「がはっ!?」
突撃してきた失禁の腹にステッキが深々と突き刺さっていた。
失禁の吐いた血が私の手を汚す。
汚らわしい……。
全力で失禁を蹴り飛ばす。
吹き飛び、倒れた失禁の周りに、仲間たちが駆け寄っていた。
これで、しばらく時間が稼げるだろう。
これから、魔王様の種を受精して、子を産む……私の至福の瞬間が来る。
魔王様の種を自らの性器に触れさせた。
(魔王様……)
何の苦もなく、種は私の性器へ入った。
震える指で、性器の奥、子宮へと種を押し込む。
指先に感じていた硬い種が──ぬるりとした粘液に変わった。
魔王様の種が、精子へと還元された……。
(遂に、貴方の子を、孕む事ができるのですね……)
待ちきれない卵子は、もう子宮口の手前まで来ていた。
そして、魔王様の元気な精子が、私の子宮に入ってきて、私の卵子と出会った。
快感が押し寄せてきて、立っていられない。
膝が笑っている。
老婆のように、地面に突き立てたステッキに縋り、何とか倒れずに済んだ。
この日を、どれだけ待ちわびたか……。
私の子宮内で今、受精卵がどんどん成長していくのを感じる。
右手でステッキを握りながら、左手で下腹部をさする。
この手の下に魔王様と私の愛の結晶が……。
涙が溢れて、視界が歪んだ。
(長かった……)
頬を伝う熱い涙を感じながら、私は感慨に耽る。
涙を流したのは、私が純潔を失ったあの日以来だ。
今流している歓喜の涙とは違い、無念の涙を流したあの忌まわしい記憶が蘇る……。
───
私の体内を熱くて太い性器が蹂躙していた。
結合部から聞こえる、はしたなくいやらしい音と痛みを必死に耐えている私のくぐもった声が室内に響いていた。
目の前の玉座に魔王様が座り、その隣にはあの忌々しい女が静かに立ち、二人とも無言で、私を見ている。
(見ない……でぇ…………)
目を逸らしたい、瞼を閉じたい……そんな欲求に駆られるが、そんな事は出来ない。
私が魔王様の姿を拝見する機会は、あの女と違い滅多に無い。
一瞬、一秒たりとも愛する魔王様の神々しい姿を、瞳に焼き付けなければ……。
「うぐぅ……」
腰を掴まれ、身体の奥深くに男性器が突き立てられ、思わず苦悶のうめき声が出てしまう。
初めて男性器を受け入れた私の身体が、悲鳴をあげていた。
結合部からは水音が聞こえるが、それが愛液なのか、破瓜の血によるものなのかはわからない。
魔王様に呼ばれ、子供を産んでほしいと言われた瞬間の幸福の絶頂から、今はどん底に私はいる。
魔王様に捧げるはずだった私の純潔は、愛する人の目の前で、無残に散らされてしまった……。
魔王様が召喚した化け物によって……。
今の私は獣のように全裸で四つん這いになり、後ろからはおぞましい化け物に犯され続けている。
私が愛する魔王様は、そんな私をじっと見下ろしていた。
(こんな私を……見ないでください…………ッ!?)
魔王様の下半身が膨らんでいる。
私のこの姿を見て、欲情されているのだろうか?
(せめて、魔王様のいち物を、私に……)
私は魔王様に向かって、手を伸ばす。
魔王様の立派な男性器を、愛撫したくて……。
「まおうさ「魔王様……」ッ!?」
私の言葉は、魔王様の隣に控える女に遮られる。
魔王様の顔は、ゆっくりとあの女に向けられた。
「なんだ?」
「魔王様、随分と昂っておられる様子。私が処理いたしましょうか?」
(あの女、よくもぬけぬけとそのような事を……)
私は女を睨みつけるが、あちらは素知らぬ顔だ。何て忌々しい女なのだろう……。
魔王様はしばし無言のまま、私にもう一度顔を向けられた。
「オコメよ、先ほど、私に何か言いかけたようだが……?」
これは、千載一遇のチャンスだ。
私は魔王様に訴えようと心に決める。
後で、どんな罰を受けてもいい。
私に、魔王様の昂ぶりを処理させてほしい……。
魔王様のいち物を見つめながら私は、口を開く。
「魔王さ……まぁん♡」
スイッチが入って身体中を快感が駆け巡り、はしたない声を出してしまった!!
