始めに悠岐がロウドに向かって前傾姿勢で刀を構えて向かっていく。それを見たロウドは翼の棘を彼目掛けて投げつける。その攻撃を悠岐は避けようとせずに刀で弾く。その振りの隙を狙ってロウドは左手に赤い光を溜めてそれを彼に放とうとする。悠岐はなんと攻撃を避ける動作をせずに左足を上げてそのままロウドの脇腹に回し蹴りを叩き込んだ。
「ぐおっ!!?」
態勢を崩したロウドはそのまま地面に膝をつく。悠岐はそのまま追撃をやめずに刀を振り上げる。
「させるものか!!」
そう言いながらロウドは悠岐に向かって棘の翼で叩き飛ばそうとする。
「甘いな、読んでんだよ。」
そう言うと悠岐はなんと刀を逆手に持ち替え、ロウドの翼にそのまま刀を刺したのだ。
「何だと!?」
それはロウドにとって予想外で彼は驚きの声をあげる。そんな彼とは別に悠岐は刀を抜いてそのまま再び振り下ろそうと構える。
「チッ!!」
舌打ちをしたロウドは咄嗟に後退した悠岐の攻撃を避ける。そして距離を取ったロウドは悠岐を指差して口を開く。
「図に乗るなよ小僧。余をここまで追い詰めて満足しているかもしれんがまだ余の本当の恐ろしさを知らないだけのこと。」
「ほう、なら見せてみろよ。その恐ろしさってやつをな。」
そう言うと悠岐は一切怯むことなく刀をロウドへ向ける。そんな中、ロウドは悠岐をじっと見て彼の状態を理解しようとしていた。
(小僧の左腕がさっきから全く動いていない。おそらく先程の奇襲で使い物にならなくなったのだろう。ならば小僧の右腕を破壊して完全に戦闘不能にするのみ。)
その時、ロウドの左足の甲の箇所が赤く光り始めた。それを見た悠岐は瞬時に構えて判断する。
(蹴って弾幕とか飛ばすタイプか?少し様子を見るか。)
そう思った瞬間、ロウドが勢いよく悠岐に向かって走っていく。それを見た彼は迎え撃つように刀を構えて走り出す。
「くらえ!!」
そう言うと彼は刀をロウド目掛けて振り下ろす。
「見えているぞ。」
そう言いながらロウドは悠岐の刀の突きを横にずれて避けて赤く光る左足の甲を悠岐の左足に叩きつけた。
「ぐぅぅぅ!!」
左足を蹴られた悠岐は瞬時に刀を振ってロウドを離させる。悠岐の斬撃を避けきれなかったロウドの胸には浅いが切り傷が出来ていてそこから血が流れ始める。
「フン、醜い抵抗よ。だがそれももう終わる。」
「あ?何言って・・・!?」
その瞬間、悠岐の体がガクンと崩れ落ちてそのまま地面に膝をついた。
「悠岐!?」
「おいどうしたんだ悠岐!!」
彼に声をかける楓と魔理沙。そんな中、悠岐は左足を抑えながら声を出す。
「ぐっ・・・(なんだよこれ!?痛みが後からやってきやがった!?左足が全く動かない?)」
「これが余の力よ。だがこれは本の一部に過ぎない。」
そう言うとロウドは再び左足の甲に赤い光を溜め始める。そして再び口を開いた。
「霊力による力でその傷は癒えぬ。しかし大したものだ、足の骨を全て砕くつもりだったがただ折れただけか。だが今度は貴様の頭蓋骨を砕いてやろう。」
そう言うとロウドは足を振り上げてそのまま悠岐の顔に叩き込む。
「ぐぅぅぅ!!」
鈍い音と共に悠岐が声をあげる。
「悠岐君!!」
「「悠岐!!」」
思わず彼の名前を叫ぶユニ、魔理沙、楓。だが悠岐に攻撃したロウドの表情が曇る。
「・・・?」
なんと蹴りを喰らう瞬間、悠岐は右腕を差し込んで顔へのダメージを防いでみせたのだ。だがその瞬間、悠岐の右腕がだらんと垂れ下がる。それを見たロウドは目を細めて口を開く。
「無駄な抵抗を。だがもう何も出来ぬ。諦めて死を受け入れるがいい!」
そう言うとロウドは再び左足の甲に赤い光を溜めた。そして再び足を振り上げた時だった。
「我、堕天の左腕なり。」
悠岐がそう言った瞬間、彼はなんと動かせない筈の左手に漆黒の刃を持ってそのままロウドの腹を勢いよく斬り裂いたのだ。
「ぐぉぉぉぉぉ!!!」
