Lily ~白百合の女騎士と呪われた淫欲と背徳の都~ 作:YU-GO
漂流者。それはこのアカシック付近の浜辺『漂流ビーチ』へ流れ着いた者達の事である。彼らは主に黒の国や闇の化身による襲撃や闇に関する怪事件でのショックにより、名前を維持したまま記憶を失っているという。
彼らは悪夢を良く見る体質を持っており、大切な人が寝取られる悪夢や、邪欲を抱く者達に陵辱される悪夢、永遠に逃れられない快楽地獄に飲まれていき、理性を捨て、本能のまま快楽に身に委ねられる悪夢など、それらの悪夢によって彼らは苦しめられ、悩まされているのだ。
だが、その中にはそれがきっかけで特異な能力を得た漂流者もいる。彼らはその能力を駆使してアカシックのみんなの役に立ちたいと、ジャックやリリィをはじめとした戦士への志願を試みる漂流者達もいる。彼ら曰く『彼らの役に立ちたい』『恩返しをしたい』らしい。
日菜「………!!」
このアカシックにて、未だこの場所についてまだ慣れていない少女がキョロキョロと辺りを見回していた。少女の名は『橘日菜』。彼女も漂流者の一人で、元いた世界での記憶は失われている。
そんな日菜が本棚がずらりと並ぶ場所で何かを探していた。
日菜「えっと…確か…ここに載っている本が…!」
日菜が探しているのは、主に魔術に関する魔術図鑑で、いくら魔術があろうとも、種類は豊富で図鑑ごとに分けられている。例えば戦闘魔法、支援魔法、禁術に呪術など、ありとあらゆる魔法があり、まとめるよりも各図鑑ごとに分けた方が良いと館長が提案したのだという。
日菜「目次…あっ、あった!!」
日菜が見つけたのは、魔法大図鑑の一つ。『時空魔法編』であった。
時空魔法とは、時間や時空など、時間に関する魔法であり、日菜には時空魔法を操れる能力を得ていたのだ。彼女がその能力を知る為に、その本を探していたという。
日菜「時を止めれたり…時を加速させたり…特定の場所を戻したり…更には相手の時間を止めれたりと…凄い…!」
時空魔法について載っている図鑑を見た日菜は、余りの凄さを見て驚愕した。
ドロシー「〜♪」
ドロシーはそこで鼻歌を歌いながら散歩していた。
ドロシー「魔術に関する本が並ぶこの場所って、何よりも不思議ね。私の研究が刺激的に求める物が…そして未知なる物までも…ここのおかげで私の研究に終わりはない…あら?あれは日菜ちゃん?」
好奇心が勝ってゆくドロシーは、本を見て熱中する日菜を見かけた。
ドロシー「日菜ちゃん。ごきげんよう♪」
日菜「ひゃあああ!?」
ドロシーの声を聞いた日菜は身体が飛び上がり、左に振り向くとドロシーがいた。
日菜「ご、ごごごごご、ごきげんよう!!ドロシーさん!!」
ドロシー「あらあら。この状態はまだ慣れていないわね。」
ドロシーは緊張してガチガチになる日菜を見てクスッと笑う。
日菜「ド、ドロシーさん!?何故ここに!?」
ドロシー「単なるお散歩よ❤️それに、貴方が読んでいるのは、時空魔法に関する図鑑の様ね。」
日菜「はい、私が使える時空魔法について詳しく知ろうと…」
その頃………
ガレオン「なんやこれ?」
ガレオンはアカシックに落ちていた紙切れを見つけた。紙切れには『エクセレント女学園』と描かれていた。
ガレオン「エクセレント女学園?そんな完全完璧な女学園があったんかいな?」
ガレオンは何か重要な鍵になると思い、紙切れを掲示板に貼った。『考察求ム』と…。
ドロシー「日菜が使える時空魔法、時を止める事しか出来ないって事ね…」
ドロシーは日菜を連れて彼女の能力やデータを調べていた。
ドロシー「でも、状況に応じて、様々な時空魔法を得る可能性があるわ。それに…貴方はいつから時空魔法を使える様になったの?」
日菜「えっ?そ、それは…」
ドロシー「それは?」
日菜「悪夢を見ている時にその魔法が使える様になりました…」
漂流者である日菜は、ドロシーに向けて悪夢について語った。
それは刻が止まり、何者かの手によって酷く陵辱され、刻が動き出した時からは既に白濁に染められた悪夢だった。時間停止による陵辱。彼女はその悪夢がきっかけにより、時空魔法を得たのだという。
だが今の時点では、時を止める事しか出来ないというが、ドロシーによれば様々な時空魔法を習得する可能性があるという。
ドロシー「成程…その者が欲望の為に時空魔法やらを悪用して、陵辱されたのね…」
日菜「………はいっ……」
日菜はそう言うと、涙を流し始めた。
ドロシー「大丈夫よ…ここは貴方を酷い事する人はいないわ。ここは居場所を失い、絶望に堕とされた者達を暖かく肯定してくれる場所よ…」
日菜「っぐ………ひっぐ………ひっぐ………」
日菜は泣き止むまでドロシーに強く抱きついた。
ドロシー「今は落ち着くまで私に抱きつきなさい…貴方を酷い事したそいつは、私の魔法で制裁してやるから…!!」
声が出ないほど泣く日菜を強く、優しく受け止めているドロシーの瞳は、修羅の目へと変わっていた…。
ドリータ「漂流者のあやつらって、なんで元いた世界の記憶を求めるんじゃ?」
ルカ「私もわからない…」
バルト「だが、一部の漂流者は、それが破滅である事で、失った方が救いなのかも知れんな…」
ドリータ「闇深いのう…(汗)」
topics
漂流者
アカシック付近の漂流ビーチへ流れ着いた者。その殆どがR-18作品の被害者(NTR系作品の主人公、ヒロイン。陵辱系のヒロインなど)で、主に黒の国による襲撃によるショックで、大半の記憶が失われている。
悪夢をよく見やすい体質で、彼らはその悪夢によって苦しめられ、悩まされている。
だがその中には、悪夢がきっかけで特異な能力を得る漂流者がいる。最初は乏しいが、次第に能力が強くなっていき、悪夢を克服した時が真の力を発揮するという。
悲劇すらも忘れる為、一部の漂流者からにしたら唯一の救いなのかも知れない。