三玖との静かな時間を過ごした後。
お風呂で十分に体を洗った僕達は、三玖の提案でまた膝枕をしてあげる事になった。
すると、疲れもあったのだろう。三玖はそのまま可愛い寝息を立てて寝てしまったのだ。
ヴー…ヴー…
するとスマホが震える。
相手は彩里である。
「あ、時間かな?」
『はい。そろそろご準備させていただきたく…他の皆さんも三玖様が戻っていない事にいきり立ちそうでして…』
困ったような彩里の声が聞こえる。
あー…延長無しとか言ってたっけ?
「分かった。部屋にはもう入って構わないから、誰か三玖の部屋への案内を頼めるかな?三玖寝ちゃってて、僕で運んじゃうから」
『かしこまりました。お部屋には私がご案内します』
そこで電話が切れる。
僕は膝枕で寝ている三玖を、抱え上げて立ち上がった。
すると、それと同時にメイド隊の面々が入ってきて片付けを開始した。
「失礼します。では、お部屋へご案内いたしますので私についてきてください」
彩里の先導のもと三玖を抱えたまま部屋を出て進む。
その間に、メイド達に羨望の眼差しを受けていた様な気がしたが、まあ良しとしよう。
しかし、この屋敷に女性しかいないのは正直助かる。
着替えているとはいえ、芹菜が言うには女性陣は下着を着けずに浴衣を着ている状態らしいからな。
それに今の三玖もバスローブ姿で他の男性には見せられないものである。
「ん……カズヒコ…?」
すると起きたのか三玖の眠そうな声が聞こえた。
「ごめん、起こしちゃったかな。三玖が寝てる間に時間が来ちゃったから、三玖を部屋まで運んでるところだよ」
「……ふふふ……嬉しい……♡」
すると三玖が嬉しそうな表情で僕のバスローブを握ってきた。
彩里に案内されながら廊下を進む。
今井家の別邸は広い。 静かな照明に照らされた廊下を歩いていると、さっきまでの熱を少しずつ現実が冷ましていく気がした。
その腕の中では──
「……んぅ」
三玖が小さく身じろぎする。
抱き抱えた身体は軽い。 けれど、その温もりは驚くほどしっかりと残っていた。
「眠ってていいよ、三玖」
「……ん……」
半分夢の中なのだろう。 三玖は薄く目を開けながら、ぎゅっと僕のバスローブを握る。
「カズヒコ……どこにもいかない……?」
「行かないよ。ちゃんと部屋まで送る」
「……よかった♡」
安心したように頬を緩める三玖。
その表情を見ていると、胸の奥がじんわり熱くなった。
やがて──
「こちらになります」
彩里が足を止める。
目の前には、純和風の大きな部屋。 障子戸に、木目の美しい柱。 廊下からでも分かるほど、落ち着いた空気が漂っている。
「三玖らしい部屋だね」
「ふふ……憂にお願いして私っぽく決めた……」
彩里が静かに障子を開ける。
室内には畳の香り。 奥には布団が敷かれており、間接照明の柔らかな明かりが部屋を照らしていた。
「では、私はこれで」
一礼して下がる彩里。
そのまま僕は、三玖をゆっくり布団へ寝かせる。
「ん……♡」
布団へ身体が沈むと、三玖はどこか嬉しそうに笑った。
「今日は頑張ったね」
「……がんばった」
「うん。すごく頑張った」
髪を優しく撫でる。
三玖は気持ち良さそうに目を細めながら、僕の手へ自分の頬を擦り寄せた。
「……いっぱい、幸せだった」
「僕もだよ」
そう返すと、三玖は少し照れたように笑う。
「だから今日は、ちゃんと休みな」
「……うん」
「無理して起きてなくていいから。後でまた顔出すよ」
「ほんと……?」
「本当」
その言葉に、三玖の表情が柔らかく崩れる。
「えへへ……じゃあ、待ってる……♡」
眠気に負けそうな声。
その姿が愛おしくて、僕はそっと額へ口づけを落とした。
