※この作品はR-18です。

アクマレコード 魔法少女ヒットマンDIAVOLO!   作:形のない者

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講座内容
【魔法学&死炎学:生体波動と精神波動・死ぬ気の炎の属性と性質・リングについて】
【武道:魔法少女戦術式目(戦法種類・魔法開発・回想魔法・合体魔法)】



【オレが別の意味で孵化させて、魔女ではなく兵隊アリにしてやるよ】悪魔〔家庭教師〕

 

 ~14:00~ 六時限目。座学【魔法学&死炎学:生体波動と精神波動・死ぬ気の炎の属性と性質・リングについて】

 

 二十四畳が三分割された座敷にて、魔法少女は竦み上がり、悪魔は教鞭をとる。

 

「予告する。二度の座学のあと、畳の位を上げるためのトーナメントを開催する。生き残るため勝ちあがりたいなら、ここから先の授業を身に染み込ませておくことだ。────それでは六限目を開始する」

 

 悪魔はホワイトボードに図を貼り付ける。そのために背を向けた刹那、九畳の距離を一足で詰めた常盤ななかが踊りかかった。抜刀。白き二刀の旋閃。悪魔はそれを振り返るまでもなく、空いた左手の裏拳で鼻っ柱を打ち砕き、相手の体を元の畳の上まで殴り飛ばした。

 

「カハッ────!?」

「純美雨の《偽装魔法》で二(・)人(・)の攻撃意識を隠し、オレの超直感に気取られないよう奇襲したまではいい」

 

 悪魔の頭上に水を巻く鉤爪が現れる。いつの間に純美雨はそこにいたのか。常盤ななかの攻撃は囮。二段構えの必殺の一撃が悪魔の首を狩る。が、悪魔は挙げた左指で鉤爪の先端をつ(・)ま(・)ん(・)で(・)止(・)め(・)る(・)と、グローブから死ぬ気の炎を爆発的に燃やして純美雨の全身を炙った。

 

「ッ────!?」

「これだけの猜(・)疑(・)心(・)に(・)満(・)ち(・)た(・)空(・)間(・)の中、お前らだけ攻(・)撃(・)意(・)識(・)が(・)希(・)薄(・)というのは、なかなかに怪しいものだ。偽装の仕方は環境と調和させるように」 

 

 悪魔は振り返ると同時、純美雨の腹を殴り、その体を元の畳の上まで突き飛ばす。 

 

「さて、いま見せた炎が、さる界隈で“死ぬ気の炎”と呼ばれるものだ。死ぬ気の炎を灯す為に必要な要素は、波動とリング。波動とは、全ての生命が持つ生体的仕組みで、俗に生命力と呼ばれるものだ。そして死ぬ気の炎には七つの属性があり、それぞれ二つの性質を持つ。しかもその性質とやらは、なんと魔力のそれと殆ど同じなんだ」

 

 

 

         (発展性質)

貝界:魔界:大空性質:熟練性質:

大空: 魔: 調和 : 噴射 :

 嵐: 火: 分解 : 分析 :

 雨: 水: 鎮静 : 発散 :

 雷: 木: 硬化 : 誘導 :

 晴: 光: 活性 : 変換* :

 雲: 闇: 増殖 : 遮断 :

 霧: 無: 構築 : 夢現* :

 

       (地底性質)

貽界:大地性質:熟練性質:

大地: 合力 : 連結 :

 沼: 発酵 : 融解 :

 川: 透過 : 穿鑿 :

 山: 同調 : 爆発 :

 森: 具現 : 尖鋭 :

氷河: 凍結 : 流動 :

砂漠: 錯覚 : 枯渇 :

 

        (深海性質)

蜜界 :大海性質:熟練性質:

大海 : 浸透 : 氾濫 :

 凪 : 停止 : 無感 :

 滝 : 浄化 : 昇華 :

 波 : 伝播 : 密集 :

 渦 : 収束 : 回転 :

 泡 : 破裂 : 浮遊 :

蜃気楼: 屈折 : 逆転 :

 

        (外界性質)

 脳界:宇宙性質:熟練性質:

 宇宙: 真空 : 縮張 :

 恒星: 熱風 : 爆発 :

 彗星: 剥離 : 除去 :

 極光: 磁力 : 輻射 :

 銀河: 混合 : 分離 :

宇宙塵: 粉砕 : 蓄積 :

 暗黒: 斥力 : 怪異 :

 

※「*」は“検証不足の属性および性質の効果”を意味する。後々の研究で、より最適な言葉に変わる可能性が高い。また、上記では「*(アスタリスク)」と記されてこそないが、大地・大海・宇宙の三シリーズは、その全てが“検証不足”である。そのため三シリーズの性質は、そのほとんどが正確ではない可能性がある。とどのつまり上図は、あくまで“その属性持ちと戦った経験がある悪魔の所感と独断”ということに留意が必要である。

 

※変換性質は、屈折性質・転換性質とも呼ばれる。

※夢幻性質は、そもそも固有の性質を持たず、人によって性質が異なる説がある。また、実はTP魔法界の起源や、QB魔法界の固有魔法などと関係があるのでは? という仮説も存在する。

 

 

 

