※この作品はR-18です。

お兄ちゃんの子供が欲しい妹とそうでもない兄   作:猫見サイル

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94 お兄ちゃんが妊娠しました

 お兄ちゃんが扉の前でへたり込んでしまったので私は急いで駆け寄る。

 

「ヒナ、来ないでぇ~!?」

 

 いつものお兄ちゃんではなかった。

 

 顔が赤くて、息も荒い。

 私が差し出した手を取ろうとせず、必死に後ずさりしようとしている。

 

『来たぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

 脳内にエルの雄叫びが響く。

 

(ちょっと!? うるさいよ!!)

 

『マスター! 大変です! 大変ですぞ!!』

 

(何が大変なのよ?)

 

『お姉様のホルモン値、ドーパミン、セロトニン、エストロゲン、全てが急上昇中です!!』

 

(どういう事!? ヤバイ状態なの?)

 

『こ、これは……』

 

(これは……?)

 

『……お姉様は発情しているみたいです!』

 

 私は信じられない気持ちでお兄ちゃんの顔を見た。

 額に汗、どんどん色付いていく頬。潤んだ瞳と微かに開いた唇……。

 

 お兄ちゃんが言っていた──“生存本能”スキルで危険を察知するとオチンチンが大きくなるって。

 今のお兄ちゃんは女の子だから……。

 

『マスター、提案があります』

 

(何よ?)

 

『お姉様を慰めるため、今すぐ子作りセックスをしましょう! 千載一遇のチャンスですぞ! バッチリ記録も残します』

 

(ダメに決まっているでしょ!? そもそも、今はアンタのせいで種無しでしょ? 子作りなんてできないじゃん!)

 

 視界の隅でユキちゃんを捉えながら、私は即座に却下する。

 

 エルはお兄ちゃんの事となるとすぐポンコツになる。

 戦闘中は頼れる優秀な相棒なんだけど。

 

 とにかく、お兄ちゃんをこのまま放置もできないし、とりあえず恋人たちのコテージに連れていこう……とりあえずだ…………。

 

 私はアンアン言っているお兄ちゃんをお姫様抱っこして、設置した恋人たちのコテージに運んだ。

 

 ……

 

『マスター、今からでも遅くありませんから、お姉様のいる寝室に行きましょう!』

 

 脳内に響くエルの声を無視する。コイツ、どれだけお兄ちゃんのエッチを見たいんだ?

 

 お兄ちゃんの事はユキちゃんとクロちゃんに任せた。

 今頃、2人がお兄ちゃんの性欲処理をしてくれているだろう。

 

 私は今、1人で寝室にいる。

 どうせエッチができないのに、エッチなお兄ちゃんを見るなんて生殺しだ。

 

 そして、万が一、お兄ちゃんに求められてしまったら私の理性は吹っ飛んでしまう。

 また、お兄ちゃんの身体がボロボロになってしまうかもしれない……。

 

 恋人たちのコテージに運ぶ時だって、私は必死に耐えた。

 

 瞳を潤ませて私を見上げるお兄ちゃん。お尻の所がグッショリ濡れていて、何やら怪しい匂いが漂っていた。

 物欲しげな視線を私にチラチラ送りながら、目尻に涙を溜めていた……。

 

(あー! ムラムラする!!)

 

 ベッドに寝転がりながら、私は枕を抱きしめてジタバタした。

 

「あんなの反則だよ!」

 

 思い出すのはさっきのお兄ちゃんの顔。

 あんな顔、初めて見た。かわいくて、無防備で、なのに……エッチで。

 

『素晴らしい表情でしたな……アクスタ化を提案します!』

 

(欲しい!! ……じゃなくて、言うな! 思い出す!!)

 

 私が「鎮まれ……鎮まれ……」と呟きながら身悶えていると、ノックが響く。

 

 全裸のクロちゃんが全裸のお兄ちゃんを抱っこして、寝室に入って来た。

 クロちゃん、私を殺す気!?

