◇→蜜柑視点
□→柚子視点
という感じです。たまに黒くなったりしているのは雰囲気です。
それを踏まえたうえで今回おたのしみください!
◇
私の中に入っている指が、私が絶頂を迎えるたびに震えてくれる。いや、きっとそれは震えとかではなく、指先を折り曲げて、中の肉をえぐるようにしているんだろうけれど、それが私の絶頂をより深くさせる要素があって、私はだんだんと息が狭くなっていくのを感じた。
(やっ、ばぁ……)
お姉ちゃんから攻めてもらえる、というだけで正直わくわくが止まらなかった。お姉ちゃんの言葉通りに期待を大きくしていたわけで、それがかなう形になったのがとてもうれしい。
けれど、これは期待以上のものだった。お姉ちゃんはいつも私からの手ほどきを受けている状況でしかなかったから、攻めてくれても大したものにはならない、と。絶頂に至るまでには私から身を委ねていかないと難しいのかな、とか、それくらいに考えていた。
でも、実際にはそんな想像は裏切られていく。いい意味で、本当にとてもいい意味で。
(お姉ちゃんがここまで本気でいじくってくれるだなんて、思いもしなかったなぁ)
感慨深い気持ちになりながら、私の中で折り曲げられていく指先の感触を楽しむ。その指先は私が感じるポイントを的確に刺激し続けていて、未だに鼓動と絶頂が重なるタイミングを狙って、執拗にえぐり続けてくれている。
ああ、頭が真っ白になる。カラオケでこんなことしちゃいけないのに、それでもこんなことをしている自分が、お姉ちゃんが、とても楽しくてうれしい。いつも攻めに回っているからこそ、なんとも言えない感情が自分の中に回っているのがわかる。正直、この思い出だけで半年はオカズにできるんじゃないか。そんなことさえ思ってしまう。
流れているオケは二番目の方に入っていく。ここから歌で巻き返していく気力は私にはない。正直に負けを認めて、ここは素直にお姉ちゃんに勝ちを譲ってしまおう。そう思って、私はマイクを置こうとした。
──が。
「──まだ、終わってないよね……」
──より強く、私の中をひっかく指先の感触を、私は感じた。
□
どれだけイかされても、そのうえで絶頂を迎えるあの感覚を私は知っている。それがしんどいという感情を伴ううえで、それでも気持ちよさが倍増することを私はよく知っている。
未だに蜜柑が入れた楽曲は流れ続けていて、まだこの時間が終わっていないことを示している。
それなら、まだやらなくちゃいけない。
(もしかしたら、もう触らせてくれないかも、だし……)
せっかく彼女の体に触れることの楽しさを、うれしさを知ったのに、これっきりだなんてもったいない。けれど、蜜柑はいつも私の体に触れることばかりに注力しているからこそ、きっと今後は触らせてもらえないんだろうな、とか、そんなことを思ってしまう。
それなら、今のうちにもっと楽しまなくちゃいけない。後に悔いが残らないように、もっと、もっと蜜柑を楽しみたい。
私はそう思いながら、彼女の中に入れている指を、より強くひっかくようにしてみる。
「──んひぃっ?!」
「──イったあと、すごく敏感になるよね。なんか、糸が張り詰めてるみたいに、触ると音が鳴るみたいに」
でも、それが気持ちいいことを私は知っている。蜜柑が私にしてくれたことだからこそ、私はそれをよく知っている。
「だから、もっと、もっと気持ちよくなっちゃお? 気持ちよく、気持ちよーくしてあげるから、ね?」
「も、もうイった、イッたかりゃ──」
「──そう、もうイったからこそ、もっとイってみよ?」
ぐりゅ、ぐりゅと彼女の中にある、少しざらざらとしている部分を指先で押すように、ひっかくように。爪が彼女の中で当たらないように、なるべく指の腹で押すイメージで、しつこく、ねっとりと。
ぐりゅ、ぐりゅ、ぐりゅ。
「ねえ、みかんちゃん。下着がすっごいぐしょぐしょだよ? 手の甲がね、みずみずしいって感じがする」
「や、やぁ……」
「別に、恥ずかしいことじゃないんだよ? 私の指で、私で気持ちよくなってくれた証拠なんだから。私はとっても嬉しい──なぁっ」
「──ひぎゅっ」
彼女の胸を触っていた手を、彼女の下腹部のほうへと移動させていく。さすがに膣内にこれ以上の指を入れるのはいたそうだったから、今度は外側の、みかんちゃんのお豆を刺激することを意識しながら──。
──くに、くに、くに。ぐに、ぐに、ぐに。
──ぐりゅり、ぐりゅり、ぐりゅり。
指先で触れているすべてから、音が伝ってくるような感覚。
触れるたび、彼女の中の脈動が大きくなる。締め付ける力が強くなって、指でひっかくのが難しくなる。けれど、その締め付ける力もリズムがあるから、そのリズムが強くなるタイミングで、もっとぐりぐり、くにくに、と蜜柑のあそこで遊んでみる。