「この図のように。魔法界の一部地域では、魔力の七属性のことを“魔火水木光闇無(まひすいもくこうあんむ)”と呼称する。単一ごとに呼ぶなら“魔火水木光闇無(ま・ひ・みず・き・ひかり・やみ・む)”でいい。

 その一方で、死炎界の一部界隈(裏マフィア)では、死ぬ気の炎による大空の七属性のことを“大空嵐雨雷晴雲霧(くうらんうらいせいうんむ)”と呼称する。こちらも単一ならそのまま“大空嵐雨(おおぞら・あらし・あめ・)雷晴雲霧(かみなり・はれ・くも・きり)”と読めばいい。どちらも基本性質は“調和分解鎮静硬化活性増殖構築”であり、熟練性質は“噴射分析発散誘導屈折遮断夢現”となっている」

 

 悪魔は問うように語る。

 

「では、この二種類の違いは何か? 魔力と死ぬ気の炎の違いとは? それは根源的な生命の原動力たる“波動”から見た区分によって違いを求めることができる。死ぬ気の炎とは生体波動から生じるエネルギーだ。ならば魔力とは? 魔力はソウルジェムから生じる。ソウルジェムとは魂であり精神。つまり魔力とは精神力から生じるエネルギーと言える。ここで二種の違いを生体波動と対比させるなら、魔力は精(・)神(・)波(・)動(・)によって生じると言えるだろう」

 

 悪魔はメモを取るか、図を撮影するように勧める。

 

「さて、疑問は山ほど直感しているが、まずは魔界・貝界・圎(貽)界・蜜界・脳界について説明しよう。これは魔法史の領域に入るが仕方ない。──現代の死ぬ気の炎の立ち位置は、主にマフィアが発見・開発・使用しているエネルギーだ。一口にマフィアと言っても、表向きの極道(マフィア)連中は死ぬ気の炎の存在なんて知らない。死ぬ気の炎とは、マフィアの中でも更に世界の裏に身を潜める、いわば裏社会の中の裏社会……言うなれば“裏マフィア”とも言うべき組織が秘密裏に用いる武器なんだ。つまり、この図は裏マフィアの連中がこぞって世界から隠している秘蔵の知識であるため、間違ってもこの図を撮影した画像をネットに流すなよ。普通に秘(・)匿(・)の(・)た(・)め(・)暗(・)殺(・)さ(・)れ(・)る(・)からな」

 

 悪魔はさらっと恐ろしい事を言う。

 

「それを踏まえた上で、お前らには死ぬ気の炎を駆使して戦ってもらう。使えるものならなんでも使うべきだ」

 

 そこで悪魔は、数人の疑問を直感した。

 

「リ(・)ン(・)グ(・)も(・)な(・)い(・)の(・)に(・)魔(・)法(・)少(・)女(・)に(・)死(・)ぬ(・)気(・)の(・)炎(・)を(・)使(・)わ(・)せ(・)る(・)の(・)か(・)?(・) ──その疑問は尤もだ。同時に賢くも愚かな問い掛けでもある。なぜならばリングに使われる宝石とは、いわんやソ(・)ウ(・)ル(・)ジ(・)ェ(・)ム(・)の(・)カ(・)ケ(・)ラ(・)なのだから」

『────────っ??!』

「黒江。その指に嵌めた雲と霧の炎を灯すリングは、どういう魔法少女のソウルジェムだった?」

「……私の目の前で呆気なくほかの魔法少女に殺された、闇属性と無属性の魔法少女です」

 

 悪魔は開匣。天乃鈴音の遺品である膨大なソウルジェムのカケラと、加工済みの死炎系リングを教卓の上に山のように乗せる。

 

「これはキリサキさんこと天乃鈴音の戦(・)利(・)品(・)だ。砕かれて間もないため、まだカケラに魔力が宿っている。お前たちも感じているだろう。これが元はソウルジェムだったことを。……さて、これにオレが触れてみる。すると────」

 

 その色のソウルジェムと同じ色の死ぬ気の炎が勢いよく燃えだした。

 

「────このように死ぬ気の炎が灯る。リングの原材料はこれで把握したな? ──そう、魔法少女はリングなんて持たなくてもいいんだ。そ(・)の(・)ソ(・)ウ(・)ル(・)ジ(・)ェ(・)ム(・)が(・)リ(・)ン(・)グ(・)の(・)代(・)わ(・)り(・)に(・)な(・)る(・)のだから」

 

 魔法少女(生徒)たちは戦慄する。背筋に悪寒が走り、畳み掛けられる非道な現実に目が泳ぐ。

 

「ただしソウルジェムは一つの色をしている。基本的に変色することはない。つまり、たとえば赤色のソウルジェムを持つ者が居たとして、彼女は火属性と水属性の魔力が得意としよう。しかし彼女が自らのソウルジェムに死ぬ気の炎を灯すと、嵐の炎しか出てこない。雨の炎は灯せないんだ。生来の特性や工夫次第ではなんとかなる場合もあるが、基本的に魂の色と異なる生体波動を使いたい場合は、別途、その属性に対応したソウルジェムまたはリングが必要となる」

 

