女性の遺体を水晶に閉じ込めた美術品。
それを楽しむ男の話。

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魔法のある現代
エロは後半


女性の遺体を水晶に閉じ込めた美術品

 "最も残酷な美術品(cruel crystal)"

 

 日本では骸晶と呼ばれるそれは、人間を水晶の中に閉じ込めた芸術作品のことだ。作成するには最低でもLevel3以上の魔法が必要となる。

 

 手順は水晶を魔法で一時的に人間サイズまで大きくし、転移魔法で人間をその中に送り込むだけ。数分後には巨大化の魔法の効果が切れて水晶が元のサイズに戻ってしまう為、中には数センチ程度の小さな骸晶も存在する。

 

 だが、level3相当の魔法使いなら創造魔法で100センチ級の水晶を創れる為、骸晶の8割以上がこのサイズとなっている。

 

 中の人間は水晶の中に転移した時点で死んでしまう為、同意なく行えばただの殺人であるし、同意があったとしても倫理観の欠ける行為には違いない。

 

 現在では世界のどこにおいても骸晶の作成は重罪だし、売買に関しても厳しく管理されている。だが、人間を一つの作品としてしまう骸晶は昔から蒐集家の間で人気であり、違法に作成し売り捌く犯罪組織も数多く存在した。

 

 かつては伝説級の魔法使いしか習得出来なかった転移魔法が、今では一流の魔法使いなら誰でも使えてしまうくらい魔法技術が発展したことも大きな要因だろう。犯罪者からすれば骸晶作りほど手軽に金を稼げる手段は他にないのだ。

 

 そして蒐集家の多くが権力者でもある為、本気で取り締まろうとしていないのも問題かもしれない。斯くいう私も骸晶の魅力に取り憑かれたコレクターの一人である為、違法骸晶が増えることは内心歓迎しているのだが。

 

 被害者のことは可哀想だと思うのだが、その悲劇を含めて骸晶の魅力であろう。所詮、私も死体集めが趣味の屑だということだ。

 

 

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 ここ数十年で爆発的に数を増やした骸晶だが、その取引価格は最低でも100万円を超える。ここ数年で作られた、何処の誰かも分からない人物の骸晶でそれだ。素材が人の命そのものである為、当然と言えば当然だろう。

 

 数百年前の作品や有名人の物であれば軽く一億はする。そんな物、早々手に入る訳がなく、骸晶コレクターなどと呼ばれている私ですら無名の骸晶を53点と中世の貴族の骸晶を4点保有するのみである。

 

 普通の人間が骸晶を目にするには美術館を訪れるのが一般的だ。残酷ながらも美しく、文化的にも歴史的にも価値のある骸晶は意外にも世間に受け入れられており、日本国内だけでも5つの美術館が存在する。

 

 今日、私が訪れたのはその内の一つであり、間違いなく世界最高の作品を展示している東京骸晶美術館である。入館するには幾つかの手続きと100万円の入館料が必要となる為、最も敷居の高い美術館として知られている。

 

 私はこれまで10回以上訪れており、展示品の殆どが既知のものばかりなのだが、先日新たに加わった、とある作品をどうしても近くで見たいと思い久しぶりに足を運んだのである。

 

 そして、どうせなら多くの人にも見て貰おうと考えた私は、事前に配信魔法を使う許可を美術館に取っていた。

 

 ──ここが金持ちしか入れない美術館か

 ──うおお!100万払わないと見れない作品がタダで見れるとかワクワクしてきた!

 ──先生!クレア様が見たいです!

 ──骸晶に嫌悪感あるけど、またとない機会だからちょっと見ていきます

 

 私の見ている光景が動画としてネットに公開され、視聴者達が次々にコメントを書き込んでくる。普段の私ならば低俗な輩など美術品を見るに値せず、作品の価値が下がるとさえ考えたのだろうが、今回だけは特別である。

 

 視界の端を流れるコメントを無視し、入口を通り抜ける。館内は三つのエリアに分かれており、入口に近い所には"beauty(美しさ)"と書かれたエリアがあった。

 

 目的の作品を探したい気持ちもあったが、久しぶりに目にする名作の数々につい足を止めてしまう。ケースに入れられ、台座に載せられた100センチ大の骸晶達。その多くに時代を感じさせるドレス姿の美女が入っていた。

 

 どれもが一億近い価値を持つ作品であり、目にする機会のない視聴者達のコメントが勢いよく流れていく。求められて簡単な説明なんかをしてやりながら歩いて行くと、このエリアの目玉とも言える作品が見えてきた。

 

 ──うおっ、あれってまさか!

 ──教科書で見たことあるやつだ!

 ──メレーヌじゃん!やべぇ!めちゃくちゃ美人!

 ──先生!もっと近付いてくれ!

