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あつい、かゆい。
私は彼女の言葉を信じるべきかを迷ったが、本能ではそれだけで腰が砕けそうになっていた。刺激を求めて浮き上がる腰、でも、結局身体は固定されているから動かなくて、ぴくぴく、と自らで跳ねるしかない。
「うわぁ、洪水みたいって、よくえっちな漫画で見ることはあるけど、本当にそんな感じだよお姉ちゃん」
彼女の声が下腹部に近い。ご褒美をくれる、という言葉は本当なのかもしれない。嬉しい。でも、蜜柑の言っていることはもうどうでもいい。恥ずかしさなんて知らない。
熱い、かゆい。
「ね、ねえ、お願い、触って? なんかね、熱くてね、かゆいの。乳首、すっごくかゆいの。お願いだから──」
「──やっぱり、ようやくローションが効いてきたんだ、よかったー!」
彼女の声はだんだんと近づいてくる、胸の近く。触ってもらえる、触ってもらえる。そんな嬉しさが強くなる。鼓動が激しくなる、どくどくする。
でも、それでも引っ掛かる単語。けれども、そんなのどうでもいい。私は彼女が触れてくれることに期待して、何も言わないまま、……それでも小さい吐息を絶え間なく繰り返しながら、静かに待つ。
──そして、唇に柔らかい感触。
「──んふっ」
今日一度も触れられなかった唇、その中。
強引にすべてを撫でるように、うごめく何かが口の中で動いていく。
息が口の中に入る。彼女の、蜜柑の声が内側から聞こえる。くすぐったい、気持ちいい。
れろ、れろ、と私の舌を探すように、無理に蜜柑の舌が私のそれを探す。私はそれに応えるように、舌を突き出すようにして──。
「れろれろ、ちゅっ、ちゅっ」
唇だけで交じり合うように、互いに舌を絡めては、唾液を交換していく。
気持ちがいい、心が満たされる。
──でも、それだけじゃ、足りない──。
「ぷはぁっ」と蜜柑は私から唇を離していく。何度か呼吸を整えた後、「本当にお姉ちゃんは可愛いね」と伝えてくれる。お姉ちゃん、という単語を聞く度、素面になろうとする理性があったけれど、それ以上に──。
熱い、かゆい。
「──さっきお姉ちゃんに使ったローションはね、すっごく特製らしいの」
そして、彼女は答え合わせをするように語る。
熱い、かゆい。いいから、さわってほしい。
「なんでも、わざとかゆくなる成分が入ってて、身体が熱くなるんだって。確か、唐辛子の成分? が配合されてるんだって。それも、人の肌に配慮されてるやつ。きちんとネットを使って調べて──」
「──わかった、わかったから──」
「──それでね、私思ったの。ほら、かゆいところを掻くとなんか気持ちがいいじゃん? それをお姉ちゃんに使って、そのあと触ってあげれば、すっごーく気持ちよくなれるんじゃないかなって。ほら、媚薬? とかもあるらしいけど、正直あんなの怪しいじゃん? だから──」
彼女は話を続けるだけで未だに触れようとはしてこない、だから──。
「──いいからっ、さわって、さわってっ、ねぇっ!」
私は、目の前にいる彼女に、大きな声でそう言った。
「……んもー、せっかく説明しているのになぁ」
少し不服そうな声、でもにやりとしているのが言葉端で伝わってくる。そして──。
──電流が走ったような、そんな感覚。
「んぁぁあっ?!」
──乳首、乳首を指先でつかまれている、確かにつかまれている。つかまれて、指先同士で圧し合うように、より強くつままれている。
「めっちゃ気持ちいいでしょ」
ぐいっ、ぐいっ、と乳首を伸ばすようにつまんでいく。引っ張って、引っ張って──。
「でも、痒いなら掻いてあげたほうがもっと気持ちいいよね──」
──こり、こりっ、こりっ。
