※この作品はR-18です。

ノア×コード 叛逆のジェラルド 星舟や海兵どもが夢の跡   作:形のない者

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第二十二話/疾走

 御船真瀬はアーク・ブルーアースを操艦していた。向かう先は全人類統一議会本部アイリス。しかしその途上で恐るべき敵と会敵した。

 

「我が名は選民派のマスターアドミラルたるシャルル・ジ・ブリタニアであーる! 自らに嘘をつかなかった全人派の御船真瀬の行いは感心に値する! そして終末派のニライカナイには思うところもある……死者との意識共有……だが、ニライカナイの信仰はまやかしに過ぎぬ! 真の世界創世に必要なものは“嘘のない世界”! そのためには“Cの世界”を打倒する必要がある! そのために我は征く! 貴様らに用はないが、我が航路の途上に立ち塞がる邪魔者は蹂躙させてもらう! オール・ハイル・ブリタニア!!」

 

 彼は何を言っているのか。ジェラルドは「生きていたのかアイツ」と呆れ、青桐ガイルは「そういや堂々と生きていたわ。なんだアイツ」と辟易していた。

 

 このままではアーク・ブルーアースとアーク・レオが正面衝突する。そのとき横からアーク・サジタリウスが出現した。それに乗艦するは全人派のマスターアドミラルたるルルーシュ・ランペルージ、そしてC.C.である。

 

「ノア=ブルーフィールドよ! いや……ジェラルドよ! 待たせたな! ここは俺、ルルーシュ・ランペルージに任せるがいい! 地球時代で清算したはずだった家族喧嘩の延長戦だ! 過去に執着する亡霊はこの俺が祓ってみせる! 行くぞC.C.(シーツー)!」

「私は艦内にこもってピザを食べる。さっさと済ませてこい、ルルーシュ」

 

 アーク・サジタリウスのラムアタックによりアーク・レオの航路を外れる。その隙を突いてアーク・ブルーアースはアイリスに急いだ。後方では巻き舌で吼えるシャルル・ジ・ブリタニアと、目にギアスを宿すルルーシュ・ランペルージが戦っている。そこでルルーシュが御船真瀬に対して言葉を送った。

 

「それと全人派の御船真瀬! お前とは少し話をしてみたかった! 言いたいことはそれだけだ……ここは気にせず先を行け! 世界の未来を決めるのは過去の人間ではない。今を生きるお前たち自身だ!」

「ルルーシュ・ランペルージ……まさか貴方も地球時代の……! ────分かった。また会おう、ルルーシュ!」

 

 

 

 そこでジェラルドと青桐ガイルが話し合う。

 

「ルルーシュも不老不死の力で生きていたか……となれば枢木スザクはもう……」

「いや、奴さんもな(・)ぜ(・)か(・)生きてるみたいだぜ。ルルーシュが掛けた《生きろ》のギアスが不老不死と似た効力を発揮して、人間の身の上で一千年間も生存していたみたいだ」

「なんと……やはり化物か、枢木スザクは……」

「これはさすがに笑っちまうよな! だはは!」

 

「では夜明けのヴァンとレイ・ラングレンは……」

「実は生きていたカギ爪の男を追って惑星ノアまで来たはいいが、肝心の復讐相手が“寿命逃げ”を決め込みやがった。それは困ると言って二人はギアスを授かり不老不死になったよ。向こうが延命治療で寿命を延ばすなら、こっちもギアスで不老不死になってやるってな。正直あの二人は方舟やら継承戦やらに興味はねぇ。ゼロ以下のマイナス。無関心を通り越して継承戦の存在すら忘れてやがる。だから何人かのマスターアドミラルは死によって脱落することを見越しておいた方がいい。さっきの亡霊皇帝も、ルルーシュによって確実に葬り去られるだろう」

 

 

 

 旗艦・御船真瀬が駆るアーク・ブルーアース。それを取り囲む御船艦隊は先を急ぐ。そして全人類統一議会本部アイリスが水平線上に浮かんで見えてきた所で複数の艦影を観測した。それはカイン=ローゼンクランツのアーク・タウラスと、グレン・カーマインのアーク・ジェミニが戦っている光景だった。

 

「……状況は把握した。御船艦隊、カイン艦隊に助太刀せよ! 敵はグレン艦隊だ!」

 

 そこに辰宮乙姫が操艦するアーク・ピスケスが戦場に参上する。彼女はグレン艦隊に味方。選民派と終末派は手を組み、全人派を止める決定を下したようだ。これに御船艦隊の選民派は動揺する。本来なら御船艦隊の選民派はグレン艦隊に協力しなければならない。そこで御船真瀬は力強く発言する。

 

「どちらに就くかは選民派のみんな次第だ。ここから先は戦場となる。悩むようなら戦場から離れろ!」

 

