※この作品はR-18です。

【R18】 このすばらしからぬ展開にも祝福を!   作:レイトカマー

7 / 111
第7話 この留守番の密事にアリバイを!

 アクセルの街にゆんゆんのテレポートで帰ってきた俺たちは、もちろんウィズの店には行かなかった。

 見通す悪魔のバニルが看破する、ダクネスの内なる思いを怖くて聞きたくなかったこともあるが、あいつの客を迎える挨拶に警戒したってのもある。

 

『へい、らっしゃい! ついにネタ種族の娘と一線を越えて悦に入るお客様よ』

 

 なあんてやられた日には、ダクネスの内なる思いどころではなくなってしまう。

 その内に、今回の遠征に対する報酬と褒賞がギルドを通じて貰えるはずだから、屋敷でのんびりと商品開発をしながら知らせを待っているところだ。

 

 めぐみんは隙あらばくっついてきたり手を握ったりして、夜更けにこっそりと俺の部屋を訪ねてきて、お互いの愛を確かめ合って朝まで一緒に眠ったりもしたが、その行動が日に日に大胆になってきて、アクアとダクネスの二人の姿がなければ、居間だろうがどこだろうが構わず抱きついて、キスを強請るようになった。

 

 本人曰く、一緒に暮らす大切な仲間にも隠し事をしているという背徳感で、ついつい昂ぶって我慢できなくなってしまうんだと。

 頬を染めるめぐみんが可愛くて、まあばれなきゃいいかと俺も鷹揚に構えてたんだが、この間は危うく俺たちの関係が露呈してしまいそうになった。

 

 

 

 魔王軍迎撃戦の噂がアクセルの街にも届いたある日、砦の城壁を修復した技術を学びたいと、アクセルの職人組合から講習会の講師としてアクアが招かれたのだ。

 その日はダクネスも、領主代行としての責務を果たしてくりゅと言って、朝から実家に帰ってしまったので、そうなればめぐみんと二人っきりでお留守番だ。

 

 キャッホー!

 

 意気揚々と出かけるアクアを『イッテラッサー』と、めぐみんと二人で手を振って見送ったら、玄関を入ったところでギューっと抱き合って、熱い抱擁と口づけを交わした。

 

 そこからはずっとイチャイチャべたべた。

 まあ、めぐみんの可愛いこと可愛いこと。

 朝から恋人と二人っきりだもんな、爆発しなきゃいけないリア充としては、世の童貞諸氏から十分に妬まれる行動で、反感を煽るのが課せられた義務だもんな。

 

 台所で朝食の後片付けと昼食と夕食の下拵えをしていたら、テレポートで跳ぶのなら日課の前に時間が取れますよねと、めぐみんが背後から抱きついて耳元で熱い息を吐きかけるから、おぼえたての身体強化を自分にかけて、秒速で台所仕事を済ませると、お姫様みたいに抱き上げて自分の部屋へとエスコートした。

 

 あのお店のシュミレーションで身につけたスキルで、めぐみんが身に着けていた衣服を、キスの雨を降らせながら優しく剝ぎ取っていくと、とろとろに蕩けた表情の美少女、おっと、可愛いおとなのおんなが俺の腕の中で甘い吐息を漏らす。

 

 カーテンの隙間から差し込む午前中の柔らかな日差しは、床や天井で反射して、めぐみんの若さ溢れる瑞々しい素肌を柔らかく照らし出してくれるが、できる男に変貌した俺は、そこでゴクリと生唾を飲んだりはしないのだ。

 

 両手で胸の膨らみを隠しながら唇を尖らせて、明るすぎて恥ずかしいですと抗議する口を、聞こえないフリして唇で塞いで舌を絡め取っていると、諦めたのか俺の首に両腕を回して吸い返してきた。

 

 嗚呼嬉しき哉、この素晴らしい留守番に祝福を!