 悪魔の話は、生徒の耳に届いているだろうか。たとえ今は届いていなくても、意識分解睡眠法を使えば自然と記憶の中に定着する。それは下手すれば精神的ショックを根強く残す措置となるが、この程度で魔女化する程度なら、この先は生き抜けない、しからばソウルジェムは回収させてもらう。そう言いたげに、悪魔は容赦なく話を続ける。

 

「話を戻す。理屈は飛ばすが、基本的に今の人類は大空の七属性を保有する。だが時に隔世遺伝のように、大地・大海・宇宙の三つのシリーズの波動を有する者が現れる。──加賀見まさら。お前のことだ」

「私?」

「あぁ。ほかにもチラホラいるが……加賀見まさらの場合は、固有魔法《透過》を有するものの、それは願い事だけの影響ではない。大地シリーズは川属性の基本性質・透過によって生じた魔法と言える。つまり加賀見まさらは、その魔力が使える上に死ぬ気の炎も使える。ソウルジェムだけでなくリングも使えば、透過性質の出力は二倍、三倍にも膨れ上がるだろう」

 

 悪魔は指を鳴らす。すると他教師や助手たちが一斉に動き出し、天乃鈴音の戦利品から作り出した大量のリングを配る。

 

 そこで悪魔は、魔法少女たちの強烈な拒否反応を直感した。

 

「倫理的に拒否反応を起こすのは当然だ。今お前らの目の前にあるモノは“誰かの魂の死骸”なのだから」

「……しかし。そんな、魂を汚すような真似は……」常盤ななかが呟く。

「なんだと? 今まで魔女(同族)を殺しまくっていたのに今さら何を言っているんだ人殺しども」

『────!?』

「口答えは許さない。綺麗事を抜かすな。リングを有益に使え。生き残る覚悟を灯せ。今まで殺した魔女の数、ここにあるリングの数、それは今まで散っていった魔法少女の数だ。それを無駄にするのか? ……何か強い信念があってリングを拒むならそれでいい。だが自力で生き残れない者が綺麗事を吐いた所で胸糞悪いだけだ。そういう愚か者は早々に魔女化するか死亡する。そういう奴は生きる意志なしと見なしてソウルジェムを奪うまで。────それにな。もはや人の身でない者が、人の心を痛ませるな」

 

 最後の言い分は認めたくない。そんな強い気持ちを多く直感する。

 

「ソウルジェムが無事である限り何をされても死なない体。一般人がそれを目にした時の一言はなんだと思う?」

 

 ────何度でも殺せる。

 ────何度でも犯せる。

 ────ソウルジェムを奪えば抵抗させずに死姦。

 ────ソウルジェムを返せば蘇るため証拠隠滅。

 

 ……湯国市での一件。悪魔のトラウマが蘇る。

 

「想像できるわけないよな。魔法少女なんて言葉に浮かれている頭の中お花畑の連中には到底想像したくない現実だろう。────お前らは怪(・)物(・)だ。その正体がバレたら社会からつまはじきにされる。好きでなったわけじゃない? 知るか。人間様は怖いらしいぞ。魔法でなんでも不正ができてしまうお前たちが。そしてお前たちがいずれ不可視の化物になると知れば、魔法少女は魔女と同一視される。オレはま(・)だ(・)学(・)生(・)だ(・)か(・)ら(・)とお前らを甘やかすことはしない。この程度の世情すら考慮に入れないお(・)子(・)様(・)を立派な戦(・)士(・)に育て上げるためここにいる。────認めろ。お前たちは、現実がそんなに優しくないことを見て見ぬふりしようとしている。その考えは、自らの心を守るために必要な逃避だから、否定はしない。だが、いつまでも守ってばかりじゃ、敵(・)は(・)増(・)え(・)る(・)ば(・)か(・)り(・)で(・)勝(・)つ(・)こ(・)と(・)は(・)で(・)き(・)な(・)い(・)ぞ」

 

 多くの疑問を直感する。それは“どういうことか知りたい”という意思が強かった。

 

「何が言いたいかというと。自分が人間だと認められたいなら、なにがなんでもそれを認めさせろ。やり方は任せる。それで誰か、てきとうに思いついたものは?」

「……血を、見せる」静海このはが、意外と物騒なことを提案した。「私たちは同じ赤い血が流れている。自分の体を傷つけて、流れる血を示せば────」

 

 次の瞬間、悪魔は死炎噴射で高速移動。魔法少女の目にすら止まらぬ音速で静海このはの頭上に現れると、その頭を鷲掴みして畳に叩きつけた。

 

「ぐっ……!?」

「で? だからなんだ。だからどうした。力のない魔法少女に人権はない。人間様は軍隊や魔法少女討伐組織を派遣して、このようにお前を痛めつけて最悪殺すだろう。それでお前の訴えは無為に終わる」

 

 静海このはの両側に座っていた遊佐葉月と三栗あやめが素早く武器を取って立ち上がりざまに攻撃態勢へ突入。

 対する悪魔は両手を広げて、剛の炎を瞬間放射した。

 

 爆発。轟炎に焼かれて吹き飛ばされた遊佐葉月と三栗あやめの悲鳴。その顔は黒く爛れるひどいやけどの痕を残すが、すぐに魔力再生で治癒する。そして悪魔は悠然と教壇に歩いて戻った。