「おやすみ、三玖」
「……おやすみ、カズヒコ♡」
小さな寝息。
本当に安心しきった顔だった。
静かに立ち上がる。 障子へ向かう途中、一度だけ振り返ると──
三玖は僕にもらった安心を抱きしめるみたいに、布団へ顔を埋めながら眠っていた。
障子を静かに閉める。
「……よくお休みになられましたね、三玖様」
廊下へ出たところで、彩里が小さく微笑んだ。
「かなり疲れてたみたいだからね」
「ですが、とても幸せそうなお顔でした」
その言葉に、思わず苦笑する。
「……まあ、嬉しかったんじゃないかな」
すると。
「……羨ましいです」
ぽつり、と。 珍しく彩里が小さな声を漏らした。
「え?」
「い、いえ……」
慌てて取り繕おうとする彩里。 だが、その耳はほんのり赤い。
「実は……他のメイド達も、少々騒いでおりまして」
「騒ぐ?」
「和彦様が三玖様をお姫様抱っこで運ばれていたので……その……」
そこで彩里が視線を逸らす。
「
……なるほど。
確かに、さっき妙に視線を感じた気はした。
「いやいや、そんな大した事じゃないでしょ」
「和彦様は、女性への扱いが自然にお優しいので」
即答だった。
「抱き上げる時も、三玖様が苦しくないよう自然に支えておられましたし……頭まで気遣っておられましたので」
そこまで見てたの!?
「そ、それは普通じゃない?」
「少なくとも、皆様にはかなり衝撃だったようです」
彩里が少しだけ微笑む。
「……私も、少し羨ましいと思ってしまいましたし」
最後だけ、小さな声だった。
部屋に戻ると何もなかったかの様に綺麗に片付けが終わっていた。
「では、次の二乃様を呼んで参ります」
先程までの雰囲気はなかったように彩里はメイド達を連れて部屋を出ていった。
「羨ましいか……」
まさか彩里や他のメイド達からそんな風に想われてたなんてね。
とは言え、どうしたものか…
コンコンッ…
『入るわよ』
そんな考えをしてると二乃が来たようだ。
「どうぞ」
ガチャッ…
そこには腕を組んでこちらを見ている二乃の姿があった。
二乃もまた浴衣姿である。
やっぱり下は着てないんだよな……
「…随分長かったじゃない」
少し拗ねた様な声。
けれど、その瞳には、次は自分の番だという熱が確かに宿っていた。
「疲れて三玖が寝ちゃったからね」
「ふ~ん…ま、あの子も体力無いから仕方無かったか…」
僕の言葉に納得した二乃はスタスタと僕に近づいてくる。
そしてそのまま僕の膝の上に座り、僕の首へ両腕を回してくる。
「……ん」
柔らかな重み。 近すぎる距離。
二乃はそのまま、じっと僕の目を見つめてきた。
「何?」
「別に?」
そう言いながらも、視線は逸らさない。
むしろ── 試すような目だった。
「……三玖、可愛かった?」
「急だな」
「いいから答えなさいよ」
少し拗ねた声。
けれど、二乃のこういうところは嫌いじゃない。
「可愛かったよ」
「……ふーん」
不満そうに唇を尖らせる。
「でも、今ここにいるのは?」
「二乃」
「なら、ちゃんと私だけ見なさい」
そう言うと、二乃は自分から額をこつんとぶつけてきた。
「今日は譲ってあげたんだから」
「譲った?」
「当たり前でしょ。順番だって色々考えたんだから」
近い。 吐息がかかる。
しかも、浴衣越しに伝わる体温が妙に熱い。
「……ねぇ」
二乃が小さく囁く。
「三玖の匂い、まだ残ってる」
どきり、とした。
「嫉妬してる?」
「するに決まってるじゃない」
即答だった。
「だって今から、私は和彦を独り占めするつもりなんだから」
その言葉と同時に、 二乃の指が僕の胸元をゆっくりなぞる。
「だから──」
耳元へ唇が近づく。
「ちゃんと、私で上書きさせなさい♡」
