前回マフィアにカチコミをかけてから半年。私は今、とある島に滞在している。
この半年、西の海を彷徨きながら小さなマフィアを3つほど潰した。自分から喧嘩を仕掛ける訳ではないが、女が1人ほぼ裸みたいな格好をしていると向こうから絡んでくるのだ。当然、潰したマフィアのお宝は奪っている。
全てではない。あまり高額な物は持っていないし、必要のない物も多かったからだ。まあそれも仕方がない。
マフィアのお宝の中にあった頑丈なカトラスと高品質なピストルを自分のエモノとした。サーベルとカトラスでは使い勝手が違うので練習中である。
その他身体に惹かれて襲ってきた海賊を全滅させて賞金首を引き渡したりしては金や宝を奪い、それを元手にして私は旅を続けていた。
「なァなァ姉ちゃん、いいケツしてんな」
「ちょっとあっちでお話しようぜ」
「おいおいお前ら、その女さっき俺が声かけたんだぞ。なあ姉ちゃん?」
そして今。私は3人の男に囲まれている。
なんたる不運か。いや幸運か? この半年で私はすっかり有名人になっていた。小さなマフィアとはいえ3つも潰したのだ。当然だろう。もとから賞金稼ぎとしてもそこそこ有名だったが最近は2つ名がついたらしい。そして私の格好はほぼ裸である。
つまりはこういう事だ。
2つ名『布無し』
私は変態なので文句ないです。
「ちょっと、邪魔しないでくれる?買い物しているんだから」
「ああ?なんだァその口の利き方は。俺たちゃ泣く子も黙る『黃旗』だぜェ?それにそんな格好しといて誘ってねぇと?」
私の格好は買い物の為イロイロはみ出してるマイクロビキニである。
黃旗とは最近この辺りで幅をきかせている海賊だ。船長の男は大柄で粗暴な奴らしいが、その部下はそうでもないと聞いている。しかしまあ、こんなチンピラ紛いが名乗るくらいだ。大して強くないんだろうと高括っていたのだが、この黃旗という海賊はそれなりに名前が知れているらしい。
「だから邪魔しないでって言っているでしょう?それとも、その黃旗っていうのは女1人相手に3人がかりで襲わないと何もできない腰抜けの集団なのかしら?」
「このクソアマァ!」
私は買い物カゴをその場に置いて、カトラスを抜き放った。
「ぐあッ!?」
カトラスは男の腕を掠り、腕を切り裂いた。
「おい!何やってやがる!」
「うっせえ!ちっと切れ目が入っただけだ!」
激昂する黃旗の男たちに、私は挑発的に笑ってみせる。
「やり合おうってなら相手になるわよ?死にたい奴からかかってきなさい」
そして私はカトラスをクルクルと回した。
「ッ!野郎共やっちまェ!!」
3人の男はそれぞれの武器を抜いて襲いかかってくる。それぞれ斧、剣、棍棒である。
私はカトラスで剣の一撃を弾く。次いで斧が襲いかかるがそれを屈んで躱し、後ろから迫っていた棍棒を紙一重で避けた。
そしてそのままの勢いで1人の男の懐に潜り込む。その勢いのまま男の腹を蹴り上げた。
男は吹き飛び壁に激突して気を失う。
残るは斧と剣の男。私はまず剣を振り下ろしてきた男の腕を掴み、そのまま一本背負いの要領で男を投げ飛ばした。男は剣の男の腹の上に背中から落ちる。そして2人が怯んだ隙に懐に入り込みカトラスで首を狙うが、それは斧の男によって阻まれた。
そのまま鍔迫り合いとなる。斧の男はその巨躯に見合うだけの腕力でカトラスごと私を押しつぶそうとするが、私はそれを気合いで押し返す。
「くッ……この……!」
「ふんッ!」
2人は一旦離れて再び構え直した。そして同時に突っ込んでくる。
私はカトラスを逆手に持ち直し、飛び上がって空中から剣の男に斬りかかった。男の右肩に深く突き刺さる。そして男の肩を足場にもう一度飛び上がり、今度は斧の男に頭から突っ込んでいく。男はそれを受け止めようと斧を振りかぶるが、私は空中で体勢を変え、男の脇腹をカトラスで切り裂いた
