※この作品はR-18です。

お兄ちゃんの子供が欲しい妹とそうでもない兄   作:猫見サイル

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死姦を思わせる描写があります。苦手な方はご注意ください。




37 幼馴染が死んでいるのでエッチして蘇生します

「お兄ちゃん、またエッチな映画観てるの?」

 

 リビングで映画を観ていると妹の日向(ひなた)が帰ってきた。

 

「ひな?またとは何だ?またとは……。あれ?ユキもいたのか?」

 

 ひなの背後からユキが顔を出す。

 

「お邪魔します。カオル、何観てるの?」

 

 ま、まずい……。

 一時停止した場面を思い出し、気まずくなる……。

 

「同じクラスの男子から借りたんだ。オススメだって。まだ観始めたばかりだから一緒に観るか?」

 

 誤魔化すために提案する。まぁ答えはわかりきっているが……。

 

「ひなはいいけど、ユキちゃんはこういう映画興味ないと思うよ?」

 

「だよな。俺、自分の部屋で観るよ。リビングは2人で自由に使ってくれ」

 

「……私観てもいいよ?怖いの?」

 

 珍しい事もあるもんだ。

 ユキは映画にあまり興味は無いと思っていたので、俺は円盤を取り出して部屋に行く気マンマンだったからだ。

 

「一応ホラーと言っていたがどうなんだろうな?」

 

「お兄ちゃん、どんな話なの?」

 

「宇宙から吸血鬼がやってくる話らしい。その吸血鬼に吸われるとミイラみたいになって、そのミイラがまた他の人間を襲って……みたいな話。これがその吸血鬼だ」

 

 テレビには全裸で眠る美女が映っていた。

 一時停止中でちょうどおっぱい丸出しの場面だ。

 魅力的な身体だった。

 

 ……

 

「なんか色々すごかった……」

 

 観終わったユキの最初の一声だ。

 その通りだった。

 俺は吸血鬼のおっぱいしか覚えてなかった。

 

「俺はおっぱいしか覚えてないな」

 

 ……思わず口に出してしまった!

 

「お兄ちゃんのエッチ!ユキちゃんにあんなことしてミイラみたくしないでよ?」

 

 ユキが赤くなる。

 

「できるか!でももしユキがミイラになったら……。ひな、一肌脱いでくれ」

 

 ひなに軽口を叩く。

 

「ひどいよ!ひなじゃなくてお兄ちゃんがユキちゃんに吸われてよ!」

 

 ユキがさらに赤くなる。

 ひなの言う事はもっともだ。

 

「それもそうだな。ユキ、安心しろ。ああなったら俺が吸われてやるよ」

 

 顔を真っ赤にしたユキを視界に入れながらひなとユキにそう返した。

 

 ──────────────────────────────

 

 夢……か……。

 元の世界で退屈ながらも平和に過ごしていた頃。

 何年も前の出来事の夢。

 

 俺は顔をあげてベッドを見る。

 

 全裸のユキと泣きじゃくるヒナがいる。

 これは夢じゃなかった。

 夢だったらどんなに良かったことか……。

 いや、この世界は夢の世界だから……夢と言えば夢か……。

 

 ……頭の中がグチャグチャだ。

 

 あの日を思い出す……。

 

 ──────────────────────────────

 

 ヴァーギナーから話を聞いた俺は部屋を出て、ヒナとユキの元に向かっていた。

 ユキに中出ししたから、帰ったら薬を飲んでもらわないとな……などと考えながら。

 

 2人の姿が見えた。

 

 ユキは変わらず床に寝ている。

 ヒナはユキの傍らの床に座り泣いていた……。

 何があった!?

 

「ヒナ!どうした?」

 

「お兄ちゃん!……ユキちゃんが……」

 

「ユキがどうしたんだ?」

 

「息をしてないの……。心臓も……」

 そう言ってヒナは泣き崩れる。

 

「えっ!?」

 

 急いでユキの様子を見る。

 マスクに手を当てる……息をしている感触が無い……。

 マスクに耳を近づける……息をする音が……しない。

 

 次は心臓だが……

 意識が無いとはいえ勝手に胸を触るのは流石に憚られる。

 しかし、触らないと確認ができない。

 ……ユキ、すまない!

