ダルーイの酒場は冒険者たちであふれていた。
外は既に暗く、店内は喧噪に包まれていた。
とあるテーブルを6人の男女が囲んでいる。
風貌を見るに、戦士が3人、盗賊、魔法使い、僧侶の6人だ。
談笑している様子を見ると、同じパーティーのようだ。
「触らずの花嫁?」
戦士の男は酒をひと口飲むと、仲間に聞き返す。
「ええ、確かにそう聞きました」
僧侶の男がそう返す。
「変わった名前のパーティー名だな」
大きな斧を背負った屈強な女が肉に噛り付きながら聞く。
「パーティー名ではないようです。通り名? あだ名? そう呼ばれているだけのようです」
そう言って僧侶はエールを飲み干して手を挙げた。
給仕により新しいエールが男の前に置かれる。
「飲みすぎ! で、どんなパーティーなの?」
僧侶をいさめるのは魔法使いだ。耳が尖っているのでおそらくエルフだろう。
僧侶との距離が近い。恋人なのかもしれない。
「1人の少年と少女が2人。3人パーティーで、噂では婚姻関係にあるそうです。職業は勇者、くの一と花嫁だとか」
「3人パーティーのわりにはバランスが悪いな。後衛がいないじゃないか? で、なぜ触らずの花嫁なんだ?」
「花嫁にちょっかいを出すと大変な目に合うそうですよ。鉄筋やジップモリスも餌食になったようです」
「鉄筋? そういや最近見ないわね」
「おいおい! ジップモリスってあのジャイアントコブラに噛まれて一週間、血ヘドを吐いてのたうち回って……。ジャイアントコブラのほうが死んだっていう、あのジップモリスか!?」
「ええ、そのジップモリスですよ」
僧侶以外の5人が顔を見合わせる。
「ヤバすぎるよ。絶対に手出ししないでよ? 特にサム!」
女盗賊がジト目で戦士を見る。
「ハッ! ガキには興味ねーよ! 俺はこう、でっかい胸がタイプだからな」
サムと思われる戦士は盗賊の胸元を見ながら言い放った。
女盗賊は視線に気付いたのか、自身の豊かな胸を腕で隠す。
「ちょっと、どこ見てるのよ! ……ヘンタイ」
女盗賊の顔は赤い。
「はいはい、続きは恋人たちの宿でね。私達は先に行ってるわ。ソーリ、行きましょう。私はもう我慢出来ないわ♡」
「あと一杯「ダメ!」……はい」
魔法使いが拒否する。
「そんなに飲んだら勃たなくなっちゃうわ。一発ヤッてから飲んで」
「では、そうしましょう……。皆さん、明朝、冒険者組合の前で……」
魔法使いの女は顔を赤らめながら僧侶の腕に抱きついて店を出ていった……。
これからお楽しみなのだろう。
残された4人は歓談しながら食事を続けていると……。
酒場の扉が開き、入ってきた少女を見て喧噪だった酒場はしんと静まり返った……。
───
大きな胸をぶるんっと揺らしてウエディングドレスを着た花嫁が入ってきた。酒場には場違いな恰好。
乳輪で固定しているのかと思えるようなギリギリのラインまで胸を露出している。でも、乳輪は見えない。
ウエディングドレスのスカート丈は短く、座ればパンティーが見えてしまうのではないだろうか?
まるで娼婦のような恰好でとても下品だ。
でも、本人は気にしている様子もない。
この少女が、先程ソーリが言っていた触らずの花嫁なのだろう……。
「ヒナさん、こんばんは。あいにく満席なんです」
給仕が酒場に入ってきた花嫁に話しかけている。
会話を聞くかぎり、顔見知りのようだ。
「えー! せっかく今日はお祝いなのに……。お兄ちゃん、ユキちゃん、どうする?」
花嫁は後ろを振り返って聞いている。
「満席ならしょうがないわね。別の酒場に行きましょう」
「別の酒場といってもな。ここしか知らないし、探さないと……」
花嫁と後ろにいる男女が話している。
どうするのか見守っていると、給仕と目が合った。
たまには、冒険してみるか。
私はおそるおそる手を挙げる。
「相席でよかったら……一緒に飲みませんか……?」
私は、同じテーブルに劇薬を混ぜてみる事にした……。
花嫁は目を輝かせている……。
(サム、お願いだから刺激しないようにね!)
