※この作品はR-18です。

ノア×コード 叛逆のジェラルド 星舟や海兵どもが夢の跡   作:形のない者

2 / 30
第一話/初陣

 御船真瀬(みふね まなせ)。黒髪青目の好青年。所属は全人類移民派。数年前、海面上昇による海難事故で両親と妹を失い、現在はローゼンクランツ家に養われて共に暮らす。ローゼンクランツ家では衣食住を用意してくれる返礼として家事全般を自発的に努めており、中でも料理が得意でクリームシチューが自信作。アドミラルの指揮官としては“戦術眼”の才能があり、第一回継承戦の際に総提督カイン=ローゼンクランツの副官を務め、参謀としての実力を遺憾なく発揮し、全人派の艦隊を勝利に導いた。その後、マスターアドミラルとなったカイン=ローゼンクランツから「これより“総提督”として方舟継承戦に参加せよ」と命じられる。しかし総提督として参加した第二回継承戦から第十一回継承戦までの戦歴は芳しくない。その理由は不明だが、おそらく御船真瀬は参謀に向いていても総提督(リーダー)には向いていないという弱点があるのではないかと自他共に思うようになっている。実際、御船真瀬は総提督のアドミラルには必須とまで言われているスキル・カリスマを有しておらず、ほかにも一切のスキルを発現していない。このことからアドミラルとしては最底辺とまで言われているが、彼の強さをよく知る人は御船真瀬の無個性なスキルよりも、その卓越した戦術眼に注目している。

 

 そして継承戦の開始日が近付いてきた頃。カイン=ローゼンクランツは、御船艦隊の戦歴が芳しくない理由は「強力なアドミラルが少ないからだ」と判断。実際、御船真瀬は戦術家として手駒が増えれば増えるほど強くなる傾向にある。そこで御船真瀬と交流がある海月結衣(みづき ゆい)の艦隊を、御船真瀬の艦隊に合併する編成を提案した。しかし海月結衣は「私は総提督としてやらなくちゃいけないことがある」と言って断る。その意思を尊重した御船真瀬は了解し、カイン=ローゼンクランツも断念した。

 

 第十二回継承戦・当日。“総提督”御船真瀬は、“副官”ファルファラ、“切込隊長”槐新(えんじゅ あらた)、“料理人”ルチア・オリーヴェ、“整備士”モニカ・ランドール、“諜報員”藤本(ふじもと)さち、“戦闘員”茅森漣(かやもり れん)の六名を従えて方舟継承戦に臨(のぞ)む。

 

 しかし継承戦の直前。御船真瀬の親友であり、最近姿が見えなかった槐新が終末派に鞍替えしていたことが判明し、御船艦隊から脱退。槐新は御船艦隊の主力であったため、その戦力的損失と士気の低下は著しいものがあった。特に槐新を慕っていた茅森漣は動揺がひどく、チームの“心”が揺れているその状態で、残酷にも第十二回継承戦開始の合図が鳴り響く。

 

 第十二回継承戦の舞台はエリア23……継承戦の規定では、方舟が発見された海域(エリア)で継承戦を執り行う事が通例となっている。一つのエリアは五十を超えるセクターによって区切られており、継承戦では一つのセクターにつき複数の艦隊がランダムに配置される。御船艦隊は《セクター47》の中西部付近に配置され、ほか五つの艦隊も各地に配置されていた。その五艦隊は全て選民派に所属する艦隊であり、御船艦隊は味方(全人派)のいない配置運の悪さを嘆く。

 

 御船真瀬は作戦会議室で皆と語り合う中、今後の方針を決定する。まず五艦隊の中でもビビアナ艦隊は一対一でも厳しい相手となる。故にほかの艦隊を倒して“吸収”し、戦力を蓄えてからビビアナ艦隊との決戦に臨むのが理想的であると判断した。

 