「──やぁっはぁ」
──蜜柑の爪が、指よりも硬い爪で、弾かれているような、そんな感覚。
それは、ぴんと弾くように、そうかと思えば痒い所をきちんと把握して、そして掻くように。
こり、こり、かきっ、かきぃ──。
「わっ、めっちゃ腰弾んだね? やっぱいいでしょ?」
「う、うんっ、いいっ、いい、けどっ、もっと強く、かいて、かゆい、かゆいから」
わかった、という蜜柑の声に合わせて、より強くつままれる感覚──。
「──あァァッ!」
本来なら痛いと感じるくらいにつままれているはずなのに、それでも心地がいい、気持ちがいい。乳首だけを、それだけを触られているというのに、背中に伝う快楽は膣内まで伝わるように──。
「あはっ、すごいっ、すごいよお姉ちゃん。まだイってないと思うけど、少しだけお漏らししてるよー?」
「だって、気持ちい、気持ちいんだも──、あぁぁぁぅ?!」
がぶっ、という感触。
がじ、がじ、とひとつの乳首が歯に挟まれて、ねじられるような痛くなくて、気持ちいい感覚
「んふふ、ひゃあ、もっほつよふすふね(じゃあ、もっと強くするね)」
「うん、うん、もっと噛んでっ」
そして、私の言葉の通りに、噛む力は強くなる。はぐっ、と音が聞こえる。先端が白くなるような、色だけの感覚。圧力があることを感じて、それと同時に走る掻いてもらっている心地よさがある。
「──ぷはっ、結構からいな、これ……」
彼女はそう言葉を漏らしながら、そうして一方の乳首の方も食んでいく。
「──あっ、あっあああっ」
段階的に、徐々に徐々にと、噛む力は強くなる。はむ、はむ、と甘噛みする唇から、歯が露出して、そして私を食べるみたいに先端だけを齧る蜜柑の姿が頭に思い浮かぶ。
その間にも、彼女の手は止まることはなく、空いている乳首をいじめてくれる。それが、心地よくて、気持ちよくて、たまらない。
乳首だけが気持ちいい。でも、切ない。気持ちいいけれど切ない。これ以上ないほどに直接的な刺激があるけれど、でも足りない。乳首だけじゃいけない。気持ちいいけれど、そうじゃない、もっと──。
「腰が弾んでるね? そろそろ欲しい?」
私の心を読むように、彼女はにやにやとした声音でそう聞いてくる。
あそこがかゆい、おまんこが熱い。掻いてほしい、触って欲しい。
うんっ、うんっ、と私は頷いて、彼女が動いてくれることに期待をする。でも「わっかんないなー?」と蜜柑は言葉を吐いた。
「お姉ちゃんは何が欲しいの?」
「ゆび、指ほしいっ!」
「誰のー?」
「み、蜜柑の指! 蜜柑の指がほしいの!」
「……どこにぃ?」
わかってる上で、それを焦らすように。
「おまんこっ、おまんこに欲しいよぉっ!」
そして、躊躇うこともなく、入れてほしい一心で言葉を吐く。
「……いいよ」
──にゅるうううう。
「──あっ……」
──彼女の受け入れてくれる声と同時に、私の中に入ってくる異物の感触。
──きた、きてる、きた、きた、はいってる、はいってきてる。
「お姉ちゃん、本当に私の指、大好きだもんねぇ」
にゅる、にゅる、と指の移動だけを繰り返す──。
「すき、すきっ」
でも、移動だけ、移動だけじゃ足りない。
あつい、かゆい、かゆいから引っ掻いてほしい。いつもみたいに、私の気持ちいいところだけを、蜜柑だけが知っていて、私では届かないところを、いっぱい引っ掻いてほしい──。
「うんうん、わかってる。今、お姉ちゃんの指も『もっと激しくしてぇ』って泣いてるもん。……だから──」
──ぐにゅり、ぐにゅり、ぐにゅぐにゅぐにゅ──。
「──それぇ!! それしてぇ! もっと、もっと──」
「うん、うん。もっと、もっと引っ掻いてあげるね──」
