Lily ~白百合の女騎士と呪われた淫欲と背徳の都~ 作:YU-GO
SP 1 黒狼と呼ばれた傭兵
ディレクが治める奉仕国家、そのディレクが王となって以来、世界の全ては魔王ディレクの手の内にあった。黒き獣のが巣食うその国は、その名に相応しい王を迎え、悪徳の光で世界を照らし続けていくのだった。
ディレクが王となってから数ヶ月後、奉仕国家ごとニグラムスティアのとある部隊が、かつての戦争の残党狩りを行っていた。その部隊の名は黒狼隊。黒犬騎士団の生まれ変わりでもあるその部隊は、ガルムと呼ばれる男が率いていた。
「ひぃぃ!!ほ、奉仕国家…!!」
ガルム「………」
ガルムは自らの大剣で怖気つく男を向いていた。
「お、お願いです!!命だけは…」
ガルム「………」
『ザシュッ!!』
「がはぁっ!!」
ガルムはそのまま男を止めを刺した。
ガルム「悪いが、これも仕事でな。俺も出来ればやりたくねぇんだよ…」
彼の目の前には恐怖に怯える女や子供達が誰も犯されていないまま輸送されていた。
ジェリック「ガルム、これで全部です。」
ガルム「そうだな。使える物は根こそぎで略奪した様だな。さて、引き上げるとするか。」
ガルムの号令と共に黒狼隊は焼き払われてゆく拠点を後にした。
奉仕国家。その真名はニグラムスティア帝国。全ての女性は性的な奉仕の義務を背負うと言ったトチ狂った掟を持つ狂気と淫欲が渦巻く背徳で弱肉強食な都。ディレクが王となって以来から、全て支配され、今でも悪徳の光が照らし続ける都の中で、ガルムは酒場で好物の飲み物を飲んでいた。
「昨日、新しく入った奴隷の中、気持ちよかったぜ!!」
「マジかよ!!どんな奴なんだ!?エルフか?ハーフリングか!?」
「今日も残党の討伐で、報酬もがっぽりだぜ!!!」
「良いね!!これでまた遊びに行こうぜ!!ギャハハハハ!」
ガルム「………ちっ……(怒)」
下品な笑い声が渦巻く酒場の中で、ガルムは苛立ち、彼は好物の飲み物を一気に飲んだ後、酒場を後にした。
ガルム「どいつもこいつも勝利して、全てを支配して、勝ち誇って調子に乗りやがって…コイツら次の脅威に備えるべく己を磨かねえクズどもかよ…」
ガルムはイライラしながら帰るべき場所へ向かっていると、背後に聞き覚えのある声を聞いた。
リュカオン「お、ダンナに似ているガルムじゃねえの。」
ガルム「この声、クソ犬のリュカオンだな。」
ガルムの背後にいたのは、黒犬騎士団の古参メンバーのリュカオンで、その近くには魔術師のニコラもいた。
リュカオン「クソ犬って失礼だなぁ。もっとカッコ良い称号を入れてくれよ。戦狼のリュカオンとか、戦場の狼とかよぉ。」
ニコラ「リュカオン、相手はガルムだぞ。そんなに軽く言われたら、アイツに殺され『てめえもいたのかよ。ヒョロッヒョロのゴミ術師が。』ッ!!?」
リュカオン「おいおい、そんな事言ったらニコラが可哀想だろぉ。」
ガルムに罵詈雑言な発言を言われ、一瞬にして硬直するニコラと、陽気にガルムにちょっかいを出すリュカオン。
ガルム(一度でも良いから俺の実力でわからせてやるか…)
この後、大通りで根暗な魔術師と脳筋狼が黒狼にボコボコにされ、ヤムチャ状態になった模様。そこに、ディレクが休息の時に通りかかっていた。
ディレク「………コイツら無茶しやがって…だが、あのガルムの奴…中々面白そうな奴だな…」
その頃、ガルムは奉仕国家から少し離れたとある小屋の様な家に着いた。この家こそが、ガルムが住む家なのである。