「ひゃ、あっ、んあぁっ」
触れるたび、力を入れるたびに、すべての反応が彼女の声から漏れていく。もうカラオケという建前は消え失せていて、蜜柑が握っているマイクはそのまま口から遠ざけられている。それでも、耳元で彼女の声を聴くことはできて、その度に、もっと気持ちよくしてあげたい、とそう思ってしまう自分がいる。
「……あっ、またイきそう? だんだんびくびくが激しくなってきてるよ……?」
「そ、そうでしゅ、イき、イきそう、で、……すっ」
「……そっかぁ」
蜜柑の、そんな声を聴いたから私は──。
「──ぇ?」
「……」
──指を、止めてみました。
□
「にゃ、にゃんで? ど、どぉしてゆび、とめるのっ」
まさしく猫なで声といえるような、蜜柑の声音。その声を耳に入れるだけで、へその奥がじんわりと窮屈になっていく錯覚を覚えてしまう。
懇願するように、希うように、彼女は体をじたばたとさせている。なんとか私の指の味を感じようと、腰を前後に振ろうとしてみたり、上下に動いてみたり。けれど、私はその動きに従って、彼女が何も感じ取れないようにしてみる。
「……」
「ど、どぉしてなんもいってくれないの、ね、ねぇ! おねえちゃん、おねぇちゃんっ」
──やばっ、か、かわいすぎる……。
きっと、一緒にラブホテルに行った時も、蜜柑は同じ気持ちだったのかもしれない。
私の指を、私の存在を求めてくれている。私だけの存在を求めてくれている。それも、自分が気持ちよくなりたい、という欲だけを唯一持って、その上ではしたない感情をもって、私のことを求めてくれている。
こんな猫なで声で、お姉ちゃん、なんて呼ばれたことはない。いつも、余裕ぶっているか、柚子、と愛想がないみたいに呼ぶ彼女が、本当に余裕をなくして、とことん媚びるみたいに私のことを、お姉ちゃん、と呼んでくれている。
──本当に、すっごくかわいい。
「イきたい? いじってほしい? もっと気持ちよくなりたい?」
悪戯をするみたいなそんな気持ちで、蜜柑にそう聞いてみる。答えなんて指先の締め付けで理解できているけれど、それでもそう聞きたくなってしまう自分がいる。というか、これは聞かなければいけないような気がする。
「イきたいっ、イきたいよぉ! せつない、せつないもんっ……」
「そうだよね、そうだよねぇ……」
わかる、わかるよ。こんな、もう少しでイけるかもしれない状況の中で焦らされたら、すっごく苦しいよね。子宮が縮んでいくみたいな苦しさがあるよね。わかる、お姉ちゃんも蜜柑に同じことをされたから。
でも、これはいじわるじゃないんだよ。いじわるじゃないの。きちんと、蜜柑から聞きたいから。蜜柑から声を、言葉を聞きたいからこうしてるんだ。
「だったら、お姉ちゃんからのお願い、聞いてくれる?」
「……! きく、ききます! おねえちゃんのお願い、きくっ!」
「うんうん、みかんちゃんは本当にいい子だねー」
よしよし、と頭を撫でてあげたい気持ちにはなるけれど、まだ私の手は彼女の秘部に近いし、なにより液体にまみれているからそうすることはできない。
でも、その代わりにきちんとお願いを聞いてくれたら、なんでもしてあげたい。
だから、言った。
「お姉ちゃん大好き、って言ってくれたら、イかせてあげる」
「──!」
□
「だいすき、おねえちゃんだいすきっ!」
間髪入れずに蜜柑はそう声を出してくれる。マイクなんてなくとも大声で、私の耳に愛を確かに伝えてくれる。
「みかんちゃんは本当にいい子だ──ねっ!」
「──あふぁっ」
彼女が私の望みを聞いてくれたのだから、私も蜜柑の望みをかなえてあげなければいけない。
蜜柑の中をひっかくように意識しながら、もっと奥に指が入るように角度をつけて、より押し込むようにしてみる。
きっと、本来なら届かないであろう場所。指先なんかでは届かないと思っていた場所。でも、その果てをこちらにつきつけるように、少しだけ固い肉の感触が、指先に届く感触。
「──あっあっ──」
「──お姉ちゃん、大好き、って何回も、何回も言ってほしいな」
「──おねえちゃんだいす、き。だいしゅき、おねえちゃん、らいしゅき、しゅき──」
「──もっと、もっと言って。言いながらイって、もっと、もっと」
ぎゅ、ぎゅう、と指先を締め付けてくる力が強くなる。
強くなるたびに、忘れないように彼女のクリトリスをつまんでみる。それはつまめるほどに大きいわけじゃない。濡れている指先ではすべって、ただそれをこする作用しか働かない。
でも、何度もつまもうとしてみる。
くり、くり、くり、くりぃ。
「──おね、え、ちゃん、だい、だいしゅ、きぃ、だいしゅ、きぃ──」