そしてそのまま唇を奪われる。
「んッ……ちゅっ……ちゅっ……ちゅっ……♡」
最初は軽く。だが、徐々にそのキスも情熱的なものへと変わっていく。
「ちゅっ……ちゅるッ…♡かずひこッ……ちゅるッ…れろれろッ……」
僕も二乃からの舌に応えて絡ませていく。そうしながら、お互いにお互いの浴衣を脱がしていった。
「和彦ぉ…♡仰向けに寝て。今日は私が気持ちよくしてあげるから♡」
言われるがままに仰向けにベッドに寝転ぶと、軽くキスしてきた二乃は、首筋から徐々に下へと舌で舐めていく。
「ふふふ…男の人もここ気持ちいいのよね♡ちゅっ……ちゅっ……ちゅるッ…れえぇぇろッ……」
そして乳首までいくと、唇と舌を使って愛撫を始めてきた。
「ああ。気持ちいいよ、二乃」
そんな二乃の頭を撫でてあげると、嬉しそうな表情で空いた乳首を指で転がし始めた。
やはり女性陣の中では二乃がテクニックを熟知してるような気がする。責め上手である。
乳首への愛撫を終えた二乃は、そのままおへそからペニスへと唇を持っていく。
「ふふふ…♡二人を相手したとは思えないほど硬くて大きいわね♡ちゅっ……嬉しいぃ…♡」
勃起してるペニスを前に、嬉しそうに妖艶な笑みを浮かべた二乃は、亀頭にキスすると、根本から舌で舐めるようにしつつ右手を使って扱き始める。
「れえぇぇろッ……れえぇぇろッ……ちゅっ……♡だめッ…もう我慢できないッ…♡」
暫く続いていた愛撫であったが、我慢できないという声と共に、二乃は僕の股を跨ぐようにして素股を始めた。
「はッ……あッ……いいぃッ……♡くりにッ…あたってッ…きもちいいのッ……」
ペニスから伝わる二乃のまんこは、もう愛液でぐちゅぐちゅである。
てか、まさか二乃のやつこのまま
「ねぇ……かずひこッ…♡いれていいぃッ…?いいわよねッ…♡」
正に思った通りであった。
今まで初体験してきた子は、皆正常位であった。
果たして、騎乗位で問題ないか僕には判断できない。
だが、今の目がトロンとしている二乃を見ると……
「……良いよ。二乃の好きなタイミングで
「うんッ…♡」
僕の言葉に嬉しさがこもった声が返ると、二乃は右手でペニスを握り、自身のまんこに当て始める。
「ゆっくりで良いから。僕はここにいる。焦らないで」
「ありがと……んッ……ここねッ……くッ…はんッ……」
膣口から進入していくペニス。その違和感と共に徐々に腰を下ろしていく二乃。
「あッ……あッ……いっ……つぅッ……」
とうとう初めての象徴でもある処女膜にペニスが行き着くと、流石の二乃も表情が変わる。
少しでも気を紛らわそうと、二乃の大きな二つの乳房を下から優しく揉みあげてあげる。
「あッ……かずひこッ……かずひこッ……♡んッ……くッ……──ッ…」
少しは紛らす事が出来た様で、痛み以外にも甘い声が混じり始めた。
そして、ペニスが膜を貫き子宮まで届く感触を感じた。
「つぅッ……はぁ……はぁ……はぁ……」
「おいで二乃」
腰を下ろしきった二乃は荒い息を吐き続けていたので、こちらに倒れ込むように両腕を二乃の方へと伸ばした。
するとそのまま二乃が倒れ込んできたので、優しく抱きしめるように迎え入れた。
「はぁ……はぁ……んッ……はぁ……はぁ……」
「よく頑張ったね二乃。偉いよ」
僕は体を動かす事なく、優しく二乃を抱きしめ頭を撫でてあげる。
「はぁ……んッ……これがッ…かずひこのッ…♡わたしッ…んッ……かずひこのものにッ…なったのよねッ……♡」
苦しさの中にどこか嬉しさも感じられる二乃の声を受け、軽く口づけを交わした。
「僕のものって言い方は好きじゃないけど。そうだね、初めてを僕にくれてありがとう」