 

「まずは力だ。平和的解決を望むなら、向こうの横暴な暴力に屈しない武力を整えろ。アリが人権を叫んでも踏み潰されるだけだ。人間にとって魔法少女とは、どこまで行ってもま(・)だ(・)孵(・)化(・)し(・)て(・)い(・)な(・)い(・)化(・)け(・)物(・)の(・)卵(・)だ。ならばオレが別の意味で孵化させて、魔女ではなく兵隊アリにしてやるよ。魔法という名の毒の牙でひと噛みできれば、お前らはようやく一人前だ」

 

 悪魔は話を戻す。声色を授業態度に戻し、真顔で話すことで空気を切り替えた。

 

「ちなみにオレは相手の波動を感じ取(直感す)ることで、相手がどの属性を持っているのか判別することができる。今お前らの手元に行き渡ったリングを使えば、死ぬ気の炎を灯せるはずだ。ただし死ぬ気の炎は“覚悟”がなければ灯らない。そして覚悟なき者は、これからを生きる気概がないと判断し、最終的に畳の位を8畳は下げさせてもらう。……生き残りたければ必死で死ぬ気の炎を灯すことだ」

 

 悪魔は図を貼る。それは各魔法少女が保有する波動の一覧だった。

 

 

 

 ※QB契約により変色した瞳や髪の色=発現した精神波動。……ソウルジェムの色と、瞳・髪の色が一致しない場合、瞳・髪の色の属性は《E+ランク》とする。一致する場合、元々の才能である《D以上》のランクに、QB契約の余波を加えた《+(ボーナス)》を追加する。……これらを含め、ほかのランク付け方法は悪魔の所感である。

 ※アルファベットによる五段階評価《A・B・C・D・E》……《+》はワンランクアップを意味する。大雑把な話《E+ランク》は《Dランク以上かそれ以下》を意味する。《D++ランク》は《Bランク以上かそれ以下》を意味する。つまり《+》とは“出力の不安定さ”も意味している。故に良くも悪くも、感情が昂れば御の字、絶望すれば炎力(パワー)は最低値を叩き出す。

 ※アルファベットの未記入は「“実質的に”その属性を有していないこと」を意味する。“極めて微弱”程度には有しているが、戦闘では役に立たない炎力(パワー)であるため、“戦闘実質的に見れば無いに等しい”という意味合いである。──ただし、精製度の高いリングがあれば、その限りではない。

 

  環いろは:大空D 嵐 雨 雷 晴D 雲 霧 ■(花)C++ / 覚悟△

   環うい:大空D 嵐 雨 雷 晴D 雲D 霧D ■(花)C++ / 覚悟△

 七海やちよ:大空 嵐 雨A++ 雷 晴 雲 霧 ■(月)EX / 覚悟○

  由比鶴乃:大空C+ 嵐B 雨 雷 雲 霧 / 覚悟○

 深月フェリ:大空 嵐 雨 雷 晴 雲C+ 霧 / 覚悟△

  二葉さな:大空 嵐 雨 雷C++ 晴 雲 霧 / 覚悟△

 

    黒江:大空 嵐 雨D 雷 晴 雲D+ 霧D 泥C / 覚悟△

 

 鹿目まどか:大空C 嵐 雨 雷 晴C 雲 霧 ■(花)B++ ■(星)EX / 覚悟○

 暁美ほむら:大空 嵐 雨 雷 晴 雲C+ 霧 ■(時)- / 覚悟○

 百江なぎさ:大空E++ 嵐 雨 雷 晴 雲C 霧C / 覚悟○

  佐倉杏子:大空 嵐B++ 雨 雷 晴 雲B 霧B / 覚悟△~◎ ※プライドを捨てているとムラがある。

  千歳ゆま:大空 嵐 雨 雷C++ 晴D 雲 霧 / 覚悟○

 美樹さやか:大空 嵐 雨C++ 雷 晴 雲 霧 / 覚悟△

   巴マミ:大空B 嵐 雨 雷C 晴C++ 雲 霧 / 覚悟○

 

 十咎ももこ:大空 嵐C+ 雨 雷 晴D+ 雲 霧 / 覚悟○

  水波レナ:大空 嵐 雨C++ 雷 晴 雲 霧 / 覚悟○

 秋野かえで:大空E+ 嵐C++ 雨 雷D 晴 雲 霧 大地E++ / 覚悟○

 

 鼓星かずみ:大空C 嵐E+ 雨 雷 晴 雲B 霧D / 覚悟○

  綾野梨花:大空 嵐C+ 雨 雷 晴 雲 霧 ■(恋)B+ / 覚悟○~△

 竜城明日香:大空 嵐 雨B 雷 晴 雲E++ 霧 / 覚悟○

  夏目かこ:大空 嵐 雨 雷C++ 晴 雲 霧 / 覚悟○

  千秋理子:大空 嵐 雨A+ 雷 晴B 雲 霧 / 覚悟△

 アシュリー:大空 嵐B 雨 雷 晴 雲C+ 霧 / 覚悟△

 入名クシュ:大空 嵐B+ 雨 雷 晴 雲C 霧C / 覚悟○

 

 

