Lily ~白百合の女騎士と呪われた淫欲と背徳の都~ 作:YU-GO
奉仕国家内にある貧民街。飛躍的に発展していく奉仕国家。その景気の波に乗り損ねて転落していった者たちが、どうにかその日暮らしをしているのがこの貧民街である。住環境は当然劣悪魔で治安も良くない為、普通の住民が寄り付くことはないようだ。ここにいるのは『訳あり』の人間だけであったという。
………だが今となっては………。
『オイオイオイ!?これは冗談じゃないだろ?』
『物理的に消化させるスライムに、右腕が肥大化して鋭利な武器を持ったミュータントにゾンビ…』
『俺たちって、逃げ延びる場所を間違えたんじゃねえかあ?』
と、この様に魔物の根城と化していたという。ありとあらゆる物を取り込んで消化させるスライムに、腕が肥大化して、武器となった腕を駆使して襲ってくるミュータント。そしてこの奉仕国家に元から住んでいて、ゾンビと化した奉仕国家の住民達…。彼らの存在によって、貧民街の治安は更に悪化しており、最早無法地帯どころじゃない所へと変異してしまっていたという。
『団長!!この貧民街、いろんな意味で地獄の様な所でっせ!!(泣)」
『骨がゴロゴロ転がっているわ、魔物達が殺意塗れだわ、『生きては帰さねえ』オーラが漂っているわ、どうにかしてくれよぉぉ(泣)』
ガレオン「ギャーギャーギャーギャーうるさいわぁ!!気持ちはすんごくわかるんやけど、今は生き延びる事を優先するんや!!」
団長「ガレオンの言う通りだ。今は取り敢えず生き残る事を優先しろ!!」
団員達『ラ、ラジャー!!!(慌)』
団長の掛け声により、団員達はこの魔物が巣食う貧民街の中で生き延びる事を優先した。そしてそこにはジャック、バルトよりも屈強な機械人形のガレオンがいた。
ガレオンは団長の頼れる相棒で使い魔でもあり、主に力任せと勢いでどんな物事にも解決していったと言う。ガレオンは槍を用いてミュータントやゾンビの群れを一掃していった。
『ガレオンの旦那…やっぱすげえよ…』
『って、ぎゃああ!!スライムがああ!!?』
『スライムにはコイツがお似合いだぜ!!これでも食っとけ!』
団員が投げ出したのは松明で、スライムはその松明を取り込んだ。するとその取り込んだ松明に火が付き、スライムは体内に取り込んだ松明の炎によって焼かれ死んだ。
この松明は対スライム用のアイテムで、ガレオンが提案した物だと言う。
魔物塗れの貧民街の中、ガレオン達はなんとかこの状況を打破する事が出来た。打破する事は出来たのだが、貧民街の辺り一面は死屍累々の地獄絵図となっていた…。
『あちこち死体が多くて、死臭が漂うぜ…』
団長「む?待て。何やら巨大なのが来るぞ。」
ガレオン「でっけえのが来るんかいな?どんな奴や?」
『あ、あれの事じゃね?』
ガレオン達が目にしたのは…岩石の様な身体を持った岩石生命体であった。
『ゴ…ゴ…ゴゴゴゴゴ…!』
団長「ゴーレムだな…。」
ガレオン「団長、それ言ってる場合ちゃうで!!ってか、なんでゴーレムがこのボロッボロな貧民街におるねん!?俺らと比べてデカすぎやろ!?」
『あ、当たり前だろ!?ゴーレムは基本でけえんだから!!』
ガレオン達のボケとツッコミが炸裂する中、ゴーレムの理不尽な攻撃がガレオン達を襲う。しかし屈強なパワーの持ち主であるガレオンはゴーレムの拳を強く受け止めた。
そしてガレオンはゴーレムの攻撃を押し返し、ゴーレムはガレオンのパワーに負けて転倒した。
団長「あの攻撃で押し返すとはな…!」
『やっぱすげえよ!!ガレオンのダンナァァァァ!!!』
ゴーレムは起き上がろうとするが、その上にはガレオンが腕組みをして立っていた。
ゴーレム『!!?』
ガレオン「おめぇの様なゴーレム野郎はな、胸元に光っている所が弱点って言うのは昔からわかっとるわぁぁぁ!!!」
ズドォォォンッ!!!!!
ゴーレム『!!!!!』
ガレオンはそう言うと、槍をゴーレムの弱点部位である胸元にあるコアを無慈悲に貫いた。コアを貫かれたゴーレムはそのままガラガラと崩れ落ちていった。
ガレオン「戦闘はな、戦況に応じて手段も選ばへん時もある。正々堂々だろうか、卑怯だろうがな。」
『やっぱすげえよガレオンのダンナ…』
ガラガラと崩れ落ちたゴーレムの残骸を退きながら進んで行くと、死臭と異なる臭いが漂い始めた。
ガレオン「何やらこの奥から薬臭くねえか?」
団長「この薬の臭い…魔法成分が含まれているな…」
『臭いを嗅ぐ度に気分が悪くなりそうだぜ…。』
団長「各員はガスマスクを用意しろ。この臭いは人体に及ぼすかもしれない。」
ガレオン「俺は機械やから大丈夫なんやけどな…」
団員達は団長の指示でガスマスクを装着した。このガスマスクは様々なガスに対しての耐性を持っていると言う。例えばこの魔法成分が含んだ臭いにも耐性があるという。
奥へ辿り着いたガレオン達、彼らが目にしたのは…。
魔術師『ギヒ、ギヒヒヒヒヒ…そうだ…この闇の力が有れば、俺は最強の…最強のグランドマスターになれるんだ…!!グヒヒヒヒ…」
神官「この闇の力こそ、神からの贈り物なのです…この力で再び奉仕国家を再建するのです…ニコラ殿…」
『あれが臭いの元なのか?』
『何やらクトゥルフ神話に出てきそうな物がぽんぽこぽんぽこ生まれているなぁ…』
『あ、これ、SAN値削られる奴やわ。』
この時、ガレオンは思った。『あ、コイツら闇に翻弄されて、精神がズダズダにされて、片方は魔薬に溺れて薬中になった奴で、もう片方はクトゥルフ神にSAN値削られている奴やわ…』と…。
次回、正真正銘に魔薬中毒のヤベー魔法使いと、クトゥルフ要素満載のヤベー神官がきた。
でなわけで、トチ狂った魔法使いと神官をぶっ飛ばそう。