「かはッ……!」
「な、なんだこいつ……!?」
空中で回転して綺麗に着地した私を見て唖然とする2人。
「どうする?まだやる?」
「ッ!」
私の問に、2人は倒れた男を担ぎ上げ一目散に逃げていった。その情けない姿に私はため息をついて買い物カゴを拾い上げる。そして再び歩き出した。
「……ふう」
かなり時間が経った気がするが、時刻はまだ昼過ぎだ。私は盛大にズレて丸見えになっていたマイクロビキニを直し、買い物を済ませ港に戻った。
港に戻った私は海軍が港を封鎖しているのに出くわした。
「海賊を追えェ!絶対に逃がすな!」
「はっ!」
港は海兵でごった返しており、いつにも増して物々しい雰囲気だった。私は面倒に巻き込まれぬように道の端を歩くが、その背に声がかかる。
「おい女」
「……何かしら?」
振り返るとそこに立っていたのは海軍将校らしき男だった。男は不敵な笑みを浮かべている。その笑みを見た瞬間、私の直感が警報をかき鳴らした。
「お前最近名を上げている賞金稼ぎだろう?海賊を知らんか?」
「……さあ、知らないわね」
私は直感に従って嘘をついた。しかし将校は顎で港を指し示す。
「まあ構わんがな。そっちに行けば嫌でも会う事になるだろうよ」
男の言葉に、私の嫌な予感は確信に変わる。仕方なく海兵に混じって港に向かうと、そこで目にしたのは捕らえられた黃旗の面々だった。「海賊を確保しました!」
海兵の1人がそう叫ぶ。
「あっ!あいつ!あの女だ!」
黃旗の下っ端らしき男が私の顔を見て叫ぶ。私は人知れずため息をついた。どうやらあの後海兵に捕まったらしい。
「まあいい。どちらにしろ全員捕らえるつもりでいるからな」
そう言って海兵が近づいてくる。
「ちょっと、私は関係ないでしょう?見逃してくれないかしら?」
海軍将校らしき男がニヤニヤしながら言う。
「そうもいかんな。一般人からの被害の訴えが出ている。お前も逮捕だ」
海賊の方を見ると黃旗の船長らしきガタイの良い男が捕まっているのにも関わらず焦った様子もなくニヤニヤと此方を見ている。
海軍と船長はグルだなコレは。汚職海軍に当たってしまったらしい。
「はぁ……分かったわよ……」
私はマイクロビキニを脱ぎ、カトラスを鞘から抜き、構える。そして一気に加速した。
裸になった私を見て集中を切らしていたその場にいた奴らに反応できた者は1人もいなかった。1番近くにいた海兵の鳩尾に鞘を叩き込み、その後ろにいた海兵の足を払って転ばせる。そのまま方向転換し別の海兵に向かって走った。
「くっ……!」
その海兵は咄嗟に銃を抜こうとするが、遅い。私は男の側頭部をカトラスの柄で殴りつけて昏倒させた。そして一気に加速して船長の前に躍り出る。
「ひ、ひぃッ!た、助けてくれェ!!」
船長は腰を抜かして命乞いをしてくるが無視してカトラスを振り下ろす。男は首と胴体に別れを告げた。
海軍将校はその凄まじい速度と力を見てポカンとしている。その一瞬の隙を突いて私は男の懐に入り込み鳩尾を蹴り上げた。
「ぐふッ!?」将校は白目を剥いて気絶する。
「さて」
私は周囲を見回して言った。
「まだやる?」
「ッ!全員撤退だ!」
海兵は慌てて逃げていく。私はカトラスを鞘に収め、ため息をついた。
これで私も賞金首かな、と。
とりあえず海軍に捕まる前に船を出すのであった…
これで賞金首に。
ロビンが仲間なったとしたらロビンも露出狂にします。
次の仲間
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