 吸収。それは継承戦の中でも一際異彩を放つ規約である。継承戦で敗北した艦隊は、勝利した艦隊に吸収される。敗者は勝者に付き従い、たとえ他派閥の艦隊に吸収されても決して裏切ってはならず、勝者のために全力を尽くして戦わなければならない。

 

 余談だが、このルールが存在する理由は諸説ある。その一つを紹介するなら、おそらく派閥ごとに完全敵対することを避けて、少しでも交流を持つことで互いの主義主張をぶつかり合わせることが狙いではないかと推測される。ただ戦って決めるだけでは、いつか感情の綻びから殺し合いの戦争に直結する。人類は野蛮であることが分かりきっている以上、そうはならないように最低限の交流を確定させて“おはなし”をさせる。地球時代のことわざにも“同じ釜の飯を食う”という言葉がある。たとえ主義主張の違いで敵対していても、同じ人類である以上、苦楽を共にしなければ双方ともに自滅(全滅)する。そういった考えがあって、かようなルールが制定されたのではないか……というのが、とある生易しい理想論主義者の推論である。

 

 そして吸収とは、継承戦において最も勝敗を左右するルールである。戦いは数であると言うように、いかに素早く艦隊を吸収して戦力を整えるか。艦隊の吸収速度・拡大速度が、イコール継承戦の勝利に直結すると言っても過言ではない。だが規約によって継承戦の序盤から差が開きすぎないよう、かつ、継承戦に参加するアドミラルに休暇を与えるため“戦闘禁止期間”が設けられている。

 

 戦闘禁止期間とは、その期間内における戦闘が全面的に禁止され、長期的な航行も制限されるルール。これは長く過酷な継承戦を、最後まで全力で戦い抜くために設けられた規約である。

 

 しかして戦闘禁止期間が解かれて作戦会議は強制終了。発艦準備を整えていた御船艦隊は南方の海域に向かって出撃開始。そこにはビビアナ艦隊の次に強いジジ艦隊が配置されている。互いの距離は他の艦隊より近いため、十中八九ジジ艦隊も御船艦隊を吸収するため近付いてくるだろう。そんなジジ艦隊は小型艦を中心とした機動力特化型の艦隊で、対する御船艦隊は中型艦と小型艦が同数揃ったバランス型。しかも槐新を欠いた手前、攻撃力も大幅に低下している。どのみち機動力で勝負するのは悪手であり、真っ向勝負も旗色が悪い。そこで御船真瀬は古代兵法書・断章(その壱)を参考にした。

 

 古代兵法書とは、地球時代の書物である。太古の戦術家がしたためた戦術書であり、地球時代のライブラリを漁ってその復元に成功した御船真瀬が愛読している電子蔵書。彼の戦術眼は生来のものだが、その戦術眼に拍車をかけた知識の電光こそ、まさにこの古代兵法書である。そして、これが断章である理由は、人類が地球から惑星ノアへ移住する際に多くの文化的遺産──特に書物──が紛失・散逸した過去に関係している。長期間の宇宙航行で損傷が激しかった方舟のいくつかは、惑星ノアの海面着水時に轟音を立てて海底に沈んだ。そのとき方舟に記録されていた膨大な電子情報を引き出せなくなり、惑星ノアの文明は一時的に後退した。そのため地球時代の繁栄を取り戻せたのは、つい半世紀ほど前のことである。つまり御船真瀬は古代兵法書のごく一部のデータを抜き出すことに成功して復元したに過ぎず、古代兵法書の全てを知っているわけではない。

 

 さて古代兵法書は、主に陸戦主体であり、海戦についての記述は少ない。だが戦略上でも戦術上でも、指揮や兵站、さらには惑星ノアの海面地形の構造上、陸から海へ、土から波へと発想を転換すれば海戦でも非常に役に立つことが分かっている。たとえ断章でも通用する情報が多く、御船真瀬は古代兵法書の助けを借りて、ジジ艦隊と戦う際の作戦を決定していた。

 