(わかってるって!)
サムに念押しする。
「ヒナさん、相席でよければあちらのテーブルにご案内できますが、如何なさいますか?」
「ヒナは全然構わないよ。お兄ちゃんとユキちゃんはどう?」
「うん? いいぞ」
「私もよ」
給仕が椅子を一脚持ってきて置いた。
3人がこちらのテーブルに向かって歩き出す。
私はこの後の化学反応を考えると、楽しみと不安で半々だった……。
───
シフのやつ、やりやがったな……。面倒な事にならなければいいが。
シフの胸から目を離し、近づいてくる3人に目をやる。
ガキに興味は無い。先程の言葉は取り消そう。
ブルンブルン揺れる花嫁の爆乳から目が離せなかった。シフより大きい。
見るべきでないのはわかっていたが、見てはダメだと思うと意識してしまい、つい見てしまう。
どうしようも無いので、目を瞑る事にした。それにしても……。
シフはよくこういう遊びをする。自ら危険に突っ込んでいくクセがある。
破滅願望とでもいうのだろうか……。
今まではうまい事切り抜けられてきたが、今回はどうだろう?
でもまぁ……こういうところが可愛いんだよな……。
俺達のテーブルに3人が座った……気配がした。
「相席させて貰ってありがとうございます」
凛とした声だ。おそらくもう一人の少女だろう。
「いいえ、こちらこそ。狭いでしょう。すみませんね。
あなた達のお噂はかねがね……」
シフがいきなり踏み込む。
本当にいい度胸だ。そんなところにも俺は惹かれているのだろう。
「どんな噂?」
この声は……花嫁の方か。意外だが、嬉しそうだ。
「“触らずの花嫁”と呼ばれてますね……。花嫁に手を出すと大変な目に合う……そういう噂です。ところで、あなた方は夫婦なのですか?」
これも危険だ。もし違ったら……。気分を害してしまったら……。
「ダサッ! まぁ、ビチクエルだししょうがないかな? 私もユキちゃんもお兄ちゃんのお嫁さんだよ?」
特に気を悪くしている様子は……無さそうだ……。
「ええ、私達はカオルの妻よ」
この声だ……。おそらく……いや、確実に、くノ一。
俺は全神経を集中させる。
腰にある刀を抜いて斬りかかる……。首をはねられた!
テーブルを蹴り上げて斬りかかる……。首をはねられた!
花嫁を人質に取ろうとし……。カリ首をはねられた!
少年を……首をはねられた!
……
……
……
目を開ける。
「完敗だ。あんたスゲーな」
目の前の少女が目を細める。
マスクをしているので口元はわからないが、おそらく微笑んでいる。美しかった。
「何度か危なかったわ。貴方も相当な手練れね」
少女は……楽しそうだ……。
先程まで命のやり取りをしていたとは思えないような表情だった……。
「ユキちゃん? どういうこと?」
「さっきまで……この人と殺し合いをしていたのよ……。もちろん、本当の殺し合いではないわ。イメージトレーニングね」
花嫁は感心しているようだった。
俺は思わず手を差し出してしまった……。拒否されるかもしれないのに……。
でも、差し出さずにはいられなかった。
「サムだ。心眼を使ったのにここまで勝利が見えないなんて初めてだ。スキルか何か使っているのか?」
差し出した手がぎこちなく握られた。握手に慣れていないようだ。
「ユキです。ええ、詳しくは言えないけどいくつかのスキルは発動中よ」
「あんたの弱点は……」
目の前の少女は顔を真っ赤にして……。
「……わかってるわ」
少女は目を閉じる……。
20戦中、18戦は完敗だった。
残りの2戦は俺の勝利目前のところで逆転された。
この女は……バケモノだ……。絶対に敵に回してはいけない!