 

 その骸晶は200センチ程度の大きさがあった。中にいる女性の身長は160センチほどに調整されている。骸晶の下部には魔道具が取り付けられており、それから絶えず巨大化の魔法が掛けられているのだろう。

 

 赤いドレスを纏ったその女性は只々美しかった。その美貌は勿論だが、浮かべられた柔らかい笑みや、その佇まいまで全てが完璧で、骸晶が美術品に位置付けられる要因となった事にも納得させられる。

 

 "永遠の美姫メレーヌ"

 それがこの骸晶の作品名だ。

 

 525年前に作成された最古の骸晶。当時栄華を誇ったとある国の姫メレーヌは世界一の美貌の持ち主だと言われていた。彼女を手に入れる為に多くの男達が争い、遂には国同士の戦争にまで発展したというのだが、この顔を見れば誰もが納得してしまうに違いない。

 

 そんなメレーヌが最も恐れたのが老いだったそうだ。自らの美しさが衰え、別の姫に世界一の座を奪われることが許せなかった。そこで彼女が考えたのが骸晶だった。

 

 美しさを保つ為なら命すら捨ててしまう彼女の決断は私には理解出来ないが、それでも尊敬せずにはいられない。お陰でメレーヌはそれから400年以上「世界一の美女」の座を守り続けたのだから。

 

 その後、このメレーヌの骸晶は多くの王侯貴族に衝撃を与えた。メレーヌと同様に若く美しい姿を遺そうと自らの意思で骸晶になった女性達もいれば、お気に入りの愛妾を作品にしようと死を強要した王もいた。

 

「──その為、この時代に作られた骸晶は美しい女性が着飾り、佇んでいる物が多い」

 

 私が説明を締めくくると視聴者達が次々にコメントしていく。

 

 ──解説助かる。てかメレーヌ様狂ってるわ笑

 ──いや、このレベルの美貌だと失うのが怖くなるのも分かる

 ──美容品とかない時代にコレだからマジで凄い。髪型とかドレスが古臭いのに全く魅力損なってないし

 ──いわば骸晶の祖なんやね

 ──でも無理矢理骸晶にされた人達は可哀想だよね。俺が骸晶苦手な理由がこれ。みんながメレーヌみたいに望んで死んだなら良いんだけどな

 ──↑"beauty(美しさ)"の作品でそんな事言ってるようだとこの後きついぞ

 

「──そうだな。次の"cruelty(残酷さ)"の作品は普通の人には厳しいだろう。これ以降は基本的に本人が望まず骸晶にされた作品ばかりだからな」

 

 私がそう言ってやると、1割程度の視聴者がリタイアした。まともな感性をしている人間には骸晶は受け入れ難い物だろう。"美しさ"と"残酷さ"の両方が骸晶の魅力なのだから。

 

 

 それから幾つかの作品の解説をしながら、私は次のエリアへと進んだ。

 

 

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 骸晶は大きく3種類に分類されている。その中で最も人気がないのが"cruelty(残酷さ)"の作品である。一部からは熱狂的な人気を誇るのだが、骸晶コレクターの中でも"cruelty(残酷さ)"を好む者は数%程度しかいないだろう。

 

 私は楽しめる口なのだが、骸晶に割と理解のある私の娘でも"cruelty(残酷さ)"だけは認めないと言って聞かない為、コレクションの中には一つもない。

 

 エリアの境界にある警告文を横目に"cruelty(残酷さ)"のエリアへ進んだ私は、早速目に付いた名作へと近付いた。

 

 その作品は若い女性と5歳くらいの女の子が笑顔で抱きしめ合っているという物である。メレーヌの骸晶と同様に巨大化の魔法が掛け続けられたそれを私は視界に収めた。

 

 ──なんか、心温まる骸晶だね

 ──うあああ!!俺のトラウマやんけ!

 ──親子かな?女の子の笑顔が可愛くてこっちまで幸せな気持ちになる

 ──ゲロ吐きそう…

 ──コメント欄の反応が二極化してて笑うww

 ──ほっこりしかけたけど、あれ?これ死t……

 ──↑やめろ!気づいちゃダメだ!

 

 流れるコメントを眺めた私はくつくつと笑ってしまう。この作品について知らない者は母娘の笑顔に癒されているようだが、知っている者達は悲鳴に近いリアクションを取っていた。

 

 "永遠の美姫メレーヌ"と並んで【四大偉骸】と評されるのがこの作品"アンネの最高で最悪の瞬間"である。

 

 330年前に作られたこの作品は、骸晶史上最も胸糞悪い作品の一つと言われている。

 

 アンネはある国の小さな街で宿屋の娘として生まれた女性だ。明るくて優しい街でも評判の娘だったそうだ。

 

 彼女の最初の不幸は15歳の時、宿に泊まっていたゴロつき達に部屋の中へと連れ込まれ、一晩中犯されてしまったことだろう。助けに入った父は激しい暴行を受け命を落とし、そしてこの時に子を孕んでしまったアンネの人生は大きく狂ってしまった。

