場所は幻想郷。そこのシンボルの一つである博麗神社。そこでは日々の鍛錬を怠らないように修行を行う少女達の姿があった。
「リキデイター!!」
「ブレイジングスター!!」
神社の前では白黒の服の魔法使いの少女と幻想郷の守護者と呼ばれる少女の2人が弾幕やスペルカードを打ち合って鍛錬に励んでいた。
「はぁ、今日も相変わらず元気ねあの2人は。」
そう言って2人の修行の様子を座って見ているのは博麗神社の巫女、博麗霊夢である。と、神社の中からお茶を持ってきて彼女の前に現れる1人の少年が口を開いた。
「元気でいいことじゃないですか。姉さんも一緒に修行してきたらどうですか?最近サボりすぎてまた太ry」
ボコッという鈍い音と共に最後まで言おうとした青年に霊夢は渾身のアッパーをくらわせる。アッパーを食らった少年は勢いよく天井に突き刺さってしまう。と、神社の屋根の上にいた本のページの翼を生やした少年が彼女に言う。
「相変わらず乱暴だね君は。弟にも容赦しないなんてね。」
「暁が余計なことを言うからよ。それに私はみんなが見てないところで鍛錬を積み重ねてるからいいのよ。」
「ほんとかなぁ〜?」
「何琥珀、あんたも暁みたいになりたいわけ?」
「いや、僕はこれ以上は何も言わないさ。」
知識の妖精、琥珀は神社から降りて天井に突き刺さってしまった暁を引き抜こうと引っ張り始める。
「やっと依頼終わらせてきたぜ〜って暁!!?」
その声が聞こえたかと思うと神社の裏から浴衣を来て角を生やした2人の男女が現れた。そして少年が天井に突き刺さる暁を見てすぐに駆け寄って引き抜こうとする琥珀を手伝い始める。そんな彼とは別に少女が霊夢を見て言う。
「霊夢、また暁いじめたのか?」
「いじめただなんてそんなことはしてないわ。余計なことを言おうとしたからお仕置きしただけよ。」
「これが博麗流のお仕置きかぁ、恐ろしいな。」
「何九十九、文句あるの?」
「いや、先代さんに似てるんだなって思っただけ。おーい百々、アタシも手伝うぞ〜。」
そう言って九十九と言う鬼の少女は百々と言う鬼の少年の元へ行って暁を引き抜くのを手伝い始めた。と、霊夢がお茶を飲みながら2人を見て口を開いた。
「・・・2人は元気にしてるのかしらね?」
「2人?悠岐と楓のことか?」
彼女の言葉に九十九が隣に座って言った。彼女の言葉を聞いた霊夢が再び言う。
「えぇ、そうよ。現世って結構治安悪いって聞いてるし2人ともちゃんと生きてられるのかなって思ったの。」
「心配いらねぇさ。あの2人なら大丈夫、なんせアタシ達と一緒にあの絶望的な強さを持ったクソババァとの戦いに勝ったんだぞ?そんな簡単に2人がくたばる訳ないって。」
「うん、そう言われたらそうかもしれないわね。」
2人が話している中、琥珀と百々がやっとの思いで暁を引き抜くことに成功していた。そんな彼らを気にせずに九十九が再び霊夢に言う。
「心配なのは影裏のほうだな。アイツの上司が中々クソ上司らしいからね。」
「そんなブラック企業なんてやめてしまえばいいのよ。」
「霊夢、アンタいつからブラック企業なんて言葉を覚えたんだ!?」
「香霖に教えてもらったのよ。少し現世に興味があってね。」
2人が話している中、弾幕合戦をしていたユニと魔理沙が弾幕を撃ち合うのをやめたかと思うと息を切らしながら言う。
「はぁ、はぁ、魔理沙。少し休みましょう。」
「あぁ。いい汗かいたし、美味しいお茶でも飲みたいぜ〜。」
そのまま2人が霊夢達の元へ行こうとした時だった。突如2人の背後に紺色の長い髪に黒いコート、黒いマントを羽織った男が現れた。男の気配をすぐに感じ取った2人はすぐに振り返る。それを見た男は2人に向かって2発の弾幕を放った。
「ぐっ!」
「チイッ!」
すぐに反応した2人は咄嗟にバックステップをして攻撃を避けた。それを見た男は少し驚いた表情を浮かべて口を開いた。
「私の攻撃を避けるとは、千年殃禍を超えた者と言われるだけありますね。」
「テメェ、何者だ。」