 それに断ると叫んだのはジジ・ヴァイオレットとステラ・パレット、そしてエドガー・フェザーストンだった。彼らは“青い閃光”と“慧眼なる鷹”と“金色の鋼にして最高の狙撃手”として御船艦隊の主力を担う。それに負けていられるかと“赤い疾風”茅森漣も出撃、“落葉の桜”ビビアナ・サリニャーナも元ビビアナ艦隊を率いて全力突撃した。

 

 そこで本多正信のスキルが発動。彼女は御船真瀬との海戦では、どちらの戦術が優れているかを競い合いたかったからこそ、スキルを使えない御船真瀬と同じ立場に立った上で完勝するため、スキルを使わずにいた。それは戦術家としての誇りがあってのこと。しかし今回は勝たねば生き残れない真の戦場。出し惜しむ理由がない“大空の覇者”にして“軍師”たる本多正信は、今こそ隠し持っていたスキルを発動した。彼女は軍を国と捉え、国を樹木に喩えている。特殊スキル・海底樹林。それはクレーメンス・オーケルフェルトの地形変化に近しいスキルだった。浅瀬近くの埋没林から樹木が生え伸びて敵の進路を妨害する。加えて補助スキルが発動。全艦隊の士気を向上させ、その脳波の出力を高めるに至った。彼女のスキルひとつで一気に勢力を増した御船艦隊は怒涛の快進撃でグレン艦隊を撃破。辰宮艦隊はアイリスに撤退していった。

 

 しかし、こちらの損害も激しい。カインのアーク・タウラスは八割の損傷、グレンのアーク・ジェミニは大破していた。方舟は十二隻が揃わなければ超大型輸送艦セカンドクレイドルは稼動しない。そこで“整備士”モニカ・ランドールの出番が来た。

 

「特殊スキル(コード)・高速修理のギアス!」

 

 モニカのギアスによって方舟のダメージがみるみると修理されていく。それによるモニカに掛かる負担は今のところ目に見えない。そして方舟が直ったカインは、これより島々を巡って人類を方舟に乗せてくると言い出航した。そこで御船真瀬は戦場となる惑星ノア全体を把握する“世界の目”が必要だと言って、藤本さちに協力を依頼する。

 

「任せて! 特殊スキル(コード)・俯瞰風景のギアス────!」

 

 次の瞬間、藤本さちの両目から光が消え去った。その代わり藤本さちは宇宙を見た。青く丸い惑星、ノア。どこまでも飛ぶことができて、どこまでも潜ることができる。宇宙は暗く、太陽は熱く、空は青く、雲は白く、地は暗く、海底は暗く、ニライカナイなんてどこにもない。あるのはただ、そこに質量が存在するという事実だけ。惑星規模の視界を手に入れた藤本さちの代償は、人間としての、等身大の視力を失くすというデメリットであった。

 

 盲目の藤本さちは立っていることすら困難になる。今も彼女の視界は惑星ノア全土を駆け巡り、多くの人々の声を近付けば聞くことができ、離れれば遠くなる。まさに神の視座。見えているものに気を取られれば、自分が今どこにいるのかすら忘れてしまう。そのため御船真瀬が藤本さちの体を抱き締めた。そうすれば自分の体は今《そこにある》ことが体温で分かる。でも見つからないんだ。惑星ノアのどこを探しても、自分の体がどこにあるか分からない。丹念に探せば見つかるだろうけど、それは全人類の中の一人を見つけるに等しい苦労が必要になる。目印となる建物アイリスを見つけることができても、その周辺海域には無数のバトルアークがある。その中のどれかが御船艦隊であり、御船艦隊のどこかに藤本さちが御船艦隊に抱かれているはず。それを探すのも一苦労。

 

「あ、はは……これはちょっと、びっくりだな……ま、真瀬。ルチアでもいいよ。誰でもいいから私の手、離さないでね。もし私、一人になっちゃったら……自分が今どこにいるのか、まったく分からなくなっちゃうよ……」

 

 藤本さちの「俯瞰風景」のギアス。効果は「永続的な惑星規模の透視」であり、絶対条件は「両目の視覚機能が一切使えなくなる」というものだった。

 

「後悔しているか?」

 

 ジェラルドが問い掛ける。御船真瀬は答えあぐねたが、藤本さちは空元気に答えた。

 

「後悔はしていない! だってこれすごいよ!? 一人で惑星ノア全体が見渡せるんだもん! 練習すれば俯瞰視点の移動の仕方も慣れるだろうし、ぜんぜん大丈夫だって! ホントだよ!? それより真瀬、これから私が人工衛星のGPS替わりになるよ! さぁ命令して! 私は何を見て、何を伝えればいいの? 今の私は無敵だよ! どんな情報だって集めれちゃうんだから! 部屋の中で内緒話していても、そこに私の“目”が行けば、なんと内緒話も聞こえちゃうんだから!」

