俺の頭の中でここにいる誰でもない声が響いた。
『あの~女神テンプレーと申しますが、今お時間少々よろしいでしょうか~?』
「ひな! ユキ! 今の声……」
「聞こえたよ!」
「私もよ!」
よし、疑問はたくさんあるがまずこれだ。
(ここはどこなんだ?)
……
…………
………………
『無視しないでください!!』
(えっ!?)
『私はあなた達の頭の中に話しかけていますが、あなた達は声に出さないと私にはわかりません』
(じゃあ最初から頭の中に話しかけるなよ! 面倒くさいな……)
「わかった。声に出せばいいんだな?」
『はい! そうです。では改めまして、女神テンプレーと申します。本来はもっと早く声を掛けるべきでしたが、あまりの展開に唖然としてしまいまして……声を掛けるタイミングを失い遅くなってしまいました。申し訳ありません』
ユキが顔を真っ赤にしている……。
「ではまず聞きたい。ここはどこなんだ?」
『それを答える前に私からお聞きします。あなた方の呼び名は「勃起」「貧乳」「失禁」で宜しいでしょうか?』
「「「よろしいわけない!」」」
『失礼しました。では「カオル様」「ヒナタ様」「ユキ様」で宜しいでしょうか?』
「いいぞ」
「いいよ」
「いいわ」
『ありがとうございました。では本人確認のためにこれから質問します。これはこの世界に来る前のものを答えて頂きます。この世界に来た後の事はノーカンですからね? 答えたくないものはパスと言って頂ければよいです』
(嫌な予感しかしないな……)
───
『ではカオル様から。好きな人は?』
「(ユキだよ)パス!」
『直近でエッチな事をした相手は?』
「(ひなだよ)パス!」
『今まで一番オナニーのネタにした人は?』
「(これならいいか)兎ありす」
『はい、本人確認OKです。ありがとうございました。次はヒナタ様です』
(何とか終わったか……)
───
私の番だ。
さっきのお兄ちゃんへの質問を聞くとだいぶ際どい事を聞くようだね。
『ヒナタ様の好きな人は?』
「(お兄ちゃんだよ)パス!」
『直近でエッチな事をした相手は?』
「(お兄ちゃんだよ)パス!」
『今まで一番オナニーのネタにした人は?』
「(お兄ちゃんだよ)パス!」
『結婚したい相手は?』
「(お兄ちゃんだよ)パス!」
『子供はほしいですか?』
「ほしいよ」
『誰との子供ですか?』
「(お兄ちゃんだよ)パス!」
『子供は何人欲しいですか?』
「3人」
『今まで何人に告白されましたか?』
「覚えてないよ」
『今週は何人に告白されましたか?』
「3人」
『お付き合いされてる方はいますか?』
「(お兄ちゃんに彼氏がいないのバレるとマズイ)パス!」
『今まで何人とキスしましたか?』
「(お兄ちゃんだけだよ)1人」
『処女ですか?』
「(アンタのせいで)処女だよ」
『はい、本人確認OKです。ありがとうございました。次はユキ様です』
(やっと終わった……)
───
私の番ね。
最初の質問は『好きな人は?』ね。私……言うわ! 即答してやるわ!!
『ユキ様のバージンを奪ったのはだr「カオルよ!」』
「「えっ!!!」」
『はい、本人確認OKです。ありがとうございました』
(キャ──ー! 言っちゃった……遂に言っちゃった♡)
質問はよく聞いていなかったが秒で即答して私は舞い上がっていた。
───
ユキによって特大爆弾が投下された。
投下した本人は両手で顔を覆ってキャーキャー言っている……。
ユキとは今日初めてキスした(された)だけでバージンとか全く身に覚えがない……。
何より、ユキが経験済なのがショックだった……。
ひなの視線が痛い……。
まてよ……?
