「永琳!!」
永遠亭に着いた百々と霊夢は紫を担いで永琳の元へと走り込む。それを見た永琳が目を見開いて言う。
「紫!!?とりあえず病室に!!」
咄嗟に永琳が意識を失う紫を部屋へと案内させた。そのまま紫を預けた百々と霊夢は部屋から出る。
「来てたのか。」
その声が聞こえるとそこには楓、魔理沙、琥珀、暁、九十九の5人が座っていた。それを見た百々が口を開く。
「お前ら!戻ってきてたのか。」
「ロウドと関係する奴と戦ったの?。」
「・・・いいや、ドゥームと遭遇した。」
九十九の言葉を聞いた百々と霊夢は目を見開く。そして霊夢が再び口を開く。
「奇遇ね、実は私達もロウドの手下のオノスケリスと遭遇した際、追い詰められた時に光の闘神カルマが現れて助けてくれたの。」
「カルマだって?」
霊夢の言葉を聞いた琥珀は首を傾げる。そんな彼に暁が言う。
「さっき話していたのですが、おそらくエリュシオンが敗北した際に彼女は闘神達を復活させる何か特殊な力を残していったのかもしれません。」
「そんなことを・・・いや、エリュならあり得る話か。」
暁の言葉を否定しようとしたが百々はカルマに言われたことを思い出して頷く。表裏戦争にて圧倒的な力の差を見せつけた凶神エリュシオン。そんな彼女が自身が負けることを想定せず自分達を迎え撃つはずがない。納得した百々に魔理沙が口を開く。
「ドゥームの奴、色々とロウド達の情報知っててさ、有力な情報ばかり教えてくれたぜ!」
「こっちも同じだ。カルマが奴らに関する情報を教えてくれた。」
「しかし、何故奴らはそこまで詳しく情報を得られたんだ?」
魔理沙と百々が話している途中で楓がふと気になることを口にする。それを聞いた九十九が汗を流しながら口を開いた。
「おそらくだが・・・奴らが戻ってきているのかもしれない。そうなると最悪ロウドを倒してすぐに幻想郷に襲撃してくる可能性がある。」
「奴ら?」
「あのババァには闘神や幻獣の他にとてつもない力を持つ手下が存在している。そいつらは皆恐ろしいほどの戦闘能力を持っていて最悪の場合、幻想郷が滅びる。」
「なんですって!!?」
九十九の言葉を聞いた暁、霊夢が思わず声を上げる。と、楓が冷静に言う。
「エリュシオンの手下がどうであれ今はユニを救出してロウドを倒し、最悪の生物兵器と呼ばれているデスコアトルの復活を防がなければならない。」
も
「楓ちゃんは冷静だね。流石人類最強の義妹。」
「そう教えられているだけだ。冷静じゃなくなる時もある。」
琥珀と楓が話している中、九十九が加えて話をする。
「奴らは闘神達は愚か、五大王や今異変を起こしているロウド達より最悪な状況になる可能性がある。頭の隅に入れておこう。」
「ロウド達より、最悪な可能性・・・。」
その言葉に暁は一言呟く。現在幻想郷に侵攻してきているロウド達を超える脅威となるエリュシオンの手下達。今は考えまいと霊夢は首を横に振る。今そのことを考えればロウドとの戦いに支障が出てしまう。と、魔理沙が口を開く。
「んで、どうする?話によると紅魔館と守谷神社を奴らは攻め込むらひいが、誰が応援に行く?」
「アタシと楓で紅魔館に向かう。他は任せる。」
楓の肩を組みながら九十九が言う。それを見た霊夢が口を開く。
「それじゃ私は魔理沙と共に行動するわ。」
「おっしゃ、頼んだぜ霊夢!!」
そう言って魔理沙が霊夢の肩を組む。それを見た百々が暁、琥珀の元へ行って言う。
「んじゃ俺は暁と琥珀と共に守谷神社へ行動するよ。」
「頼むよ、百々君。」
「お願いします。」
「・・・?」
と、突然九十九が何か違和感を感じて服の中に手を突っ込んで一枚のスペルカードを取り出す。そのスペルカードは赤く点滅しており、何かを意味しているような感覚だった。それを見た琥珀が口を開く。
「それはコールザエニーのスペルカード。赤く点滅している?
