レセプがうつ伏せの俺の背に馬乗りになる。
身動きが取れない。
「お姉さん彼氏と別れてね。溜まってるの! もう1週間もエッチしてないんだよ? そんな中、キミみたいなフル勃起した子が来たらどうなるかわかる?」
「……わかりません」
「
(いや、いや、いや、いや、どういう思考回路だよ!)
「ちょっと! やめて下さい!!」
「やめる必要ある? この行為はWIN-WINだと思うけど?」
「どういう事ですか?」
「ここはオナ禁なのは知ってるよね?」
「えっ!? そうなんですか?」
まさかまだオナニー禁止区域の中とは思っていなかった。
「知らなかった? 文字訓練を受けるくらいだからキミは文字が読めないのね? それじゃあしょうがないわ。この街はオナニー禁止なの。オナニーはレイプより重罪なのよ」
レセプは続ける。
「オナニー禁止って事はスッキリするために相手が必要なの。それは理解してる?」
「……はい」
「じゃあキミのココはこんな事になっているんだからスッキリするためには相手が必要でしょ? お姉さんがその相手になってキミをスッキリさせてあげると言っているの。この誘い、断ることないんじゃないかな? ついでにお姉さんもスッキリさせてもらうけどね♡」
───
私とユキちゃんは受付前にあるソファーでお兄ちゃんが戻ってくるのを待っていた。
ッ!!
何か感じた。これは妹と妻の勘だ。
「コンソール!」
コンソールのパーティータブを確認するとお兄ちゃんの状態が“発情LV2”になっていた。
お兄ちゃんの身に何かが起こっているらしい。
「ユキちゃん、お兄ちゃん(の貞操)が危ない!!」
「えっ!?」
「ユキちゃん! これはヒナの勘だけどヒナを信じて! お願い! お兄ちゃんを助けるのに協力して!」
「ヒナちゃん! もちろん協力するわ!」
私は受付嬢の元に向かった。
「すみません! レセプさんとお兄ちゃんはどこに行ったかわかりますか?」
「レセプ? レセプならさっきの彼を
(なんで訓練場にそんな部屋があるのよ!)
「処置室と子作り室ってどこですか?」
「あの扉の先の右が
「ユキちゃん! 処置室の方をお願い!! ヒナは子作り室の方に行く!!」
「ええ、わかったわ!」
───
扉の先を左に曲がり子作り室を目指す。
目当ての部屋が見えてきたが……。
(うそ!? これ全部そうなの?)
左右に並ぶ6個の扉。合計12の部屋があった。
左手前の部屋のドアノブを握る。鍵は掛かっていないようだ。
「お兄ちゃん!?」
部屋に入ると誰もいないようだった。
部屋を出て正面の扉のドアノブを握る。
鍵は掛かっていなかった。
部屋に入るとこちらに足を向けて寝ている男性と、その男性の上で腰を激しく打ちつけている裸の女性の背中が見えた。
男性の姿はよく見えない。
「気持ちいいっ! イキそうっ♡あぁぁぁん♡」
女性のいやらしい声が響き渡る。
「この糞泥棒猫!!」
私は怒りのあまり口走っていた。
この時はまだ自分の犯した失敗に私は気付いていなかった……。
───
「気持ちいいっ! イキそう! イッちゃう! イッちゃうよぉぉ! あああぁぁぁん〜〜♡♡♡」
レセプは俺の上で果てていた。
腰をガクガク震わせたあと俺の上に倒れ込んできた。
「ハァ……ハァ……キミ、上手だね。本当に童貞なの?」
荒い息のレセプが聞いてくる。
「童貞ですよ。レセプさん、そろそろ俺の方も……」
「ゴメンね。お姉さんばかり3回もイッちゃって♡ そうだね。キミも頑張ってくれたし、お口と手でする約束だったけど、特別にお姉さんのマンコで抜いてあげる♡」
「ちょっと!? それはしない約束だったじゃないですか!?」
「ちゃんと避妊はするから大丈夫♡」
「そういう問題じゃないです!」
「お姉さん、キミの指と舌でイカされてマンコにオチンチン入れてほしくなっちゃった♡ お願い! 先っぽだけでもいいからお姉さんのマンコにキミのオチンチン突っ込んで♡」
レセプのオマンコが、俺の指を締め付けた。
(絶対先っぽだけじゃ済まないだろ!?)
その時……。
コンコン
扉をノックする音が聞こえた。
「ちょっと! 使用中よ! 他の部屋に行って!!」
レセプが不機嫌そうに声を荒げる。
「ッ! その声はレセプさんですか!? カオル君もそこにいるの!?」
ユキの声だ。
「ちっ! 邪魔が入ったわね。これ、お姉さんの部屋のコード。続きは私の部屋でしましょう♡」
レセプから名刺を受け取る。
(この名刺、どこから出したんだろう? 全裸なのに……)
───
扉を開けると心配そうな顔をしたユキがいた。
「カオル君、大丈夫だった?」
「大丈夫だ。ヒナは?」
「ヒナちゃんは子作り室の方へ向かったよ」
「子作り室?」
嫌な予感がした。
「ユキ、子作り室はどこだ!?」
「ここをまっすぐ行ったところだけど?」
「嫌な予感がする。急いでヒナのところに向かおう!」
───
前を駆けるカオルの背中を見て、やはり兄妹なんだなーと思っていた。
お互いが相手の事を想ってる。
(私は一人っ子だから少し羨ましいな)
子作り室らしいところに着いたけどたくさんの扉がある。
(処置室よりは少ないけどこんなにあるの?)