 

 だがそれでも宿屋を継いで必死に生きることにした彼女は、生まれた娘エリナと共に貧しいながらも幸せな生活を送っていた。

 

 二度目の不幸は20歳の時、タチの悪い貴族に目を付けられ手篭めにされたことだ。貴族の屋敷へと誘拐同然に連れて行かれたアンネはそこで玩具のように扱われ、徹底的に尊厳を踏み躙られた。

 

 そして可哀想なことに、娘のエリナもまた別の貴族の元で飼われ、5歳という幼さで性の捌け口とされていた事も分かっている。彼女達母娘の地獄は半年もの間続き、その間お互いの無事が一切分からないような状況だったらしい。

 

 そして、アンネを思うまま弄び、彼女に飽きてしまった貴族は最後に最悪の遊びを思い付いた。その結果生まれたのが"アンネの最高で最悪の瞬間"という作品である。

 

 貴族から解放され、半年ぶりに最愛の娘と再会したアンネ。泣きながら笑い、力一杯抱きしめ合う彼女達を貴族は骸晶にしたのだ。アンネはその瞬間、きっと最高の幸せを感じていた筈だ。しかし、直後にエリナ共々殺されてしまった。

 

 この作品は骸晶と知らずに見れば心温まる幸せな作品に見えることだろう。だが、骸晶だと知った瞬間、どれだけ恐ろしい作品か理解することになる。

 

 実際、この作品を目にした者の中には心を病む者も多い。しかし同時にその残酷さに惹かれる者もいて、後の作品に大きな影響をもたらした。

 

「──これ以降、骸晶に残酷な物語性を付加した作品が増え、多くの不幸を生み出したことは説明するまでもないだろう」

 

 ──いやぁああ!!解説すんな!

 ──ひぇっ!?なんで殺すの?飽きたなら放っといてやれよ!!

 ──5歳の子を性の捌け口にするとか貴族ヤバいわ

 ──この母娘の笑顔見て、よく殺せるな…

 ──本人達が自分が死んだ事に気付かず逝けた事が唯一の救いとか言われてるよな

 ──正直もっと残酷な作品は沢山あると思うけど、第一印象との落差が一番激しいのはこれだわ

 

 私の解説中に脱落した者が多かったようで、視聴者の数が更に2割減っている。勝手に解説を始めた私を罵るコメントもあったが、骸晶好きにとっては"アンネの最高で最悪の瞬間"の真実を知り、ショックを受ける者を眺めるのは楽しみの一つであるので仕方ない。

 

 そう言えば娘が"cruelty(残酷さ)"を拒絶し始めたのも私が嫌がる彼女にこの話を語って聞かせてからだったかも知れない。

 

 そんな事を思い出しながら、予想外に良い反応をする視聴者達に、お気に入りの作品を更に幾つか紹介してやる事にした。

 

 "友情と家族愛"

 ナイフで殺し合う少女達の骸晶である。これも貴族が権力を持っていた中世の作品だ。親友同士だった彼女達は家族を人質に取られ、殺し合う事を強要されたそうだ。生き残った方の家族は助かるとでも説明されたのだろう。

 

 片方の少女には幼い妹がいたそうで、覚悟を決めた表情で親友の胸にナイフを刺している。一方もう片方の少女は家族と親友のどちらかを選ぶ事ができず、泣き顔でナイフを構えるのみだった。

 

 結局、2人は骸晶にされ、その家族の行方も分からなくなっている。救いのないとして有名な作品だ。

 

 "20歳の母娘"

 顔立ちの似通った3人の女性の骸晶だ。この3人は子、母、祖母の関係にあるのだが年齢は全員20歳である。とある男は妻の容姿を大変気に入っていたようで20歳の誕生日に骸晶にしてしまった。

 

 しかし、それは始まりに過ぎず、15年後、成長した娘に惹かれたその男は彼女を犯して孕ませ、自らの子を産ませた。そして娘が20歳になった日に妻の骸晶に娘を転移させたのである。

 

 よく似た姿の妻と娘が水晶の中で並ぶ様子を男は毎晩眺めていたそうだ。彼はその十数年後、孫娘にも手を出し、20歳の誕生日に妻と娘と同じ骸晶の中に入れた。そうして生まれたのがこの作品である。

 

 同じ年齢の母娘が一つの骸晶の中に閉じ込められているこの気持ち悪さ。自分の中の常識がこの作品を拒絶し、不快な気分にさせる。だが、その冒涜的な在り方が逆に評価されており、世界中にファンがいるそうだ。

 