 アリナ・グ:大空 嵐 雨 雷A++ 晴 雲 霧 ■(死)- / 覚悟○

 御園かりん:大空D 嵐D 雨 雷 晴C 雲E++ 霧 / 覚悟△

 

  梓みふゆ:大空E+ 嵐 雨E+ 雷 晴 雲C 霧B / 覚悟○

  天音月咲:大空 嵐C++ 雨 雷 晴D 雲 霧 / 覚悟○

  天音月夜:大空 嵐C++ 雨 雷 晴 雲D 霧 / 覚悟○

 

 

 美国織莉子:大空C 嵐 雨 雷E+ 晴 雲 霧 ■(?)B / 覚悟○

  呉キリカ:大空 嵐 雨C 雷 晴E+ 雲C 霧 / 覚悟○

 

 和泉十七夜:大空 嵐E→D+ 雨 雷 晴C 雲 霧 夜A / 覚悟○ ※瞳の色が吸血鬼化で赤に。

  和泉壮月:大空C 嵐 雨 雷 晴D 雲 霧 / 覚悟○

 八雲みたま:大空 嵐 雨C+ 雷 晴 雲 霧D ■(?)E+ / 覚悟○

 八雲みかげ:大空 嵐 雨C+ 雷 晴 雲D+ 霧 / 覚悟△

 

 常盤ななか:大空 嵐B++ 雨C 雷 晴 雲 霧 / 覚悟○

   純美雨:大空 嵐 雨B++ 雷 晴 雲 霧 / 覚悟○

 志伸あきら:大空E++ 嵐 雨C+ 雷 晴 雲 霧 / 覚悟△

 

  都ひなの:大空 嵐 雨 雷B++ 晴 雲 霧 / 覚悟○

 木崎衣美里:大空C 嵐E+ 雨 雷 晴 雲D 霧 / 覚悟○

 五十鈴れん:大空 嵐 雨C+ 雷 晴 雲D 霧E+ / 覚悟△

 

  粟根こころ:大空 嵐 雨 雷C+ 晴C+ 雲 霧 / 覚悟△

 加賀見まさら:大空 嵐 雨B++ 雷 晴 雲 霧 川C++ / 覚悟○

  江利あいみ:大空C++ 嵐D 雨 雷 晴 雲 霧 / 覚悟△

 

  桐野紗枝:大空 嵐D 雨C+ 雷 晴 雲B 霧 / 覚悟○

 由貴真里愛:大空 嵐 雨B+ 雷 晴 雲 霧 / 覚悟○

 

 胡桃まなか:大空C++ 嵐 雨 雷 晴 雲 霧 / 覚悟△

 若菜つむぎ:大空 嵐 雨C 雷C++ 晴 雲 霧 / 覚悟△

 

  阿見莉愛:大空 嵐C 雨 雷 晴 雲C 霧E++ / 覚悟△

   梢麻友:大空 嵐 雨C+ 雷 晴 雲 霧 / 覚悟△

 史乃沙優希:大空C+ 嵐 雨 雷 晴D 雲 霧 ■(花)E+ / 覚悟△

 

 美凪ささら:大空 嵐C+ 雨 雷 晴D 雲 霧 / 覚悟○

   恵萌花:大空E+ 嵐D 雨 雷D 晴 雲 霧 大地C / 覚悟△

 七瀬ゆきか:大空 嵐C+ 雨 雷 晴D 雲 霧 / 覚悟△~◎ ※ギャンブルなら“覚悟”完了

  空穂夏希:大空D+ 嵐 雨C+ 雷 晴 雲 霧 / 覚悟△

 

   保澄雫:大空 嵐 雨 雷 晴D 雲C++ 霧 / 覚悟○

  ふーにい:大空 嵐 雨 雷 晴 雲D 霧 / 覚悟○

 

  相野みと:大空D 嵐 雨 雷D 晴 雲 霧 大地C / 覚悟○~△

 桑水せいか:大空 嵐 雨D++ 雷 晴 雲 霧C / 覚悟△

 伊吹れいら:大空 嵐C+ 雨D+ 雷D 晴 雲 霧 / 覚悟△

 

   水樹塁:大空 嵐E+ 雨 雷C 晴 雲D 霧E+ / 覚悟○

 

  遊佐葉月:大空 嵐D 雨 雷E+ 晴C++ 雲D 霧 / 覚悟△

 静海このは:大空 嵐 雨D 雷 晴 雲C+ 霧E+ / 覚悟△

 三栗あやめ:大空 嵐D+ 雨 雷C+ 晴C+ 雲 霧 / 覚悟△

 

 古町みくら:大空 嵐 雨C 雷 晴 雲D+ 霧D+ / 覚悟△

 吉良てまり:大空 嵐 雨C 雷 晴 雲 霧E+ / 覚悟△

 三穂野せいら:大空E+ 嵐 雨D 雷 晴C+ 雲D 霧 / 覚悟△

 