 

 コードギアスとは他者の思考に干渉する能力。彼女の“目”は耳でもあり、俯瞰風景の中で声が響けば、それを視聴することが可能となる。

 

「────さち。俺のために、ごめん」

「謝らないでよ! 覚悟してたことだよ、これは! それにこれは真瀬の為だけじゃない! みんなを救うためなんだから!」

「────っ。そうだな。そうだ。それじゃあ、さち。アイリス内部にシェーラ・カーマインがいるはずだ。彼女を見つけて何をしているか教えてほしい」

「了解! 現在アイリスに侵入! おっと壁の中ってこんなふうに見えるのか!? いま廊下に出たよ! エレベーターの中を通って……上階にはいないな……」

「地下にいるかもしれない」

「オッケー地下に急降下……は、意外と酔うから少し減速して……えーっと……あ、見つけた! 見つけたよ、真瀬! ここって……超大型輸送艦セカンドクレイドルの船渠(ドック)だよ! 継承戦の間に建造が終わって、ここに運んでいたんだ! あれ、でも、何か様子がおかし────」

 

 藤本さちは、俯瞰風景で視聴している場所での出来事を逐一報告する。

 

          §

 

 全人類統一議会本部アイリスの巨大地下空間。そこには超大型輸送艦セカンドクレイドルが設置されている。それは人類を乗せたあと巨大地下空間に海水を流し込んでゲートを開けば、セカンドクレイドルはアイリスの外側に浮上。十二隻の方舟に牽引させて宇宙航海に飛び出す計画の中途段階にある。

 

 それを急ぐため選民派代表シェーラ・カーマインが作業員に指示を飛ばしているが、そこに行方知れずだったクー・クライング・クルー、そしてミハイル・ギャレットとファサリナが現れた。彼らはシェーラ・カーマインを捕縛して、超大型輸送艦セカンドクレイドルを奪取。何をするつもりだとシェーラが問えば、当然、地球時代で防がれた計画を再始動させるためだと謳う。そしてクー・クライング・クルーは超大型輸送艦セカンドクレイドルに乗り込み、そのエンジンを暴走させる。そんなことをすればセカンドクレイドルは爆発して大変なことになる。だがそれ自体がクー・クライング・クルーの狙いだった。超大型輸送艦セカンドクレイドルは核融合炉を使用している。それをメルトダウンさせて、最後に“惑星破壊兵器プリズン・プラネット・デストロイヤー”の小型版とも言える装置を核融合炉に放り込めば、核分裂反応によって惑星ノアは劫火に焼かれる。その後、十三隻の方舟の機能を使って焦土と化した惑星ノアをテラフォーミングする。それがクー・クライング・クルーの狙いだった。

 

 しかしそんなことは不可能だとシェーラ・カーマインは断言する。なぜなら方舟にテラフォーミング機能は存在しない。それに似た大気調整の設備はあるが、それをテラフォーミング機能として扱うには人類の技術では未だ不可能。成功確率は0%である。それでもクー・クライング・クルーは実行に移そうとする。絶体絶命のピンチ……そこに二人の復讐鬼が現れた。

 

 不老不死といえば吸血鬼。まさにそれに準じた姿と魂に成り果てた悪魔の復讐者は、ミハイル・ギャレットとファサリナを倒して、クー・クライング・クルーの喉元に迫る。二人の名は夜明けのヴァンとレイ・ラングレン。全てはカギ爪の男を倒すために。一千年間、生きながらえてきた。「ようやく見つけたぜ」「覚悟しろ」────首が飛ぶ。それで終わった。それ以上の物語は存在しない。なぜなら復讐こそが物語の完結であり、その後の余韻なんて、その二人にはまったく不要なものであったからだ。

 

          §

 

 藤本さちは復讐劇の一部始終を見届けたあと、ほかにもマスターアドミラルの存在を探して報告する。

 

「夜明けのヴァン、レイ・ラングレン、クー・クライング・クルー、ミハイル・ギャレット、ファサリナ、シャルル・ジ・ブリタニアは方舟を放棄、あるいは死亡……どうする真瀬!? こんな一度にマスターアドミラルがいなくなっちゃったら、方舟は誰が動かすの……!?」

「────もちろん、誰かが動かすしかない。マスターアドミラルに相応しいアドミラルが……」

 

 御船真瀬は仲間の顔ぶれを見渡す。そして彼の戦術眼は、適切な人員を選び抜いた。

 

「まずシャルル・ジ・ブリタニアのアーク・レオは、ジャン・ランヌが引き継いでほしい」

「わ、わたしか?」

「君にはそれだけの素質がある。それとも無理と思うか?」

「い、いや……正直不安だが、無理とは思わない。私にはマスターアドミラルになれるだけの力があると自負している。失敗はしない。約束する」

「あぁ、信じている。アーク・レオに関しては任せたぞ」

 