私の声を聞いたあの女の瞳が、怪しく輝く。
「魔王様、あの者は愉しんでいる様子……水を差すのは無粋でしょう」
「む? それもそうか……オコメよ、すまなかった。存分に愉しむがよい」
「ち、ちがぁぁぁぁん♡」
否定の言葉が、嬌声に掻き消える。
あの女は、口元に笑みを浮かべながらそんな私を見る。
そして、魔王様の足元に跪いた。
「魔王様、失礼します……」
「うむ……」
私の愛する人が、目の前で他の女に奉仕されていた。
私は、その人の前で、後ろから犯されている。
悲しくて、悔しくて、情けなくて涙が出てきたが、身体は魔王様の下半身を見たせいか、快感に打ち震えていた。
声が、勝手に出る。魔王様以外の肉棒でよがっているところなんて見られたくないのに……。
「あっ! あっ! あひぃぃぃぃ♡」
女は、愛しい肉棒から口を離し、私の方とちらっと見た。
その顔は勝ち誇っているかのようないやらしい笑みが浮かんでいた。
「さぁ、魔王様、遠慮なさらず私の身体にたっぷり
そう言いながら、魔王様の肉棒を手で高速に摩り上げていた。
「う……む…………。
私の身体を貫く肉棒もそれに合わせて高速でピストンしていた。
(見ない……でぇ…………)
魔王様はじっと私を見つめている。
肉棒がピクピクと痙攣し始めて…………。
魔王様が射精した時、私の身体の中に火傷しそうなほど熱い粘液が注がれて──そこで私は意識を失った……。
……
強い花の香りに気が付いて、瞼を開けると、見知らぬ天井が目に入った。
(ここは……?)
「気が付いたか……オコメよ…………」
声を聞いて慌てて起きようとするが、身体が金縛りにあったように動けない。
首だけを向けると、ベッドの傍らの椅子に魔王様が座り、私を見ていた。
「急に起きると身体にさわるからな……お前には悪いが、私の力で動きを止めている」
なるほど……この状態は魔王様によるもののようだ。
「魔王様……ここは?」
「私の寝室だ。オコメよ……お前の身体に随分無理をさせてしまったようだ。私を許してくれ……」
頭を下げようとする魔王様を慌てて止め、花の匂いとは異なる匂いを嗅ぎ取る。
これが……魔王様の匂い!?
身体が火照ってくるのがわかる。
顔はもう、真っ赤だろう……。
魔王様のベッドを汚したくないので、もう少し股を閉じたいが、私の身体は魔王様の力により身動き一つ取れない。
自由に動くのは首から上だけだった。
それにしても……なんて幸運なのだろう。
魔王様が普段寝ているベッドで寝ていたなんて。
できれば、このまま魔王様にもベッドに入っていただき、寵愛を頂きたい……。
そんな事を考えていると、急に本来の目的を思い出した。
「魔王様! 子は? 私の子供はどうなりましたか!?」
「無事、生まれた……そちらを見るといい……」
魔王様とは反対方向に首を向けると、全裸の女が立っていた。
私とは似ても似つかぬ童顔に、貧弱な胸……。
「ダメ……だったのですね…………」
魔王様にかけた声は自分でもわかるくらい、落胆し震えていた……。
「最上位の悪魔を召喚したが、それでもお前の力を継ぐ子……肉分身は産めぬようだ……」
「この子だけですか?」
「そうだ……その子を産んだお前を4人の悪魔に犯させたが、生まれてくる事は無かった……。やはり、1日に産めるのは1人だけのようだな……」
魔王様の言葉を聞いて、私は情けなくて涙を流していた……。
「ま、魔王様……申し訳ございません……私は……オコメは…………」
その後は言葉にならなかった。
魔王様が立ち上がると、私の涙を自らの指で拭った。
「オコメよ……泣かないでおくれ…………。お前なら、いずれ5人産めるようになると、私は信じている……。あの悪魔たちは塔に送っておいたから、励むといい……」
魔王様の、子供をあやすような優しい声に、私の涙も止まる。
「魔王様……私に魔王様の精子を頂けないでしょうか? 魔王様の精子なら完璧な子を産める気がするのです……」
「そうだな……考えておこう。さぁ、もう休むがよい……眠らせるぞ…………」
私の頭を撫でながら魔王様は穏やかに言われた。
「ありがとうございます……最後に、眠る前に……あの子に名前を付けて……ください……」
瞼が落ち、視界が暗くなる……。
「ミカ……と名付けよう……」
(ミ……カ…………)
そのまま私は意識を手放し、気が付いた時にはミカと共に塔の自室のベッドにいた……。
───
あれから私は、魔王様に報いるために懸命に励んだ。
週に一度はあのおぞましい悪魔と交尾をし、肉分身を産んできた。
今では2人目までは安定して産めるようになった。
もう少しで、3人目も産めるようになる気がしていた。
但し、生まれてくる肉分身はやはり私と同等の力を持たない。
やはり、魔王様の精子でなければダメなのだ……。
2人目を産み落とす……。まだ、肉分身の姿を見てはいないが、私は確信していた。
今なら……今の私と魔王様の精子で……完璧な子を3人産める!!