 春名このみ:大空E+ 嵐 雨 雷C+ 晴 雲 霧 / 覚悟△

 毬子あやか:大空 嵐 雨C+ 雷 晴 雲D 霧 / 覚悟△

 矢宵かのこ:大空 嵐 雨 雷E+ 晴 雲D 霧C+ / 覚悟△

 眞尾ひみか:大空 嵐C+ 雨 雷 晴 雲 霧 / 覚悟△

 枇々木めぐ:大空 嵐C+ 雨 雷 晴E+ 雲 霧 / 覚悟△

   由良蛍:大空 嵐 雨C 雷C 晴 雲 霧E++ / 覚悟△

 真井あかり:大空E+ 嵐C 雨 雷 晴 雲E+ 霧 / 覚悟△

 香春ゆうな:大空C++ 嵐 雨 雷D 晴 雲 霧 / 覚悟△

 

  牧野郁美:大空D++ 嵐 雨 雷 晴 雲D 霧 / 覚悟△

   観鳥令:大空 嵐D+ 雨 雷C 晴E+ 雲 霧 / 覚悟○

 

 

 雪野かなえ:大空 嵐C 雨 雷 晴 雲D+ 霧 / 覚悟○ ※故人

  安名メル:大空 嵐 雨 雷C++ 晴 雲 霧 / 覚悟○ ※故人

  天乃鈴音:大空E+ 嵐B+ 雨 雷 晴C 雲 霧 空虚E+ / 覚悟○ ※故人

   美琴椿:大空C 嵐B+ 雨 雷 晴 雲 霧 / 覚悟○ ※故人

 

 

  笹川京子:大空 嵐 雨 雷 晴 雲 霧D / 覚悟△

  三浦ハル:大空 嵐 雨 雷D 晴 雲 霧 / 覚悟△

 

 シトピ隼人:大空 嵐B 雨D 雷D 晴D 雲D 霧 / 覚悟○

  水野むく:大空 嵐 雨B 雷 晴 雲 霧 / 覚悟○

   ランボ:大空 嵐 雨 雷B 晴 雲 霧 / 覚悟△

  笹川了子:大空 嵐 雨 雷 晴B 雲 霧 / 覚悟○

 恭弥アーデ:大空 嵐 雨 雷 晴 雲EX 霧D / 覚悟○

 ジュリー凪:大空 嵐 雨 雷 晴 雲 霧C++ / 覚悟○

 

   六道骸:大空 嵐 雨 雷 晴 雲 霧A / 覚悟○

 

   バジル:大空 嵐 雨C 雷 晴 雲 霧 / 覚悟○

   フゥ太:大空D 嵐 雨 雷 晴 雲 霧 / 覚悟△

  イーピン:大空 嵐 雨 雷 晴B 雲 霧 / 覚悟△

 

 

 リヴィア・:大空 嵐 雨 雷 晴 雲B+ 霧D+ / 覚悟○

 篠目ヨヅル:大空 嵐 雨C+ 雷 晴E+ 雲 霧D / 覚悟△~○

 佐和月出里:大空C+ 嵐C 雨E+ 雷 晴 雲 霧D / 覚悟△

 

  紅晴結菜:大空E+ 嵐C 雨 雷 晴D 雲 霧E+ 夜C 鬼B / 覚悟○

 煌里ひかる:大空E++ 嵐 雨 雷 晴C 雲B 霧 / 覚悟○

 智珠らんか:大空 嵐C+ 雨 雷 晴 雲 霧 / 覚悟○

  大庭樹里:大空 嵐B+ 雨 雷 晴 雲 霧 / 覚悟○

  笠音アオ:大空 嵐 雨B 雷 晴 雲E++ 霧 / 覚悟△

 鈴鹿さくや:大空 嵐 雨 雷C+ 晴 雲 霧E+ 森E+/ 覚悟○

 

  氷室ラビ:大空 嵐E++ 雨 雷B 晴 雲 霧 / 覚悟○

   三浦旭:大空E+ 嵐 雨 雷 晴D+ 雲C 霧 / 覚悟○

 栗栖アレク:大空C++ 嵐 雨 雷 晴 雲 霧 / 覚悟○

 有愛うらら:大空 嵐 雨D 雷C 晴C 雲E++ 霧 / 覚悟○

 里見那由他:大空 嵐 雨 雷 晴 雲C 霧E++ / 覚悟○

 

  里見太助:大空D 嵐 雨 雷 晴 雲 霧 / 覚悟○

 

 

 

「なお死ぬ気の炎を灯せる者は、水見式で性質訓練を行ない、何が出来るか実験して戦闘に役立てるように。ちなみに魔法少女健康法を覚えているか? 死ぬ気の炎はSP(スタミナ)を消費する。魔力と死ぬ気の炎は同じ性質を持ち、エネルギーの密度も変わらない。つまり死ぬ気の炎を使えば魔力の節約になる。キリサキさんこと天乃鈴音は、戦闘で性質を使いたいが魔力は節約したいといった場合、常に死ぬ気の炎で代用していた。お前らも魔力と死ぬ気の炎の使い分けさえ出来るようになれば、普段の二倍の戦闘継続が可能となるだろう」

 

 静謐に満ちた座敷。有用な知識を前に、ひとまず猜疑心より好奇心・探究心が刺激された生徒たちが授業内容を頭に入れようとする。

 

「いいぞ。その調子で次の授業に突入する」

 

          †

 