エレオノーラ「ガルム…」
そこにはかつて奉仕国家で弱者達を救いの手を差し伸べたシスターのエレオノーラがおり、彼女はガルムの理解者であり、唯一快楽から解放された者である。
ガルム「悪い、ノーラ。遅くなってすまねえ…」
エレオノーラ「ガルム、またあの国で喧嘩でもしたのですか?」
ガルム「ああ…クソ狼と根暗に絡まれてな。だが、実力では俺の方が上だった事を証明させてやったぜ。」
エレオノーラは、ガルムによって快楽地獄から解放され、今ではガルムの恋人となっている。しかし、時折黒犬どもとの絡みで喧嘩を起こし、傷一つつけられるガルムを見て心配しているという。
ガルム「何が奉仕国家だ…ディレクの野郎、世界中の女を攫って、いろんな物を奪い、将来の事については考えてねぇなぁ…」
ガルムは苛立ちながら椅子に乱暴に座る。
ガルム「なあ、ノーラ。」
エレオノーラ「なんでしょうか…?」
ガルム「もしディレクの奴がどこかで無様にくたばった後、俺が王になった時、この奉仕国家、セレヌス大陸はどうなると思うんだ?」
エレオノーラ「私にもわかりません…でも、ガルムが王になったら、またディレク様と同じ道を歩むかも知れません…」
ガルム「……だろうな…」
黒狼隊は奉仕国家の中では最弱と言われているが、ガルムの戦闘力は桁違いで、あのリュカオンやニコラも歯が立たず、更にはレイモンドもゲイルすらもビビる程の実力を持っていた。
彼の存在により、黒狼隊は最弱からディレクの右腕へと昇進していたという。だが、ガルムにとっては『運が良かっただけ』だったという。そして彼の姿を見て、ディレクは『己の分身』の様に見えていたという。
その頃、奉仕国家の地下では…
デュラン「この世界のネガエネルギーがだいぶ溜まってきたものだねぇ…♪アイツら、ボクの計画に気づかないまま、腐った欲望のまま、全てを支配して、今は残党狩りやらを行っている様だな。それにしても、レイアはどこに行ったのやら…?」
奉仕国家のとある娼館では…
レイア「あれあれぇ?お兄さん、もう降参なの?」
『ひぃぃ……ギブ…』
デュランの妹のレイアは、その娼館で性的奉仕する娼婦を憑依し、ラドミラ以上の魔力で客である男性の精気と性欲を吸い取っていた。
レイア「この国って、勝利に酔いしれて、調子に乗ってると、痛い目に遭っちゃうのって知らなかったのぉ?」
『…………』
レイア「ねぇ…聞いてるの?お兄さん??」
レイアに激しく性行為されたその男は既に気絶状態に陥っていた。
レイア「あちゃ。今のやり過ぎたわ。ま、良いか♪」
デュラン「娼婦に憑依して、小遣い稼ぎか…(汗)ま、まあ良い。計画の続きでもしとくとするか…」
デュランはレイアの様子を見た後に、今行っている計画の続きを開始した。巨大な水晶玉に映し出したのは、残党達の拠点が見えた。しかし、その拠点は、どこか様子がおかしかった。
デュラン「ボクの特製の薬でここまで強くさせたんだから、君達を狩り殺してくるクソ雑魚国家の部隊を思う存分仕返ししてね♪」
奉仕国家が行っている残党狩り。最後の残党が残ってるのは、神聖王国アウレリア跡地だった。
だが、そこには、デュランによって凶暴化した戦士達が血に飢えた魔物の如く、激しく唸り声を上げていた。
そして、最後の残党を殲滅する為に現れた奉仕国家の戦闘部隊は、アウレリア跡地へ向かっていた。
真紅に染まる月が昇り出ている時、アウレリア跡地では、苦痛に満ちた悲鳴や魔物達の咆哮が響き渡っていた………。