「かずひこッ…♡ちゅっ……ちゅるッ…えろれろッ……れろれろッ……ちゅるッ…だいすきよッ…♡」
僕の言葉を受けた二乃は嬉しさのあまりキスの雨を降らせてくる。それを僕は素直に受け止めた。
「ちゅっ……んっんんッ……なんだかッ…んッ…いぶつかんはいなめないわねッ…ふッ…んんッ……」
「痛みは大丈夫かい?」
「………そういえば、和彦とキスしてたら忘れてたわ。ふふふ…♡前に五月が言ってた通りね。和彦と繋がれた幸せな気持ちでそれどころじゃなくなってたわ♡」
嘘を言っているようではない。二乃の表情からも痛みを我慢してる印象を受けなかった。
すると、二乃はそのまま上半身を起きあげ、両手を僕のお腹に置いた。
「んッ……このまま、腰を上下に動かせばいいのよね?」
「そうだけど、ゆっくりね。無理は禁物だから」
「わかってるわよ……んッ……あッ……はッ……あッ……」
僕の言葉に二乃は頷くと、腰をゆっくりと、しかし確実に動かしてきた。
部屋にはパンパンという二乃のお尻を打つ音と、二乃の喘ぎ声が響く。
「あッ……あッ……すごいッ…これッ…きもちいいのッ……♡はッ……あッ……んっんんッ……」
その腰を打つ音の間隔も徐々に早くなってくる。
つまり二乃の動きが激しくなってきてるのだ。
「すごッ……こんなのッ…おぼえちゃったらッ…あッ……やばいわよッ……♡」
二乃は自身の快感に飲まれたように腰を動かし、天井を仰ぎ見ている。
それは良い。だが、流石は初めての膣壁。締め付けが半端なく、僕の射精をすぐに導かんとしている。
「二乃!もうちょっとゆっくりッ…でないとッ…」
「ああぁぁんッ……あんッ……あんッ……そんなことッ…いわれてもッ……はあッ……♡こしッ…とまんないのッ……あッ……はッ……だめッ……♡イクッ……イクイクッ…イッちゃうッ……♡」
「駄目だッ…イクッ…」
ドクンッ……ビュルルルルルッ……ビュルルルルルルルッ……
「ふあああああぁぁぁんんんッ……」
僕は二乃の腰を両手で掴み、腰を突きあげるように射精した。
そのせいか、二乃の子宮へと注がんとする形となる。
同時にイッた二乃は、ビクンビクンと全身を震わせて天井を仰ぎ見ていた。
「あ……あ……あ……これがッ…かずひこのッ…せーしッ…♡あたたかあぁぁいッ…♡」
そのままこちらに倒れ込んできた二乃を、慌てて優しく抱き留めた。
「はぁぁ~~…♡しあわせよ……かずひこおぉぉ~~…♡」
幸せな表情の二乃とそのまま口づけを交わしながら、暫くそのままの状態で過ごすのだった。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
今回は三玖と二乃、それぞれの想いに焦点を当てたお話となりました。
三玖はずっと積み重ねてきた想いを。
二乃は誰よりも真っ直ぐな独占欲と恋心を。
それぞれ違う形ではありますが、和彦への気持ちをぶつけてくれた回だったかなと思います。
特に二乃は、原作からして「好きになったら一直線」の代表格のような子ですので、今回のタイトルである『上書きされる恋心』にも繋がる内容になりました。
少しでも二乃らしさを感じていただけていたら嬉しいです。
また、感想や評価、ブックマークなど本当にありがとうございます。
更新のたびに皆様の反応を拝見させていただいておりますが、毎回大きな励みになっています。
最近は閲覧数や評価も少しずつ増えており、とても嬉しく思っています。
次回は引き続き物語を進めていく予定です。
まだまだ書きたい場面もたくさんありますので、気長にお待ちいただけると嬉しいです。
それではまた次回。
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