 東に声して西を撃つ。機動力に特化したジジ艦隊は陽動を得意とする。これ見よがしに動き回って敵の注意を引き、敵の判断を誤らせるのだ。ならば門を閉ざして賊を捉う。御船艦隊は陽動に乗らないよう留意し、陣形を組んで防御を固めながら旗艦以外の各個撃破を狙う。そうして最後に旗艦が残ったとき包囲殲滅で一気に叩く。それでも倒しきれない場合は“建築物もとい障害物”と“伏兵”の存在が効果的となる。これは辛抱強く機を待つ戦いとなるため、かなり苦しい作戦となる。しかし元より劣勢なれば、苦しくない戦いなど初めから存在しない。

 

 中西南部の海峡を抜けた御船艦隊は十一時の方向に艦影を発見し、“総提督”ジジ・ヴァイオレット率いる艦隊と顔を突き合わせる形で交戦開始。継承戦では旗艦が討ち取られればその時点で艦隊は敗北し、勝利した艦隊に吸収される。そのため旗艦は周囲の艦隊に守られながら行動するのが定石である。しかしジジ艦隊は違った。“青い閃光”の異名を取る旗艦ジジが、その高い機動力を活かし、先頭を切って接近。御船艦隊にガトリングガンを浴びせながら横腹を抜けていく。何度も言うが旗艦を討ち取れば勝敗は決する。そんな目先の旨い話に釣られるアドミラルは数多い。それは茅森漣も例外ではなかった。部下の突出した行動を戒めるのも指揮官の務めである。御船真瀬はジジの行動が陽動であることを伝えて自制心を持つよう諭す。

 

 次いでジジ艦隊の“副官”ステラ・パレット率いる小隊が同様に攻撃を加えながら横腹を抜き去ろうとする。それも無視した御船艦隊は正面を通過していくステラ小隊に集中砲火を浴びせ、確実に一隻ずつ各個撃破していく。基本的に名有りの(ネームド)アドミラルは五名からなる名無しの(マリーン)アドミラルを率い、一つの小隊を形成する。御船艦隊の場合は総提督を含む六名のネームドアドミラルがいるため、その後ろには約三十名のマリーンアドミラルがいることになる。一度の交戦でジジ小隊とステラ小隊から五隻以上のマリーンアドミラルを撃破した御船艦隊の作戦は順調に進んでいた。

 

 次いでジジ艦隊の中で唯一、中型艦を中心にした小隊を率いる“世話役”ヴィエナ・アウッティ小隊が高火力・長射程の砲撃を仕掛けてくる。同時に御船艦隊の後方からは旋回して合流したジジ小隊とステラ小隊が着実に距離を詰めてきており挟撃を狙ってくる。これに焦る茅森漣は背後から迫る旗艦を叩くことを提案するが、御船真瀬は順調に作戦が進んでいることを告げてなだめる。しかして御船艦隊は作戦通り陣形を固めてヴィエナ小隊の突破を開始。前後から砲煙弾雨もかくやの集中砲火を浴び、数名の小隊員が小隊長を守るため撃破されたが、これを辛抱強く突破することに成功。するとヴィエナ小隊とジジ艦隊は向い合わせの状態で合流するため、艦隊の足並みを揃え同じ方角を向かせるためには一時停止または速度を落として旋回する必要がある。そこを突いて御船艦隊は、ようやくの反撃を開始。百八十度旋回し、隊列を整えるジジ艦隊に攻撃を仕掛ける。

 

 御船艦隊は陣形を二枚の翼のように広げ、一箇所に集中したジジ艦隊を囲い込むようにして砲撃を開始。機動力に特化する旗艦ジジ・ヴァイオレットは楽々とそれを躱して旗艦の御船真瀬を狙っていくが、ジジ小隊は躱せず四方八方からの攻撃を受けて次々と撃破されていく。それでもジジは自らが旗艦を討てば勝利すると信じて疑わず、ステラの撤退提案とヴィエナの諫言を蹴って四面楚歌の中を独り突き進む。総提督の独走を諌めることに失敗したステラは副官としての覚悟を決めてジジ一人の援護を指示。ヴィエナ小隊も攻撃より旗艦を守るためジジの援護に加わる。