私は深呼吸をし、下腹部に力を込める。
(魔王様……オコメは……産んでみせます…………)
───
「ヒナちゃん!?」
ヒナちゃんは荒い息と血を吐きながら、苦しそうにお腹を手で抑えて倒れている。
その下からは、真っ赤な血が噴き出していた。
傷は深そうだ。
「だ……いじょう……ぶ……」
よほど動揺した顔をしていたのだろう。
私を見つめて、ヒナちゃんが苦しそうに笑みを浮かべる。
「ヒナッ!?」
カオルが駆け付け、ヒナちゃんの様子を見て狼狽えていた。
ヒナちゃんは血まみれの手で懐を探り、輝くポーションを取り出すと、傷口に振りかけた。
みるみるうちに傷が塞がっていく……。
「死にはしないから、心配しないで。お兄ちゃん、治癒をよろしく……」
ヒナちゃんに言われて、カオルが治癒魔法をかける。
とりあえず、ヒナちゃんはカオルに任せて問題なさそうだ。
私は注意をオコメに向けた。
(ッ!?)
オコメからヒナちゃんを守るように盾を構えて立つクロの身体が、ガタガタ震えていた。
クロは、何を見ているのだろう……。
「クロ、一体何を見て…………」
クロの横に立った私は、視界に映るものを見て言葉を失った。
しゃがみ込んでいるオコメの後ろに、オコメが立っていた……2人も……
「あの人が産んだんだよ……ユキ、あれは……肉分身だよね?」
私は何も言わず、ただ頷くだけだった。
(2人も!? オコメが……3人!? まずいわ……)
私が急いで今後の戦闘プランを構築していると、オコメが絶叫した。
「魔王様!! 私に力をください!! 3人目を産む、力を!!!」
(噓でしょ!?)
イキむオコメの股間から、赤黒い肉塊が見えた。
このまま、肉分身を産む前に叩いておくか思案したが、後ろに立つ2人のオコメには隙が無い。
私は、状況を見守る事しかできなかった……。
白い花の上に、肉塊が産み落とされた時、私はクロに作戦を伝え、懐に手を入れた……。
───
ついに私は、成し遂げた。
私と同等の力を持つ、肉分身を3人産んだ。
自分の産んだ肉分身を眺めて、誇らしい気分だった。
やはり、私は間違っていなかった。魔王様の……愛する人の種があれば、完璧な肉分身を産めるのだ……。
めまいと吐き気が襲ってきて、何とか、呼吸を落ち着かせる。
正直、立っているのが精いっぱいだった。
(やはり、3人ともなると、身体への負担が……)
この感覚は初めてではない。初めて2人を産んだ時も同様だったので問題ない。
だが……。
(これは…………)
腹部の違和感は短時間で3人も産んだせいなのだろうか?
私は無理をして、いつものように背筋をピンと伸ばす。
目の前には3人の私の子──完璧な肉分身が全裸のまま立っている。
「あの者たちを倒せ!但し……あの女は殺すな!」
そう言って、元“勃起”である女を指差すと、子たちは無言で頷く。
この子たちはミカたちとは違う。
今の私に戦う力はないが、先ほどの戦闘で読み取った戦力ならば、3人いれば十分だろう。
私は勝利を確信し、身体が歓喜で打ち震える。
これで……魔王様の寵愛を受けられる…………。
「行け!そして、勝利しなさい!!」
3人の子たちが、奴らに向かって駆けはじめる……。