Lily ~白百合の女騎士と呪われた淫欲と背徳の都~ 作:YU-GO
デュランの策略によって、ゾンビ化した娼婦や兵士、霧によって凶暴化したオーガやオークにより、阿鼻叫喚の地獄と化した奉仕国家。これまで、この様な絶望を体験した事のない奉仕国家にとっては、正に悪徳の栄光の終焉が来たのかの様な光景と化していた。
無惨にもゾンビ達に貪り食われる住民や、彼らに立ち向かうも逆に返り討ちに合う兵士達。自分だけ助かろうとして脱出を図ろうとする者や、死の恐怖により、命乞いする者もいたが、凶暴化した彼らの前では全くの無意味だった。
ガルム「まだまともな奴は出来るだけ奴隷や無事な娼婦達の救出を優先しろ!!力ある者は奴らを迎撃しろ!!!」
阿鼻叫喚の地獄の中、ガルム率いる黒狼隊は弱者や奴隷、そしてまともな者達を率り、弱者や奴隷達の救出しながら奴らを迎撃して行った。
ガルム「チッ…どいつもこいつも自分だけ助かろうとして、弱え奴らを手放しやがって…!」
ジェリック「ガルム…」
その頃………
『バチィン!!』
ディレク「コイツ…!!」
デュラン「お前が放った斬撃波、ボクの指一本で充分だよ。」
奉仕国家ごとニグラム・スティア帝国の国王であり、覇王であるディレクは、この奉仕国家の裏の王と自称するデュランとの戦闘を繰り広げていたが、デュランの圧倒的な戦闘力の前に、これまでに無い苦戦に強いられていた。
デュラン「キミらの国ってこの世界の女を商品として売り飛ばして、いろんな欲望を叶えれる所だったよね?」
ディレク「そうだ…だが、テメェはなんでこの国を勝手に陰の王として君臨した!?答えろ!!!」
ディレクはその事を言いながら剣先をデュランに向けた。
デュラン「ボクがこの国を勝手に乗っ取った理由?そうだね…具体的に言えば、あるお方の使命でここに来たのさ。」
ディレク「あるお方…!?」
デュランは宙に浮いたままぐるりと一回転した。
デュラン「そのお方はね、ボクの上司さん的存在で、キミらの様な悪徳さんよりもヤバい闇の化身達でね。悪が支配する世界は、ボクらにとっては素晴らしい餌場なんだよ。あ、聞いた事あるかな?『毒を持って毒を制す』って言う言葉。」
ディレク「………知らん…」
デュラン「この言葉すらも知らないって、本当にキミって性欲丸出しの猿以下のケダモノだよ!!アギャギャギャギャギャ!!!」
デュランはディレクに向けて、この奉仕国家を見下す程の外道以上の笑い声を発した。
デュラン「………ふぅ、ま、具体的に言えば、悪い奴が悪い奴を制する事なんだよ。かつてキミがあのラドミラっていうババアをその手で堕としたじゃん。だけど、今では奉仕国家よりもヤバい奴が、奉仕国家を制してるじゃん。」
ディレク「ッ!!!」
ディレクはその言葉を聞いてハッと理解した。かつてラドミラがこの国の女帝として立っていた時、ディレクはセレヌス大陸の女傑らを堕落させ、その後にラドミラをも堕とし、奉仕国家を本来あるべき姿を取り戻した事を。ディレクはその事が『毒を持って毒を制す』である事に気づいた。
だが、今となっては、奉仕国家はデュランという名の更なる脅威により、奉仕国家は陥落寸前の状態となってるのだ。
ディレク「………ざけるな……」
デュラン「なんて?」
ディレクが放った言葉を聞いたデュランは、純真無垢な子供の様な顔をしながら首を傾げる。
ディレク「…ふざけるなぁぁぁ!!!!奉仕国家は、完っっ全に永久に不滅だぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ディレクは武器を構え、そのままデュランに突進して行った。
『この国にいた殆どの娼婦、住民、兵士はゾンビ化しております…』
ガルム「チッ!!残ったのは、この奴隷だけか!!」
ガルム達はエレオノーラを連れて、奉仕国家の生存者達を探したが、その殆どの者達はゾンビ化しており、襲われた者も全滅し、その被害は黒狼隊すらも及ぼしていた。ただ、救えたのは、白濁に染まった跡が目立つ銀髪の奴隷の少女だけだった。
ジェリック「全てを支配して、勝利に酔いしれた結果がこれか…」
ガルム「それより、奉仕国家を地獄へと変えたデュランっていう奴は誰だ!!答えろゴミ術師!!」
『ガシィ!!』