 努めて優しく優しくめぐみんをベッドに横たえると、潤んだ紅い瞳で両腕を伸ばして俺を誘う。

 

 瞬時に上下のジャージを下着ごと脱ぎ捨てて、綺麗だよ、可愛いよとシュミレーション通りの言葉を棒読みにならない様に、芝居がからない様に、自然に繰り返しながら、横たわるめぐみんに寄り添う様に横になると、潤んだ紅い瞳を瞼で隠した可愛いおとなのおんなのめぐみんが抱きついてくる。

 

 何という幸福感、更にもう一度、この感動を言葉にしようじゃないか。

 嗚呼素晴らしき哉、この麗しい柔肌に祝福を!

 

 腕枕に供した左手で華奢な左肩を包む様に抱き、自由な右手で腰から脇腹へと撫で上げながら、唇を重ねては啄み、啄んでは吸い、そして舌先で花びらの様な唇を割って口腔への侵入を果たすと、そこには可愛い舌が俺がくるのを今か今かと待ち焦がれていた。

 

 もはや遠慮はいらない。

 王宮の舞踏会の様に、絡み合って舞い踊るだけだ。

 お互いの唾液を交換し合いながら、ぴちゃぴちゃと奏でる水っぽい音色のリズムに乗せて、飽きるまで円舞曲を舞い踊ればいい。

 

 踊り疲れたら今度は散策の時間だ。

 頬を、耳たぶを、喉元を、首筋をと唇を這わせて、ときには甘噛みしたり、ときには舌先で触れるか触れないかのギリギリの境界で擽る様に舐めても良いし、思い切り広げた舌で大胆にぺろりと舐め上げても良い。

 

 愛する恋人の柔肌は、繊細な楽器と同じだと思った。

 とは言っても楽器を演奏する才能もなかったし、そのための努力とも無縁だったし、聞くだけでもバイオリンやチェロの様な高尚な楽器に全く興味は無かった。

 

 リコーダーを咥えた同級生の女子生徒に興奮する様な性癖とも無縁だったけど、少なくとも今この瞬間は、恋人という名のとても繊細で素敵で心から愛しいと思える楽器を奏でている実感がある。

 

 俺の唇と舌が、めぐみんの柔らかな素肌を繊細な楽器の弦の一本一本に見立てて触れるとき、右の手の平と指先は、反対側の柔肌を休むことなく撫で上げて、より反応の強い場所を探し求めている。

 

 最初は擽ったがったところも、今ではそこを指先で微かになぞると、ぴくんと体を震わせて応えてくれる様になってきた。

 たぶんそこは現代日本人男子の基礎知識、所謂性感帯で間違いないのだろう。

 

 ネット上の情報でしか知らなかったひとつひとつが、今まさに眼前で、現実のものとして確認できている。

 それも、自らの手指の動きで、触れている温かくて柔らかい素肌の感触で。

 

 そしてときおり体を震わせて、可愛い唇から切なそうに漏れる熱い吐息と、我慢しきれずに零れる掠れた様な甘い声がそれを証明してくれている。

 俺の拙い愛撫にも敏感に反応してくれるめぐみんが愛しくて、時間が過ぎるのも忘れて、柔らかい肌と甘い吐息と、聖剣エクスカリバーを迎えて絡みつく熱い泉の締め付けに酔いしれた。

 

 

 

 結局そのまま俺たちは昼までベッドの中にいたし、俺の聖剣エクスカリバーは、めぐみんのおなかの中にいた。

 

 既に一回、めぐみんの中にエクスプロージョンを放ったものの、俺は賢者にもなれずに性者のままで、俺の聖剣は魔力切れの気配せ見せることもなく、めぐみんの華奢な体を貫いてその雄姿を保っていた。

 

「ね‥‥‥、ねえ‥‥‥、カズマ‥‥‥」

 

 熱くて荒い吐息の合間に、潤んだ紅い瞳で見上げながら、途切れ途切れに掠れた様な甘い声で、めぐみんが呼びかけてくる。

 

 俺はめぐみんに体重をかけない様に、首の下を通した左腕で上体を支えながら、手の平で華奢な肩を包む様に抱いて、右手はめぐみんの胸の左の胸の膨らみの柔らかさを楽しみつつ、まだおんなになって日も浅いめぐみんを愛おしむ様に、優しくゆっくりと腰を前後に振っていた。

 