 七時限目。座学────【武道:魔法少女戦術式目(戦法種類・魔法開発・回想魔法・合体魔法)】

 

「これより魔法戦闘の定石とも言える知識を提供する。型にハマった教えとなるが、根幹部分を成すだけに無視できない基礎教養だ。体系化された知識は、敵への対策会議や作戦立案の際に、円滑なコミニュケーションとなって意思疎通を助ける。──ではまず“戦法(タイプ)”からだ」

 

 悪魔はホワイトボードに図を貼る。

 

 

 

【タイプ/戦法】

 アタック/バランス/ヒール/サポート/マギア/ディフェンス/エクシード/

 攻撃型/ 平均型/ 回復型/支援型/ 必殺型/ 防御型 /  超越型 /

                                例外型/

 

 

 

「タイプは全部で七種類。自分の得意な戦闘スタイルに合致したものを、自分のタイプと明言しろ。これに最も得意な魔力属性や固有魔法の特徴をわかりやすく付け加えた一文を肩書きとする。たとえば環いろはの場合、今のところ最も得意な魔力が光属性で、固有魔法は《治癒》、そして魔法武具はクロスボウであることから“光の回復型シューター”という肩書きを付けることができる。……わざわざこういった肩書きを作る理由は、ひとえに役(・)割(・)分(・)担(・)を(・)明(・)確(・)に(・)す(・)る(・)ためだ。チーム行動で自分に何が出来るかを周知させておくのは大切なことだからな」

 

 悪魔はさらに例を挙げる。たとえば、みかづき荘の場合────

 

    環いろは:光の回復型射手(ヒールシューター)

   七海やちよ:水の攻撃型万能手(アタックバランサー)

    由比鶴乃:火の必殺型痛撃手(マギアコレクター)

 深月フェリシア:闇の暴走型攻撃手(ブルアタッカー) ※本来は《忘却型攻撃手(フォーガットアタッカー)》である。

    二葉さな:木の隠密型盾手(インビジブルシールダー)

     環うい:魔の回収型搦手(リコールバランサー)

 

 ────となる。

 

「これはそれなりにバランスの整ったチームと言えるだろう。命令無視常習犯(深月フェリシア)と絶対的弱者(環うい)というお荷物がいるのは度し難いが、及第点はギリギリでクリアしていると言えなくもない役割分担だ。まぁまぁのチーム編成と言える。このようにチームを組んでいる魔法少女は、自分たちの役割分担を意識してチーム行動をブラッシュアップするように。元からソロで戦うことが多い者は、初見でチームを組む相手に自分の役割が一言でうまく伝わるよう、肩書きを作っておくように。少し時間をやるから考えてみろ」

 

 悪魔は五分ほど待機する。やがて全員が一応の肩書きを作成したことを直感したところで、次の内容に入る。

 

「そろそろ次に行く。今度は同じ“戦法”でも、魔力の運用についてだ」

 

 悪魔は図を貼る。

 

 

 

 ブラスト:魔力爆発。一点攻撃で爆ぜる。別名、範囲攻撃。

 アクセル:魔力加速。攻撃回数を増やす。別名、必殺ゲージ溜め。

 チャージ:魔力充填。次点攻撃に備える。別名、ちから溜め。

 

 

 

「これは基本的な魔力運用法だ。格ゲーで例えるなら、ブラストは強攻撃。アクセルは弱攻撃。チャージは溜め攻撃や投げといった特殊行動だ。ピンとこない奴は、ほかの魔法少女に教えてもらえ」

 

 悪魔は疾く進める。

 

「次は“魔法開発”だ。基本的に魔法の開発は、固有魔法からの派生で生み出していく手法が現実的だ。これを派生魔法と呼ぶ地域もあるが、オレは修得魔法と呼んでいる。だが魔法開発は上級者でも難しい。一朝一夕で開発できるものではない。なにより基礎レベルの魔法戦闘すら出来ない弱者が新たな魔法を修得したところで意味がない。豚に真珠をくれてやった方が遥かにマシだ。故に、今回の道場では開発まで導くことはしない。ただ開発方法だけは授ける。それは死ぬ気の炎を灯す為に必要な“覚悟”と同様、ただ祈(・)れ(・)。……必要なことは、それだけだ」

 

 悪魔は八雲みたまに視線を送る。

 

「次に移る。ところでお前らは“回想魔法(メモリア)”という調整屋特有の魔術礼装を知っているだろうか」

「おい悪魔ぁ! そんなことまで教えんなや! うちらの商売あがったりやろがい!!」

 

 不意にピュエラケアのリーダーたるリヴィア・メディロスからヤジが飛んでくるが、悪魔は気にせず話を進める。

 

「回想魔法とは、対象の記憶の中に輝く“大切な思い出”を“魔術礼装・希望結晶(メモリア)”として抽出する調整魔法の一種だ。このメモリアをソウルジェムに装着ならぬ“霊着(れいちゃく)”させることで、ソウルジェムの性能を向上させる効果が期待できる。時には、固有魔法に匹敵する特殊能力がメモリアに宿る場合もあるため、修得魔法とは別に、簡単に新たな魔法級の効果を獲得できる便利な強化要素でもある」

 

