転生特典はアイ・コンタクト? 作:最高の瞬間
今回はヒロインと言うよりもう1人の主人公みたいなあのキャラクターが登場します。
「………疲れた。」
放課後、俺は勉強会を終えてふらついていた。
部屋に戻る。
「う〜んどうも落ち着かないな。」
そのまま外に出た。もう辺りは暗くなっていた。
「ん、あれは?」
とある自販機の近くで少女が立っていた。近づいて見る。
その少女が此方を見た。
「!!!」
「!!!」
その少女の顔を見た俺は驚いた。
知ってる顔だった。
「な、……」
まさか他人に見られると思っていなかった様で少女の方は焦っていた。
俺は近づく事にした。
「な、…何かしら。用が無いなら来ないで欲しいわ。」
少し焦り気味に言う少女。堀北鈴音だった。
このシーンは…
そうか、生徒会長である兄を待っているのだろうか。
「ちょ、ちょっと…。」
原作初期の堀北にしては弱々しいのはそう言う状況だからだろうか。
焦る姿が何か可愛い。
堀北鈴音。
兄を追いかけてこの高校に入った少女。
優秀な兄を理想を押し付けて盲信しているが、兄の背中を追って必死に頑張っているその姿は応援したくなる。
原作で、DクラスがAクラスを目指すのに欠かせない存在だ。
そんなこんなしてたら堀北としっかり目が合った。
瞬間、辺りが紫に染まった。
「え…、」
堀北の顔が変わった。
焦り顔が更に焦りが強くなる。
恋を経験した事が無い彼女にとっては強く無くてもこの感情が初めてなのだろう。
「あ、…あの…何、何なの?、…」
容赦無く近づく。
「ごめん、見るつもりは無かったんだけど。気になって…」
「あ、…ええ、そうなの?」
堀北がしどろもどろになっている。
可愛い。
「ここで、何してるの?」
「あ、…えっと、言えないわ…」
「そうか、…済まなかった、急に声かけて。じゃあな。」
俺はこれ以上はナンパになるからと思い。立ち去る事にした。
「あ、…待って!!!」
堀北に呼び止められた。
「何かな?」
「え、えっと…」
堀北はまだ混乱しているみたいだ。
「貴方は何処のクラスなの?」
「ん?俺、元Cクラス。つまりは現Bクラスだ。」
「現B…隣ね……。」
堀北にクラスを聞かれたので正直に答える。
折角なので話を続ける事にする。
けど、何聞けば良いんだろ。
クラスは可哀想だし。
う〜ん。あ、…
「なあ、小テストって君のクラスもあった?」
「えっ、ええ…」
「へえ、どうだった?俺の方…最後の3問だけ難しかったんだけどさ。結構苦戦したんだ。」
「あら、奇遇ね、私もよ…」
おお、この話題なら乗ってくれそうだな。
「だよね。正直、他の問題簡単にしてあそこだけ難しいって酷すぎるよ。」
「えっ、そ、そうかしら?」
「うん、絶対そうだよ。」
取り敢えず噛み合って無いけど会話出来てる。
凄い、初期北さんと話せてるよ。
「ち、ちなみに貴方は何点だったの?」
堀北に聞かれた。
「95点。」
「えっ、」
「結構頑張ったんだ。君は?」
驚く堀北にオウム返しをする。
「わ、私は90点よ…」
「あ、…やっぱり結構学力高いんだ。
うちのクラスだと俺の次に高いよ。
…何となくそんな感じはしたけど。」
何処かがっかりしたような堀北。
…俺に点数で負けたのが悔しいようだ。
「名前は?」
「わ、私?堀北鈴音よ…」
「俺は水影玲奈。よろしく堀北さん。」
「えっ、ええ…」
手を差し出すと握ってくれた。
もう一歩仲良くなるか。
「ちなみにクラス何処?
俺、自分のクラス以外だとDクラスに1人友達がいるだけなんだ。」
「え、…そ、…そうなの?」
「ああ、凄く心配だよ。あのクラス騒がしい人が多いからさ。
その人達のお陰で今月から苦しいみたいだし、
その中で1人孤独だけど頑張ってるんだ。」
こう言っておけば話しやすいか?
「わ、私はDクラス…」
「あ、…本当に?