 

 御船真瀬は訝しむ。もし自分がジジ艦隊であれば撤退を選択している。たしかに旗艦を討てば勝利で終わるが、それは逆を言えば旗艦を討てなければ総崩れというリスクを背負う。しかも旗艦を撃つのが旗艦となれば、それはハイリスク・ハイリターンで確実性に乏しい。時にはそれを承知で勝負する必要があることを御船真瀬は知っているが、明らかに今はその時ではないと思っていた。故に御船真瀬はジジ・ヴァイオレットという総提督の性格を考察する。かなりの自信家で、それに違わぬ実力を持つが、その反面、搦手に弱い。これは惑星ノアの人間であれば珍しくない。多くの戦術的書物が散逸してから一千年。人類の想像力で新たに書物が綴られていったが、平和な環境で暮らした小学校高学年程度の子供に“ゴリ押し”以外の発想はない。補助スキルも妨害スキルも使わず、ただただ攻撃スキルを使用してくる。そのようなアドミラルは、ハッキリ言って総提督の座に就くべきではない。故に、おそらくジジ・ヴァイオレットはその実力で総提督の座を勝ち取ったのであり、決して座学で総提督の地位を任せられたわけではないことが容易に推測できる。

 

 かといってジジ・ヴァイオレットが危険であることに変わりはない。このままゴリ押しで勝ててしまうからこその総提督。御船真瀬が知略型のアドミラルだとしたら、彼女は本能型のアドミラルと言えよう。中型艦から構成される御船小隊・ファル艦隊・ルチア小隊の砲撃で、ジジの後方に続く艦隊が着実に撃破されていく。そして御船艦隊の確実撃破範囲(キルゾーン)に旗艦ジジが侵入してきた時、御船真瀬は旗艦への集中攻撃を指示する。しかしジジはそれを圧倒的な機動力で躱していく。それを目にしたモニカ・ランドールは、旗艦・御船真瀬の南東側・その傍らに追随して、もしかしたら自分の出番が来るかも知れないと緊張し、深呼吸を繰り返していた。

 

 御船艦隊から小型艦中心の茅森小隊・藤本小隊が前に出て旗艦ジジの攻撃に当たる。その二小隊は層が分厚く、理由は御船真瀬とモニカ・ランドールの小隊員と合併していたためであった。それに疑問を持たないジジは、かすり傷程度の攻撃を受けながらも層の分厚い二小隊の編成を颯爽と抜き去り、ファル艦隊・ルチア艦隊すらもあっという間に抜き去った。次の瞬間、御船真瀬は直線上に躍り出てきた旗艦ジジに向かって、やや片側に偏向して砲撃する。が、それさえも大きく旋回して砲撃を躱したジジは、照準を旗艦・御船真瀬に固定して勝利を確信する。そこで御船真瀬の保険的布石が発動した。

 

 ジジが砲撃の偏向を察知して、より避けやすい方向に回避することは読み通り。旗艦・御船真瀬が乗艦する中型艦(障害物)の背後に追随させていたのは、チームの中で最も目がいい“整備士(伏兵)”モニカ・ランドール。彼女の存在は御船真瀬の艦船が障害物となって、ジジには死角となり伏兵(モニカ)の姿が全く見えていなかった。モニカの艦船は小型艦で兵装は速射砲。ジジのガトリングガンに比べれば連射力で劣るが、威力・速度ともにモニカの方が兵装で上を行く。そして誰よりも突出して御船真瀬に接近していたジジは、突如として死角から現れたモニカに誰よりも接近された上、脇腹を取られたも同然だった。ジジが御船真瀬を撃つのが早いか、モニカがジジを撃つのが早いか。

 

