Lily ~白百合の女騎士と呪われた淫欲と背徳の都~ 作:YU-GO
ありとあらゆる世界の記録が保管する大図書館アカシック。そのアカシックの近くには、小さな浜辺がある。そこは貝殻や蟹やらが流れ着く所で、中でも他の世界の者達がそこで漂流して来る事もある。
その浜辺は名前も無い名もなき浜辺であったが、最近では他の世界の者達がここで漂着、漂流して来る為か、もっぱら漂流ビーチとしての愛称が付けられていた。
そんな漂流ビーチにて、一機の機械人形と、三人の少女達がそこで散策をしていた。
ガレオン「お嬢ちゃんら、ホンマにここで流れ着いたんか?」
真琴「………うん」
真琴という少女は、コクリと頷く。
千鶴「私達はここで意識を失っていて、気がつくとここで流れ着いていたの。」
ちさと「私の他にも、まこちゃんと千鶴ちゃんも、ここで…」
ガレオン「ホンマに踏んだり蹴ったりやな…それで、元いた世界での記憶は覚えるん?」
千鶴「………いえ………」
ちさと「自分の名前は覚えているけど、後の事は忘れて…」
真琴「…………」
千鶴ら三人はそのまま黙り込んだ。元いた世界での記憶は思い出せそうでも思い出せれないこの状況…記憶が戻るまではここで住む事しかない事を…。
ガレオン「俺がちょいと思った事…確かな………」
遡る事2日前
バルト「漂流ビーチへ流れ着く者は殆どが『このアカシックに載っていない未知なる世界の住民説』だと?」
バルトは多数の本を調べながらガレオンと会話していた。
ガレオン「そうなんや。俺のちょいと思った事や。ここへ流れ着く若モンやお嬢ちゃんや学生さんやらが、アカシックには記録してへん世界の奴らやと、俺は思ってんねん。」
ルカ「私も同じだ。私の事や奉仕国家については、どこも載っていなかったわ。」
クラリス「ハーフリングについても、ティーフリングについても、載ってなかったよ。」
ガレオン「それについて無かったら、ホンマに真相は闇の中やで…ん?待てよ?」
ガレオンはまた何かに思い出した。
バルト「また何かにわかったのか?」
ガレオン「これ、わかった事なんやけど。このアカシックに保管している世界って、他の世界が色々あるんやけど、アダルティックなモンが少なくあらへんか?」
バルト「確かにそうだな…アカシックの別館には、本屋があったな。」
団長「別館…ああ、確かメインコーナーとアダルトコーナーが二つ分かれている事だったな。」
メノウ、クラリス、ルカ「アダルトコーナー???」
団長が発したそのアダルトコーナーを聞いて、ハテナが三つ分付くメノウ達。
団長「要するに18歳、成人向けの本が並ぶ所でな。その全部が恋愛やら純愛系の物が多く揃っている。館長の気まぐれかも知れんがな。」
バルト「全部が恋愛やら純愛系が多く揃っている………っ!!まさか!!」
ルカ「何かわかったのか?」
バルト「そういう事か…!」
バルトは何かを思い出したのか、直ぐにどこかへ向かった。
ガレオン「バルトの奴、何を思い出したんや…?」
ガレオン「俺の鋭い推理では、ここにいるお嬢ちゃんらは、純愛やらハッピーエンドやらが無い世界から流れ込んで来たって事やな。もしかすると、お嬢ちゃんら…報われへん運命を辿って、それからデュランの様な闇に襲われて、傷だらけのままここで流れ着いたんやな。ホンマに可哀想やな…」
ガレオンが必死で推理を推定している中、椎名千鶴ら三人は浜辺の前で横一列に並んで座っていた。
千鶴「まこちゃん…ここへ流れて、どんな気分?」
真琴「わからない…嫌な事すらも忘れたけど、身体に残る傷跡が原因で気持ち悪い気分…」
ちさと「私も同じだよ…誰かに開発されて…私は…私は…っ!!」
ちさとは自身への嫌悪感を抱いてしまい、自らの運命に呪うかの様に己を呪い、涙を流し始めた。
ちさと「どうせなら、私なんか居なかった事になれば、きっとこんな嫌な気分はならずに済んだ…」
千鶴「ちひろ…」
ちさと「ここへ流れ着いて、ゆっくりと暮らせるのに、記憶が無いままここで終えるのは嫌…でも、寝てる時に悪い夢をよく見るの…!!誰かが、私を犯して、開発されて…最後は誰かの性奴隷にされる夢を…!!」
真琴「私も同じ夢を見る…私が誰かに開発されて、その人限定の性奴隷にされた夢が…!!」
千鶴「ちさと…真琴…私もだよ…私も同じ夢を見る…」
悪夢にうなされ、それにもがき苦しみ、自分が一帯何者なのかを思い出せれず、涙を流す真琴とちさん。その二人の間に、千鶴が涙を流す真琴とちさとを肩を合わせ、彼女も涙を流した。
千鶴「でもっ、たとえその記憶が嫌な物であっても、ここで暮らせば、きっと私達は、乗り越えられるかも知れない…だから、協力して、失った記憶を取り戻そう…。」
真琴「ッ!!うぅ……ひっぐ…ふぐっ…!!」
ちさと「うぇ…うぇぇん…千鶴ちゃん…!!」
千鶴の言葉を聞き、涙を流しながら彼女に抱きつく真琴とちさと。
ガレオン「せやな。少しずつ、記憶を辿って行けば、失った記憶は取り戻せるかも知れへんな。」
ガレオンは遠くから千鶴達を見守っていた。
バルト「そうだな。地道から探せば、真実は辿り着くかも知れないな。」
ガレオン「おわっ!?バルト、いつからここにぃ!?」
たとえそれが嫌な記憶であっても、それでも自分の事について知りたい。