 

「ヒナ、カオルと私に清掃をお願い! あと、向こうのベッドが悲惨だからあっちも清掃してね。ユキも待っているよ」

 

 そう言ってニコニコしているクロちゃんを見て、私はため息を吐いて清掃をかけた。

 

「いってらっしゃい♪」

 

 クロちゃんは小さく寝息を立てているお兄ちゃんをベッドに横たえると、出て行く私の耳元で囁いた……。

 

 ……

 

 もう一つの寝室のベッドは──もとい、ベッド周りも含めて酷い状態だった。

 

『分析完了。大半はスキーン腺の分泌物が混ざった尿のようです。バルトリン腺液とオリモノ、母乳に近い成分の白濁液もありますね』

 

(これは、確実にエッチしたね……)

 

 まぁそんな事はわかっていたけど、私はベッドの傍らでバスタオルを巻いて立つユキちゃんをジト目で見つめた。

 見つめられたユキちゃんは顔を真っ赤にして俯く……耳まで真っ赤で可愛い。

 

 清掃をかけ終え、私はベッドに腰を下ろす。

 

「ねぇ、ユキちゃん……女の子になったお兄ちゃんと、したの?」

 

 問いかけると、ユキちゃんはびくっと肩を震わせた。

 

「クロから聞いたの?」

 

「ううん、エリがベッドが何で濡れているのか、分析して教えてくれたよ」

 

 ユキちゃんはますます真っ赤になって、何か言いかけて……やめた。

 

(でも、わかるよ……)

 ──あんな状態のお兄ちゃんを前にして、理性を保てる方が難しい。

 私だって、お兄ちゃんと2人きりなら、正直どうなっていたかわからない。

 

「……ありがとうね。お兄ちゃん、安らかな顔で眠っていたよ」

 

 私の言葉に、ユキちゃんは顔をあげる。

 私だったら、せっかく治ったお兄ちゃんの身体をまたボロボロにするところだ。

 

 それを、あんな気持ちよさそうな顔で眠るまで、性欲処理したユキちゃんとクロちゃんは流石だ。

 

(それにしても、困ったなぁ)

 

『このままお姉様に性欲処理して頂かなければ、マスターが次の睡眠時に夢精する確率は100%です』

 

(だよねぇ……)

 

 でも、性欲処理だけのためにお兄ちゃんを起こすのもしのびない。

 このまま寝て、明日の朝、清掃をかければいいか?

 

「ユキちゃん、あっちでお兄ちゃん達と一緒に寝る? ヒナ、今日はここで寝るよ」

 

「ヒナちゃん……」

 

 結局、ユキちゃんと寝る事になった。

 夢精してしまう事を伝えてもユキちゃんは嫌な顔一つせず、むしろ申し訳なさそうだった。

 

『私が処理してあげられればよかったのに……』

 

 ユキちゃんのその言葉だけで、私は嬉しい。

 

 そして、寝るまでユキちゃんは嬉しそうにお兄ちゃんとのプレイ内容を語った。

 

 私の頭の中では、エリがユキちゃんの話に大興奮していた……。

 

 ──1時間後

 

(聞かなきゃよかった……)

 

『いやぁ、捗りましたな!』

 

 未だに興奮冷めやらぬエリの声が、脳内で響く。

 ユキちゃんとお兄ちゃんの情事 Feat.クロちゃん を聞いた私はムラムラして眠れなくなっていた。

 

 隣のユキちゃんはとっくにスヤスヤと眠っている。

 寝顔は相変わらず可愛い。

 

(エッチしたいなぁ……)

 

『マスター、イメージ動画を生成して、脳内再生しますか?』

 

(むなしいだけだから、いいよ……)

 

 エリの提案を却下する。

 悶々としながら、夜は更けていった……。

 

 ───

 

「ユキちゃん、どうしよう……」

 

「困ったわね……」

 

 ユキちゃんが不安そうな顔で私を見つめる。

 翌日、試練の間の掲示板を見て、私とユキちゃんは固まっていた。

 

 表示されている内容は“出産”の2文字。

 その下には“受精”“着床”“妊娠”と表示されている。

 

「これって……その……」

 

「うん……どう見ても、エッチして、赤ちゃんを作れってことだよね?」

 

 ユキちゃんの言葉に、私は腕組みして答えるしかなかった……。

 

(ほんと、ふざけてるよ!)

 

 私は掲示板を睨みつける。もちろん、この試練が冗談なんかではない事はわかっている。

 事実、私たちは数々の“正気じゃない”試練を乗り越えてきたのだから。

 

 だけど……。

 

「でも、どうするの? 絶対、無理だと思うのだけど……」

 

 ユキちゃんが震える声で尋ねた。

 その問いは当然だった。私の中でも答えが出ていない。掲示板の一箇所を睨みつける。

 

 “60:00”

 

 ──制限時間だ。今までと変わらない、60分……。

 どうやって、1時間以内に妊娠して出産までしろというのだろうか?