 ジャン艦隊はきびすを返して、ルルーシュ艦隊が確保しているアーク・レオに急ぐ。

 

「次いで、夜明けのヴァンとレイ・ラングレンのアーク・アリエス、アーク・カプリコーンは……ステラ・パレットと本多正信に頼みたい」

「……えぇ!? わ、私ですか!? 私、アドミラル脳波は弱い部類ですけど……」

「それは第十二回継承戦の前に、脳波を測った時の話だろう? あれから副提督としての才能を開花させていったステラなら、きっとマスターアドミラルになれるだけの素質を持っているはずだ」

「そ、そうかなぁ……でも、お兄さんがそういうのなら……やってみます!」

「本多正信、君もそれでいいかな」

「異論はない。私以外に方舟を動かせる人材がいるとも思えないからな」

 

 ステラ艦隊と本多艦隊は一足先にアイリスへ急ぐ。

 

「最後にミハイル・ギャレットとファサリナのアーク・アクエリアスとアーク・ヴァルゴは……エドガー・フェザーストンと海月結衣に任せたい」

「オレか! 当然だな! 大船に乗った気でいたまえ!」

「うん。任せて! もとよりマスターアドミラルになるつもりで継承戦に参加しているんだから、その覚悟がないとは言わないよ!」

 

 エドガー艦隊と海月艦隊も一足先にアイリスへ向かう。

 

 最後に御船真瀬は、ノア=ローゼンクランツがどこにいるかを知りたがり、藤本さちにお願いした。

 

「なんか盗み見ているようで気が引けるけど……えっと、ノア様は……。えっ……そんな……!?」

 

          §

 

 衝撃の光景を耳にした御船真瀬とその一行は全人類統一議会本部アイリスの会議室に直行した。途中、選民派と終末派の大艦隊を相手取り、その包囲網を突破して着港。仲間たちに旗艦やバトルアークの護衛を任せて、選りすぐりのメンバーが地を走る。御船真瀬、ファルファラ、ルナ・ティンデルとそれを見張る茅森漣、ジェラルドとそれを護衛する青桐ガイル。六名は会議室に辿り着き、議長席に座るノア=ローゼンクランツと、その背後に立つ辰宮乙姫。そして終末席に鎮座するアリア・ロタスと、その傍らに仕える槐新を見つけた。「何をしているんだ、辰宮乙姫!」そう御船真瀬が問い掛けると、辰宮乙姫は「見た通りだよ」と答えた。

 

 地球時代の再来である。終末派は、全人類統一議会議長たるノア=ローゼンクランツを人質に取っていた。アリア・ロタスは語る。全人派のほとんどと選民派の一部が継承戦のルールを破って暴動を起こしたことは大変悲しいことであり、そんな愚かな人類はやはりニライカナイに導かれて救済されるべきだと。そのためには全人派が敬愛するノア=ローゼンクランツに説得を頼むしかない。彼女が争いをやめろといえば、それだけでこの戦争は終決すると信じている。よって彼女は人質ではなく、今はお互いのために話し合っている最中なのだと。

 

 御船真瀬は賛同と否定、両方を示す。話し合いは大事だ。しかしそれだけではどうにもならない佳境に立ったからこそ、今みんなは個人の自由を求めて闘争している。派閥という大きな括りに囚われず、一人ひとりが最善を選べる世界を目指している。それが戦争というのが皮肉な話だが、御船真瀬は死人を出さない戦争を求めている。地球時代、愚かな人類は殺し合いを繰り返した。だが惑星ノアでは語り合うための戦争がしたい。そもそも戦争の定義を変えたい。今まで派閥に恭順するからこそ争いを最低限に押しとどめることができていた。故にこの一千年間は本当に平和で幸福な時代だった。しかし惑星ノアが終末に向かう今、人類の本質が試されている。

 

 飛ぶか(イカロス)、選ぶか(パリス)、滅ぶか(トロイア)。さしずめ御船真瀬は木馬の恰好をした有翼のパリスか。三つのうちどれを選ぶのか、ではなく、三つ全てを得ようとしている。なんて強欲。なんという悪行。しかしそうでなければ全人類を救うなどという大言壮語は実現できない。

 

 ならばとアリア・ロタスは遺憾ながら自らも戦う意思を表明した。槐新と辰宮乙姫が構える。それに応じて御船真瀬や茅森漣も臨戦態勢を取った。次の瞬間、銃声が鳴り響く。雷鳴のような迸りは絨毯を血で染め上げ、ノア=ローゼンクランツの体が糸の切れた人形のように倒れた。彼女はアドミラルではないため結界サークルを持たず、パーソナルウェポンによる攻撃を防ぐ術がない。御船真瀬はノアの名を叫ぶ。新しくできた家族。また守れなかった……そう口にして崩折れる御船真瀬は、背後から聞こえた銃声、その撃ち手の顔を見るため振り返る。