 めぐみんが名付けた俺の聖剣エクスカリバーは、めぐみんの温かくて柔らかい、それでいて熱く絡みつく様に締め上げてくる泉を、ゆっくりと掻き分けながらその奥底まで貫いては、しとどに溢れる蜜を掻き出す様に引き戻している。

 

「ん? どうした?」

 

「んんっ‥‥‥、あっ‥‥‥、い、いじわる‥‥‥し、しないで‥‥‥」

 

「こんなに可愛いめぐみんに、意地悪なんかしないさ」

 

「そ、そろそろ、あっ‥‥‥、あん‥‥‥、と、止まって、ああっ‥‥‥」

 

 たってのお願いみたいだから、勃ってる聖剣を根元まで押し込んで腰の動きを止めた俺は、体重をかけない様に覆い被さって、汗の浮いた華奢な体を抱き締めた。

 俺の胸の下で、はあはあと荒い息で呼吸を整えながら胸を上下させるめぐみんの汗ばんだ髪を、手櫛で梳く様に撫でながら俺は外肛門括約筋を引き絞った。

 

 その途端、めぐみんの体の中でびくんと震えた俺の聖剣エクスカリバーに、驚いた様な可愛い悲鳴を上げて俺にしがみついためぐみんは、『もおっ!』っと牛さんみたいな抗議の声を上げて、俺の背中をポカポカと叩いた。

 

 それに合わせて俺が、キュッキュッキュッと外肛門括約筋を引き絞めると、温かいめぐみんのおなかの中で待機している俺の聖剣エクスカリバーが、グングングンと存在感をアピールする。

 

「ひゃん、ああっ、あんっ、い、いじわるです。カズマはいじわるですっ!」

 

「ごめん、男は好きな女の子に意地悪して気を引きたい生き物なんだよ」

 

「んもうっ! ばか‥‥‥」

 

 アクアに言われると腹が立つが、めぐみんに可愛いく言われるとMARAが勃つ。

 おふざけはこれくらいにして、お話を聞いてみよう。

 

「そろそろ? 」

 

「はあ、はあ、そろそろお昼です。アリバ‥‥‥日課の時間ではありませんか?」

 

 こいつ今、アリバイって言おうとしたな?

 あれは生き様なんじゃなかったのか?

 おとなのおんなになっちまったらアレか?

 優先順位が入れ替わったとか?

 俺的には嬉しいけど?

 

「それは分かってるんだけどさ、あまりにもめぐみんが可愛いもんだから、つい」

 

「‥‥‥私も、このまま、‥‥‥ていたいのは山々なのですが、それでもやっぱり何と言いましょうか‥‥‥‥‥‥」

 

 うん、分かる。俺もこのままめぐみんを抱いていたい。けど‥‥‥

 少なくともめぐみんの日課は、今ではアクセルの街の風物詩の一つだ。

 遥か遠くの空に立ち昇るキノコ雲と、空振を伴って響き渡る爆音が聞こえるからこそ、このアクセルの街の人々は平穏な今日を実感できるのだ。

 

 何よりもアクアやダクネスから、今日は聞こえなかったがどうしたんだと、追及される恐れがある。

 ダクネスをごまかすのは、はっきり言って造作もないことだが、ポンコツだとはいえ一応は、本当に一応女神のアクアは、余計なところで腹が立つほど勘が鋭い。

 

 めぐみんの言わんとするところを汲み取った俺は、わかってると優しく唇を重ねてから、ゆっくり腰を引いてずるずるずるっと聖剣エクスカリバーを引き抜いた。

 最後にポコッと音を立てそうな感じで姿を現した聖剣様は、はずみで跳ね上がってめぐみんの泉の雫を纏いながら、ぺしゃんと俺の下腹を叩いた。

 

「本当に、ごめんなさい‥‥‥」

 

 済まなそうに謝るめぐみんの背中の下に手を差し込んで持ち上げる様に起すと、めぐみんは後ろ手を突いて上体を支えながら座り直して、引き寄せたシーツで体を隠そうとした。

 俺はもう一度抱き締めてから、帰ったら続きをしようと笑いかけて唇を重ねた。

 

 

 

 

 