 心の中で謝り、全裸で横たわるユキの左胸に手を当てる……。

 ……鼓動を感じない……。

 

 

 嘘だろ……?ユキ?

 

 

 俺は急いで左胸に耳を当てる。

 俺の頬にユキの柔らかい胸が触れる。

 鼓動の音は……聴こえなかった……。

 

 ……

 

 その後の記憶はあやふやだ……。

 いつの間にか俺達は宿に戻ってきていた。

 

 ──────────────────────────────

 

 時間の感覚が無い……。

 帰ってきて何日経ったのだろう?

 

 ベッドの上にはユキの死体が横たわっている。

 ヒナはずっとユキに縋り付いて泣いている……。

 

 俺はベッド横のソファーに座って俯く。

 

 ユキが……俺の妻が……。

 

「嘘……だよな?」

 

 ソファーから立ち上がり、ユキを見下ろす。

 まるで生きているようだった……。

 

「お兄ちゃん?」

 

 ユキに顔を埋めていたヒナが俺を見上げる。

 

「ヒナ……ユキは死んでない。眠っているだけだろう?」

 

「えっ!?」

 

 ヒナは大きく目を見開いて俺を凝視する。

 

「前にもこんな事あったろ?俺が抱けば目を覚ますよ。……そこをどいてくれ。俺にユキを抱かせてくれ!」

 

「お兄ちゃん!やめて!」

 

 ヒナが俺を止める。何故だ?

 

「ヒナ、何故止めるんだ?ユキが目を覚ますんだ。早く抱いてやらないと……」

 

「ユキちゃんはもう死んだんだよ!!」

 

 

 俺の中で怒りがこみ上げる……。

 

 ──────────────────────────────

 

「死んでねーよ!!ユキが死ぬ訳ないだろ!ふざけた事言ってんじゃねーよ!!」

 

 

「……お兄ちゃん?」

 

 普段のお兄ちゃんから出るはずもない言葉を聞いて、私はショックを受けていた。

 

 お兄ちゃん……。

 

 ユキちゃんの死のせいでお兄ちゃんは悲しんでいる……。

 混乱している……。

 私が支えないと……。

 

「お兄ちゃん!お願い!ユキちゃんに乱暴しないで!!」

 

 お兄ちゃんに縋り付くがはねのけられる。

 

「ヒナ、早くどいてくれ。ユキを抱けない!キャストオフ!」

 

 お兄ちゃんが全裸になる。

 

「お兄ちゃんの性欲処理ならヒナがするから!やめて!」

 

「俺が抱きたいのはユキなんだ。邪魔するな!」

 

 

 ダメだ。今のお兄ちゃんは説得できない!

 ならば……。

 

「お兄ちゃん、……わかった。でもそのまま挿れたらユキちゃんも痛いだろうし、お兄ちゃんのオチンチンも完全に元気になってないから、ヒナに舐めさせて?」

 

 お兄ちゃんはしばらく考え込むと、無言で頷きベッドに腰掛ける。

 私は全裸になりオチンチンを咥え込む。

 

 ……

 

 口も手も、おっぱいも使った。

 でもお兄ちゃんのオチンチンはいくら愛撫しても元気にならない。

 

 ……お兄ちゃん

 

 普段ならすぐ元気になるはずなのに、相当こたえているのだろう。

 懸命に咥えこんで舌で愛撫している私の頭の上にポタポタと熱い雫が垂れてくる。

 お兄ちゃんが泣いている。

 私も涙が溢れる……。

 涙を流しながらお兄ちゃんのオチンチンをしゃぶり続けた……。

 

 ……

 

 結局元気にはならなかった。顎が……疲れた……。

 

「お兄ちゃん、今日はもう無理だよ。明日、ユキちゃんを抱かない?

