Lily ~白百合の女騎士と呪われた淫欲と背徳の都~ 作:YU-GO
アウレリア跡地。そこではガルムが率いる黒狼隊と、グレイが率いる同盟軍の残党軍との戦いは、熾烈になっていた。
『ガキィィィィン!!』
ガルム「ちいぃっ!!」
グレイ「ガァァァァッ!!!」
ガルムに襲うグレイは、まるで獲物を狙っている猛獣の如く、ガルムに容赦の無い凶撃で襲う。
ガルム「貴様ら、まさか俺達黒犬とは違う勢力でも組んだのか!?」
グレイ「違ウ…」
ガルム「違う…?」
グレイ「デュランという奴ガ、俺達ニこの力ヲ与えテくれた!!俺達ハ、この力で、奉仕国家ヲモ…!!!」
ガルム「デュラン…?」
グレイが放った言葉の中に、デュランという言葉を聞いて、ガルムら少し疑問に感じ取った。しかし、それを考える場合は無く、今は戦いに集中する時だ。
ガルム「デュランやら力やら知らねえが、その事は後で話してもらうぞ。」
ガルムは大剣を構えながら、そのままグレイに立ち向かった。
そしてその頃、鮮血色の満月が奉仕国家の真上に昇り出た時、奉仕国家全体に赤黒い霧に包まれた。
『な、なんだ?この霧は?』
『見えそうで見えないな…』
『さっきの地震の後で出てきたのか?』
『ま、まぁ、何が来ようとも、奉仕国家は永久に不滅だからな…』
霧に包まれた奉仕国家はざわざわとざわめきながら混乱に陥る。不安に抱く者がいれば、『何事も無かった事になるだろう』と思い込む者もいた。
だが、永久不滅の悪徳の都は、直ぐに終焉の時が嵐の如く迫ってきている事に、彼らは知らなかった。
ガルム「ここまで苦戦、いや、長期戦になったのは初めてだな…!!」
グレイどの決闘が長く感じた事を、ガルムは知った。奉仕国家、そして黒犬達はここまでボロボロになる事すらも知らなかったのだが、ガルムだけはここまでなる事を知っていた。なにせグレイ達残党軍は奉仕国家に対する激しい憎悪によって強化しており、人としての理性を捨てた魔物へと変わり果ている。
ディレクの様に全てを支配する欲望の悪では無く、全てを蹂躙する破壊の悪である事を、ガルムは感じ取った。もし彼らを利用して、ディレクを倒したとしても、逆に黒狼隊を含め、全てを蹂躙して、無へと帰される可能性が高い。そうであれば、自制心の無い憎悪そのものを『今ここで倒さなければならない』と、ガルムは理解した。
グレイ「どうした…もう限界か?」
ガルム「確かに他の部隊なら限界だが、俺達はそこら辺の部隊とは違う。何故ならば…!!」
ガルムは全体重、地面を踏み込み、大剣を力一杯グレイに振りかざした。グレイはその攻撃を受け止めるも、ガルムの重い一撃に耐えきれず、そのまま攻撃を受けた。
グレイ「ち、ちいぃ…俺とした事が油断した…だが…!」
グレイは勝利を確信したかの様に不気味な笑みを浮かべた。
グレイ「たとえ、同盟軍の残党どもがいなくなり、同盟軍が完全に消え去っても…てめぇらの国家は地獄へと変わり果てる…!」
ガルム「奉仕国家が地獄へと変わり果てる…?」
グレイ「そうだ…デュランのおかげ…でな…てめえらの悪徳の栄光もその都も、終焉を迎える事になるのだ…くっくっくっ…!!」
グレイはそう言うとそのままドサリと倒れた。
グレイの死と共に、残党軍は黒狼隊によって全滅し、かつての戦争の同盟軍はここで壊滅した。しかしガルムは、グレイが語った言葉に対して、疑問を抱いていた。
グレイが率いる残党軍を殲滅し、奉仕国家へ帰還する黒狼隊。だがそこに目の前に居たのは、奉仕国家の兵士が道端で倒れていた。
ガルム「おい、何があった。」
「ほ、奉仕国家が…奉仕国家が…!!」
ガルム「奉仕国家が?」
兵士が放った言葉を聞いているガルムは、彼の首元に何かに噛まれた跡がある事に気づいた。
「奉仕国家を…救っ…て………」
兵士はその事を言い、そのまま力尽きた。
ジェリック「ガルム…なんかやばい事になってないか?」
ガルム「確かにな…(グレイの奴が言ってた通りなのかもしれねぇ…!)お前ら!!早く奉仕国家の所へ戻るぞ!!」
ガルムの号令と共に、黒狼隊は急いで奉仕国家へ帰還した。
奉仕国家へ帰還する事が出来た黒狼隊。彼らは奉仕国家の中へ入ると、そこは余りにも悲惨で凄惨な光景が広がっていた。
ジェリック「こ、これは…!!」
ガルム「やはり…俺も薄々思っていたぜ…!!」
『グガアアアッ!!!』
『ガァァァァッ!!!!』
『グルルルルル…!!』
「ぎゃああああああ!!!」
「助けてくれぇぇぇぇえ!!」
「ひいいいいいっ!!!」
「逃げろぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ゾンビ化した娼婦や、寄生菌型ウイルスに侵され、頭部がキノコ化したゾンビ、霧によって凶暴化したオーガやオーク達が、住民や兵士達を襲う阿鼻叫喚の地獄と化した奉仕国家だった。
その頃…
ディレク「ど、どうなってやがる…全ての欲望を肯定する奉仕国家が、何故この様な地獄へと…!?」
城から様子を見ていたディレクは、突然の地獄の襲来により、困惑していた。
ディレク「残党軍め…まさか何か策でもやりやがったのか…!?」
『策っていうより、ボクの思う通りなんだけどね。』
ディレク「ッ!!!」
ディレクは背後に誰かが喋った事に察知し、彼の背後に振り向いて武器を構える。ディレクが目の前に居たのは、黒いローブを惑った少年がいた。
ディレク「てめぇ…一体何者だッ!?」
デュラン「ボクの名前はデュラン。この奉仕国家の陰から操る裏社長、真の覇王、裏組織のドン。具体的に言えば、奉仕国家ごとニグラム・スティア帝国の裏ボス的存在なのさ!!!」
レイア「あははははは!!この国の男達、ゾンビ化した弱者や娼婦ちゃん達に食べられてるのを無様過ぎてウケる〜〜〜♪」
阿鼻叫喚の地獄と化した奉仕国家の様子を上から見るレイアは、ゾンビ達に対抗できず、無惨に貪り食われる住民と兵士達を見てケラケラと笑っていた。
レイア「勝利して、全てを支配して、自らの実力と力に酔いしれたまま、この様な急な出来事の前に己を鍛えずになったからいけないんだよ。本っっっ当に奉仕国家って馬鹿な国家よね。」
デュランの策略により、阿鼻叫喚の地獄と化した奉仕国家。果たしてこの状況で、ガルム達、黒狼隊はどう動くのか…?