 

「オイオイなんだよ、このクソ茶番は。さっさと役目を果たせ、N.N.(エヌツー)……いや、ノ(・)イ(・)ア(・)」

 

 ノア=ローゼンクランツを撃ち殺したのは青桐ガイルだった。御船真瀬はわれを忘れて青桐ガイルに掴みかかろうとするが、そこでノアの指がぴくりと動く。脳天を撃ち抜かれて即死だったはずのノアは何事もなかったかのように起き上がり、その両目にはギアスを有していた。アリア・ロタスは混乱する。ノア=ローゼンクランツがギアスユーザーであるなんて知らなかった。彼女は何者なのか。それについてノア自身が語る。

 

「私は第十三隻目の方舟、アーク・ブルーアースの情報端末体(AIアンドロイド)・ノイア。通称N.N.(エヌツー)……ギアスユーザーの達成人にして不老不死、かつジェラルドに絶対救済のギアスを授けた者。そしてジェラルドにノア=ブルーフィールドの名を与えた者。これは兄、カイン=ローゼンクランツも知っていることです」

 

 かつてカイン=ローゼンクランツは青桐ガイルや海月結衣と同じように、海の翁の声に導かれてアーク・ブルーアースを発見した。そしてノイアと接触したカインはギアスを手に入れる。さらにノイアの「一度人間のように生きてみたい」という要望に応えるため、カインはギアスの力を使ってノイアをノア=ローゼンクランツに改名し、実の妹として周りに周知させて、その素性をギアスで完全に隠し、本当の兄妹として育ってきた。

 

 そこでアリア・ロタスが質問する。なぜジェラルドとノイアはカインと接触したのか。ほかにも青桐ガイルや海月結衣、御船真瀬とも接触を図った理由を聞く。ノイアは答える。「私もジェラルドも惑星ノアへ移民した時には既に力尽きていました。方舟を動かすためには操艦者と燃料(エンジン)役、二人のマスター級アドミラルが必要なのです。そして一千年後にこの星でも海面上昇が起こると分かった際、私たちの代わりとなる方舟の継承者(サクセサー)を選び抜こうと決めたのです」つまりカインは方舟を継承する第一候補だった。青桐ガイルは元マスターアドミラルかつ不老不死なので当然候補に入り、海月結衣や御船真瀬も次なる候補だった。方舟の数は全十三隻。よって十三人の継承者を集めるため、ノイアとジェラルドは一千年のあいだ眠りに就いて海面上昇の時を待った。やがて海面上昇が発生し、人類が惑星ラメクへの移住を考える時、二人は目覚め、一人目の候補者たるカインと接触を果たした。そこでジェラルドは「候補者を探すだけなら、わし一人だけでもできる。お前は昔からの夢だった“人として生きる夢”を叶えるといい」と言って、カインにノイアを預けた。それからジェラルドは絶対救済のギアスを使って、本当に全人類を救いたいと思える者にしか聞こえない“声”で青桐ガイルを呼び、対するノイアは全人類統一議会議長ノア=ローゼンクランツとして継承戦の開催を宣言し、候補者たるマスターアドミラルを闘争の中で見つけていった。

 

 事の次第は分かった。ならばと終末派代表アリア・ロタスは、ギアスユーザーを生きて返すわけにはいかないと言って、ジェラルドとノイアの暗殺を指示する。御船真瀬と辰宮乙姫が斬り合い、茅森漣と槐新が撃ち合い、ノイアとジェラルドを付け狙うアリア・ロタスを青桐ガイルが相手する。

 

 やがて激しい戦闘は地上から海に移り、御船真瀬はアーク・ブルーアースを、辰宮乙姫はアーク・ピスケスに乗り込む。そこで辰宮乙姫はアーク・ピスケスが稼動しないトラブルに直面した。その理由をノイアが語る。

 

「もう一度言いますが、方舟はエンジン役のマスターアドミラルを必要とします。しかし大抵のマスターアドミラルは一人で方舟を最後まで動かすことができません。よってマスターアドミラルには劣っても良いので、せめてマスター級のアドミラルをもうひとり必要とします。つまり二人のアドミラルによって、方舟は最後まで動くことができるのです。その名残は継承戦にも残っています。皆さんご存知の通り“副提督”の役割がそれに当たります。“総提督”は操艦者とエンジン役、両方を務めますが、次第にエンジンが不足してきます。そこで“副提督”が総提督の補佐に就き、マスター級アドミラルとしてエンジン役を買って出るのです。地球時代でもそうでした。“総提督”ジェラルドが操艦者として舵を取り、この私“副提督”ノイアがエンジン役として方舟を浮かばせた。方舟とは一人で動かす者ではないのです。それは人類の“継承(サクセス)の歴史”に倣い、総提督から権利を継(・)承(・)された副提督がいてこそ初めて動く、まさに人類の方舟なのです」