 ──妹の為に親友を殺す子も、親友も家族も両方大切だから決断出来ない子も、どっちも悪くないんだよな

 ──何もなければ良い友人同士でいられた2人が殺し合ってるからこそ価値があるんだよね

 ──人がやっていい遊びじゃねぇんだわ

 ──母娘3人のやつ、マジで吐き気する。近親相姦もキモいし、娘と孫が姉妹でもあるっていう事実も気持ち悪い

 ──同じ年齢の子、母、祖母ってのが脳が理解を拒絶してるのか気持ち悪く感じる要因なんだよな

 

 骸晶は人を作品に変えてしまうという性質のせいか、相手を同じ人間として扱わず残酷な事を普通にやってしまっている。まるで神話で神が人間で残酷な遊びをするように。

 

 コメントにもあるが骸晶は人がやっていい行為ではないのかも知れない。だが、だからこそ他にはない魅力があるのだろう。

 

 私は視聴者と意見を交わしながら館内を回る。"cruelty(残酷さ)"エリアに入ってから軽い気持ちで視聴していた者達が脱落した為、それなりに愉しいやり取りが可能になった。

 

 彼等から「次のエリアに行かないのか」と訊かれたが、このエリアに目的の作品があるかもしれないのでもう少し待つように伝える。

 

 

 

 そうして数分ほど探し回った末、私はその作品達を見つけた。

 

 ──あ、これ何ヶ月か前にニュースになってた奴…

 ──東京に帰ってきてたんだ……おかえり

 ──現代の作品は無理だからここでリタイアします

 ──骸晶にハマりかけてたけど、いつ自分が骸晶になるか分からんって気付いたら怖くなってきた

 

 コメント欄がこれまでと違った反応を示す。これまで見てきた骸晶は、海外で何百年も前に作られた物ばかりだった。だから、彼等はどこか遠い場所の出来事として認識していたのだろう。だが、実は骸晶の7割以上がこの30年の間に生み出されており、鑑賞側から作品側に回る可能性も決してなくはないのである。

 

 私の目の前に並ぶのは7個の骸晶だった。中にはワンピースタイプのセーラー服を身に着けた黒髪の少女達が入っている。

 

 彼女達は都内の学校に通う普通の中学生だった。事件が起きたのは五ヶ月前。3年生だった彼女達は修学旅行先のアメリカで突如、行方不明になってしまったのである。教員を含めると31名いたにも拘らず、誰一人連絡が付かなくなり、何らかの事件に巻き込まれたのは明らかだった。

 

 それから数日後、行方不明だった生徒の内、男子生徒16人が遺体で発見され、それから更に数日して女子生徒の最初の一体が発見された。

 

 結論から言えば彼女達は違法に骸晶を作り、富豪に売り捌いている犯罪組織の標的にされたのである。日本人の少女は海外で人気が高く、加えて学生服姿であった事でより高値が付くとして狙われたのだ。

 

 海外旅行先で骸晶にされてしまう事件は毎年数十件あり、珍しい事でもないのだが、流石に一つのクラスの女子が丸ごと骸晶にされるなんて事は前例がなく、大きなニュースになっていた。この事件の影響で修学旅行を含めた海外への旅行に二の足を踏む日本人が増えているらしい。

 

 少女達は複数の蒐集家に売られていたのだが、平成以降最大級の事件として注目度が高かった為、この度東京骸晶美術館が全て回収し、展示へと至ったのである。

 

 私もこの事件で作られた骸晶をどうしても見ておきたかった為、こうして探し回っていたのである。

 

 怯えた表情で立つ子や、涙を流し、座り込む子。その作品達に一つ一つ目を通していく。

 

 男子生徒を皆殺しにした奴らが作ったにしては割と普通の作品である。恐らく日本人である事と制服姿である事で過激な作品にせずとも売れると判断されたのだろう。

 

 だが、良く見れば面白いことに気付く事ができた。7人の少女達は左端に行くほど恐怖の感情を強くさせているのだ。右端の子はこれからどうなるのかといった不安の表情を浮かべていたが、その隣の子は明らかに死の恐怖に怯えており、更に隣を見ていけば少女達は次第に顔を青くさせ泣き顔を見せるようになっている。

 

 間違いなく目の前で順番に骸晶にしていったのだろう。最後の子は6人の学友が死ぬのを見せられ、立つ事もままならなかったようだ。展示した職員もこれを見抜いて順番通りに並べている。

 

 それを視聴者に説明してやると面白いように反応してくれた。

 

 ──テメェ!!言われんかったら気付かなかったのに!!

 ──他の作品に比べたら普通だなとか思った自分が馬鹿だった。めちゃくちゃ悪趣味な作品じゃん…

 ──自分が死ぬ番を怯えて待つ子の骸晶とか芸術性高いわ

 ──そいや行方不明の学生って15人いなかった?

 ──よく見たら左端の子のスカートに染みできてね?お漏らししちゃった?