───
「Bランクですか?」
目の前にいるシフという女盗賊に聞かれたので黙ってうなずいた。
「今日、やっと昇格したのでぇ~そのお祝いに来たのよね~~」
強引にユキが大声で割り込む。ユキの前には空になったワイングラスが転がっている。
誰だ? ユキに酒を飲ませたのは……。
「お兄ちゃん、シフさん、ユキちゃんがごめんなさい。ヒナが調子に乗ってワイン飲ませちゃった!」
お前が犯人か……。
「これ以上ここにいると迷惑だな。シフさん、今日のところはこれで帰ります。この街にはしばらく滞在するつもりなのでまた会う事もあるでしょう。その時は今日のお詫びに俺達におごらせてください。ヒナ、ユキ、帰るぞ」
「ええ、わかりました。またお会いできるのを楽しみにしてます」
「うん。お兄ちゃん」
「みんにゃびゃいびゃ~~い! カオル~~おんぶ~~~」
ユキをおんぶして恋人たちの宿を目指した。
───
「ユキ、大丈夫か!?」
目を覚ますと目の前にはカオルの顔があった。
「大丈夫って……何のこと?」
頭が痛い……。
また目を閉じる。このまま明日の朝まで寝るのもいいかもしれない。
「……覚えてないのか? ならいいけど。そろそろ動いていいか?」
「動くって?」
目を閉じたまま聞く。
私は記憶が飛んでいた。ヒナにワインを勧められて飲んだところまでは覚えている。
そこからの記憶はあやふやだ……。
「こういう事だ」
「ッ!!」
私の体内でカオルのオチンチンがぴくんっと反応する。
急いで目を開けた!
私はカオルと下半身が繋がったままカオルにしがみついていた。
身体の下にあるシーツはビショビショで気持ち悪い。
匂いからしておしっこではないようだが。
ヒナはベッドの傍らのソファーに座り、物欲しそうに私達を凝視している。
「挿れた瞬間、絶頂して気絶してしまったんだ。ユキ、大丈夫か!?」
恥ずかし過ぎて、穴があったら入りたい……。
でも、それよりも……。私はカオルの耳元に口を近づける。
「カオル……私のエッチな穴をオチンポでお仕置きして♡」
カオルがぴくんっと反応するのがわかった。
───
「カオル、気持ちいいよぉ……愛してる……愛してるのっ!」
カオルの熱い性器が私の秘所を優しく攻め立てている。
私の左手は彼の右手にしっかり握られて頭の上にある。
私は右手を彼の背中に回し、両脚は彼の腰の後ろでロックしている。
カオルに必死にしがみついて、彼の体温を味わっていた。
「ユキ、俺も愛してる……」
彼の言葉を聞いて身体がよけいに悦ぶ。
愛液がどんどん分泌されて、彼の動きに合わせて秘所はいやらしい音を立てる。
くちゅん……くちゅん……くちゅん……くちゅん……。
「カオル~、私、カオルに抱いて貰えて……幸せだよっ!」
彼のオチンポを根本まで咥えこみたくて……私も彼の動きに合わせて腰を突き出す。
くちゅん……くちゅん……くちゅん……くちゅん……。
「今日のユキはいつもより濡れているよ」
「カオル! 今はカオルの赤ちゃんを妊娠できないし、産めない。けど……元の世界に戻ったら、結婚したら、毎日私の子宮に精子をちょうだい! 私、カオルの赤ちゃんが欲しいの!」
ワインを飲んで酔っ払っているせいか、普段の私なら絶対に言わないようなセリフを口にだす。
私の体内でカオルの性器が膨らむのがわかる……うれしかった。
くちゅん……くちゅん……くちゅん……くちゅん……。
「ユキ! そんな事言われたら……もう我慢できない!」
くちゅんくちゅんくちゅんくちゅん。
カオルのピストンが速くなる。私の身体は子種汁を貰う準備を始める。
「カオル! 我慢しなくていいよ。私の一番奥に赤ちゃんの素をいっぱい出して。私を……ユキをママにしてぇ~~!」
