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電話をかけたはいいものの、それから数分後、私は後悔することとなった。
夜の時間、しかもクリスマス当日であるにもかかわらず、普通に先輩は電話に出てくれた。ひどく疲れたような声が印象的だった。
電話に出てくれたのに、私は何から話せばいいのかわからなかった。普通に蜜柑とのことを話せればよかったけれど、この関係を公にすることには少しだけ躊躇いがある。
どうしたのー? と間延びする声に返そうとしたけれど、いまいち切り出し方がわからない。結局、電話をかけてからというもの、私から何かを相談することはできず、ちょうど時間を持て余していたらしい先輩の愚痴を聞くことになってしまった。
『それでさぁ、ひどくない? クリスマスにヤるだけヤって帰ったんだよそいつ。普通さ、そういう時こそ一緒にいるとかさぁ──』
延々と先輩の彼氏の愚痴を聞かされる。ほぼ無理やりみたいに犯されてしまったこと。そのまま中に出されたこと。クリスマスだから、と言い訳されて、それからすぐに出ていってしまったこと。
『ほんとありえないよねぇ』と愚痴り続ける先輩に対して、私は「ははは」と愛想笑いを浮かべることしかできない。自分からかけたにもかかわらず、もう切ってもいいかな、とか考え始める。
でも、そこで魔が差した。
「ええっと、その、……男の人と、……セックスするのって気持ちいいんですか」
『え?』
唐突な私の質問に先輩は唖然とした声を返したけれど『でもそっか。柚子、そういうこと詳しくないもんね』と苦笑して、それから詳しい話を聞かせてくれた。
本当は興味がない話。男の人とやるなんて、想像するだけでも気持ち悪いなって考えてしまう。
それでも、夢中で聞いた。
気持ち悪いと思っていることだからこそ、蜜柑にも同じ気持ちを味わわせることができるんじゃないか、って。
だから──。
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「ほら、証拠。ずっと先輩と喋ってたの。……もし、私が他の男の人に、……その、犯されてたとしたら、こんな履歴が残るわけないよね」
そうして私は先輩との通話履歴を見せながら蜜柑に説明する。それはホテルを出た後、ほぼ直後に電話が始まり、家に帰ってくるまでの間までの一時間越えの履歴。これほどまでに確実な証拠はないと思った。
でも。
「……うそだ」
それでも、私の言葉を信じてくれない蜜柑が、上の空でつぶやく。
「あっ、そっか。その先輩とえっちしたんだ。わかっちゃった。私に優しくするためにそんな嘘ついているんだ」
「……」
いや、この先輩、女子なんだけども……。
そう返そうとしたけれど、蜜柑はずっと信じてくれなさそうな雰囲気。どこか目も虚ろで、震えているような気がする。
──私が、誰かに取られたと思っただけで、こんなふうになるんだ。
そう思えば思うほどに、感じてはいけないはずの衝動が心に宿っていく。
──嬉しいなんて、思っちゃいけない。嬉しいけれど、こんな嘘で感じとっちゃいけない。
そんな後ろめたさ。だからこそ、蜜柑が私に嘘をついたことにも納得がいくような感覚。
絶対に、納得するつもりなんて、ないけれど。
「──それじゃあ、確かめてみる?」
「……え」
「私が、犯されたかどうか」
私は、そう言いながら、蜜柑を自室の方へと引っ張っていくことにした。
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それほどまでにリアリティのあることを話したのかもしれない。正直、何度もせんぱいから繰り返される話題が頭に染み付いて、ほとんど上の空で、それっぽい嘘をついてはみたけれど、その効果が覿面であることは、今の蜜柑を見ればよくわかる。
「じゃあ、脱ぐからね」
電気をつけ、暖房をつけた。まだ冷たい風がふいているなか、それでも蜜柑に犯されていないことを示すために、私はするすると服を脱いでいく。だが、蜜柑の視線はずっと上の空、……というよりも下ばかりを向いていて、私の肌には注目しようとしない。
きっと、見たくないのかもしれない。
その気持ちは痛いほどよくわかる。私もさっきのホテルでは同じきもちになっていたのだ。それでも、確かめたい気持ちが強くて、無理に触ってしまったけれど。
「ほら、脱いだよ」