 

 それにしても、やはり同じ日本人の骸晶は特別である。それに外国人によって作られたと思うと悔しさや悲しさが湧いてきて、感情を揺さぶられる。それが心地良い。次のエリアにある私のお気に入りの作品も日本人の物だ。あまり大きな声で言えないが、是非とも日本人の骸晶が増えて欲しいものだ。

 

 

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 最後のエリアには"eros(性的)"と書かれている。ここにあるのは一定以上のエロスを感じさせる作品であり、コレクターから人気が高い物が多い。 

 

 私のコレクションもこの"eros(性的)"の作品の割合が多めである。骸晶とは言ってしまえば死体だ。死体でありながら淫らであるという、その背徳感こそ他では得られない刺激なのである。

 

 そう語ってやったが、視聴者には理解出来なかったようで、言い訳だなんだと返されてしまう。少し不快に感じた私はコメントを無視して先に進む事にした。

 

 

 

 エリアに入ってすぐに見えてきたのはドレス姿の黒髪の美女の骸晶だった。彼女はドレスのスカートを捲り上げており、白い脚とその付け根にある白い下着を露出させている。

 

 そして更には下着の縁を横にずらし、黒々とした陰毛に覆われた美しい縦筋を晒していた。

 

 これこそが【四大偉骸】の一つ"王妃ヴィアラの裏切り"である。

 

 この作品は230年前に作られた。ヴィアラは北方の国の王妃で、当時27歳。貞淑な女性として有名だったそうだ。

 

 北方の国は小国で、隣の大国の属国に近い状態にあった。ある年、その大国の王が死去し、王太子が戴冠することになった。本来なら小国の王本人が戴冠式に出席し、これまでと変わらぬ従属を新王に誓うべきだったのだが、当時流行っていた病にかかりとても動ける状態ではなかった。

 

 そこで、代役として王妃ヴィアラが隣国を訪問することになったのだ。事情が事情であるし、王妃という王に次ぐ地位の者が代役を務めたのだから普通であれば何の問題もなかった。

 

 しかし、プライドの高かった新王は自分が侮られていると思い込み、謁見の場でヴィアラに強い怒りをぶつけ、小国を滅ぼすとさえ口にしたらしい。

 

 そしてヴィアラが慈悲を求めると、あることを命じた。それは夜に王の寝室を訪れ、一晩彼の相手をしろ、というものだった。両国の国力を考えればヴィアラに拒否することなどできる筈もなく、彼女はそれに従うことにした。

 

 だが、新王の本当の目的はヴィアラの身体ではなく、自分を侮った小国の王に対する嫌がらせと見せしめだった。

 

 その夜、寝室を訪れたヴィアラはそこで新王を誘うポーズを取った。スカートを捲り、下着を晒すとそれを横にずらして女性器を露出させたのである。

 

 これは当時の北方では初夜に妻が行う儀式だった。「この場所(女性器)を貴方の好きにして良い」という意味があり、夫となる者以外に見せることがない大切な行為である。

 

 それをヴィアラに強要した新王は、その瞬間、隠れていた魔法使いに命じて彼女を水晶に閉じ込めてしまった。完成したのは夫を裏切り他の男を誘っているように見えるヴィアラの骸晶であった。

 

「──"王妃ヴィアラの裏切り"は骸晶とエロスを結び付けた最初の作品として知られている。一国の王妃が最高級の下着を晒し、陰毛の生えた女性器を剥き出しにした姿は多くの男性を惹きつけたのだ」

 

 ──正直これだけを待ってた!!!

 ──ごめん先生の話聞いてなかった!

 ──これが王族のオマンコ!処女みたいに綺麗な一本筋だな

 ──下の毛濃いのが地味に嬉しい。当時は陰毛を整える文化とかなかったんだろうな

 ──↑国によるけど大体伸ばし放題かパイパンだな

 ──このオマンコ犯さずに骸晶にした大国の王はアホなん?勿体ねえ

 ──↑これ以上のオマンコとヤり放題だったんだろ

 

 予想していた事だが、コメント欄にこの作品の芸術性と価値を理解している者はいなかった。何の為に解説したと思っているのやら。この作品一つで小国が滅亡したなどと今更説明しても何割の者が興味を持つ事だろう。

 

 200年以上前の王族が夫にのみ見せるポーズを今、生で観賞できる事や、当時の王族の下着や下の毛の処理の仕方などを知れる文化的な価値はかなりのものである。

 

 また、この作品のタイトルも個人的に素晴らしいと思っている。私達がこうして眺める事でヴィアラの裏切り行為はより罪深くなる。このふしだらな王妃はこれから先も男達を誘惑し、夫を裏切り続ける事になるのだ。

 

 

 

 "王妃ヴィアラの裏切り"の少し先に、私のお気に入りである"彩姫の永い旅"が展示されていた。

 