 旗艦ジジはモニカの砲撃により、艦船脇腹に致命的な一撃を受けて被弾する。だが今までの損傷はかすり傷程度。たった一度の平凡な攻撃で撃破されるほど消耗はしていない。焦りつつも勝利を確信するジジのガトリングガンが火を噴き、御船真瀬の旗艦側面を穿つように削っていく。加えてジジ・ヴァイオレットは攻撃スキルを発動。ガトリングガンの威力を上げて旗艦・御船真瀬を討ち取りに行く。だがスキルを使えるのはモニカ・ランドールも同じこと。彼女は回復スキルを発動し、御船真瀬の旗艦が受けたダメージを大きく修復していく。

 

 スキルとは、特殊な脳波を持つ人間の中でも、とりわけ脳波が強い人間に発現する“個性的な特異事象”を指した名称である。スキルは方舟およびバトルアークに乗艦している時のみ使用でき、それ以外の環境では効果が抑えられる。そしてスキルは先天的な才能と後天的な経験に影響されて発現し、大まかに分けて攻撃型・回復型・補助型・妨害型・特殊型の五種に分類される。ちなみに強い脳波を持つ者は若者が多い。年老いると脳波が弱くなることから、アドミラルとして適任である年齢は十代から二十代であることが分かっている。

 

 余談だが、地球時代においてスキルとは超能力や魔法と同一視されており、その実在は全く以て信じられていなかった。しかし惑星ノアにおける長年の研究の結果、次元解析の継承者フーリエ・エスカルゴは、特殊な脳波により発現するスキルの存在を発見し、それの実在を証明した。さらに特殊な脳波やスキルによる事象を分かりやすく数値化することで、人類のアドミラルへの理解に大きく貢献した偉人として知られている。ちなみにフーリエ博士はスキルのことを“事象覚醒階位”または“タツノオトシゴ”と呼んでいた。これは遥か昔、惑星ノアに棲んでいた空を飛ぶ竜種ディセントドラゴンが落とした人類への恩恵を指した別称であることが知られている。そして人類はスキルを地球時代から有していたが、その証明は惑星ノアに到着してから成された。このことからフーリエ博士は、地球と惑星ノアの共通点に地磁気あるいはそれに類する何かを見出し、スキルの正体を解明しようとしたが、老齢が祟って没し、以降、引き継がれた研究の中でもスキルの正体は謎に包まれている。閑話休題。

 

 ジジの攻撃スキルによるダメージは、モニカの回復スキルによって半ば無効化されている。アドミラルの不思議な力(脳波)だけで艦船の傷が修理されていく光景は未知の一言だが、この場にいる者は誰ひとりとして科学の不思議に首をかしげる暇はなく、全人類を移民させるか、選ばれし人類を移民させるか、互いの主義主張を突き通すために咆哮を上げて引き金を引いていた。

 

 そしてモニカが二撃目の砲撃を放つ。すると一隻のバトルアークが爆発し、大破する轟音が鳴り響く。そのバトルアークからは操艦者の身を守るサークル状の結界が光を放って回転しており、その中でジジ・ヴァイオレットが放心状態で俯いていた。そこで旗艦撃破による勝敗決着のアラートが鳴り響く。継承者規定に則り、ジジ艦隊はバトルアークの強制停止コードを“総提督”御船真瀬に譲渡し、御船艦隊の指揮下に入ることを誓う。それから大破して稼働できなくなったバトルアークはステラ小隊がドックまで曳航(えいこう)することに決まり、ほか動けるバトルアークとヴィエナ小隊は御船艦隊に加わることになった。

 

 第十二回継承戦における初の一勝。幸先が良いことに安堵する御船真瀬は、何よりも負けないこと、特に旗艦が撃破されて敵艦隊に吸収されないことが継承戦における要だと心中で自信を付ける。その一方で茅森漣は不安を感じていた。ギリギリの一勝。もしモニカが仕留めきれていなければ大破していたのは御船真瀬の方である。槐新がいない今、自分がしっかりしなければならない。その考えは単純にして道理だが、同時に実力のない者の稚拙な傲りでもあり、自然と御船真瀬に対する不信感へと繋がっていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。