寒い、と感じているけれど、ベッドに腰掛けている蜜柑に裸でそう声をかける。普段であればはずかしさというか、照れ臭さのようなものを感じていたはずなのに、今はそんなもののかけらもなく、堂々と蜜柑に肌を晒していた。
それでも、蜜柑は視線を逸らしてくる。
その視線に追いつくように、眼前に立つ。それでも、目を避けようとする彼女に──。
「──ほら、見て」
私は、そのまま自分の秘部を広げた。
蜜柑が私を思っていることがわかって、少しだけ粘ついている感触。指先が滑ったけれど、それでもちゃんと確かに広げられて、蜜柑にそれを見せつけた。
「……どう?」
「……しらない」
蜜柑はそう言いつつも、それでも一瞬だけ視線をあそこへと移した。おおよそ一秒にも満たない時間だったけれど、それでも私のあそこを見てくれた。それが私は嬉しかった。
「……どうせ、拭いたんでしょ」
「……それじゃあ、奥まで見なくちゃね?」
膣口に指を添えて、それからゆっくりと大きく広げていく。
自分のあそこがぱくぱく、と開く感触がある。それには少しだけ恥ずかしさを思い出したけれど、気にしないように膣奥を蜜柑に見せる。
「……見えないし」
「……むう」
それは、そうかもしれないけどさ。
蜜柑はまた一瞬だけ見てくれたけれど、そんなことばかり言って、私が犯されていないという事実を確認しようとはしなかった。
だから──。
「舐めてみればいいじゃん」
「……は」
「舐めて、いつもと違う味がしたら、そういうことでしょ?」
だから、舐めて、味わってみてよ。
いつもと同じか、確認してみてよ。
「……」
蜜柑はそれに沈黙する。
……けれど。
「……わかった」
困惑しているのかもしれないけれど、それでも蜜柑はその舌先を伸ばしていく──。
「──んぁっ」
ただの確認作業。私が他の誰にも犯されていない、それを確認するための必要行程。
自分でわかっているはずなのに、それでも私は声を漏らしてしまう。
久しぶりの、蜜柑。
その蜜柑の、舌の感触。
ざらざらして、にゅるにゅるとしている、蠢く形。
それが、私のあそこに──。
──れろっ、れろっ。
「──ん、んふ、あっ」
──嬉しい。
嬉しい嬉しい嬉しい。
蜜柑が、やっと私を味わってくれている。
ずっと、ずっと待っていたこと。
大好きな蜜柑に愛されること。
それがただの確認だとしても、それでもそれが嬉しい。
私だけのものにしたい、と私と同じ気持ちになってくれていることがわかるから嬉しい。
それが、本当に嬉しい。
──れろ、れろ、れろ。
にゅり、にゅり、にゅり──。
「──そこ、そこ、いい、いいいよ。もっと、もっと確かめよ? ね?」
「……ん」
私の言葉に合わせて、それから蜜柑は膣の中へと舌を伸ばしてくれる。
にゅる、にゅる、にゅるるる。
つん、つん、と舌で私の中を味わおうとしているのが伝わってくる。
「──あはぁ、はぁ、んっ、ふっ」
ごめん、ごめんね、蜜柑。あんな嘘をついてごめんね。そして、その嘘で舐めさせてごめんね。
もっと舐めてほしいなんて、思ってごめんね。
「いいよ、もっと確かめて。もしかしたら、
「──っ!」
「──ぁあっ!」
──ずりゅりゅりゅりゅ、じゅりゅりゅりゅりゅ。
私の奥を吸い出してやろうと、蜜柑の唇が私のそれにあてがわれる。
そのまま私のそれは蜜柑の口に覆われて、そして、勢いよく吸われる。
真空になったみたいに、中が吸引で窮屈になる。同時に吸われるクリの感触が、本当に気持ちよくて──。
「──いくよ、いくからね。もっと、もっっっと味わってね」
「────」
「──んぐぅ」
下唇を噛んだ。久しぶりに、自分以外のものでイカされる感触が気持ちよくて、声を抑えられそうになかった。
だから、自分で下唇を噛んで、声を我慢する。……でも。
──ぷしゅっ、ぶじゅっ。
「あぁ、ああぁあぁぁ……」
声も出るし、体から衝動が溢れ出る。
気持ちがいいこと、嬉しいこと。安心感。
この瞬間、蜜柑が私を確かに愛してくれていること。その心地よさ。
「──ごきゅっ、ごきゅっ」
「──そう、飲んで、飲んで確かめて。確かめなさい」
私が言わずとも、蜜柑はそれを飲んでくれている。それでも、今だけは私に従い続けてくれている蜜柑が嬉しくて、乱暴な口調で言葉を続けてしまう。
安心感で漏れ出てしまう尿の温さ。それが一瞬で吸われ、飲み込まれる喜び。
「あは、あはぁ……」
──すごく、気持ちがいい。
そんな実感を、私は何度も味わっていた。
まだまだエロは続くよ、どこまでも。