 お兄ちゃんあまり寝てないみたいだから横になって!」

 

「……」

 

 無言のお兄ちゃんをユキちゃんの左隣に寝かせる。

 抵抗は……されなかった。

 お兄ちゃんはしばらくぼんやり天井を見ていたが、やがて眼を瞑り寝てしまったようだ。

 私は部屋の灯りを消してユキちゃんの右隣で横になった……。

 

 ──────────────────────────────

 

 全裸のユキが俺の上に跨っている。

 いつもしているマスクをしていなかった。

 この世界に来てから初めてユキの素顔を見たのではないのだろうか……。

(良かった……ユキはやはり生きていた……)

 

 部屋に灯りはついていない……。

 うっすら見えるユキの身体は美しかった……。

 

(ユキ!)

 声に出して抱きしめようとしたところで

 ユキの左人差し指が俺の唇に当てられる。

 まるでヒナを起こさないよう静かに……と言っているようだった。

 唇に当てられた指はひんやりしていた。

 

 そのままユキは俺の右手を恋人繋ぎして俺の胸に顔を落とす。

 俺の胸の傷を冷たい舌で舐め始める。

 

 ゆっくり……ゆっくり……ゆっくり……。

 

 楽しむように傷を舐めると、今度は俺の乳首を舐める。

 舌の冷たさと快感に身体が反応する。

 俺の股間がどんどん膨らむ……。

 

 しばらく俺の乳首を愛撫した後、ユキは俺の股間を右手で握る。

 

 股間はもうフル勃起している。

 

 ユキは腰を浮かせて俺の亀頭を自分の膣口にあてて

 ゆっくり挿入していった。

 

 俺はユキが生きていた事が嬉しくて……。

 2度と抱けないと思っていたユキを抱けるのが嬉しくて……。

 ユキの体内が気持ち良くて……。

 

 

 ……涙が溢れる。

 

 

 ユキのオマンコが俺を根本まで咥えこんだ瞬間!

 俺はユキの一番奥で耐えきれずに射精した……。

 

 ──────────────────────────────

 

 目を覚ますとベッドの上だった。

 右を向くとユキが寝ている。

 

 あれは……夢だったのか……?

 股間を触ると……ヌルヌルはしていない。

 

 起き上がるとソファーに座るヒナが見える。

 ……確認しないと!

 

「ヒナ!ユキは!?」

 

「お兄ちゃん?」

 

「ユキは生きているか?」

 

 驚く顔が徐々に崩れヒナは泣き出す。

 

 俺はユキの股を広げてオマンコを見ようとする。

 

「お兄ちゃん!やめて!!」

 

 

 ヒナが俺を止めるので昨夜の出来事を説明する。

 ヒナは黙って聞いていた……。

 

 ……

 

「ヒナ、念のために聞いておく。自分の身体やカオリを使って昨夜俺に射精させたか?」

 

「……ヒナ、何もしてない……」

 

「ヒナ、ユキの膣内に俺の精子があるか確認してくれないか?」

 

「……」

 

 

 ヒナがユキのオマンコに指を挿れると……。

 とろぉ……と精子が溢れてきた。

 

 

 !!!!!!!

 

 やはり、ユキは生きていた!

 ヒナが非難の目を向けるが俺はそんな事はもうどうでもよかった。

 

 ユキが……俺の妻が……生きている!

 俺の身体は歓喜に打ち震えていた……。

 

 

 ヒナも泣いている……。ユキが生きている事を知って嬉しかったのだろう……。

 

 ──────────────────────────────

 

 お兄ちゃんがどうしてもとお願いするので、ユキちゃんの身体を確かめた。

 

 ……ユキちゃん、ごめんなさい!