 

 お兄ちゃんの意見を聞きたいけど……。

 

「カオル! どこを擦りつけているの!?」

 

「クロ! オマンコ切ないのぉ♡」

 

 クロちゃんにおんぶされているお兄ちゃんは絶賛発情中でポンコツになっている。

 いつも、冷静沈着なお兄ちゃんが女の子になったらこんな風になるなんて……。

 

 お兄ちゃんに性転換薬を飲ませて、女の子の身体にしたのは私だけど……。

 

 私は役立たずなお兄ちゃんを視界の外にやり、エルに問い掛けた。

 

(エル、これってどういう事?)

 

『ちょっと!? 邪魔しないでください! お姉様の記録中ですよ!?』

 

(うるさい! いいから、答えて!?)

 

『……高濃度の魔力の流れを感じます。推測となりますが、続けても?』

 

(いいよ! 続けて!)

 

『受精から着床、妊娠、出産までのプロセスが高濃度魔力によって超高速化される仕様であると推測します』

 

(つまり、デキてから産むまで60分以内にできるってこと?)

 

『その通りです』

 

 これで時間の問題は解決した。次は……。

 

 クロちゃんと乳繰り合っているお兄ちゃんを見る。

 ユキちゃんとクロちゃんはアンデッドなので妊娠できない。

 肉分身では試練はクリアできないだろう? いや、確かめるべき?

 

(ユキちゃんやクロちゃんに肉分身を産んでもらえば、試練はクリアできると思う?)

 

『ちょっとまってください! 今、いい所なんです!!』

 

(お兄ちゃんの記録ばかりしていないで、さっさと答えて!!)

 

『推測となりますが、肉分身を産む際、着床などのプロセスは経ていないと思われます。受精、着床、妊娠、出産と具体的なプロセスが明示されているため、奥様とその分身に肉分身を産んでもらっても、成功しないでしょう』

 

(やっぱりそうか。あと、エリ、次にクロちゃんの事を分身って呼んだら、ぶっ飛ばすよ!)

 

『……メモリに保存しました。失言でした。訂正いたします。今後はクロ様とお呼びします。申し訳ございません』

 

(わかれば、いい)

 

 となると、私かお兄ちゃんしか出産できない。

 今の私は男の子だから、必然的に出産するのはお兄ちゃんという事になる。

 

 では、どうやってお兄ちゃんに妊娠してもらう?

 

(……アサヒの精子でお兄ちゃんは妊娠できると思う?)

 

『マスターのお子様、アサヒ様は魔道具。残念ながら生殖機能は有していないでしょう。お姉様を妊娠させる事は無理かと……』

 

(じゃあ、お兄ちゃんの精石は?)

 

 これまで、事あるごとに作ってきたお兄ちゃんの精石はたくさんある。

 

『むほぉぉぉぉ! お姉様の精子でお姉様を妊娠させるのですか!? 倫理的にヤバすぎます!! た、たまりませんぞ!!』

 

 脳内でエリが早口で捲し立てる。……うるさい。

 

(で、どうなの?)

 

『受精自体は可能ですが……同一の遺伝子を掛け合わせて……』

 

 エリが長々と説明するけど、難しくて私はよくわからなかった。

 

(つまり、どうなるの?)

 

『着床すら困難です。無事、生まれたとしても、健康な子供が生まれる確率は極めて低いです』

 

 薄々は気付いていたけど、やはり、難しいようだ。となると……。

 

 私は拳を握り締め、深呼吸する。

 

(エリ、お兄ちゃんの出産記録を作りたいでしょ? 協力してもらうよ!)

 

 私は脳内のエリに静かに語りかけた……。

 

『勿論でございます。お姉様の出産記録はこのエリジウム・キーにお任せください』

 

(じゃあ、早速だけど、アンタの避妊機能は私を妊娠させないためのものだよね?)

 

『その通りです。マスターを妊娠させないため、私は機能しています』

 

(じゃあ、その機能を解除して! 今は男の子なんだから機能を解除しても妊娠はしないでしょ!?)

 

『……仰る通りですが、機能の解除には時間が掛かります。18時間ください』

 

 よし、エリの説得は成功した。

 時間が掛かるのはしょうがないけど、お兄ちゃんたちを説得する必要もあるし、試練に挑むのは明日になるだろう。

 

(次に、私がお兄ちゃんの身体を傷つけずにエッチする事は可能?)