「以前のは黄色く点滅してましたね。」
「・・・まさか、ユニの身に何か危機が迫っているのか?」
「急いで探し出したほうが良さそうだな。」
暁、楓、九十九が目を細めて言う。と、琥珀が霊夢達に言う。
「オノスケリスやベリアル、ロウド達と対立してる間にエリュシオンの手下と遭遇するかもしれないね。」
「その場合はすぐに逃げるようにしてくれ。奴らは今の私達で勝てるかどうか分からない。ロウド達と殺し合ってもらえればいい。」
九十九が咄嗟に言う。それを聞いた霊夢達は無言で頷く。と、楓が氷龍の剣を手にして立ち上がり、言う。
「モタモタするのはここまでだ。すぐに向かおう。」
「楓に賛成ね。」
楓の一言を聞いた霊夢も払棒を手に取り、立ち上がる。と、魔理沙が立ち上がって永遠亭を出ようとする霊夢達に言う。
「これが終わったら博麗神社に集合で。」
「勿論さ。」
「上等さ。」
琥珀、九十九が言うと楓と九十九は紅魔館へ向かい、百々、琥珀、暁は守谷神社に、霊夢、魔理沙はロウドが出現する可能性のある場所へとそれぞれ向かって行った。
そんな中、ロウドはベリアルとオノスケリスを招集して話をしていた。
「準備は整っている。余はこれより幻想郷の守護者たる小娘、アイアルト・ユニの力を用いてデスコアトルの召喚の儀を決行する。ベリアル、オノスケリス、お前達は伝えた通り、紅魔館と守谷神社を攻め込み、我々の支配下に入れておけ。」
「承知致しました、ロウド様。」
「必ずや、果たしてみせます。」
ロウドの言葉を聞いたベリアル、オノスケリスは彼に頭を下げて言う。と
オノスケリスがロウドに言う。
「それと一つ、面倒な情報がございますロウド様。」
「面倒な情報だと?」
「凶神エリュシオン、奴の子達である闘神達が幻想郷に再び姿を現し、我々の計画を阻害しております。私は光の闘神、カルマと遭遇しました。おそらく他の闘神達もどこかで行動していると思われます。」
「奴の亡霊め、我々の計画を邪魔するというのか。あの神の加護を受けた者達との関係はどうなっている?」
「はっ。今のところ、闘神達が奴らと手を組んだという情報は流れておりません。おそらく、三つ巴戦になっているかと。」
「闘神達だろうが神の加護を受けたあの小僧達だろうが関係はない。余らは敬愛する兄上、カオスの果たせなかった計画を果たし、全てを闇に包むのだ。余らと戦うのであれば誰であろうと殺すまでだ。」
「ロウド様と同意見です。では私は守谷神社に向かいましょう。オノスケリス、あなたは紅魔館をお任せしますよ。」
「分かってるわよベリアル。すぐに片付けるわよ。」
そう言うとベリアル、オノスケリスは何もない場所に空間を作り、その中へと入っていった。2人を見届けたロウドは1人、首を傾げながら独り言を呟く。
「凶神の亡霊、闘神。何故奴らが復活していてエリュシオンは復活を果たしていないのか。奴が不老不死の災厄だというのは知っていたのだが、どうなっている・・・。」
しばらく考えながらロウドは奥の空間へと歩みながら独り言をブツブツと呟く。と、ある場所まできたロウドは笑みを浮かべて口を開く。
「まぁよい。全てこの手で葬り去れば良いだけの話。貴様の秘めた力、存分に使わせてもらうぞ、アイアルト・ユニ。」
そう言ってロウドが歩みを止めて口を開く。その場所は全裸で手足を鎖で縛られて宙に吊られるユニの姿だった。ユニは眠りについていてロウドが近づいても目を覚ますことはない。そんな彼女を見ながらロウドが再び言う。
「デスコアトルの召喚。それにさえ成功すれば神でも来ない限り倒すことは出来まい。全能神ガイルゴールは千年殃禍の敗退による2万年の眠りへ、エリュシオンは表裏戦争の敗北による消滅。我々が全てを手に入れるには今しかないのだ。誰にも邪魔はさせぬ、必ず成功させてみせる。」
そう言うロウドの両手には握り拳が握られていた。
ロウド率いる混沌残党軍と霊夢達の幻想郷の存続を賭けた戦いが今始まろうとしている。その先に待ち受ける運命とは!?
次作もお楽しみに!