「──イく? イッちゃう? イくよね。もっと、もっと大好き、って。イくまでずっと言って。お姉ちゃん大好きって、イッても繰り返して。ずっとずっと、大好きって言い続けて?」
もっと、もっと蜜柑から大好きと言われたい。今みたいに余裕のない蜜柑に、ひたすらに懇願されたい。お姉ちゃん、と彼女から甘えられたい。
そんな願望から、私はしつこいくらいに彼女にそう言ってしまう。
「──おねえちゃん、だいしゅき、しゅき、しゅきでしゅ、だいしゅきでしゅ」
「──私も、蜜柑が大好きだよっ」
心の底から漏れた言葉。いつの間にか言葉にしてしまった感情。いつもだったら、仮初でしかそんなことは言わないのに。
それでも、本当だったから伝えた。蜜柑が可愛いから。今の蜜柑が大好きだから。
「────ひ、ぎゅ──」
──そして、より一層強くなる彼女の締め付け。
────手の中ではじけるみたいに跳ねる水音、そのぬくもり。
──────私の手を抱きしめるようにして、力いっぱいに握ってくる彼女の手。
「──おねえ、ひゃん、らいひゅ、きぃ」
蜜柑はイッても、私を大好き、と言い続けてくれた。
◇
「……採点不可、かぁ」
絶頂を迎えてしばらくした後、そうして撮っていたらしい採点画面を見せつけてくるお姉ちゃんの姿に、私はそう返すしかない。
「ふふ、今回はお姉ちゃんの勝ち、ってことでいいよね?」
お姉ちゃんはいつにも増して楽しそうな表情を浮かべていて、ルンルンと歌いそうなほどにはテンションが高くなっている。
「……うん、まあ、いいよ」
本当はおあいこでしかないわけで、勝敗なんて本来はないはずだけれど、期待以上のことをしてくれたお姉ちゃんに、私は勝ちを譲るしかなかった。
正直、もしここで点数が低く出たとしても、あらかじめ撮っておいたお姉ちゃんの絶頂姿と採点不可の動画を見せてしまえば言いくるめられるだろうな、とそう思っていたけれど、こればかりは私の完敗でしかない。
いつも、独りでしているときには潮なんて吹かない体質なのに、今日に関してはすっごくたくさん出してしまった。柚子みたいに、お姉ちゃんみたいに。
私がこんなことになるなんて、想像の欠片さえ存在していなくて、だからこそ期待以上のものを返してくれたお姉ちゃんには勝ちを譲るしかない。というか、もう逆にお姉ちゃんが私に対して何をお願いするのか、そっちのほうが気になるまである。
「わーい! やったー! 蜜柑ちゃんに勝てたー!」
お姉ちゃんは心の底からうれしそうに、元気な声でそう誇張する。
さっきまでこの人が私の中に指を入れて、私を攻めていた、とそう考えるだけで、なんか来るものがある。
しかも終盤あたりには──。
『──私も、蜜柑が大好きだよっ』
思いがけないタイミングで、お姉ちゃんから大好き、って言われたわけだし。
……やばい、思い出すだけでなんか──。
「──大丈夫? 蜜柑ちゃん、顔が真っ赤だよ?」
「な、なんでもないっ!」
私は感情を隠すように、そっぽを向いた。
──今までもお姉ちゃんのことは大好きだったけれど、それでも今日だけでもっと、……本当に心の底から、柚子のことが大好きになってしまっている自分がいる。それを実感する度に、なんとも言えない感情というか、恥ずかしさに似た感情が大きくなっていく感覚。
なんか、やっぱり負けた気分だ。いや、負けてしかいないんだろうけれど。
「は、はい! もう掃除しよ! このまま帰ったら出禁になっちゃうからねっ!」
「そ、それもそうだねっ」
私が誤魔化すようにお姉ちゃんへと声をかけると、事態を改めて理解したらしい彼女は、私と一緒に水浸しになってしまっているカラオケの床を掃除することにする。
……これ、全部私から出たものなんだなぁ。しかも、お姉ちゃんの手によって。
自分の体液だと思うたびにげんなりしてしまう私がいたけれど、それでもお姉ちゃんはニコニコとしながら掃除をしているから、別にいいか、という気持ちになれる。
そうして私たちはなんとか室内を丁寧に掃除し、元あった状況よりもきれいに仕上げてから帰宅したとさ。めでたしめでたし。
というわけで手マンカラオケ編、これにて完結です。
閑話休題としていながらも、なかなか濃厚なものを書いたな、と思っている自分がいます。それはそれとして逆転はいい文化、逆転による目覚めも、そして絶頂を迎えるときに繰り返される大好きコールも、全部が全部素晴らしい文化。
本当は次回からポリネシアンレズセックス編を書く予定でしたが、柚子ちゃんが勝利を制したため、次回は『???編』という風にさせてください。一週間前後で更新する予定なので、それまで楽しみにお待ちいただければ幸いです。
ではまた! よろしくお願いいたします!