 戦国時代の大名の娘である彩姫は、家臣の裏切りにあい南蛮船で海外に売られた事で知られている。当時13歳だった彼女はそこで何人もの男達に辱められ最期は骸晶にされてしまった。彩姫の骸晶は海外での人気が高く、手にしたコレクターは中々手放そうとはしなかった。日本がなんとか取り返せたのがほんの20年前の事だった。

 

 着物の前をはだけさせ、胸と下半身を晒した彩姫の骸晶。この時代の姫達は、足のふくらはぎを見せる事すら恥じらったそうだが、彼女は膨らみかけの乳房も、股の間の小さな茂みも、可愛らしい割れ目も剥き出しにしている。

 

 私が気に入っているのは彩姫の最期の表情だ。異国に攫われ、不安も恐怖もあっただろうに、こちらに力強い視線を向けているのである。武士の娘の誇りというやつなのだろうか。だが、皮肉な事にその心の強さが外国人の琴線に触れ、多くの美術館で見世物にされてきた。

 

 私がこの作品を気に入っているのは彩姫が何処となく娘に似ているからだ。正義感があって、強い心を持つ私の娘。どんな状況でもきっとこの彩姫のように前を向くことが出来る自慢の娘だ。

 

「──流石に娘を骸晶にする事はできない為、こうして彩姫に重ねて愉しむようにしているのさ」

 

 ──先生やべぇ奴やん笑

 ──娘さんはよ逃げてww

 ──おい!骸晶の歴史云々を見ろとか言ってたくせに一番のお気に入りは娘に似た子の作品です!ってそれどうなん?w

 ──こんなんが父親なら私なら即家出します!!

 

 視聴者の反応に舌打ちしてしまう。私も"彩姫の永い旅"を気に入っている理由が少し浅いのではないかという自覚はあった。他の作品はしっかりとその背景から評価しているのだが、何事にも例外というものがあるのだ。

 

 低俗な輩と同類扱いされるのが不快になり、足早にその場を移動する。この先には最後の【四大偉骸】がある。それを見れば視聴者達も先程の話を忘れてくれるに違いない。

 

 

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 辿り着いたのは世界で最も価値の高い骸晶の前である。10年前のオークションでは3500億円で落札された。他の【四大偉骸】と比べても別格の名作である。先程まで私を好き勝手に批難していた視聴者も目を奪われているのか、コメントが緩やかになっている。

 

 それは一人の少女が祈りを捧げる骸晶であった。

 

 "聖なる乙女クレア"

 これは120年前に作られた作品だ。

 

 クレアはとある宗教国家の聖女だった。治癒魔法を極めていた彼女は、数多くの国民を癒やし、絶大な人気を得ていたそうだ。

 

 彼女について語る際に必ず触れられるのがその容姿についてだ。銀色の髪と碧い瞳をした、神秘的と言っても良いほど美しい顔。その美貌は美姫メレーヌすら上回るほどで、彼女を一目見る為だけに信者になる者が続出したほどだった。

 

 そんなクレアを見て邪な考えを抱く者は少なくはなく、その1人が当時の教皇であった。骸晶の蒐集家でもあった彼は、自らの手で歴史に残る作品を生み出したいと考えていたようで、クレアが幼い時から目を付けていた。

 

 そして、彼女が成長し、その美しさの絶頂期に達した瞬間を狙って行動に移した。

 

 教皇はクレアに強力な媚薬を服用させると、彼女を半日の間部屋の中に閉じ込めた。自慰の仕方すら知らなかったクレアは熱を持った自らの身体を持て余し、苦しみ続けたらしい。

 

 そこに今度は聖都でも人気の娼婦を呼び、クレアの身体を開発させた。娼婦はクレアの身体を隅々まで弄くり回し、穢れない乙女の身体を淫らに発芽させていったそうだ。

 

 そうして準備が整うと、教皇は最期にクレアを騙して祈りの姿勢を取らせ、その瞬間を骸晶にしてしまったのである。

 

 全裸の聖女が膝を付いて祈りを捧げるこの骸晶はこの世で最も美しく、そして官能的な作品に違いない。水晶の中で神秘的な姿を取り続けるクレア。しかし、よく見ればその胸の頂の突起は硬く尖っていることが分かる。更に下半身に目をやれば左右に花開いた割れ目や、包皮から顔を出して赤く充血する陰核も見つけることが出来る。

 

「──このクレアの姿を見て欲情しない男はいないだろう。幼い時にこの作品を見てしまえば他の女の裸で勃たなくなるとさえ言われている」

 

 ──う、美しすぎるだろ…いや、くそエロいんだけど、それ以上に美しいと思ってしまう

 ──分かる。この人マジで人間?天使とかじゃねぇの?