 

 オマンコから、どうせ出ないと思っていた冷たい精子が出てきたとき、私はショックだった。

 

 お兄ちゃんはユキちゃんの死体を犯していた……。

 あんなにやめてくれとお願いしたのに……いつの間に……。

 

 私は怒りに燃えていた。

 

 何か言ってやろうとお兄ちゃんを見ると、涙を流して喜んでいる……。

 

 

 ……お兄ちゃんはもうおかしくなっていた……。

 

 

 私の大切な人は死に、愛する人はもう壊れている。

 

 

 一気に2人を失った絶望で私は涙を流す。

 

 

 こうなったのは私にも原因がある。

 私が冷静に行動していれば、ユキちゃんはこうはならなかった……。

 

 私がお兄ちゃんのように冷静にキャストオフ&清掃に気付いていれば……。

 

 

 私のせいでユキちゃんは死んだ。

 お兄ちゃんだって、それは気付いてるはずだ。

 

 でも、お兄ちゃんは私を責めない。

 

 

 もうお兄ちゃんと……愛する人と……一緒にどこまでも堕ちていこう……。

 

 ……

 

 ジュッポ!ジュッポ!ジュッポ!ジュッポ!

 

 お兄ちゃんはユキちゃんの胸を舐めながら私の口に腰を打ち付けている。

 私の頭は今、ユキちゃんの太腿の間にある……。

 もはや私の口はユキちゃんのオマンコの代用だった。

 悲しいけれど、お兄ちゃんがいいならそれでいい。

 

 お兄ちゃんは相変わらず不能だった。

 きっとどこかで気付いているのだろう。

 ……ユキちゃんが死んでいる事を。

 ユキちゃんの死体を抱くのを拒否しているから元気にならない……。

 

 

 なぜ勃たないのか当の本人は気付いておらずイライラしていた。

 もう外は暗くなっていた。

 

「お兄ちゃん、ごめんなさい。ヒナ、もう無理!」

 

 お兄ちゃんのオチンチンを口から吐き出して謝る。

 私の顎はもう限界だった。

 

「お兄ちゃん、明日媚薬買ってきて試してみよう?明日のために今日はもう寝よう?」

 

「クソッ!早くユキを抱いて起こしてやりたいのに……。わかった。もう寝る」

 

 お兄ちゃんは全裸のままユキちゃんの隣に横になって眠ってしまった。

 

 ──────────────────────────────

 

 私は寝る前に湯舟に浸かっていた。

 これから私達はどうすれば……

 ユキちゃんの死体をどうしよう……

 戦力も大幅ダウンだ……

 などと考えていたが……。

 

 ……もうどうでもよくなってしまった。

 

 

 この世界で壊れたお兄ちゃんを支え続けるだけだ。

 

 

 そのうち私も壊れて……2人とも死ぬだろう。

 

 それでもいい。

 これは私がお兄ちゃんとユキちゃんに出来る罪滅ぼしだ……。

 

 ……

 

 お風呂場から出るとどうも様子がおかしい。

 そっと部屋をうかがう。

 

 

 ベッドの上でお兄ちゃんがユキちゃんの両手を握りながら犯していた!

 

 

 おにぃ……。

 

 声を掛けようとするが、黙って観ることにする。

 

「今はヒナがいないから声を出してもいいんだぞ!ユキ!……なんで何も言ってくれないんだ?ユキの膣内すごく気持ちいいよ!ユキ!愛してる!!目を覚ましてくれ!!ユキ────!!」

 

 お兄ちゃんが腰を震わす……。果てたようだ。

 

 

 お兄ちゃんはユキちゃんの死体から離れると、ヨロヨロとユキちゃんの死体の寝相を整える。

 自分もユキちゃんの死体の隣に横になり……寝てしまったようだ。

 

 ベッドを見下ろすとお兄ちゃんはぐっすり寝ている。

 

 これは夢遊病?