 アクセルの街から遠く離れた丘の上で、頬を紅潮させてやっぱり固くて大きいのがいいと古城に向かって杖を向けた若い魔法使いが、潤んだ様にも見える紅い瞳を輝かせて、おそらくは選ばれし達人のみが到達し得る絶大な威力を誇る大魔法の、呪文の最終節の最後の言葉を叫ぶ様に唱えた。

 

 上空に広がり幾重にも重なった虹色の魔法陣の、中心部で収束された一筋の細く眩い光が岩山の古城に突き刺さると、やや遅れて目も眩まんばかりの光に包まれた古城が、まるで風船の様に膨らんで、そして弾けようとしていた。

 

 その刹那、俺の直感が叫んだ。

 俺は構えたままのめぐみんに飛びかかり、そのまま一瞬で跳んだ。

 脳内の詠唱すら無しで跳べてしまった。

 火事場の馬鹿力ってやつだな、たぶん。

 

 さっきいた丘から随分と遠くの場所に、俺は荷物の様にめぐみんを小脇に抱えて立っていた。

 咄嗟にイメージしたのは、嘗てめぐみんの日課に付き合って徒歩で移動していた頃に、休憩場所にしていた大木の木陰だ。

 

 遠くに今まで見たこともない巨大なキノコ雲が立ち昇り、恐ろしいほどの爆音が響き渡って、遅れて爆風が襲ってきた。

 ここは日課の爆裂道場となっていた魔王軍幹部ベルディアの城と、アクセルの街とのほぼ中間地点だ。

 

 結構な距離があるはずなのに、爆風に煽られて大木の太い枝が軋んでいる。

 俺は太い幹を背にして体を丸めて、放心状態のめぐみんを抱き締めた。

 お姫様抱っこをぎゅっと凝縮させた姿勢でめぐみんを抱いて、上体を覆い被せる様にして守っていると、頭や背中に枝や葉っぱがバラバラと落ちてきた。

 

 やがて風も収まったところで降り積もった枝や葉っぱを払い落とすと、膝の上のめぐみんを胸に抱き直して、そのまま背後の幹に背中を預けた。

 大きく安堵の溜息を吐いてから、抱き締めた時に押し潰されためぐみんの帽子を手に取って、丁寧に形を整えてやる。

 

 めぐみんは俺の胸に顔を埋めたままで、小さく肩を震わせていた。

 その背中に両手を回して、もう大丈夫だと撫でていると、ようやく落ち着いたのか、体の強張りも消えて震えも止まった様だ。

 

 しかしあれは、超ヤバかった。

 テレポートで跳んだのは、ほとんど本能のなせるわざだったな。

 逃げようと思っただけで発動できたのも、物凄い進歩だ。

 

 それにしても、ちゃんとめぐみんを守って連れて逃げられたから、そこは何よりも自分を褒めてやって良いと思う。

 うん、教会で攫った花嫁を盾にした俺と、同一人物とは思えない成長ぶりだ。

 

 めぐみんを横抱きにしたまま立ち上がると、遠くの空に立ち昇った巨大なキノコ雲が風に流されて、崩れて形を変えている様子が見えた。

 めぐみんは両腕を俺の首に回して、茫然とそれを見詰めている。

 

 今まで目にした爆裂魔法は、膨大なエネルギーをそのままぶつけて、辺り一面を吹き飛ばしていた様に見えたが、今日のは凝縮されたより巨大なエネルギーが、標的の深部にまで到達して、標的そのものまでもを燃料というか炸薬みたいに利用して爆発の糧にしている様に見えた。

 

 アレだよ、元日本人の俺としては忌むべきものと理解しているもの。

 核分裂反応だけの原爆と、その爆発のエネルギーで周囲に充填した重水素と三重水素を核融合させる水爆との違いみたいなもの。

 

 衝撃波も立ち昇るキノコ雲も、そして破壊力もちょっと今までの比じゃねえ。

 石造りの古城が一瞬で気化して燃え上がった様な感じだった。

 そう、珪素なんかが主成分のはずの石がだよ?

 

 珪素なんかが燃えるのかって? んなわきゃねえわな。

 そんなことは不登校児だった俺でも知ってる。

 溶けることはあっても、それ以上は‥‥‥?

