Lily ~白百合の女騎士と呪われた淫欲と背徳の都~ 作:YU-GO
ジャック達は奉仕国家内にある大通りの中で歩いていた。
奉仕国家にあるこの大通りは、奉仕国家の城門から王城まで貫く大通りで、かつてこの国を建てた傭兵王が螺旋パレードを行った際に使用されたという。名の知れた大店や職人の会館などが並んでいて、都でも最も広く、人の従来が多く、まさに目抜き通りだったらしい。
かつてこの大通りには、上客を目当てにした娼館が姿を見せるようになっていたという。
しかし、今となっては多くの残骸や瓦礫があちこち転がっており、施設も寂れたままの廃墟と化しているという…。
ジャック「あちこち瓦礫やら残骸やらがゴロゴロ転がっているな…」
バルト「この国にとっては史上最悪の大事件が起きたのかも知れないな。」
ジャックの隣にいるのは、彼と同じく機械人形であるバルトであり、ジャックのライバルにして頼れる戦友である。彼は『闇』の謎に興味を持ち、奉仕国家に降り立つきっかけでジャックと共にこの世界に降り立ったという。
リリィ「ッ……」
ジャック「リリィ…少し落ち着き難いのか?」
リリィ「え、えぇ…この大通り、殆どが娼館で、ここで罪も無い女性達がここで…」
バルト「要するに男尊女卑で淫欲に満ちた欲塗れの大国っていう所が良く目立つぜ。馬鹿馬鹿しいなぁ…」
バルトがこの奉仕国家に対する愚痴を言いながら、リリィはバルトの言葉に激しく共感していた。
バルト「……」
リリィ「バルト?どうしたの?」
バルト「死の臭いがするな…」
ジャック「死の臭い?」
バルト「あぁ、戦場の臭い。つまり死と隣り合わせの戦場の臭いだ。」
バルトが言うその『死と隣り合わせの戦場の臭い』、その言葉は何の意味だろうと思ったジャック。
『ジャック!!生存者を発見しやしたぜ!!』
ジャック「生存者?」
ジャック達が部下が言った方向を見ると、そこはボロ切れの衣装を着て、ふらふらとぐったりと歩く男がいた。彼は元々この奉仕国家に住んでいた者に違いない。もしかしたら、この国を襲った闇に関しての事や、惨劇の情報を得るかも知れないと思ったジャックは、その男に近づいた。
ジャック「おい、ここで何があったんだ?」
バルト「待て!ジャック!!そいつは生存者じゃ無いぞ!!
ジャック「生存者じゃ無い?」
ゾンビ「グガアアアッ!!!」
バルトの言う通りだ。ふらふらと歩いていた生存者はゾンビであり、ジャックは間一髪でゾンビの攻撃を避けた。バルトはその直後にゾンビとの距離を縮め、短剣でゾンビの首を掻っ切り、一撃で仕留めた。
ジャック「あっぶねぇ…後一歩遅かったら確実に噛まれてたぜ…」
バルト「ジャック、相手の様子でも良く見るのも大事だ。」
『そもそもジャックやバルトは機械人形だから、噛まれても歯が通らないと思うんだが…?』
リリィ「みんな!!囲まれているわ!!」
リリィが言った方向を見ると、少数のゾンビ達に囲まれていた。死者が蠢くこの大通り内での戦闘が始まり、ジャック達がそれぞれの武器を持ち、ゾンビ達を一掃した。
しかし、この辺りのゾンビ達を一掃したものの、破壊された娼館から性奴隷のようなゾンビや、右腕が肥大化し、鋭利な武器と化したミュータントや、人肉を喰らう人喰い犬など、様々な魔物達が現れ始めた。
『ヤ、ヤバいぜ団長!!この数では流石に無理がありまっせ!!』
団長「あ、あぁ。流石にこの数ではキツいな…」
ジャック「開始遭遇、いきなりこれかよ…冗談じゃ無いぜ…」
『と、とりあえず、今はどこかに隠れてやり過ごすしか無い!!』
バルト「どこかにやり過ごせれる所は…!!」
窮地に陥ったジャック達は、たとえどこかで離れ離れになろうとも、いずれはどこかで集結出来ると思い、ジャック達はチームに分かれてに散らばるかの様に避難した。
ジャック、バルト、そしてリリィの3人が逃げ延びた所は…
ジャック「な、なんかここら辺…廃墟になってもピンク色が良く目立つな…」
バルト「ここってまさか…」
リリィ「し、娼館通り…」
運悪くジャックが辿り着いた所は、奉仕国家の象徴とも言われる『娼館』が立ち並ぶ娼館通りだった…。