 

 明日、確かめなければならないなと考えながら、私は“清掃”を使ってからベッドに横になった。

 

 ──────────────────────────────

 

 次の日、お兄ちゃんは媚薬を買いに出かけた。

 お兄ちゃんが言うには、昨夜もユキちゃんが起きて、お兄ちゃんの身体を求めてきたらしい。

 

 早くユキを起こしてあげないと……ヒナ、これで大丈夫だ……。とお兄ちゃんは嬉しそうだった。

 

 私は、昨夜観た事を伝えようと思ったが……やめた。

 お兄ちゃんが幸せなら……このままでいい。

 辛い現実を突きつけるのはよしておこう。

 

 ……

 

 媚薬の力を借りてお兄ちゃんのオチンチンは復活した。

 

 お兄ちゃんはユキちゃんの死体を犯し続けていた。

 私はそれをぼーっと見ている。

 手だけはちゃんと繋いでもらっている。

 

 私はお兄ちゃんのオチンチンを元気にさせたり、射精後のお掃除フェラをしたりして支えた。

 

 目の前で好き勝手犯されているユキちゃんを見て悲しかったが、もうお兄ちゃんの好きにさせると決めたから何も言わない。

 

「ユキ────!もう出るぞ!!頼むから起きてくれ!!」

 

 お兄ちゃんがユキちゃんに深く腰を突き立て射精している。

 何度目の射精だろう?

 最初のうちは数えていたけど、もう数えるのはやめていた。

 オチンチンを抜くとユキちゃんの死体のオマンコから収まりきらない精子が溢れる。

 

「ヒナ、少し萎えた。頼む」

「……はい」

 

 私はもうモノ扱いだった。

 でもいい。お兄ちゃんが……愛する人がよければ……私はどうなってもいい。

 

「ユキは全然起きないな……刺激が足りないのか?……アナルに挿れてみるか……」

(えっ!?)

 

 お兄ちゃんがとんでもない事を口走る。

 興奮しているのか私の口の中でお兄ちゃんが膨らむ。

 

 ──────────────────────────────

 

「お兄ちゃん!お願い!それだけはやめて!!」

 

 私は必死に懇願した。

 アナルセックスなんてユキちゃんは絶対に嫌がるはずだ。

 

「お願い!そんなにお尻に挿れたかったらヒナのお尻に挿れて!ヒナ、嫌だけど我慢するから!お願いだからユキちゃんには挿れないで!!」

 

「ヒナ、心配かけてすまない。これでユキを起こしてやる。嬉しくて泣いているのか。俺も泣きそうだよ。やっとユキを起こせるんだ」

 

 全然話が通じない。

 お兄ちゃんの目は血走っている。

 完全に錯乱しているようだ。

 

 お兄ちゃんはユキちゃんをうつぶせにしてお尻を持ち上げて股を開く。

 

「やめて!お兄ちゃん!」

 私はお兄ちゃんの背後から引き離そうとするが、跳ね飛ばされる。

 

「いたっ!!」

 

 顔を上げるとお兄ちゃんはユキちゃんのお尻に挿入しようとしていた。

 手ももう繋いでいない。

 左手でユキちゃんのお尻を支え、右手は自分の股間に伸びている。

 

「お兄ちゃん!やめて──!!ユキちゃ……お姉ちゃ──ん!!」

 

 私は泣きながら叫ぶ。

 こんなの……もう……耐えられない!!

 こんな光景見たくない!!

 

 私ももう壊れそうだった……。

 

 私は諦めて目を閉じて俯いた……。

 

 

 ドゴン!!

 

 

 物凄い音が聞こえた。

(……?)

 

 目を開けて顔を上げるとお兄ちゃんはいなかった。

(……!?)

 

 ユキちゃんの右足が宙にピンと伸びている。

(えっ!?)

 

 

「……何すんのよ!このヘンタイ!!」

 

 

 ……ユキちゃん?ユキちゃんがしゃべった!?

 お兄ちゃんは壁に激突してそのまま崩れていた。

 

「……ユキ……ちゃん……?」

 

「……ヒナ、心配かけてごめんなさい。たくさん悲しませて……泣かせちゃってごめんなさい」

 

 

 ユキちゃん……まだ謝るのは早いよ……。

 

 

 私はこれからもっともっともっともっと……

 

 

 

 泣くんだから……!