「ただしお値段は高めで、私の機嫌とコンディションが最高潮のとき限定、かつ、一度にグリーフシードを何個か貰いま~す! それでも必ず成功するってわけじゃないし、下手すれば嫌な記憶を結晶化させちゃうかもしれないから、気をつけてねぇ~」

 

「みたまはふざけて言っているように聞こえるが、調整とは対象の心を覗く行為だ。人の心とは希望と絶望が渦巻く清濁が津波の如く併せて押し寄せて、それを見た者の人格を著しく破壊する精神災害となる。故に調整屋は自らの心に蓋をし、自我を殺し、無心で調整する必要がある。それでも危険がつきまとう。少しでも対象の記憶に同情できる余地があれば、対象の心の闇に取り込まれて二度と帰ってこられないからだ。そういう命懸けのデメリットもあって、調整屋は回想魔法の安売りはしない」

 

「それでも魔法少女にとっては安易で簡易な強化方法だから、こぞって回想魔法を要求してきて、調整屋としては困っちゃうのよねぇ~。予約が百年先まで埋まっちゃうくらい大盛況すぎて、逆に重荷になって全然メモリアが抽出できなくなっちゃうの。だから今まで秘密にしておいたんだけど……事情があって明かすことにしたわ~」

 

 八雲みたまの心中には罪悪感が渦巻いている。今更だとしても、マギウスに与した罪を、命懸けで償いたいようだ。

 

「これもまた調整屋にとって多忙で過労死する忙殺具合が予想されるため、今回の道場では“メモリア”という存在のみ言及して終わる。……ついでだが、あまり調整屋に負担をかけないためにも、調整やメモリアの件で少しでも調整屋に申し訳ないと思うなら、自(・)力(・)で(・)強(・)く(・)な(・)れ(・)。そして独りで魔女を倒しグリーフシードを獲得できる強者だけが、調整屋に正当な報酬としてグリーフシードを支払ってメモリアを手に入れるといい。──弱者は恵まれず、強者だけが強くなる特権を得る世界。理不尽と思うだろうが、それが現実だと、まずは知ることだ。そして、もし弱者なのに特権を得る機会に恵まれている者は、自身が破格の幸運であることを自覚せよ。そして、弱者が虐げられる世の中はおかしいと思う強者は、ぜひ弱者が強者になれる世界を作り上げてくれ。あるいは弱者に手を差し伸べるのが当たり前の世界を────、。」

 

 かくて悪魔は最後の要素に触れる。

 

「最後は必殺魔法(マギア)だ。魔法少女としての切り札。魔法戦闘において一発逆転の可能性を秘める唯一無二の決め手。大抵の魔法少女は、単に莫大な魔力を圧縮して放つだけの事が多いが、魔法や魔力性質と武具を巧みに組み合わせることで、少なくない必殺魔法を開発できる。これもまた宿題とする。何度も言うように、基礎修練すらなっていない者が大技を覚えても無駄打ちするだけだ。────というわけで、ようやく実践に移る。次の授業を楽しみにしておけ。これより三十分の休憩を取る。意識分解睡眠法で今の授業内容を定着させ、次の“畳の蹴落とし合い”に備えるように」

 

          †

 

 生徒の半数が眠っている間、悪魔を警戒して起きている生徒に向かって余談を話す。

 

「退屈だから豆知識として、7.5限目【魔力の鋭性・鈍性について】を説明しようか」

 

 悪魔は天乃鈴音の遺品を手に取る。

 

「鋭性魔力とは、魔力に“鋭さ”という性質を持たせたものだ。反対に、鈍性魔力は、魔力に“鈍さ”を持たせたものだと思えばいい。これは修得魔法同様、ただ“祈る”だけで可能となる。コツは要るだろうが、そもそもソウルジェムは魂であり、魔力は精神力と直結する以上、意思の力によって技術(魔法・魔力)を成し遂げるのは当然のことと言える。死ぬ気の炎も“覚悟”で灯るように、祈るという精神行動は馬鹿にならない。陰陽普遍。心身相互。病は気から。体は心から。あちらを立てればこちらが立たず。特に魔法少女は絶望して魔女化しないよう、精神修養は怠らないことだ」

 

 悪魔は逸れた話を元に戻す。

 

「キリサキさんこと天乃鈴音は、魔力の鋭鈍性質について熟知していた。相当な勉強と修練を積まねば、あの境地には辿り着けない。それほど優秀な師匠が居たということだ。彼女は魔法戦闘においてプロと言えるほどの力を身につけている。さながら魔法界の殺し屋。ただひたすらに魔法少女を秒殺することに特化した魔法少女だ。鋭性魔力はソウルジェムを砕くために、鈍性魔力はソウルジェムを砕かれないために。鋭いとは魔力が突き刺すように激しく、鈍いとは魔力が固く柔らかく壊れにくいことを意味している。これを使いこなすのは一人前でも難しい。一人前を超えた境地にたどり着きたいと思う者だけ、この話は心に留めておけ。オレもさすがに、ここまではお前らに求めない。それより新たな魔法を開発した方が有意義だと勧めるほどには、鋭性・鈍性とは、天才と超のつく努力家にしか許されない高難易度の技巧だと言っておこう」

 

          †

 

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