Lily ~白百合の女騎士と呪われた淫欲と背徳の都~ 作:YU-GO
カレン「はぁ…はぁ…はぁ…!」
デュラン「大した奴だったけど、所詮は娼婦に魅入られた哀れな小娘だね。」
カレンはデュランとの戦闘でダメージを負っており、疲労状態に陥っていた。デュランは魔剣ニグラムの力を少し解放して、カレンにとどめを刺そうとしていた。
デュラン「ボクに刃向かった事を後悔し、そして、女として生まれた事を恨みながら、闇の中へ葬ってあげるよ。」
カレン「………ッ!!」
デュランがカレンにとどめを刺そうとしたその時、一つの一閃がデュランの攻撃を妨害させた。
ジャギィン!!
デュラン「うげっ!!?」
カレン、エミリア「!!!?」
突然の攻撃により、デュランは吹き飛ばされるも受け身を取り、二人は何が起きたのかはわからなかった。攻撃の元の方向を見ると、そこには赤いオーラを放つ一体の機械人形がいた。
デュラン「ジャック…ボロボロになった癖にピンピンになって戻って来やがったか…!」
エミリア「あの機械人形がジャックか…!」
カレン「でも、何やら猛々しい気が感じるわ…。」
デュラン「この気、まさか…あのクソ狼の気か!!!」
デュランはジャックが宿る力の正体がガルムである事か分かった。
デュラン「おいジャック!!そのクソ狼とどこで会った!?」
ジャック「闇の中で会ったんだ。そいつが俺に力を与えた後に、どっか行っちまったんだがな…」
デュラン「しぶといクソ狼の野郎が、今度はしぶといガラクタに力を与えて、更にしぶとい存在になったとはな…ガルム…余計な事をしやがって…!!」
デュランが怒りで気を高める間、ジャックはカレンの元へ近づいた。
ジャック「立てるか?」
カレン「え?」
ジャック「立てるかって言ってるんだよ。」
ジャックはカレンに手を差し伸べた。
カレン「………」
エミリア「カレン…?」
カレン「こういう展開って…悪く無いわ。」
カレンはそういうとニカッと笑い、差し伸べて来たジャックの手を強く掴んだ。
エミリア「やれやれ…」
エミリアはため息をつくも、直ぐに微笑み、戦霊としてカレンに再び憑依して、力を与えた。
デュラン「二人揃って互いの想いを一つにしやがって…それにジャック…てめえは完全にガルムそのものだな…」
デュランは怒りを表しながら、ジャックとカレンを激しい殺意が満ちた瞳で睨み付ける。
ジャック「リリィの事はクラリスらがなんとかしている。それまでは時間稼ぎって事だ。Do you understand?」
エミリア「どういう意味よ…(汗)」」
カレン「さっき言った言葉、意味わかんないけど、大体わかったわ。」
カレンはジャックが言った事を理解した。その後、ジャックとカレンは、背中を合わせながら、ジャックは霞の構えを取り、カレンは槍を上に目かけて回転し、槍を前に構える。
デュラン「………けっへへ、良いだろう…今度はサジタルに両断してから、微塵斬りにしてやる。あの淫魔ババァよりもね!!」
カレン「あの淫魔ババァよりも…?」
デュランが発した言葉を聞いたジャックは、少しも怒りを感じた。
ジャック「ラドミラの事か…」
その頃…
ドリータ「アルケミック!!奉仕国家まで行く意味はあるのかぁぁぁ!?」
『ドリータ!!待ってよぉぉぉ!!』
『ボクたちよりも速く行かないでよぉぉ!!』
ガレオン「チビどもがほっとけへん奴らで、ホンマに大変やなぁ!!」
バルト「お前が言うのかぁ!?お前も放って置けないおせっかい戦士って言ったのは誰だ!?」
ガレオン「俺やけど、文句あんのかぁ!?」
ハーフリングを担ぎながら走るガレオンは、バルトとギャーギャーと言い合いしながら並走していた。
ルカ「あの二人、犬猿の仲ね…」
メノウ「俺もそう思った。」
ガレオン達の後を追うルカとメノウ。丁度そこに団員らを乗せた団長の大型バギーが横切る。
団長「よぉ、乗っていくか?」
メノウ「色んな意味ですげぇよな…ジャックの世界の乗り物や技術って…こことは比べ物にならねぇなぁ…」
ルカ「そうね。同感するわ。」
メノウとルカ、そしてガレオン、ドリータ達を乗せたバギーは、そのまま奉仕国家の方角へ進んでゆく。
バルト「ところで、ドリータ。アルケミックが跳ねながら奉仕国家へ向かった理由はわかったのか?」
ドリータ「全くわからぬが、さっきの地震の影響で急に暴れ出したんじゃ。飛行船の窓を突き破って…」
団長「飛行船では、僅かに残したウチの団員らがせっせと修理しているだろうな…あれは急でびっくりしたぜ…」
団長の大型バギーには、アルケミックも載せていて、アルケミックはドリータにだからながらも振動している。奉仕国家に着くまで、いつまで保てるのか…。
『団長!!満月の中で何やらドンパチドンパチやり合ってまっせ!!』
『一人はジャックで、後の二人は…?』
バルト「カレンと、デュランだな。」
ガキィン!!ガキィン!!キィィン!!!