 

 

 涙で歪む視界の中、ユキちゃん目掛けて私は飛びついた……。

 

 ──────────────────────────────

 

 ヒナちゃんの身体はとても温かく、心地よかった。

 

 私は泣き叫ぶヒナちゃんを抱きしめながら、女神の卵の中でのことを思い出す。

 

 ──────────────────────────────

 

 私は女神の卵の中で考え込んでいた……。

 

◇力  :8

◇知恵 :8

◇信仰心:5

◇生命力:8

◇運  :8

◇胸  :0

◇性器 :0

BP  :30

 

 今表示されているBPは30……今まで再抽選で出た最高値だ。

 この30がBPの最高値かもしれない。

 

 くノ一になるためには力~運まで全て17にする必要がある。

 17×5=85

 

 人間の初期値の合計値は37。

 BPを足して67。

 くノ一になるために必要なポイントが18足りない……。

 

 

 その時、ふと閃いた。

 

 人間以外の種族なら?

 

 私は種族を変えてみる事にした。

 種族はいろいろあるが出来れば人間に近い見た目の方がいい。

 

 初期値の合計が50を超える種族はいないようだ。

 合計値上位はもう人外の見た目が多い。

 

 合計値上位から見ていくと……

 合計値46で見た目も人間とそう変わらない種族が見つかった。

 

 ひとまず選択してみる。

◇力  :10

◇知恵 :10

◇信仰心:6

◇生命力:10

◇運  :10

◇胸  :0

◇性器 :0

BP  :30

 

 BPを割り振る。

◇力  :17

◇知恵 :17

◇信仰心:8

◇生命力:17

◇運  :17

◇胸  :0

◇性器 :0

BP  :0

 

 あと9足りない……ならば。

◇力  :17

◇知恵 :17

◇信仰心:17

◇生命力:17

◇運  :17

◇胸  :-9

◇性器 :0

BP  :0

 

 くノ一になれる!……が、問題がある。

 この口元の牙だ……。

 

 見た目タブを選択して服を選んでいく……。

 

 ……これだ!

 

 全身赤のフード付きの丈の長いドレス。

 そして肝心の口元はマスクで隠れている。

 

 これなら口元が隠れていても不自然じゃない。

 色と形をいろいろと調整して今の私が完成した。

 

 ──────────────────────────────

 

 俺は胸の痛みで目を開ける。

 背中も痛い……どうやら壁に叩きつけられたようだ。

 

 ベッドの上にはユキに抱きついて泣き叫ぶヒナ。

 ヒナを抱きしめる全裸のユキの姿があった。

 

 

 ユキ……やっと目を覚ましてくれた……。

 

 

 涙で歪む視界の中、2人目掛けて俺は抱きつこうとして……。

 

 

 ユキに思いっきりグーで顔面を殴られた!!

 目からは涙……鼻からは血が出る……。

 

 床に倒れる俺を全裸のユキが見下ろす。

 

「カオル……よくもヒナを……私の妹を傷つけて……泣かせてくれたわね!そして抵抗できない私を犯して、お尻まで犯そうとした……。……覚悟は出来ているわね!!!」

 

 

 ユキの瞳が赤く輝く。

 

「とりあえず、まずは吸わせてもらうわ!約束通りね!!」

「吸う?……何を?約束?」

 

 この後、俺はユキに下級治癒を1日分全部使うハメになるほど、こってりと絞られた。

 

 ……

 

 ニッコリ微笑むヒナの顔が迫る……。

 

「お兄ちゃん、ヒナと仲直りのエッチが必要だね?」

 

 

 

 その後ヒナにも精子をこってり搾り取られた……。

 

 ──────────────────────────────

 

「吸血鬼?」

「そう。正確には吸血姫(き)よ」

 

 だから俺の鼻血を啜ってたのか……。

 

「息と心臓が止まっていたのは……?」

「アンデッドだもの、どちらも止まっているわ」

 

 ……それは確かにそうだな……。

 

「目を覚まさなかったのは?」

「目は覚ましていたわ……身体が動かせないだけだったのよ……。意識はあったわ……」

 

 ……えっ!?