あまりの予想外の出来事にロウドは思わず声を上げる。悠岐の放った斬撃は重く、ロウドの肩から胸まで斬り裂いていた。それを見た魔理沙と楓の表情が変わる。
「悠岐!」
「やったな!!」
2人が言う中、悠岐は息を切らしながら口を開く。
「左手が余っててよかった。棘だらけになっても・・・
と、ロウドが悠岐にバッサリ斬られた箇所を抑えながらゆっくりと立ち上がって口を開いた。
「小僧、どうやら相当死にたいようだな。今ここで・・・!?」
そう言ってロウドが攻撃しようとした時だった。突如彼はある方向を見て険しい表情を見せる。そして再び口を開く。
「チッ、ここまでか。覚えておけ小蝿共。余は全てを幻想郷を支配し、この世の全てを手中に治める。首を洗って待っているがいい!!ハハハハハハ!!!」
そう言うとロウドはどこから消えていった。
「みんな〜!!」
その声が聞こえたと同時に悠岐達の元へ服が汚れた霊夢、百々、九十九、琥珀、暁の5人がやってきた。
「ちょっと魔理沙あんた大丈夫!?すぐに抜いてあげるわ。」
「助かるぜ霊夢ぅ〜っていてててて!もっと慎重に抜いてくれよ。」
霊夢に棘を抜いてもらう魔理沙とは別に九十九が楓の側に寄って彼女を優しく抱える。
「外傷はなさそうだな。何があった?」
「だが腹が痛い。ロウドの奇襲を受けた、悠岐が全力で戦ってくれた。」
そう話す一方で暁、百々が悠岐に寄り添う。そして彼の状態を見て冷や汗をかいて口を開く。
「なんて傷・・・動けますか?」
「生憎、左足折られて右腕は粉砕骨折ってところだな。自力で動いたらいずれ力尽きちまう。」
「しかしよくこんなボロボロの状態でロウドって奴を退けたな。流石一度幻想郷を救った英雄ってところか。」
そう言いながら百々は暁と共に悠岐に肩を貸す。そんな中、琥珀1人だけ辺りをキョロキョロしていた。そんな彼を見た百々が彼に言う。
「おい琥珀、さっきから辺り見回してどうしたんだ?」
「・・・ユニちゃんがいないよ?」
その一言を聞いた瞬間、霊夢達は目を見開いて辺りを見回し始める。
「ユニ!!どこにいるの!!?」
「ユニ!!どこだ、返事してくれ〜!!」
必死に彼女の名を叫ぶ。だがいくら叫んでも返事が返ってくることはない。と、楓が何かを思い出したかのように口を開いた。
「ロウドが言ってたんだ。奴の計画にユニが必要だって・・・。」
「まさか、ロウドに拐われた?」
最悪の事態を口にする琥珀。それを聞いた暁が口を開いた。
「こうしてはいられません!!すぐに探し出さないと!!」
「だがロウドの拠点とする場所への手掛かりが何もない。そんな状況でユニを探すのは困難だ。」
そう言う九十九はふとある場所へと目を向ける。そこには地面に一枚スペルカードが落ちていた。それを拾い上げた九十九が目を細めて口を開いた。
「コールザエニーのスペルカードだ。ユニが私達へと残してくれたんだな。」
「それがたまたま落としたか、ね。」
霊夢が言うと琥珀が魔理沙、楓、悠岐を見て口を開いた。
「まずは3人を八意の元へ連れて行こう。魔理沙と楓ちゃんはまだしも悠岐君の怪我が深刻だよ。」
琥珀が言うと九十九が楓を背負って口を開いた。
「アタシが楓連れていってやるよ。」
「では僕は悠岐さんを連れて行きます。」
「んじゃ琥珀は魔理沙を連れて行きなさい。」
「なんで僕なんだい!?どう考えたって君の流れでしょ!!?」
「知らない、とにかく私は百々と共にユニを探すわ。」
「いくぞ霊夢!」
暁が悠岐を、琥珀が魔理沙を連れていくことを決めた百々、霊夢はどこかへ走っていった。
「はぁ、仕方ないなぁ。」
そう言うと琥珀が『浮』の文字を浮かべるとそれを魔理沙に当てて彼女の体を宙に浮かせた。
「これで行けますね。」
「急ごう、アタシ達も3人を置いていったらユニを探そう。」
九十九が言うと暁、琥珀は悠岐、楓、魔理沙を連れて永遠亭へと向かっていった。
ロウドを退けるもユニを攫われてしまう霊夢達。そして傷だらけの悠岐。
ユニの運命は!?
次作もお楽しみに!