 温度の問題か? 個体が溶けて液体になったら、次は沸騰して気化すんのか?

 

 あれを食らったら、頑丈さだけが取り柄のダクネスでも耐えられるとは思えねえし、俺だって跡形もなく蒸発してしまって、たとえアクアが天界の力を発揮できたとしても、再生できるとはとても思えねえな。

 

 それにしても今のめぐみんだ。

 幼い頃に目にして憧れて、一心に修行に励んで到達した結果に慄いているのか、それとも予想以上の破壊力に感極まって放心状態なのか、笑顔なのか恐怖に震えているのか全くわからない。

 

 まあ、いいさ。

 どっちにしても、めぐみんはめぐみんだ。

 不安に思っているなら俺が支えてやるし、増長するなら俺が抑えるしかない。

 いずれにしろあの究極の爆裂魔法は、おいそれと使って良いものじゃない事だけは確かだ。

 

 

 

 それからしばらく休んで魔力の回復を待った俺は、めぐみんをお姫様抱っこしてテレポートで屋敷に帰ってきたのだが、埃塗れになった体を洗うために風呂に行ことしても、めぐみんが離れてくれない。

 

 離れてくれなきゃ連れてくぞとふざけて明るく言ったら、なんとついて来た。

 一緒に風呂に入るのも昼間っからなのも二度目だが、今回はカエルの粘液でぬるぬるになったわけじゃないし、めぐみんも挑発されて意地を張ったわけでもない。

 まあ、脱衣所ではちょっとなっていうか、ちょっとじゃなかったな。

 

 ウォルバクの一件から気持ちが不安定になっているめぐみんは、きっと何かに寄りかかっていないと不安なのだろう。

 んじゃまあいいかと、湯船の中で膝で挟む様に抱いていると、首だけで振り向いて黙ったまま潤んだ瞳で口づけをせがむ。

 

 それに応えて可愛い唇と舌を堪能しながら、柔らかい素肌を撫で回しておっぱいを揉んだりしていると、俺の聖剣エクスカリバーも当然の様に漲ってくる。

 日課に出かけるのに二回目の途中で中断して以降は、なぜだかずっとかちんこちんこもハンパないのだが、それに気づいためぐみんが体の向きを変えて恥ずかしそうに抱きついた。

 

 んで、そのままバスタオルに包んで部屋にお持ち帰りしたわけだが、お互いに魔力を使い切っていたところに、昼間っから何度も何度も何度も愛し合った疲れで、俺たちは裸のまま抱き合って眠ってしまった。

 

 

 

 その夜のことだった。

 職人組合の講習会の打ち上げの後、お土産にもらった酒を抱えて酔っ払って帰ってきたアクアが、俺の部屋のドアを叩きまくったのだ。

 

 あの時は本当にあせった。

 一瞬で覚醒して跳び起きた俺は、裸のままのめぐみんにシーツを被せて隠して、ベッドから飛び降りると部屋の真ん中で聖剣エクスカリバーの素振りを始めた。

 

 そこへドアを蹴破ってアクアが入って来て、全裸で両手を腰に当てて上体を反らし、外肛門括約筋の引き締めだけで聖剣を上下に振っている俺をしばらく無言で見詰めていたが、ゴメンナサイ邪魔したわねと冷たい声で謝って出て行った。

 

 酔っ払っていたし俺の奇行に呆れていたから、ベッドでシーツに包まっていためぐみんには気づいていないと思いたい。

 たぶんアクアは、居間に下りて飲み直すだろう。

 

 俺は身繕いをすると、裸のままでシーツに包まっているめぐみんを抱き上げて、潜伏のスキルで姿を消してこっそりとめぐみんの部屋まで運んだ。

 何せ、風呂から直接お持ち帰りしたから、着替えなんてあるはずもない。

 

 色々あって昼飯も食ってなかったのを思い出して、すぐに支度するから後で下りて来いよと、もう一度抱き締めて撫で撫でしながら軽く唇を重ねたら、首に両腕を回されて情熱的に吸い返された。

 

 これもう、いつでも爆発させられるリア充だよな。

 だけど、そんな妬みに塗れた童貞たちを相手になんかしていられないことも、リア充になってみて初めて理解できた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。