 ──豆知識。教皇は処女のクレアを遺したかったから、男には決して触れさせなかった。こんな美少女があそこから愛液垂らしてクリトリス膨らませてるの見ても死ぬ気で耐えたらしい

 ──↑なんか尊敬するわ笑

 ──胸の前で手を組んでるからおっぱいはあんま見えないけど、オマンコ丸見えでエロ杉内?聖女様の銀髪のまんげもトロトロのオマンコも全く隠れてねぇ!

 ──俺白いお腹にやられた

 ──ワイは太もも。チンポ突っ込みてえ

 ──いやどう考えても陰核だろ!こんな清らかな顔しといてチンチンみたいに勃起させてんじゃん!指で摘んでシコシコ擦りたい!!

 ──もいっこ豆知識。娼婦はお尻の穴も開発したらしい。この聖女様、アナルに指入れられて喘ぎまくったあとなんよ、これ

 ──↑やべぇ!アソコがマジで痛い!しばらくクレアでしかヌけないわ

 

 今日一番の盛り上がりを見せる視聴者達。中にはどこからか拾ってきた情報を披露している者もいて、その勢いが収まる気配はなかった。クレアについて知りたいと考える者は富豪の中にも多く、様々な方法で当時の様子を探ろうとする試みがされている。

 

 精神魔法でクレアの記憶を覗いたりもされているらしく、骸晶にされる前の状況についてはある程度明らかになっていた。コメントにあるように後ろの穴を開発されているだとか、絶頂時に潮を吹いただとか本気汁を溢しただとか。

 

 そういった卑猥な情報は金持ちの間で共有され、時々誰かがネットに書き込んだりして話題になったりしている。

 

 ちなみにだが、私はこの作品を骸晶としてはそれほど評価していない。たった120年前の作品であるし、歴史的にも文化的にもそれほど価値がないからだ。ただ、歴史上最も美しい女性が淫らな姿を晒しているというだけ。手に入るのなら何を差し出してでも欲しいのは確かだが、私が当時の教皇ならもっと良い作品に出来ただろうと思わなくはない。

 

 だが、そうは言っても世界最高の骸晶である事は認める他なく、私は視聴者と共にしばらく"聖なる乙女クレア"を眺めるのだった。

 

 

 ▼

 

 

 ──ん?クレア見たのにまだなんか探してるの?

 

 "聖なる乙女クレア"から離れ、更に奥へと進む私に、視聴者から疑問が投げられる。

 

「最初に言ったはずだが、私は今回とある作品を見に来たのだ」

 

 ──それって"cruelty(残酷さ)"のエリアにあった学生達の事じゃないの?

 

「その通りだ。だが、行方不明の学生は15人なのに対し、あの場にいたのは7人分だけだ。つまり残りの8人がこのエリアにいる」

 

 ──そういうことか。あんま考えたくなかったけど、攫われた人って大体が裸の骸晶にされるらしいしな

 ──見たいような、見たくないような…

 ──なあ、先生。なんでそこまでその子達の骸晶が見たいんだ?ぶっちゃけクレア見た後に探すほどの価値はなくない?

 

 とあるコメントに目が止まる。確かにそうだ。ただの学生の骸晶など【四大偉骸】を見た後ならどうでも良く感じるだろう。

 

 だが、私が探しているのはただの学生の骸晶などではない。

 

「例の事件の被害にあったのは○○中学の三年二組だった」

 

 ──へぇ、そうなんか。よく知ってるな

 

「当然だろう。娘のクラスなのだから」

 

 ──ん?

 ──今なんて…?

 

「私の娘、愛美もまた被害者の一人だ。だから、骸晶にされ、この先に展示されている筈だ。私は今回、娘の成れの果ての姿を見る為にここに来た」

 

 ──は、はああああ!!??

 ──おま、おま、はっ?!正気か!?

 ──冗談だよな、流石に、ははは

 ──ちょっ、あかん変な声出てもうた

 ──なんで??!なんでそんなもの見ようとすんの!?

 

 視聴者達が理解できないといったコメントをしていく。何故見ようとするのか、か。親なら愛する娘の最期を知りたいと思うのはおかしな事ではないだろう。それに、一人の骸晶コレクターとして、娘がどんな作品に仕上がっているのか興味がある。

 

 私は過去の骸晶に狂った者達と違い、愛美を骸晶にしようなどと考えた事はない。流石の私でも親としての愛が勝り、あの子には元気に生きていて欲しいと願っていた。

 

 だが、それはそれである。私の手の届かない場所で骸晶にされてしまったのなら一つの作品として楽しませて貰おうではないか。私の骸晶好きをよく知るあの子の事だ。きっと彼女もそれを望んでいるだろう。

 

 ──あああ!なんか見えてきた!

 ──骸晶が八個あるぅ!!俺はもう無理!!

 ──やっぱ裸の子ばっかやん!!