じゃあ、堀北さんも巻き込まれちゃったんだね。」
「え、ええ…」
実際、この1ヶ月で彼女に落ち度は少ない。
友達を作らないのはどうかと思うけど。
「授業、集中出来た?」
「私は平気よ。騒がしかったけど。」
「え、…よくテスト大丈夫だったね。
俺の方はクラス全員で取り敢えず1ヶ月様子見したんだけどそうじゃ無かったら集中出来ないよ。」
「そ、…そうかしら?」
そんな感じで会話していた。
俺は時を忘れていた。
「鈴音。こんな所で友達と取り込み中か?」
「!!」
「え、…あ、…」
そんな事してたら生徒会長、堀北の兄が来ていた。
「に、兄さん…」
「鈴音、お前にも友達がいたとはな…」
「今日からですけど、待ち合わせしていたんですね。」
俺は少し警戒する。
堀北兄は怖く無いけど怖い。
「ふ、そう邪険にするな。」
「あ、…はい。」
堀北会長が俺の方を見た。眼鏡がキラリと光る。
「に、兄さん…!!」
そんな事してたら堀北が兄の方へ向き直った。
「わ、私は昔の自分とは違います。Aクラスにもなってみせます。」
「用件はそれだけか、」
堀北兄は妹を一瞥する。
家族に向ける視線では無かった。
「こ、これから這い上がって見せます!!!ですから!!!」
「鈴音、お前は昔と変わって無いな。」
堀北兄が妹に近づいた。
「お前にはAクラスになる資格もその実力も無い。」
「そ、そんな事は…」
堀北妹に兄が更に詰め寄る。
見てられないな。
俺は間に入った。
「会長…少しだけでも寄り添ってあげられないんですか。」
「お前には関係ない。」
「俺と堀北さんは友達です。ついさっきから。」
俺ははっきりと言った。
実際、これに関しては堀北が可哀想である。
折角ブラコンで能力的にも伸びる素質があるのに家族の存在がそれを殺してる気がする。
「会長がそう言うのなら俺が自分のクラスに堀北さんを引き込んで活躍させます。」
「!!!」
「そこまで気づいたか。」
あれ?おかしいな?
2000万で引き入れるって話じゃなくて、ポイントと引き換えに講師役になって貰うって意味だったんだけど。
「水影玲奈…今年の元Cクラスは上でも話題になっている。
入学早々Sシステムに気づいたらしき男の存在もな。」
「あ、…ありがとうございます。」
おい、この学校のセキュリティどうなってるんだ。
俺が攻撃されたら抵抗出来ない。
クラスで手一杯なのに、上級生の相手なんて出来ないぞ。
「上のクラスに上がりたければ死に物狂いで足掻け。それだけ言っておく。」
堀北兄はそれだけ言うと去って行った。
「ねえ、…さっきの話だけどどういう事?」
ベンチに2人で座る。
堀北が俺に聞いてくる。
「ああ、さっきの話ね。俺がポイントや支援を引き換えに、
俺のクラスメイトの勉強の講師役を堀北さんにして貰おうって話なんだ。」
「え、…そ、それは、。」
堀北は何とも言えない表情になる。
「うちのクラスメイトも勉強が出来ないからさ。講師が足りなくて支援が必要なんだ。」
「そ、そうだったのね…。」
堀北は納得したような表情になる。
「まあ、堀北兄さんが想像している事をすると言うことならもっと話が飛ぶけど。」
「な、何…?」
堀北が食いついた。
多分、原作通りだと近くに綾小路がいるので堀北の耳元に顔を近づけてそっと話す。
「だいぶ後になるけど。巨額のポイントで俺のクラスに堀北さんを引き入れるってお話。」
「え、…」
「2000万だよ。」
堀北は目を見開いた。
「そ、…それは無理じゃないかしら?」
「1年以内に揃えばいけると思う。堀北さんの手が必要なうちにね。」
原作でも葛城をクラスに龍園は引き抜いていた。
堀北がクラスに入った後を想像する。
そのまま行けば龍園のサブリーダーになるけど。
う〜ん将来的にだけどリーダー候補の素質あるし、出来そうならありだと思うけど。
「ま、…こっちは雲をつかむような話だ。期待しないでくれ。」
「そ、そうね…期待出来ないわ。」
俺は席を立った。
俺に待ったをかけた堀北が連絡先をくれた。それを受け取り、堀北と別れる。
「またね、堀北さん。」
「ええ。」
この先どうなるのか俺には読めなかった。
堀北と絡ませてみました。