 

 その説明を受けた“総提督”辰宮乙姫は、“副提督”に槐新を指名する。操艦能力は槐新の方が高いが、ここは辰宮乙姫が舵を取って戦うべきと局面であると判断し、辰宮乙姫が操艦者として御船真瀬のアーク・ブルーアースと決戦する。しかし、そこで御船真瀬のアーク・ブルーアースも稼働停止のトラブルに陥ってしまった。一方的な攻撃を受ける御船真瀬は、すぐにエンジン役となってくれる副提督を任命する決断を迫られる。そこで、いつの間にかノイアに就いてきてアーク・ブルーアースに乗艦していたエムザラが語り始めた。

 

「ファルファラ。君の出番だ」

「エムザラ……私を造った最高AIアンドロイド……それはどういう意味?」

「そのままの意味さ。君はノア=ローゼンクランツそっくりに造った。それは外見だけの話じゃない。もとより私エムザラは、ノア=ローゼンクランツもといノイアの代わりとなるエンジン役を用意するためにファルファラ、君を造ったんだ」

「私が方舟のエンジン役……? それは機能的にありえない。私にそんな機能は搭載されていない」

「いいや、搭載されているとも。それに君が気付いていないだけで。なんせ君は、も(・)し(・)十(・)三(・)隻(・)の(・)方(・)舟(・)を(・)動(・)か(・)す(・)二(・)十(・)六(・)人(・)の(・)候(・)補(・)者(・)が(・)集(・)ま(・)り(・)き(・)ら(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)ら(・)という緊急事態のために用意された存在なんだから。人間でなければギアスユーザーでもない。そんな君にアドミラルとしての脳波があるのは、全てはこの時のため。御船真瀬の副提督が全て出払った今、この方舟のエンジン役を買って出る存在として造ったからなんだよ!」

 

 そんなエムザラの言葉を信じ、“副提督”ファルファラはアーク・ブルーアースの機関部に急ぐ。するとアドミラルの脳波としては平均的で、かつギアスユーザーでもないのに、ファルファラは高い馬力性能を発揮してアーク・ブルーアースのエンジンをフル回転させた。それにジェラルドと青桐ガイルが驚く。いよいよ人類は方舟のエンジンに“人の命”を使わず、機械の駆動(アンドロイドの力)のみで動かすことに成功したのかと。

 

 夕焼け海上の激闘。辰宮艦隊アーク・ピスケスと御船艦隊アーク・ブルーアースが激突する。その決着は御船艦隊がもぎ取った。御船真瀬はアーク・ピスケスに乗り込み、その機関部に急ぐ。そこでは槐新が自分の命を燃やしてエンジンを稼働させていた。そこまでして終末派の勝利を夢見る槐新は、アーク・ピスケスの大破に合わせて倒れこむ。彼を抱き起こした御船真瀬は生きろと叫ぶが、槐新は生還を諦めていた。命の炎を全て燃やし尽くした槐新には死の運命が待っている。もし彼がギアスユーザーにして不老不死であれば、その結末はまた変わっていただろう。最期に槐新は自決を選ぶ。そのため海を見させてほしいと語る。御船真瀬は槐新を連れて甲板まで戻り、彼に広々とした夕焼けの海を見せた。槐新は「ありがとう、真瀬」と礼を伝えると、あとは一人でトボトボと歩き、海に身を投げた。御船真瀬はそれについて“助けられなかった”“救えなかった”と思うことはない。なぜなら槐新にとっては、その死が罰となって救いになったはずだから。それでも、いくら槐新が満足して逝ったとしても、友人が離別するのは悲しいと御船真瀬は涙して呟いた。

 

 一方、アーク・ピスケスの甲板では御船艦隊のアドミラルたちが制圧を完了しており、“総提督”辰宮乙姫を捕縛していた。しかし辰宮乙姫は一瞬の隙を突いて囚われの身から脱出すると、御船真瀬を押し倒すように突き出して共に海に飛び込んだ。彼女は御船真瀬と無理心中しようとし、海底に引きずり込む。御船真瀬は足掻くが、最期を覚悟していた辰宮乙姫の力は凄まじく、御船真瀬は溺れかかる。

 

 次の瞬間「ダチが溺れてるの見たら、つい駆けつけて死にぞこなっちまった」と言って槐新が現れた。海中で辰宮乙姫と格闘した槐新は、彼女の足首を掴んで海底に沈んでいく。ニライカナイに行くのは俺だけでいい。そう言って槐新はとうとう力尽き、友人・御船真瀬を助けて瞼を閉じた。しかし槐新は、次に友人が何をするか知っていた。だからこそ安心してこの世を去ることができた。友人を助けるために一人の女を引きずり込んだ槐新は、最後にまた友人を助けるために一人の女の背中を押して、その浮上を助けた。