 俺はユキに対して行ったあんな事やこんな事を思い出して青くなる……。

 ヒナへの扱いもだ。

 

「……思い出したらまた腹が立ってきたわ!カオル!よくもヒナちゃんと私にヒドイ事をしてくれたわね!」

 

「それはさっきボコボコにされたので済んだだろ!許してくれ!それに、ユキがもっと早く身体を動かせば防げたはずだ!」

 

「仕方なかったのよ!ヒナちゃんを助けるために無理したから……」

 

 なるほど。あのせいだったか……。

 ユキが不満そうに俺を睨む。気付かないフリをする。

 

「ユキちゃん、ヒナのせいでごめんなさい!」

「いいのよ。ヒナちゃんが無事でよかった」

 

 ユキがヒナを抱きしめて頭を撫でている。

 

「そうだ!ユキ!もう遅いかもしれないが避妊薬を飲んでくれ!明日も飲んでほしい!もう出来てたら……責任は取る!!」

 

 俺は避妊薬を飲まずにユキを犯していたので妊娠する可能性がある。

 

「要らないわ。私は子供を産めないの……。正確には排卵しないのよ……」

 

 ユキが寂しそうに言う。

 

「あれ?おかしいよ?前に妊娠検査した時、ユキちゃんは次の排卵日までの日数が8だったよ?」

 

 そうだったのか……どういうことだ?

 ユキはしばらく考え込むと……。

 

「ヒナちゃん、それは8じゃなくて∞だったんじゃないかしら?」

「あ!そうだったかも!」

 

 俺は最後の疑問を聞く。

 

「ユキ……部屋に戻ってきてからさっきまで一度も動かなかったのか?」

 

 俺はユキに身体を求められた夜の事を思い出していた。

 あの時も傷を舐めていたが……血が目当てだったのか……?

 

 

 ユキは左人差し指を俺の唇に当てる。

 

「……秘密」

 

 ユキは悪戯っぽく笑っていた……。

 

 ──────────────────────────────

 

 迷宮攻略が完了した今、

 俺達はボットンベリーにはもう用は無いという結論に達した。

 

 次の街を目指す事に決める。

 

 ヴァーギナーに魔王の居場所を聞けなかった事が悔やまれる。

 

 ──────────────────────────────

 

 俺達3人でアクエリアンの元に転移しようと

 案内図からお気に入りを選択する。

 

・お気に入り

 ・レセプの部屋

 ・バニー軍曹の寝室

 ・祭り会場

 

 ヒナとユキから冷たい視線を向けられる。

 

「アナタ?レセプさんの部屋がお気に入りなのね?」

「カオル……やっぱりバニー軍曹と……」

「ご、誤解だ!おれはどっちにも転移したことはないぞ?」

 

 

 ……この後、いろいろ搾り取られた……。

 

 ──────────────────────────────

 

「アクエリアンさん、明日、出立します。色々お世話になりました」

 

「キミ、なんで怪我しているんだい?まぁいい。お大事に……」

 

 アクエリアンはヴァーギナーの部屋にシュートを作り、

 ヴァーギナーの産んだ新生児は全て祭り会場送りになっている。

 

◇シュート

 今いる階より下の階に落とされる落とし穴

 ダメージは受けない

 極々稀に上層階の別の場所に移動する(原理は不明)

 

 

 アクエリアンは0歳から熟成できると大喜びしていた。

 

「遂に年齢イコール熟成年の傑作が作れる!キミには感謝しているよ。そういえばはつゑが無事子供を産んだんだ。女の子だよ。トメも来月には私の子を産むだろう」

 

「無事生まれて良かったですね。私達の子供です」

 

 ヒナの手に持つアサヒとカオリを見せる。

 

「素晴らしい!魔道具だね。感情も意識も感じられないが、親を愛している……。それだけはわかるよ」

 

 その言葉にヒナは涙を流していた……。

 泣きじゃくるヒナの肩を俺は抱く。

 

 ──────────────────────────────

 

 娼館“穴×棒”は俺が訪れた時よりだいぶ様変わりしていた。

 ただ穴と棒で性欲を処理するための場から出会いの場になっていた。

 