たぶんユキの彼氏が俺と同じ“カオル”って名前なんだろう。
そう仮定すると先程ユキが叫んでたカオルは彼氏の事であって
この世界に来てあんあん言っていたのもいろいろ辻褄が合う……気がする……。
ひなの視線が痛い……。なので話を進めよう。
───
『お三方とも無事本人確認が終了しました。ご協力ありがとうございました』
「そりゃどうも。聞きたい事が山ほどあるんだが?」
『はい、そうでしょうね。
でも私から説明しますのでまずは聞いてください。
質問はその後に受け付けます』
女神曰く……
・この世界は異世界でも物語の世界でもゲームの世界でもない
・この世界はある人物の精神の世界である。世界観はゲームの世界に近い
・この世界で死んだら、元の世界の肉体も死ぬ
・この世界と元の世界で時間の流れは異なる
この世界の10年100年も元の世界では0秒
つまり、元の世界から観測すると夢を見ているようなもの
・この空間は女神テンプレーのお口の中
『ユキ様、美味しゅうございました。質問はありますか?』
「なっ! 何がよ!!」
「俺達がここに来た理由は?」
『お答えできません』
「俺達を呼んだのはお前か?」
『違います。が、連れてきたのは私です』
「俺達をここに呼んだヤツは誰だ?」
『お答えできません』
「俺達以外で呼ばれた人はいるのか?」
『おりません』
「ユキのバストサイズは?」
『B89 Gカップです』
「ちょっと!? カオル! 何聞いてるのよ?」
「ひなのバストサイズは?」
『B75 Bカップです。ププッ』
「アンタ何笑ってるのよ! ひなはCだよ! お兄ちゃん!!」
(俺の認識と一致しているな……嘘はついていないようだ……)
ユキは顔赤らめ、ひなは一生懸命、胸を張っているようだ。
手で隠しているのであまり効果はないが……。
「俺達を元の世界に戻してくれ」
『交渉してみます。交渉中です……却下されました』
「元の世界に戻るためにはどうすればいいんだ?」
『確認してみます。確認中です…………確認しました。メッセージをお伝えします。
みごと私を倒すことが出来たら前向きに検討しよう。
元の世界で悲惨な遺体で発見されたくなければ
くれぐれもこの世界で死なないように。
精々頑張れ。
勃起ちゃん、貧乳、失禁ちゃん。
……とのことです』
「なんでひなだけちゃん付けじゃないのよ!」
(前向きに検討……帰す気はなさそうだな……)
───
「どうする?」
「ひな、元の世界に戻りたいよ」
「いつまでもここに居たってしょうがないし、やるしかないわね」
俺はふと気になる事があったので女神テンプレーに質問した。
「元の世界に戻った時、この世界での記憶はどうなる?」
『この世界で体験した記憶を持って元の世界に戻るか、記憶を消して元の世界に戻るか選択可能です』
ユキがビクッとする。
「ユキ、どした?」
「カオル君、ひなちゃん……お願いがあるわ。元の世界に戻るときは記憶を消してほしいの!」
「いいよ?」
「俺もOKだ!」
なるほど……混乱していたとはいえ俺といやらしい事をしたのは浮気になるから無かった事にしたいワケか。
ユキ、彼氏の事メッチャ愛しているんだな……。
「ありがとう。お願いね」
「じゃあ決まりだな。俺達はヤツを倒す! 案内してくれ」
『できません』
「えっ!?」
『あなた達は冒険者となり、旅をして自力で会いに行く必要があります』
「そういう事か。では冒険者とやらになるから手続きを進めてくれ」
『わかりました。ただし、ここから先は異物は持ち込めないため、今から回収させていただきます。ヒナタ様、異物を掌に乗せて頭の上へ……』
「こう?」
ひなが俺に背を向け掌を高くあげる。
シュポッという音が聞こえた。
『回収しました。ユキ様、ヒナタ様と同じようにお願いします』
「こ、こうかしら?」
ユキも同様に背を向け両手の掌を高くあげる。
シュポッシュポッという音が聞こえてオモチャが消えていた。
『美味しゅうございました。ユキ様。なかなか良いモノをお持ちのようですね♡』
「なっ!!」
ユキが赤くなっている。
「ちなみに、どうやって回収したんだ?」
『食べました』
(……食べちゃったんだ……)
───
『では、行きますよ。準備はよろしいですね?』
「うん」
(さっさと戻って私はママになるんだ!)
「いいわよ」
(2人の記憶を消して、明日になったらカオルに告白するわ! もしかしたらいくところまでいっちゃうかも♡)
「いつでも大丈夫だ」
(ひな、必ずお兄ちゃんが元の世界に返してやる! ユキ、お前のために浮気は無かった事にしてやるからな!)
──3人はそれぞれの決意を胸に一つの目標に立ち向かっていくのであった。
『はぁぁぁぁん♡♡♡』
女神の嬌声が聞こえ、3人の目に映る景色が変わった。
兎ありす はテキトーに考えたものです。名乗っている方がいたら申し訳ございません。
苦情があれば変更します。この先の話でも出てくる予定です。