※この作品はR-18です。

アクマレコード 魔法少女ヒットマンDIAVOLO!   作:形のない者

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クロスオーバー先:テイルズオブグレイセス(特にデュアライズ)
(※ちなみに、この章までに悪魔の時雨蒼燕流などで、アスベルの秘奥義などは登場していた)



【図鑑から学んだことを振り返ろう】黒江〔見習い合成屋〕

 

「……」

「すぅ……すぅ……」

 

 夕暮れの黒曜ランド。樹木を背にして草地の上に座る二人。黒江はアルケミー図鑑のページをめくっているうちに日が暮れてしまったことに気付き、傍らのフゥ太はスヤスヤと寝息を立てている。

 

(随分と読み込んじゃった……おかげで色々なことを学べたけど……私、合(・)成(・)屋(・)に何か期待でもしてるのかな……)

 

 突拍子もなくリヴィア・メディロスから勧められた新生活・合成屋。とりあえずリングを精製する方法だけは詳しく知ろうと図鑑を開いた黒江だが、ふと気付けば合成知識の深みにハマってズルズルと読み込んでいた。

 

「フゥ太、起きて。そろそろ寒くなるから地下に戻ろう」

「……ん……」

 

 目をこするフゥ太を連れて、黒江は地下施設に戻る。夕飯はコンビニ弁当。黒江の読書を邪魔しないよう、フゥ太が“おつかいする”と言って一人で買ってきた。また、何かあった時のため余分の金を持たせていたが、フゥ太はそれを凪の分だと考えたのか、机の上には弁当が三箱。

 

(これじゃあ節約が……でも、まぁいいか。凪さん、朝もお昼もお菓子の袋しか開けていなかったし……ちゃんとしたもの食べてほしいから、今日から凪さんの分も……でもそうなるとお財布の中身が厳しく……)

 

 黒江は悩ましい問題に直面するが、お金が無くなったらその時はその時と思考を切り替える。

 三人で食卓を囲み、夕飯を食べて就寝準備。そこでフゥ太が問いかけた。

 

「ねぇ黒江姉。合成屋、やってみるの?」

「え? それは……まだちょっと分からないけど……」

「えー! せっかくなんだし、面白そうだからやってみようよ! 素材はいっぱいあるみたいだし、明日回収してさ! 僕も手伝うから!」

「…………」

 

 そこで黒江はジレンマに突き当たる。それは家出してから考えないようにしていたこと。危うくリヴィア・メディロスに掘り起こされそうになったが、そうなれば頭の中がこんがらがると思って逃げ続けていた考えを。

 

 提示された選択肢を選ばず沈黙を通す黒江は、毛布をかぶって横になり体を丸くする。

 

(……寝る前に今日、図鑑から学んだことを振り返ろう)

 

          †

 

【ソウルジェムのカケラの合成】

 それは“同一属性”のソウルジェムのカケラ同士を混ぜ合わせて、リングに加工した時の精製度をランクアップさせる合成法。

 

 合成したソウルジェムのカケラは“品質(ランク)”が向上(アップ)し、リングに加工した際、精製度が上がりやすくなる。ランクは全部で六段階あり、表にすると以下の通り。

 

品質(ランク)1:魂石(こんせき)。予想精製度E

品質(ランク)2:凝晶(ぎょうしょう)。予想精製度D

品質(ランク)3:聖核(せいかく)。予想精製度C

品質(ランク)4:秘珠(ひじゅ)。予想精製度B

品質(ランク)5:神宝(しんぽう)。予想精製度A 例:シモンリング

品質(ランク)EX:星石(せいせき)。予想精製度S 例:ボンゴレリング

 

 そして────

 魂石の由来は、そのまま“魂の石”すなわち“ソウルジェム”を意味するのだろう。

 凝晶の由来は、おそらく“凝縮した結晶”を意味する。

 聖核の由来は、おそらく“聖なる核”を意味する。

 秘珠の由来は、おそらく“秘めたる珠玉”を意味する。

 神宝の由来は、おそらく“神懸かりの宝石”を意味する。

 星石の由来は、おそらく“星の石”を意味する。

 

 現在、黒江の指に嵌められている雨・雲・霧のリングは全て精製度Eランクである。つまり《魂石の欠片(ソウルジェムのカケラ)》をそのままリングに加工した代物であるため、品質は最低ランクのまま。もし精製度Dランクのリングを作りたいなら、複数のソウルジェムのカケラを合成して品質を向上させてから、《ただの指輪》と合成してリングに加工する必要がある。

 

 今朝リヴィア・メディロスから無償で貰った《闇魂石の凝晶》は品質(ランク)が2に当たる。これは二つの《闇魂石の欠片》を合成したから出来た代物だろう。

 