刃と刃が互いにぶつかり、ギギギと競り合う音が鳴り響く真紅色の満月。そこにはガルムの力を宿したデュランと、リリィの妹であるカレンが、魔剣ニグラムの力を解放したデュランとの激闘を繰り広げていた。
ジャック「こいつ、ガチで俺らを殺す気だな!!」
カレン「こっちも本気でやらないと、やられるわ!!」
ジャック「んな事はわかってる!!」
ジャックとカレンは息を合わせ、デュランを追い詰めて行く。デュランも魔剣ニグラムの力を使いながら、ジャックとカレンを追い詰めていく。
デュラン「ボクの攻撃を避けるとは、大した奴だが、これならどうだ!?」
『ブォォン!!』
デュランはカレンに向かって魔剣ニグラムをブーメランの如くぶん投げた。ぶん投げられたニグラムは、黒炎を惑いながら、カレンへ襲って行く。
ガキィンッ!!!
カレン「くっっ!!」
カレンは咄嗟にその攻撃に防御するが、ニグラムの連続回転により、防御力がすり減らされて行く。
ギギギギギギギギギギギギギギ…!!!
カレン「な、なんて回転力なの…!?このままでは、防ぎれない…!」
エミリア「私も防ぎれない…」
カレン、エミリア「「でも…それでも!!」」
カレンとエミリアは息を合わせ、ニグラムを力いっぱい弾き返した。弾き返されたニグラムはブーメランの如く、そのままデュランの手元に戻った。
デュラン「それを弾き返すのは、中々やるね。」
ジャック「アンタを倒して、奉仕国家の歴史を完全に終わらせる。その想いのために、諦めねぇ!!」
エミリア「あぁジャックの言う通りだ。くうぅ…!」
カレン「エ、エミリア!?大丈夫!?」
エミリア「た、多少無理をした…!!」
ジャック「さっきのカウンターで無理をしたのか…あまり無理するなよ。槍の勇者さんよ!」
エミリア「お、お前に言われたくない…!!」
デュラン「さてと、掛け合いはここまでとして、もうそろそろ決着でも付けてやろうかな?」
デュランはそう言うと気を放ち、黒犬どもすらもノックダウンさせるほどのプレッシャーがジャックとカレンを襲った。ジャックとカレンはそのプレッシャーに吹き飛ばされない様に身構える。
団長「デュランの奴、本気の本気を、その本気を出した様だな…」
『ヤバいぜ…』
『ひぇぇ…』
『現実なのか、夢なのかはわかんねえぜ…』
デュランが放ったプレッシャーを受け、震えながら怯える団員達。
ドリータ「コイツに耐えるのはキツいぞ…!!」
『あわわわ…』
『ーーーーーッ(声にならない悲鳴)』
『ーーーーーーー。(口から魂が出ている)』
気絶したり、魂が抜けて失神するハーフリング達。
ルカ「最終決戦の様ね…」
メノウ「俺達では太刀打ち出来ねぇほどのプレッシャーを感じるぜ…」
ガレオン「せ、せやな…ん?あれは…」
ガレオンは何かに発見する。そこには、信仰し続けるクラリスの姿が見え、その近くには、茨によって拘束されているオディオの姿が見えた。
ガレオン(クラリスの奴…アンタは何をしとるんや…?)
次回、クラリス、その想いと共にリリィを救い出す!!