 “こちら穴、最後尾”の看板を掲げる男が走ってくる。

 

「兄ちゃん!本当に申し訳なかった!俺が薬の使い方伝え忘れたばかりに辛い思いさせちまったな!」

 

「いや、もういいんだ。それに金魚鉢を無料で提供してくれたんだろう?」

 

「あ、ああ」

 

「無料で提供してくれたのは感謝している。ありがとう」

 

「お、おう。でもこちらこそ兄ちゃんに礼を言わなきゃな」

 

 娼館“穴×棒”は性欲を発散したい男女の出会いの場となり

 入場料を取るようにしたらしい。

 更に休憩(ヤリ)室も作り、その使用料で随分儲かっているようだ。

 

「そういや、金魚鉢のメモがこれなんだが本当なのか?」

 俺は気になっていた事を男に尋ねた。

 

「何だこれ?小便を垂らすだけでわかるんだぞ!?誰がこんなメモを……?」

 

 やはりな……。

 

 ──────────────────────────────

 

 訓練場に来た。

 

 まずはバニー軍曹だ。

 

 バニー軍曹は俺を見ると顔を真っ赤にして俺の元まで来た。

 

「私をママにしに来たのか!?私は……もうすぐママになるから無理だ!」

 

 バニー軍曹は彼氏が出来て処女を卒業したらしい。

 いずれ結婚して子供を産むつもりで毎日避妊しないでサカっているようだ。

 

「お幸せに……」

 

 ──────────────────────────────

 

 訓練場の受付に来るとレセプがこちらに向かってくる。

 

「なんで部屋に来てくれなかったの?さぁ、子作りしましょう♡」

 

 そう言って子作り(ヤリ)室へ俺の手を引いて連れて行こうとする。

 

「レセプ、金魚鉢の件だ」

 

「……バレちゃった!?」

 

「お前、使用方法のメモをわざわざ貼り替えただろ!」

 

「ん~~何のことかな?」

 

 コイツは……。

 

「レセプ……彼氏は?」

 

「今いないの……私……欲求不満なのよ。早く子作り(ヤリ)室へ行きましょう!?この際だから処置(ヌキ)室でもいいよ♡」

 

「俺はもう妻が2人いるんだ。だからそういう事は出来ない……それに……」

 

 俺はレセプの耳元で囁く。

 

「えっ!?嘘っ!?」

 

「あとはお前次第だ。俺はもうこの街を去る。世話になったな」

 

「なんで今まで教えてくれなかったの!?」

 

「……お前が俺達に意地悪ばかりするからだ。……お幸せに!」

 

 レセプに背を向け、俺は案内板に向かった。

 

・街から立ち去る

 に手を当てる。

 

 

「転移!」

 

 ──────────────────────────────

 

 転移先には懐かしい部屋が見えた。

 ヒナとユキもいる。

 

「すまない、またせたな」

 

「お兄ちゃん、レセプさんと……」

「カオル、軍曹と……」

「「エッチな事してきてないでしょうね!!」」

 

 綺麗にハモっていた……。

 

「……ああ、勿論だ」

 

 その場にいる衛兵を見る。

 俺達がボットンベリーに初めて転移したときにいた衛兵だ。

 

 俺は衛兵の耳元に囁く。

 衛兵は嬉しそうだ。

 

 ヒナが俺に聞く。

「お兄ちゃん、何を言ったの?」

 

「……元カノもヨリを戻したがってるって言ったんだ」

 

 ──────────────────────────────

 

 俺達はボットンベリーの転移魔法陣がある建物の外にいる。

 

「さぁ行こうか」

 2人の妻が腕に抱きついてくる。

 

「お兄ちゃん、ここからは危険だからヒナの事守ってね」

「ああ、勿論だ」

「ヒナちゃん、私がついてるから安心して……」

 

 この2人がいればこの先も何とかなるだろう。

 

 

 さぁ、進もう。

 

 

 

 

 俺達の旅はこれからだ!




この話で3章は終わりです。読んで頂きありがとうございました。
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