何も見えない、でも頭の中で想像する自分の膣内。狭いだけの場所が、蜜柑の指によって、中指によって、より上を引っ掻くように、つん、つんと指先だけで押してくる。ピンポイントに、気持ちいいだけの場所を──。
「──ずりゅりゅりゅりゅりゅ」
「──あぁっ!! クリ、クリもすき、すきすきぃ」
膣内で指が引っ掻かれる。かゆいところがやわらかくなる。大きくなっていたクリトリスのかゆみが、蜜柑の口によって楽になる。
「──はみっ、はみっ、かりっ、かりっ」
「──んんっ! あっ、もっと、もっと強く、して、していいからっ」
甘噛みする唇の柔らかさ、歯でこするような感触。そして、私がお願いしたとおりに強くなっていく齧った圧力。
その間でも、私の膣内にある彼女の指は、ずっと私が求めていたことをし続けていて、ああ、私は幸せだなって、なんか、そう思った──。
「──もうすぐイキそうだね? どこでイキたい?」
指で私の膣内の感触を確かめながら、蜜柑はそう聞いてくる。
「なかぁ! なかがいいっ、いつもみたいに、蜜柑の指で──」
「……わかった」
──ぐりゅり、ぐりゅり、ぐりぐりぐり、ぐにゅうり、ぐにゅうり。
ただ引っ掻くことだけを意識した指使い。そこだけが刺激されて、意識はそれだけに引っ張られていく。
「じゃあ、カウントダウンするよ? いい? 私がゼロって言うまで、絶対にイっちゃだめだからね」
「わかった、わかったぁぁぁ──」
もう叫び声にしかならない返答、気持ちがいいことだけに頭が震えて、手にもそれが伝染して、上の方でガチャガチャと言っている。
「……ごー」
私の中に入っている指が大きくなる。ぐり、ぐりぃ、と爪を立てるように、でも指の腹でしかない優しい圧力──。
「……よーん」
指が大きくなっているように感じたのは、きっと蜜柑が指を二つもいれたから、でも、私のあそこにそんなに入るなんて──。
「……さーん」
でも、どうでもいい、気持ちいい! もう、それだけでいいと思う。今は、今はそれだけでいいっ。姉とか妹とか、どうでも──。
「……にー」
引っ掻く力が強くなる。また、指が大きくなる。好きなポイントを引っ掻くだけじゃなくて、その反対側にも指が届いてる。あっ、三本目だっ、両手で三本入ってる──。
「………………」
──途端に、彼女の声が届かなくなる。
指は動き続けている。すごい、うごめくように私の膣内を遊び続けている、でも、もうすぐいっちゃう、いっちゃう──。
「──ね、ねっ、はやく、はやくっ」
「…………」
「い、いーちっ、いーっちって、ねっ、お願い、もう──」
──我慢できない、そんな頃合いで──。
「──いちっ」
「あっ──」
────ぐにゅり、と引っ掻く力が最大限に強くなった。
ぐい、ぐい、と膀胱にさえその圧力が届くように、それは指先に押されて、膨れ上がるように──。
──……イくっ。
──頭が、眩暈が、起こるような、衝撃。
こらえてきたものが報われるような、そんな爆発みたいな背中をなぞるだけの、苦しいとも似通う感覚。
何かが流れている、わからない、まっしろだ。ぷしっ、ぷしっ、と下腹部から勢いよく何かが流れている気がする。
あっ、目が上を向きそう、なんだか、ふわふわする、びりっ、ってびりりぃ、ってずっと身体の中で、甘くしびれる感覚が、電流が足先から頭を伝って、すっごい気持ちいい──。
──イっても指は止まらない、止まらないまま、イっているリズムで、そのたびに気持ちいい指圧をくれる──。
「ゼロ……、って、あれれー?」
──蜜柑が何か言ってる、でも指はそのまま動かしてくれる、少しずつ緩やかなリズムに、おさえた圧力になって、やわらかく──。
──そして、指は止まった。
あれれー? おっかしいぞー?(すっとぼけ)