 

 そこには事件の記事などと一緒に8人分の骸晶が展示されていた。

 

 手前の子から見ていく。その少女は下着姿で立たされていた。ピンクのブラジャーと、同色のショーツ。制服マニアや裸マニアがいるように下着姿の骸晶を好む者もいる。彼女はそういった層に売る為の骸晶なのだろう。

 

 次の子はショーツを脱ぎ、胸の前で広げていた。リボンの付いた白いショーツだ。愛美も似た物を持っていた。少女の下半身へと視線をやると、隠すものが無い女性器を見る事ができた。

 

 3人目の子には見覚えがあった。愛美の友人だった子だ。名前は確か詩織ちゃんだったか。大人しく礼儀正しい少女だった。胸が大きく愛美が良く羨ましがっていたのを覚えている。その詩織ちゃんは全裸にされていた。身長の割に豊かな胸は巨乳と評してもいいかもしれない。突き出したその乳房の先には桜色の大きめな乳輪と同じく大きめな乳首があって視線を引きつけられてしまう。

 

 コメント欄でも「ロリ巨乳」だとか「エロ乳首」などと書き込まれている。下半身に目をやると股には毛が全く生えておらず、幼い割れ目と大きな陰核が丸見えだった。

 

 4人目、5人目と見ていき6人目の少女の前まで来てしまう。その少女もまた愛美の友人であり、何度も家に来たことのある子だった。薫ちゃんと言ったか。愛美よりも小柄な少女だ。とても整った顔にサラサラの髪をしたお姫様のような見た目をしている。それでいながら頭がよく大人びていて愛美達のグループのまとめ役をしているようだった。

 

 そんな薫ちゃんは涙を流して自らの割れ目を広げるポーズを取らされている。小さな胸の中心では乳首が尖っており、割れ目からは愛液と白濁液が流れ出ていた。

 

 7人目の子も犯されたあとがあり、その表情を苦痛に歪めていた。

 

 そして8人目。

 私はそこにいるのが愛美だと直ぐには確信出来なかった。

 

 ──もしかして、これ娘さん…?

 ──えっぐ…

 

 他の7人と違い、愛美は床に仰向けになっていた。股を左右に大きく広げ、ガニ股にさせられた彼女。両手の指は弱々しくピースをしているが、その表情は悲惨。白目を剥いた目から涙が溢れ、鼻水と涎も垂れ流している。彼女が感じていたのは恐らく恐怖と屈辱と、そして快感だ。だらしなく開かれた口から舌を突き出している為、その顔はアヘ顔と呼ばれるものにも見える。

 

 数年ぶりに見る愛美の胸はそれなりに膨らんでいた。お椀型の形の良い乳房の先には乳輪ごと膨らんだ乳首がある。どれほどの快感を与えられればこれほど嫌らしい形になるのだろうか。よく見れば乳首の周りには複数の歯形が付いていた。

 

 下半身は大きく広げられた脚のおかげで奥まで見る事が出来る。薄らと生えた陰毛の下には屹立したクリトリスが見てとれた。包皮を押し上げる肉の芽は半剥け状態であり、固くなった芯も見つける事が出来る。皮を剥いてやればその卑猥な全貌が露わになるのだろうが、その機会は永遠になく、彼女のクリトリスはこれからずっと皮の中で存在を主張する事になるのだ。

 

 ビラビラの肉ヒダの露出した女性器からは白濁液が溢れている。こんな形で愛娘が子作りをした事実を知ろうとは思わなかった。愛美は何処かの男達と子作りをし、アヘ顔を晒しながら最期を迎えたのだ。

 

 ──薬とか使われたんだろうな…

 ──不覚にもエロいと思った。すまん先生

 ──酷い姿だけどよく見たらかなり可愛い顔してるし、良い体してるな

 ──先生ww娘さんレイプされて潮吹きしまくったんだろうぜwwなあ、どんな気持ち?ww

 ──死んだカエルみたい

 ──これ骸晶なのに下半身ガクガク震えさせてたの想像できて好き

 

 視聴者達が愛美の骸晶の感想を言い始める。

 

 彼女は強い子だった。ちょっとの事では屈したりしない自慢の娘だった。そんな彼女でも涙を流してしまうほどの恐怖と苦痛を味わったのだろう。

 

 正直、私が期待した姿ではなかった。白濁液を垂らしながらも犯人をキッと睨み付けながら骸晶にされる姿を想像していた。もしかしたら途中はそうだったのかもしれない。だから、徹底的に犯され無様な最期を迎えさせられたのだとしたら納得出来る。

 

 ならタイトルは"抵抗の末の無様な敗北"とかだろうか。悪くないだろう。

 

 これから何百年も愛娘の情けない最期が見せ物にされ、時には嘲笑されるのだ。あの強い娘が、だ。それを想像しただけで私の胸が高鳴った。

 

 私は頬伝うものに気付かないふりをして"抵抗の末の無様な敗北"を観賞し続けた。


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