転生特典はアイ・コンタクト? 作:最高の瞬間
タイトルのままです。
入学してから1週間経った。
長谷部と登下校したり、椎名と本の感想を言ったりしていた頃だった。
珍しく帰り道フリーになったので1人で歩いていた。
「あ…。」
コンビニに入っていく女子生徒を見つけた。
紫の髪のサイドテール。高めの身長。
「見たい。」
原作でもこの時期にあの娘は万引きするはずだった。
コンビニの中に入る。酒を売っているコーナーに彼女はいた。
酒を1つ手に取ると周りを見た。
「!!!」
此方を見た。
俺をその眼が捉える。
間違い無い。
この娘がAクラス所属の坂柳の部下になる予定の女。
万引きで弱みを握られて手足のようにこき使われている少女。
神室真澄。
神室は此方を見ている。
やばいなストーカーがバレた。終わったな。
もう諦めて神室を見る事にした。
「……。」
しかし見れば見るほど良い女だ。
むっちりとした太もも。そこそこ大きな胸。
丁度よい肉付きの身体。
「……。」
「……。」
あの人使いが荒そうな坂柳の手足としてこき使われていても、何だかんだ一緒にいてあげているのも俺にとってはプラスだった。
献身的な美女なんてそうそういない。
確か刺激を求めて万引きしているんだっけ。
あの太ももに挟まれたい。
そんな事を思っていたら
「!!!」
視界が紫に染まった。結構濃い色だった。
「!!!」
神室の眼が俺に釘付けになった。
持ち掛けていたお酒は棚に戻っていた。
「……。」
じっと俺を見詰めている。
今が逃げるチャンスか?
「あ…。ま、待っ」
後ろの声をスルーし、身を翻す。
俺はそのままコンビニを出た。
今はまだ駄目…
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「凄い太ももだったな…」
3日前に神室を見てから俺の脳内は揺れていた。
坂柳に渡すには勿体ないくらい良い女だった。
あれ、坂柳って確か神室の万引き現場を見て部下にしたんだっけ?
教室でそんな事を考えていた。
放課後になった。
教室の後ろ側が騒がしくなった。
「皆、お疲れ様、誰か私と友達になってくれないかな?」
後ろを見る。
男子を中心に囲まれてる人物は…
…櫛田桔梗。
他クラスの連絡先を持っているのは知っていたけど、
…この時期から持ち始めたのか。
「ありがとうね。次は君だねっ」
「やったぜ!!!」
石崎が喜んでる。
しかし、ああやって好感度を稼いでるわけか…
男子の心を掴んで行ってるな。
それでいて女子とも仲良くなれるんだから不思議だ。
やっぱり、凄い、才能だな。
「ありがとう、またねっ…」
しかし、櫛田ねえ。
他クラスだし…敵同士…
…俺はどうしようかな…
「ねえ、…」
櫛田は承認欲求の強い女だ。
原作知識を元に下手に関わると面倒な事になる。
警戒している此方の内心を見透かされたら警戒され、最悪排除されるかもしれない。
「ねえ、こっち向いて貰っても良いかな?」
「わっ、びっくりした。」
そんな事を考えてたら俺の目の前に櫛田がいた。
俺の方をじっと見ている。
「えっと、何か…用ですか?」
「急にびっくりさせてごめんねっ、
突然だけど、
…私と連絡先交換してもらっても良いかな?」
「え…」
櫛田が俺の連絡先を交換して欲しいと願って来た。
ええ…
「駄目…かな…」
此方をじっと見つめてくる櫛田。
「…えっ…えっと…」
「水影君だよね。私と連絡先交換するのは嫌だ…かな…。」
……。
どうしよう。
連絡先交換するくらいなら良いかな?
けど、後々怖いからなあ。
やめとこう。
「えっと、他の人達と遊んでいた方が楽しいと思う。
だから、俺の事は無視して良いよ。」
「えっ…」
櫛田は断られると思っていなかったのかびっくりしたような表情をしている。
「俺と連絡先交換すると、
…俺、結構うるさいと思うし、櫛田さんの友達との時間が減っちゃうから、聞かなかった事にするよ。」
「え、…あ…。」
「それじゃあ、ばいばい、」
席を立った。
俺は結局、やめる事にした。
龍園に頼りにされてるのに俺は裏切れない。
櫛田は味方に出来れば戦力として使えるが…
…俺は中身は凡人以下だし、弱いし、戦えない。
そんな俺が櫛田みたいな人と仲良くできるわけ無い。
目があってもシンクロ・アイが発動しないなら。
「あ…。」
俺を名残惜しそうに見ている櫛田。
つい振り返って見てしまった。
「……あ、…。」
……。
何か可哀想な気がして来た。
「れ、連絡先…。」
演技だと分かっていても可愛い。
本当に名残り惜しそうに見えてしまう。
「櫛田、優しいところ悪いが、今の俺は駄目みたいだ。また、機会があったら頼む。」
「……。」
何処か寂しそうに見える櫛田。
そんな眼で見るなよ。
「み…水影、さん、良いんですか?」
石崎が俺に聞いてくる。
仕方無いだろう、櫛田を信用しきれないんだ。
「ああ、お前達、俺の代わりに仲良くしてくれ
…丁寧に扱えよ…。」
「…は、はいっそうですね、櫛田さん俺と仲良くしよう!!!」
「え、…う、うん。」
笑顔を作って石崎達と仲良くする櫛田。
俺は今度こそ帰る事にした。
すまん櫛田。
本気でそう思ってしまう程、櫛田の演技は完璧だった。
つい振り返って櫛田の方を見ていた。
「……。」
櫛田はこっちを見ていた。何処か寂しそうに見えた。
「……。」
男子達に囲まれてそれに作り笑顔で対応している櫛田を見る。自然に見えるけど、一生懸命だな。
足を止めて見てしまいそうな程櫛田は頑張っていた。
「健気だな…。」
櫛田が此方を見た。何か届かないものを見るようなそんな眼だった。
ちょっと可哀想…
一瞬本気でそう思ってしまった。
瞬間、辺りが紫に染まった。
櫛田の方を見る。
「あ、…」
櫛田は俺の方をじっと見ていた。
その眼が一段と寂しそうになる。
「(あれ、これって…)」
俺が一瞬だけ櫛田に心を許しかけたのが原因だった。
危ない…。
「(…駄目、駄目…信用しかける所だった。)」
櫛田を信用してしまう俺は凡人以下なんだと分かった。
連絡先交換しなくて良かったかもしれない。
地雷系少女達と絡ませて見ました。
(前半は絡んで無いけど。)