 

 なぜそんなことをするのか分からないと言いたげな辰宮乙姫は、とにかく泳ぐも溺れかかる。槐新のせいで深海に沈みすぎた。いくら浮上しても海面は遠いまま。やがて息が続かなくなり瞼が重くなる。────そこで彼女の手を取る光が現れた。光はぐんぐんと空を飛び、ニライカナイから逃げるように飛び出そうとする。けれど辰宮乙姫は限界だった。完全に体内の酸素を吐ききってしまい、その瞼が閉じられる……次の瞬間、光は……否、御船真瀬は、辰宮乙姫に口付けして酸素を送り込んだ。そのとき御船真瀬の摂食調和のギアスが発動する。辰宮乙姫は御船真瀬の心の声を耳にした。

 

(……考え直してほしい)

 

 御船真瀬の「摂食調和」のギアス。効果は「自分の料理を食べてもらった相手に気持ちが伝わる」であり、絶対条件は「味覚をなくす」というもの。そして御船真瀬の人工呼吸が摂食扱いとなったのか、彼の想いが辰宮乙姫に伝わる。

 

(生きたい。死にたくない。家族と離れ離れになりたくない。ニライカナイに行けば考えることをやめられる。それもまた一つの幸福だろう。でもそれはいっときの休憩ではない。永遠の休み。それは地獄とおんなじだ。そんなところに行くくらいなら、辛い思いをしたっていい。それで今の家族と暮らしていけるなら、俺は何度だって戦ってやる。だってそれが本当の幸せだと思うから。戦うのに疲れたら家族が癒してくれる。俺はそんな家族を持てたことが何よりも嬉しい。そして、そんな家族がいない人のためにも、俺が“誰かの家族”になりたいと思った。カインやノアが、家族も親友も無くして孤独になった俺の新しい家族になってくれたように……だから、辰宮乙姫────君が、もしよければ────)

 

 矛盾だらけの行動だ。御船真瀬も槐新も、自分を殺したいのか助けたいのかてんで分からない。やがて二人は海面に浮上、仲間たちに引っ張り上げられて救出される。何度も水を吐いて咳き込んだ御船真瀬は、朦朧とする辰宮乙姫の顔を見据えて説得した。

 

「……君は本当に、それでいいのか?」

 

 辰宮乙姫は昔を思い出す。御船真瀬から届いた“声”は、いつか家族と過ごした時のようなあったかい感覚があった。揺らぐ心。

 

「……悩んでいるのか?」

 

 そんな御船真瀬の言葉に踊らされてなるものかと、辰宮乙姫は再び決意するため考える。しかしそこで脳裏によぎったのは、かつて御船真瀬に言われたこと。悩んだ時はゆっくりと考えればいい。しかし今そんな時間はない。家族か、御船真瀬か。今までその天秤はどれくらい傾いていたのか。見たくなくて見ずにいた天秤は一向に定まらない。

 

 御船真瀬は辰宮乙姫の無言の絶叫を感じ取る。(家族か御船真瀬かもう分からなくなっちゃった。たすけて)

 

 御船真瀬の摂食調和のギアス。その効果はどうやら思っていたものと少し違うようで、再定義する必要がありそうだった。彼のギアスの効果は「料理を食べた時、その料理を作った人の気持ちが分かる」というもので、対象者は自分にも適応される。先ほどの人工呼吸で辰宮乙姫に酸素を送り込んだ際、代わりに唾液が混じった影響か。御船真瀬の心には、辰宮乙姫の想いも伝わっていた。

 

 御船真瀬は目の前で、かつ心の中でも泣きじゃくる辰宮乙姫をすくい取るように抱き締める。家族がいないぶん、雨の冷たさに体が震えるぶん、自分が抱きしめてぬくもりを与える。それでも寒かったらごめん。それでも寒くならないよう頑張るから。そう言う御船真瀬に対して辰宮乙姫は、ぽつりと告げた。「むりだよ。わたしはずっとさむいもん……」

 

 そのときルナ・ティンデルが動いた。彼女は死にかかってまで辰宮乙姫を助けた御船真瀬に憤りを感じていた。どうしてそこまでして敵を助けるのか。どうしてそこまでして自分の兄イザヤを助けることができなかったのか。理不尽な怒りであることは理解している。だが激情は抑えきれず、彼女はジュリオ・フェーデの助言も忘我し、ただひたすら御船真瀬に疑問を突きつけるため疾走した。なぜ兄は死んだのか。未熟な少女は現実を受け止めきれない。だから今まで復讐こそが生きる糧だった。それを知っていたから御船真瀬はルナ・ティンデルが自らを憎むことを認めていた。その抱擁もまた、ルナ・ティンデルにとっては気に食わなかった。

