Lily ~白百合の女騎士と呪われた淫欲と背徳の都~ 作:YU-GO
Prologue ~白百合が見た悪夢~
街が燃えている…。
悲鳴と怒号が大きく聞こえている…。
良い人たちが悪い人たちに襲われている…。
私の目の前には、私を守っていた一人の騎士が動かなくなっている…。
私のお母さんは………
悪い人達に酷く陵辱されていた…。
私の目の前で…。
悪い奴らがゲラゲラと下品に笑っている…。
私は奴隷の女の子達と一緒に悪い奴らに酷い事されていた…。
目の前にいた『赤い髪をしたお姉ちゃん』は今、快楽に身に委ねる性奴隷へと堕ちていた…。
魔法使いの子も、ハーフリングの子も、動物のような耳を持った子も。みんなみんな理性を失ったまま、本能のままに快楽に溺れていった…。
元々ここにいた女達は、みんな被害者だった者や、奉仕国家に立ち向かった者達である事をわかった。
まだ理性が残ったままの私は、悪い奴らに酷い事されて、気がつくと身体は裸のまま、白い液体みたいな物が身体中に掛けられていて、向こうからは男達の下品な笑い声が聞こえていた…。
あぁ、私もあの子達と同じように奴らの玩具にされるんだ…。
街が燃えている…。
悲鳴と怪物の呻き声が大きく聞こえている…。
人を喰らう怪物となった奴隷達が人々を襲って食い殺している…。
私はこの国ではのまともな人達に助けられていた。
この人達はこの国から脱出を試みる事をしていた。
私達は、阿鼻叫喚の地獄と化したこの国から脱出した。
この後どうなるのだろう…。
………
……………
…………………
『決して逃がさない…貴方は………私の………』
『…………オモチャナノダカラ………!!』
『ッッ!!!』
銀髪の少女が一気に上半身を起こした。辺りを見回すとそこは空が見える部屋の中にいた。少女は寝巻きを見ると、寝巻きが汗びっしょりになっていた。どうやら悪夢を見ていたらしい…。
「またあの時の夢…もう何年も経っているのに、どうしてこんな夢がよく見るのだろう…奉仕国家は消えたって言ってたけど…。」
『リリィ、もう出れるか?』
「え?あ、はい。今から着替えて出るわ。」
リリィという名の少女は、寝巻きを脱いで、シャワーで身体にこびりついた汗を落とした。その後リリィは軽装の装備を着用し、彼女の自室を出るとそこには、青いフードを被った機械人形がいた。
彼の名は『ジャック』。リリィの相棒であり、リリィの使い魔でもある。
ジャック「シャワーした後の香りがするな。また例の夢でも見てたのか?」
リリィ「え、えぇ…何回かね…」
ジャック「リリィ、この飛行船は間も無く目的地に着く。場所は『奉仕国家』だ。」
リリィ「もう間も無く…」
ジャック「ん?どこか悪いのか?」
リリィ「いえ…何も…」
『団長!!見えてきやしたぜ!!』
『あれが奉仕国家っちゅう奴かいな?見るからに悪党達が蔓延る臭いが充満するなぁ…』
『た、確か…いろんな欲望が渦巻いていて、そこに囚われたレディ達はここで性的奉仕の義務に背負わされたんだろ?君悪いぜ…』
『ここに建てた人は欲望に囚われたイカれた野郎が建てたんだろうぜ。相当イカれてるわ…』
ジャックとリリィが団長室に着くと、飛行船の連中達が騒ぎ始めていた。
窓から見ると、そこは黒い城とその周りを囲む街が見えた。ジャックは異様なその城を見て息を呑み、リリィは睨みつけるかのように黒い城を見た。
奉仕国家…それはかつてヴォルトと呼ばれる男が建国王として建国し、後にディレクと呼ばれる男が王として君臨し、この大陸中を悪徳の光を照らした国で、かつては全ての欲望を肯定する背徳の国であったが、今ではそれらが存在しない死の都と化していた。
噂ではその国から溢れ出た『闇』が全てを喰らい尽くし、奉仕国家にいた者達はその闇に喰われて消息を絶ったという。
それが今に至って、ジャック達が乗せた飛行船は奉仕国家よりも少し離れた所で着陸した。
奉仕国家を喰らった『闇』に因縁を持つジャックと、かつての元いた世界での傷跡が残り、奉仕国家とは忌まわしき因縁を持つリリィ。そして彼らを支える団長とその仲間達。
ジャックは息を呑みながら、そしてリリィは目の前に見える城に睨み付けながら奉仕国家へ向かう。
奉仕国家で起きた悲劇とは、そしてその奉仕国家を喰らった闇とはなんなのか…?