ニコラ「ひいぃ!?」
ガルムはそう言いながらニコラの胸元を掴んだ。ガルムに掴まれたニコラはまるで蛇に睨まれた蛙の様な状態になっていた。
ニコラ「デュ、デュランは…この奉仕国家の陰から操った真の王…」
ガルム「そいつがこのクソ国家の真の王か?どういう奴だ?」
ニコラ「そこまではわからないが…」
ガルムは何となく理解したのか、ニコラを突き放した。
ガルム「何となくわかった。そいつはディレクよりもヤバい奴だと。」
ジェリック「でも待て。悪同士滅ぼし合えば、それで良いのでは?」
ガルム「いや、仮にデュランが勝ったとしても、奴はここをアイツの思う通りに利用され、今よりもヤバい事になり得るかも知れん。」
ガルムは城がある方角を向いた。
ガルム「俺はこのまま、デュランとディレクがいるあの城へ向かう。」
ジェリック達「ッ!!!!!!」
ガルムのその言葉を聞いたジェリック達は、衝撃を受けた。
「だ、ダンナ!!何無茶な事を!?」
「俺は断じて否定するぜ!!あの城からとんでもねぇプレッシャーを感じまっせ!!」
「デュランっていう奴、ダンナよりもヤバい相手だぞ!!今ソイツに刃向かったら、確実に殺されるぞ!!」
エレオノーラ「ガルム…彼に刃向かうのは…危険です!!」
ガルム「そんな事はわかっている…」
黒狼隊やエレオノーラは、ガルムがデュランに立ち向かうのはあまりにも無謀である事で、それを止めようとした。
ガルム「デュランっていう奴をこのまま野放しにしてはならねぇ…アイツは奉仕国家、そしてこのセレヌス大陸を利用する気満々だ。そいつを打ち倒せば、この負の連鎖は断ち切れる…!!ノーラ…」
エレオノーラ「ガルム…?」
ガルム「その銀髪の少女の事を、頼んだぞ…!!」
ガルムはそう言うと、そのままデュランとディレクがいる方向へ向かって行った。
ジェリック「ガルムっ!!一人では無茶だ!!」
ジェリックもガルムを追うかの様に、彼が向かった道へ進んで行った。
ニコラ「ジ、ジェリック!!」
ニコラも続いて後を追い、残ったのは、団長を失った黒狼隊と、エレオノーラとなった…。
エレオノーラ「……………」
エレオノーラは銀髪の奴隷の少女を抱えたまま、そのままぺたりと膝を付いた。
ディレク「がはぁ!!」
『ドゴォォォォォォン!!!』
デュラン「これで全力?大した事もないし、話にならないよ。」
デュランはディレクを勢いよく壁を叩きつけ、壁に叩きつけられたディレクは吐血をした。
デュラン「ねぇ、今どんな気持ち?キミの様な悪徳さんが悪徳よりもヤバい悪に蹂躙されている気分っていうのは?」
デュランはディレクに追撃するかの様にじわじわと魔法の矢で攻撃していく。
デュラン「何かでも言いたいチャンスをあげるから、優しく、ゆっくりと、じわじわと殺してあげるから、チャンスをやるね。」
デュランの優しくもゆっくり、丁寧な魔法責めで、窮地に追い込まれてゆくディレク。だがその時、黒犬騎士団古参のメンバー。リュカオンがデュランに攻撃した。
『ガキィン!!』
しかし、デュランはリュカオンの爪を受け止めた。
デュラン「殺気丸出しなんだよ、このクソ犬。」
デュランは魔法でリュカオンの武器である爪を粉々に粉砕した。
リュカオン「ウガァァァァァァァァッ!!!?」
その痛みは神経までも達し、リュカオンはこれまでに無い苦痛を味わった。
デュラン「このまま苦痛に苦しみながら放置してあげるよ。」
ディレク「………っ……てめぇ………俺の仲間を!!」
ディレクはボロボロになりながらも立ち上がり、デュランに向けて殺意に満ちた瞳で睨み付ける。
デュラン「実力は三流で、しぶとさは一流か、まるで全く落ちないほどのしつこい油汚れだね。」
デュランはディレクのしぶとさを見て呆れていた。
デュラン「もうじわじわと嬲るの飽きたから、徹底的に殺してやるよ。」
デュランはそう言うとディレクに向けて魔法弾を放った。
デュランが奉仕国家を潰す理由。
デュランが奉仕国家を潰すよりも、潰してから自分の要塞へと変えて、その後にセレヌス大陸全体を要塞化しようと目論んだという。
尚、デュランの強すぎるサイコパスにより、悪徳満載の奉仕国家全域にバイオハザードを起こしたらどうなるか?っていう事で、特に女性や弱者達をゾンビ化させたという…。