くちゅくちゅくちゅくちゅ。
「ユキ! もう限界だ……出るぞ!」
「カオル~~! ちょうだぁ~い! 奥にいっぱい……ちょうだいぃ! カオル~~~!!」
くちゅくちゅくちゅくちゅ……くちゅんっ♪
びゅるるるるるるるるるっ♪
カオルが私の膣内で弾ける。命のエキスが私の一番奥で吐き出された。
私のオマンコはカオルを搾り取るのに夢中だった。
熱い……。カオルの受精機能を失っていない、元気な精子が私の子宮を温める。
排卵する事のない……卵子不在の私の子宮内を元気に泳いでいる……。
それが忍びなくて……涙を堪えきれなかった。
「ユキ……なぜ泣いているんだ? もしかして、どこか痛かったか!?」
私の涙に気付き、カオルが慌てる。カオルを心配させてしまい自己嫌悪に陥る。
「ううん……大丈夫。幸せ過ぎて、怖くなって泣いちゃった……。カオル、抱きしめて!」
咄嗟に、ウソをついた……。カオル……ごめんなさい。
私はしがみついて、カオルの体温を楽しむ。
「カオル、赤ちゃんの素をたくさん私にくれてありがとう。愛してるよ。私の事、離さないでね。捨てないでね……」
「俺も愛してる。ユキの事、離さないし、捨てるものか……」
カオル……愛してる……早くあなたの赤ちゃんが欲しい……。
「……」
下腹部に一瞬違和感を感じたけどすぐ消えた。
(気のせい?)
私はカオルに抱かれながらそろそろ離れようと心に決める。
そろそろヒナの性欲が爆発しそう。私はお姉ちゃんだから妹に対しては一歩引かなければ……。
名残惜しいけど、また明日抱いてもらえばいい……そう思っていた……。
───
翌日の昼下がり。
私達はカオルの転移魔法により、ビチクアルの街に来ていた。
ヒナの子宮に魔道具を入れた日、リース先生には1か月後に来てほしいと言われていた。
今日でヒナの子宮に魔道具が入ってからちょうど1か月だった。
ビチクアルの街に入った瞬間、私は急なめまいに襲われ、立っていられなくなった。
その場にしゃがみ込む……。私の身体……何か変だ……。
「ユキ!」
「ユキちゃん!」
カオルとヒナが私に駆け寄る。
「ごめんなさい。急にめまいがして……立ってられないわ」
カオルは私をお姫様抱っこして病院を目指して歩いている。
また、彼に心配をかけさせてしまった。私はダメな妻だと落ち込む。
「……」
昨日、カオルに抱かれた後に感じた下腹部の違和感をまた感じた。
具合はどんどん悪くなってきた……。私の身体……どうしてしまったの?
───
「先生! ユキちゃんが大変なんです!」
名前も呼ばれていないのにヒナが診察室に入って叫ぶ。
「ヒナさん?」
「先生、ヒナより先にユキを診てあげてください!」
カオルが私を診察室のベッドに寝かせる。
「ユキさん、どうされたのですか?」
「……」
また、下腹部に違和感を感じる。カオルもヒナも心配そうな顔で見つめる……。
言うべきかどうか……迷う。
「……先生、私……子宮が温かいです」
やっとの思いで……言えた……。
「ウソでしょ!? あなた、吸血
余程驚いたのか、先生の喋り方がいつもと違う。
私は無言で頷いた。
「診るだけ診てみましょう」
先生は私の下腹部……子宮のあたりに魔法を掛けると、私から飛びのいて床にへたり込んだ。
「「先生!?」」
カオルとヒナが驚きの声をあげる。
「なんでよ! なんで妊娠しているのよ!? ユキさん! あなたは一体何をしたの!?」
先生がわめく。
その言葉を聞いて私は目の前が真っ暗になった。もうガマン出来ない……。
そのまま、私は失神した。
じょおぉぉぉぉ……。
意識を無くす直前、自分が失禁する音が聞こえた……。