 

 ルナ・ティンデルの凶器が復讐相手の背中に差し迫る瞬間、それを見て取った辰宮乙姫は無意識に庇っていた。方舟を動かしたことでアドミラルとしての能力とエネルギーを使い切っていた辰宮乙姫は結界サークルを発動させることができず、ルナの凶器が胸部に刺さる。血を流して倒れる辰宮乙姫は悟った。今、自分は無意識に、家族より御船真瀬を取ってしまったことを。どうして庇ったんだろう。家族を一度に失ったとき、唯一自分に生きる意志を与えてくれた命の恩人だったから? それとも恩人への感謝が膨れ上がった結果、御船真瀬のことを好きになっていたから? もう分からない。分からないなら、分からないままでいい。このままニライカナイへ行こう。でも寂しいなぁ。彼を庇わなければ、そのまま一緒にニライカナイへ行けたのに。御船真瀬を置いてニライカナイに行くのは寂しい。こんなことを思っていたら、家族に怒られちゃうかな。

 

 そんな想いが御船真瀬に伝わる中、彼は懸命に救助活動を急いでいた。絶対に死なせないと口にして止血、手早く応急処置を急ぐ。一方のルナは混乱していた。今まで御船真瀬をニライカナイに連れて行こうとしていた辰宮乙姫が、なぜ御船真瀬の命を助けたのか理解が及ばなかった。矛盾だらけの行動を考える前に気付いたことは、自分の復讐の矛先が無関係の人を刺してしまったこと。そんなつもりじゃなかったと膝から崩れ落ちるルナ・ティンデルは、必死の形相で辰宮乙姫を助けようとする御船真瀬を見て、そんなことをしても彼女は助からないと告げる。

 

「大丈夫。ルナを人殺しにはさせない。それに……似たような状況に会ったことはあるから、次は失敗しない」

 

 それはどういうことか。ルナ・ティンデルは意味を問う。止血完了後、辰宮乙姫は一旦、その命を繋ぎ留めた。御船真瀬は先ほどのルナの問いに答える。かつて海難事故で船舶が爆発した時、イザヤの胸部を鉄パイプが貫通した。それの止血作業をしていたが、イザヤの体力が持たなかったのか、それとも最初から急所を貫かれていたのか……真相は不明だが、とにかく救助が間に合わず死んでしまった。そのまま船は沈没し、死体は海底に沈んだ。その海域は御船真瀬がアドミラルに覚醒したせいで活性化し、サルベージも不可能な激しい海になってしまい、遺体の回収さえできなかった。

 

 御船真瀬は最後までイザヤの救出を諦めていなかった。それを知ったルナは、どうしてそのことを教えてくれなかったのかと怒る。

 

「最愛の兄を失ったルナは、今にもどこかで消えてしまいそうな感じがした。君が消えることは、きっとイザヤは望まない。するとルナは、俺のことを憎んでいると言ってきた。そのとき思い付いたんだ。ルナが俺を恨むぶん、その復讐心が生きる糧になると。だから君に「選民派のマスターアドミラルになって御船真瀬を惑星ノアに置き去りにしてやる」と面と向かって言われた時、あえて弁解する必要もないと思ったんだ。もし誤解を解いていたら、君は何を以て生きればいいのか分からなくなっていただろうから……」

 

 つまり御船真瀬は、ルナの唯一と言える生き甲斐を奪わないため、親友の妹から恨まれる辛さを呑み込んでいた。それはなんて自分勝手な覚悟だろう。憤るルナ・ティンデルに対して、御船真瀬は謝罪する。

 

「俺が間違っていた。俺の間違っていた善意のせいで、ルナに関係のない辰宮乙姫を刺させてしまった。ごめん」

 

 それから御船真瀬は、これからルナと一緒に生きたい旨を語る。それは半ば告白も同然のように思えたが、御船真瀬にとって「共に生きよう」という言葉はお決まりの台詞である。はたしてそれに気付けるのか、なにかあらぬ勘違いをしないかと周囲はヒヤヒヤとしたが、ともあれルナは御船真瀬に対する憎しみは消え、やや動揺は残りつつも、彼と共に生きる未来を夢想した。そこで辰宮乙姫が目覚める。彼女は「御船真瀬は渡さない」とだけ告げて、傷を癒すため眠りに就いた。どうやら御船真瀬に対する独占欲が一度だけ彼女の目を覚まさせたようだ。その元気があるなら大丈夫だと御船真瀬は微笑む。

 

 かくして選民派と終末派、二人の少女を救った御船真瀬は、いよいよ最後の戦いに臨むためアーク・ブルーアースに乗り込んだ。

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