 

『マスターの性器は大きすぎます。お姉様の身体を傷つけずに性交出来る可能性は3%未満です……』

 

 やはり、ダメか……。ユキちゃんの協力が必要だ。

 

「ユキちゃん……」

 

 私は隣のユキちゃんに計画を伝えた……。

 

 ───

 

 ──翌朝、試練の間

 

「ユキちゃん、お願い!」

 

 私は出来立てほやほやのまだ温かい精石をユキちゃんの掌に置いた。

 

「ええ、任せて!」

 

 ユキちゃんはそっと手を握り締めて、お兄ちゃんを見る。

 

「ヒナァァァ! 早く、早くオチンチンをちょうだい♡」

 

 ベッドの上で悶えているお兄ちゃんを、クロちゃんが抑えつけていた。

 そうしないと、お兄ちゃんは私に飛びかかってくるためだ。

 

 発情中のお兄ちゃんに協力してもらって精石を作るのは骨が折れた。

 油断するとすぐ、お兄ちゃんは私のオチンチンを自分のオマンコに挿れようとするためだ。

 

 私は心の中で血の涙を流しながら、耐えた。エリは歓喜していたけど。

 

 作戦はこうだ。

 

 エリの避妊機能を解除して、私の精子を受精可能な状態にする。

 お兄ちゃんに協力してもらい、カオリを使って私の精子から精石を作る。

 それをユキちゃんの子宮おチンポで、女の子になったお兄ちゃんの子宮に届けてもらう。

 

 これでお兄ちゃんは、私の赤ちゃんを妊娠するハズ……。

 

 本当は私がお兄ちゃんとエッチしたかったけど、お兄ちゃんの身体をボロボロにする訳にはいかないので泣く泣く諦めた。

 

 勿論、昨夜のうちに3人にはこの計画を話して、同意を得ている。

 

 ユキちゃんがお兄ちゃんの鼻先に、私の精石をかざすと、お兄ちゃんの動きがピタリと止まった。

 

「ヒナだ! ヒナの匂いだぁ♡」

 

 お兄ちゃんの顔がぱぁっと輝いていた。

 

「カオル、欲しいでしょ? 欲しかったら、私のここにキスをして」

 

 ユキちゃんはそう言うと、お兄ちゃんの顔の前でお股を開く。

 

 クロちゃんの拘束が無くなったお兄ちゃんは、ユキちゃんのお尻に手を回し、お股にキスすると、ユキちゃんの子宮おチンポがあらわれた。

 

 ──これで、全ての準備が整った……。

 

 お兄ちゃんのオマンコに軽く精石を埋めると、ユキちゃんが子宮おチンポの先っぽをお兄ちゃんのオマンコにあてがう……。

 

 ……

 

「もうダメよ! カオル、射精(で)るわ!」

 

「ユキ! 射精(だ)して! 精子をちょうだい!!」

 

 お兄ちゃんは涎を垂らしながら、ユキちゃんにおねだりしていた。爪が、ユキちゃんの背中に食い込んでいる。

 

 ユキちゃんの動きが止まり、お兄ちゃんがビクビク身体を震わせた。

 射精したのだろう。

 

 お兄ちゃんの子宮に届けるはずだった精子は、何故かユキちゃんの子宮が全部吸い取ってしまうという事故が起きた。

 

 何としてもお兄ちゃんの子宮に私の精子を届けるため、ユキちゃんには申し訳ないけど、お兄ちゃんとエッチして、お兄ちゃんの一番奥で射精──ユキちゃんの子宮が吸い取った私の精子をもう一度お兄ちゃんの身体に戻してもらう必要があった。

 

 2人から目を離して、私は掲示板を見る。

 

(おねがい!!)

 

『マスターの精子は大変元気ですし、きっと大丈夫ですよ。それよりも、マスター、位置を移動してください……そうそう、この辺で少し屈んで……』

 

(ちょっと!? つらい体勢だけど何?)

 

『受精した瞬間のお姉様のお顔を記録しておきたいのです。この位置ならお姉様も掲示板も見えますからね……』

 

(アンタ、本当変態だね……)

 

『変態だなんてとんでもございません。私はお姉様の熱狂的な1ファン。ただ、それだけです……』

 

(それを変態というんだよ……)

 

 ポコン♪

 

 部屋内に音が響く。

 

 掲示板の“受精”の文字が黄色く輝いていた。

 

 ポコン♪ ポコン♪

 

 立て続けに音が鳴り、“着床”“妊娠”の文字も黄色く輝く。

 

 遂に、お兄ちゃんが私の子供を妊娠した瞬間だった……。

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