をつけなきゃなんねえな?」

 

「もう大丈夫そうだな。めぐみんが元気じゃないと、私たちも寂しいぞ」

 

「あの、めぐみん‥‥‥」

 

「わかってますよ、ゆんゆん。ただいま、心配してくれてありがとう。アクアにもダクネスにも心配をかけました。全部吹っ切れましたから、もう大丈夫です。仲間も友達も本当にありがたいものですね」

 

「ということで、今夜は祝勝会をやるからな。めぐみんの酒も解禁だ」

 

「本当ですか? それは嬉しいです」

 

「けど無茶するんじゃないぞ。ダクネスは年長者なんだから、気を配ってくれな」

 

「おう、任せてくれ。淑女の飲みかたを指南しよう」

 

「いや、冒険者で十分なんだが、変な性癖をマスターされても困るし」

 

「おいカズマ、お前は私のことを何だと思っているのだ?」

 

「そんな恥ずかしい事、ララティーナお嬢様の前では申し上げられましぇ~ん」

 

「カズマ、貴様あ~~、ぶっころ~~~!」

 

 

 

 その夜の祝勝会は盛り上がった。

 復活しためぐみんは、初めての酒で饒舌になっていたが、俺との事は一切ぼろを出さなかったあたりは大したものだ。

 

 それでもやっぱり飲み過ぎたのか、初めての酒で酔い潰れてゆんゆんの膝で眠ってしまったので、ダクネスが部屋まで運んでアクアが魔法でアルコールを抜いてくれたから、二日酔いにはならないだろう。

 やっぱりアークプリーストがいるのといないのとじゃ大違いだな。

 

 祝勝会は言うと、女性陣の全く脈絡のない話があっちこっちに飛び回っていたのだが、どうしてあれで会話が成り立つのか、俺にはさっぱり理解できなかった。

 

 ひょんな流れから、前領主のアルダープのおっさんに話が及んだのには笑ってしまったが、俺も引きずり込まれて中々に味わい深い会話が交わされた。

 何せこのメンバーこそが、あの結婚式をぶち壊した主犯なのだから。

 

「結局カーズマさんたら、20億エリスの金貨をぶちまけて、お姫様抱っこで攫ってきたダクネスに体で払えと言っておきながら、いまだに飼い殺しにしてるんですものねえ、あれから指の一本くらい触れたのかしら?」

 

「するわけねえだろ、最終的には王国から補填されたんだから、全て無効だ。第一ダスティネス家が借金を背負った原因だって、人の話を聞かねえお前が、洪水で街をぶっ壊したからじゃねえか」

 

「まあまあ、アクアもカズマも、済んだことはもういいじゃないか。いずれにしろ私も父もお前たちには感謝している」

 

「おや、貴族の特権を行使して、バツイチの過去を無かったことにしたお嬢様が、何かほざいていらっしゃいますよ?」

 

「お、おい、めぐみん。バ、バツイチなどと言ってくれるな。私はまだ清い体だ」

 

「そうね、確かに清いわ、体だけは」

 

「おい、アクア。ダスティネス家は代々清廉潔白を標榜してきたのだぞ」

 

「そっちじゃないわ、その熟れた体に秘められた性癖の方よ」

 

「そう、そこなんだよな。俺たちは大切なパーティーの仲間の窮地を救うために、あんな無茶をしたわけなんだが、本当にあれは、このドMなお嬢様の人生にとって幸福なことだったのだろうかと、今でも考えてしまうんだよなあ」

 

「カズマさんは、ダクネスさんがあの悪辣極まる元領主に蹂躙されても構わなかったって言うんですか? 私だって、犯罪者まがいの真似までして協力したのに」

 

「ゆんゆんは親友の頼みだから、その手を汚したんだろう? だけどさあ、今回砦に向かう途中でこの宿に泊まることになったのは、どうしてだったかなあ?」

 

「あっ、絶滅危惧種の山賊のおじさんたちに遭遇したんだったわ」

 

「そうですね、ダクネスが嬉々として追い回していましたね?」

 

「ひょっとしてダクネスさん‥‥‥、襲われたかったのですか?」

 

「みゅいん!」

 

 ゆんゆんの一言が、ツボにクリティカルにヒットしたダクネスは、意味不明な言葉というか擬音を発すると、頬を染めて胸を押さえながらハアハアと荒い息を吐いている。

 

「とまあ、このような性癖をお持ちのお嬢様を満足させられるとするなら、女性に対する扱いが鬼畜とまで噂されたアルダープのおっさんを除いて、一体誰がなしえるんだろうなって」

 

「じゃあ、何? 私たちって、ダクネスの幸せな人生をぶち壊したってこと?」

 

 いやいや、アクア、真顔でそんな核心に迫ること言うなよ。

 ダクネスの鼻息が荒くなってるぞ。

 

「いやまあな、人の心の内側は誰にも計り知ることが‥‥‥、あれ?」

 

「いましたねえ、一人‥‥‥」

 

 めぐみんもそんな迷惑なヤツに思い当たったようだ。

 もっとも、アイツを一人と数えるべきかは何とも言えないが‥‥‥

 

「それって、ウィズさんの魔道具店の‥‥‥」

 

 ゆんゆん、君も容赦がないねえ、ほら変態クルセイダーがのけぞってるぞ。

 

「それならダクネス。明日アクセルの街に帰ったら行ってみましょうよ?」

 

 さすが無慈悲なトイレの駄女神さまは、全然容赦がなかったな。

 

「ハアハア、なんという責めだ。仲間内の宴会の会話がこんなにも‥‥‥」

 

「ヨシ、ワダイヲカエヨー」

 

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