「ユキは右側を頼む! 俺は左側を調べる!」
私達は手分けしてヒナちゃんを探す。
最初の扉に鍵は掛かっていなかった。
部屋に入るとベッドの上で全裸の女性に押さえつけられて泣き叫ぶヒナちゃんと、ヒナちゃんのウエディングドレスのスカートに手を入れている全裸の男が目に入った。
プツンッ。
私の頭の中でスイッチが切れる音が聴こえた……気がした。
───
俺が入った部屋には誰もいなかった。
念の為部屋の隅々まで誰かいないか確認していると、ユキの絶叫が聞こえた。
急いで部屋を出て正面の部屋に入る。
「ユキ! 無事か!?」
部屋に入ると床に全裸で倒れている女性。
ベッドの傍らで震えて泣いているヒナ。
ベッドの上で全裸の男に馬乗りになって顔を殴りつけている鬼の形相のユキの姿が目に入った。
ユキの下の男は顔が原型を留めてないほど腫れあがっていた。
ユキは泣いていた。
思わず俺は叫んだ。
「ユキ! やめろ! 殺してしまうぞ!!」
「カオル! 止めないで! コイツはヒナちゃんのオマンコをっ!!」
───
ドゴンッ!!!
衝撃音と振動で私は身体を硬直させた。
「ユキ……。今なんつった?」
恐ろしく冷たく低い声が聞こえる。
(えっ!? カオル……だよね!?)
「わりぃ。よく聞こえなかった。ユキ、今なんつった?」
「……」
「ユキ、黙ってたらわからねぇよ。なんつった?」
「こ、コイツがヒナちゃんのスカートの中に手を入れて……」
「そうか。コイツがヒナのスカートの中に手を突っ込んで、ヒナの大事なところにも突っ込んだのか……」
私はカオルを見た。
カオルの目から光が失われていた。
部屋の入口にあったはずの扉は真っ二つに割れて廊下に転がっていた。
こんなカオルを見るのは初めてだった……。
怖い……。
カオルが一歩二歩と私に近づいてくる。
「ユキ、止めちまって悪ぃ。代われ! ヒナを頼む」
呆然としている私を乱暴に押しのけてカオルが男にまたがる。
私はヒナちゃんを抱きしめた。
ヒナちゃんは震えて泣いていた。
「お前、俺の妹に何した?」
「にゃ、にゃにもしてないひょ?」
ボコボコの男が答える。
「何もされていないのに何故妹は泣いている?」
「嬉しくてにゃひてるんじゃなひか?」
ミチッ!!!
カオルが男を殴った。
「俺の妹は何が嬉しくて泣いてるんだ?」
「モビー3しぇいのお手付きににゃるのは光栄だゃと思うじょ?」
ミチッ!!!
またカオルが殴る。
「何が光栄なんだ?」
「わたひの子を孕めるにょは光栄なことだひょ?」
ミチッ!!! ミチッ!!!
「お前の様な下種の子を孕んで何が光栄なんだ?」
「ひつれいな。わたひはモビー3しぇいだじょ!」
ミチィッ!!!
「お前が何処の誰かは知らない……が、俺の妹を泣かした償いはしてもらう。2度と妹がお前の事を思い出さないように、お前はここで殺す!」
ヤバい! カオルが人殺しになっちゃう!
「カオル! もうその辺で……」
「……ユキ……なんか言ったか?」
「……」
私はカオルが怖くて止められなかった……。
「ひょっ! ひょっとまて! わたひにびょうりょくをふるうと……」
ミチィ
「お前に暴力を振るうとどうなる?」
「てゃ、てゃいへんなこひょになるぞ?」
ミチィ
「お前、これが暴力だと思っているみたいだが大きな間違いだ。本物の暴力というものを教えてやる。ユキ、ヒナと一緒に部屋を出ていけ!」
ヒナちゃんがカオルを見て泣き叫ぶ。
「お兄ちゃん! ごめん、ごめんなさい。ヒナ……うわぁぁぁぁん! お兄ちゃん、ごめんなさい!! 許してください!」
「ヒナ、さっさと部屋を出ろ。お前の代わりに俺がこいつを殺す」
「ひぃ! ひゃひゃめてくれぇたひゅけて!!」
ミチィ!
「お前は黙れ」
ミチィ! ミチィ! ミチィ!
カオルが殴り続けている。
いつもは冷静なカオルはここにはいない。
的確なアドバイスをくれるヒナちゃんもいない。
この場は私が何とかするしかない……。
私は覚悟を決めた。