そう言って魔理沙は戦闘態勢に入る。彼女に続いてユニも戦闘態勢に入る。そんな2人に続いて霊夢、九十九、暁、百々、九十九も2人の元へ来て戦闘態勢に入る。そんなユニ達を見た男がゆっくりと笑みを浮かべて口を開いた。
「これは失礼、自己紹介がまだでしたね。私の名前はベリアル、偉大なるお方、ロウド様に仕える悪魔です。」
「ベリアル、ロウド?まさか千年殃禍によって封印されてた悪魔の一族っていうの?」
「いかにも白黒の魔法使いさん。私やロウド様は少々暴れすぎてしまいまして、長い間封印されていたのです。そしてやっと目覚めることができたかと思えばなんてことでしょう!!我らが希望の主、カオス様がアヌビス様、ペルセポネ様共々いなくなっているではありませんか!!!」
「何、カオスですって・・・?」
カオス、という言葉を聞いて霊夢のベリアルという男を見る目つきが変わる。それに気づいた暁が彼女を見て言う。
「カオスって、1年ほど前に幻想郷を支配したあと企んだ、混沌軍の悪魔族の首領のことですか?」
「えぇそうよ。あんた、カオスに関係あるって言うの?」
「御名答、私達はロウド様と共に役目を果たすためにここへやってきたのです。それはカオス様、アヌビス様、ペルセポネ様の仇を撃つため、そして憎き凶神を倒すためなのです!」
「ほーん、けどベリアルさんよ。アンタらの役目は一つだけ果たせそうにないな。凶神はもう既にこの世にいない、アタシ達を倒すしかやることないな!!」
そう言うと九十九は拳を使ってベリアルに振り下ろす。それを見たベリアルは咄嗟に彼女の攻撃をサイドステップで避けるとニヤリと笑って口を開いた。
「フフフ、なんてことでしょう。既に凶神が倒されているとは!!これは我々にとっては好都合、では手始めにこの幻想郷という世界を支配することから始めましょう。おっと、ロウド様にはこのことを報告しなくては。ではみなさん、私はすぐにあなた方を壊したいわけではないのでここらで退散させていただきます。では・・・!?」
別れの言葉を言おうとした瞬間、ベリアルは背後から気配を感じてすぐに飛び上がる。彼がいた場所にどこからか氷柱が何本か飛んできて地面に刺さった。それを見たベリアルは氷柱の飛んできた方向を見る。そこには2人の男女が刀を構えていた。2人を見たユニが思わず口を開く。
「悠岐君!!楓ちゃん!!」
悠岐と楓の姿を見たユニ達は笑みを浮かべる。そんな彼女達とは別にベリアルは目を細めて口を開いた。
「西田悠岐に出野楓か。すぐに撤退してロウド様には報告せねば。」
そう言うとベリアルは一瞬にして姿を消した。その瞬間、ユニ達は一斉に悠岐と楓の元へ寄り、霊夢が開口一番口を開いた。
「久しぶりね!また会えるなんて思ってもなかったわ。」
「俺らも会えると思わなかった。」
「だが、今は再会を喜んでる暇はないんだ。」
「どういうこと?楓ちゃん。」
楓の一言にユニが問う。と、悠岐が神社に目を向けて口を開いた。
「あそこで座って語ろう。色々話さなきゃいけないことがあるんだ。」
「ただ今戻りました、ロウド様。」
場所は変わって幻想郷のとある場所。そこでは玉座に腰掛ける1人の男にベリアルが膝をついて頭を下げていた。と、男が口を開いた。
「幻想郷の調査、何か分かったか?」
「はい、面倒なことに現世から西田悠岐と出野楓が増援として送り込まれていました。五大王の姿は確認出来ませんでした。」
「西田悠岐に出野楓、アヌビスとペルセポネを殺った我々と同じ悪魔の力を持つ人間か。奴らは余が捻り潰そう。それでベリアルよ、例のあの小娘はいたか?」
「はい、幻想郷の守護者アイアルト・ユニの姿は確認しました。」
「よし、少ししたら余自らが赴いてやろう。お前は引き続き調査を行え。」
「承知しました、ロウド様。」
そう言うとベリアルはその場から姿を消した。それを見たロウドという悪魔の男は玉座から立ち上がり、笑みを浮かべた。
ユニ達に迫るロウドの脅威。
次作もお楽しみに!