 魂石を二つ混ぜ合わせれば凝晶となり、凝晶を二つ混ぜ合わせれば聖核となり、聖核を二つ混ぜ合わせれば秘珠となり、秘珠を二つ混ぜ合わせれば神宝となり、神宝を二つ混ぜ合わせれば星石になる。

 

 しかし、単に多くのソウルジェムのカケラを混ぜ合わせれば品質が上がるわけではない。品質は向上するたび合成難易度が上がり、一流の合成屋でさえ品質5の神宝を作るのは難しいとされる。故に品質EXの星石は幻の素材と言われており、これを作れた者は大地に愛された合成屋だけだという。

 

          †

 

【ソウルジェムのカケラに宿る性質】

 ソウルジェムのカケラには、それ自体が放つ魔力の“材質”を表す性質が存在する。

 

 その一部を表にすると以下の通り。

 

《ランク1》

   「鋭い」:攻性

「かっこいい」:攻性

「固い/硬い」:防性

  「美しい」:防性

 「ざらざら」:貫性

 「つるつる」:速性

  「ごつい」:攻守両性

  「爽やか」:貫速両性

《ランク2》

「豪快」:攻性

「温厚」:防性

「優雅」:貫性

「古風」:速性

「上品」:攻守両性

「頑固」:貫速両性

 

 例えば、品質1の《魂石の欠片》に触れた時、実際の表面材質が滑らかではなく角張っていても、不思議と「つるつる」に感じた場合、それは欠片に宿る魔力のせいでそ(・)う(・)感(・)じ(・)て(・)い(・)る(・)ことになる。

 

 魔力には鋭性・鈍性という性質があり、この二つの配分によって魔力材質が決まる。

 例えば「つるつる」の場合の配分は、鋭性と鈍性が「9:1」に近い割合となる。

 

 また────

 攻性とは、攻撃力に特化した魔力材質のこと。

 防性とは、防御力に特化した魔力材質のこと。

 貫性とは、貫通力に特化した魔力材質のこと。

 速性とは、速力に特化した魔力材質のこと。

 攻防両性とは、攻撃力と防御力に特化した魔力材質のこと。レア材質。

 貫速両性とは、貫通力と速力に特化した魔力材質のこと。レア材質。

 

 これら材質を理解した上で合成すると、攻撃力や防御力、貫通力や速力に特化したリングを作ることが出来る。

 

 今朝、黒江が合成した《霧系リング(精製度D)》の魔力材質は、リヴィア・メディロスによれば「古風」とのことだった。確かに黒江は《闇魂石の凝晶》を手渡しで受け取った時、なぜかそれに古(・)風(・)な(・)気(・)配(・)を感じ取った。そして「古風」の性質は「速性」であるため、この《霧系リング(精製度D)》は、何らかの速度に特化したリングという事になる。

 

 そこで黒江は《霧系リング(精製度E)》と比較して試行錯誤した結果、《霧系リング(精製度D)》は全般的な死炎速度が向上している事に気がついた。死ぬ気の炎を灯す速度。死ぬ気の炎を放出する速度。死ぬ気の炎の純度や炎圧が上がる速度。死ぬ気の炎の性質が伝わる速度。その全てが少しだけ向上していた。

 

 実際にスマホのストップウォッチで測定してみると、

 Eランクの霧の炎で全身を完全に覆うまでの秒数が30秒前後だとするなら、

 Dランクの霧の炎で全身を完全に覆うまでの秒数は20秒前後だった。

 

 しかし本来ならランクが上がるだけで攻防貫速その他の性能が全般的に引き上がるため、通常のDランクのリングなら25秒前後が本来の測定結果になるはず。だが今回は速性に特化した性質がリングに付与されているため、更に速性が引き上がり20秒前後という測定結果になった。これは速性に関してのみ、Cランクのリングと同等の性能であることを意味している。

 

 そして他の表は以下の通り。黒江はランク4以降は上級者の領域と判断してさっと読み流し、現在の最高目標をランク3と定めた。

 

《ランク3》

「禍々しい」:攻性

「刺々しい」:攻性

「堅苦しい」:防性

「重々しい」:防性

「暑苦しい」:貫性

「寒々しい」:速性

「荒々しい」:攻守両性

「騒々しい」:貫速両性

《ランク4》

「威圧的」:攻性

「神秘的」:防性

「野性的」:貫性

「刺激的」:速性

「画期的」:攻守両性

「紳士的」:貫速両性

《ランク5》

「デンジャラス」:攻性

 「ソウルフル」:攻性

 「ゴージャス」:防性

 「ハートフル」:防性

 「ワンダフル」:貫性

  「ダンディ」:速性

「フレキシブル」:攻守両性

 「サスペンス」:貫速両性

《ランク6以上》

 ※独自の形容を持つ。

 

          †

 

 

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