俺の血を飲んだテラコマリ。
その際のテラコマリの様子の変化に驚きを隠せない。
容姿には、大きな変化はなかった。
ただ、1つ、変化があるとしたら、それは。
「紅い」
その瞳だった。
まさしく、吸血鬼。
それを思わせる瞳が、まるで冷酷な吸血鬼を思わせた。
そう、困惑をしているのを余所に。
「・・・」
無言で、テラコマリが目を向けた場所。
そこに一体、何が。
疑問に思うのは一瞬。
次の瞬間。
「ぎゃぁぁぁ!?」
「えっ」
聞こえたのは、絶叫。
見れば、そこには、人間の肉片が落ちていた。
だが、人間の肉片と違う部分として、斬られたはずなのに、動き続ける。
それは、吸血鬼の再生能力である事が分かり、同時に。
「まさか、もぅ襲撃が来ているのか」「だろうな、まぁ、時間としては遅いぐらいだったがのぅ」
困惑している俺とは反対に、キスショットは、冷静に言う。
そして、こう言った。
「まぁ、目の前にいるあいつらでは、テラコマリの奴には勝てないだろうがな」
「そうなのか」
そうしている間にも、テラコマリの戦いを見る。その戦い方は、まさしく、吸血鬼らしいものだった。
一撃必殺。
それが、彼女の戦闘スタイルなのだと分かる。
一撃の攻撃で敵を葬る。
そんな彼女の姿に、俺は。
「凄いな」
「まぁ、全盛期に儂と比べたら、弱いがな、だが」
そうして、キスショットは笑みを浮かべる。
「まさか、潜在能力があそこまでとはな。ただの雑魚吸血鬼だと思っていたのだが、お前の血を飲むだけで、ここまでとは」
笑みを浮かべながら、キスショットは、そのまま俺の首筋に口を近づける。
「では、儂が飲んだら、果たしてどうなるかのぅ」
笑みを浮かべながら、キスショットが呟いた瞬間。
俺の隣に、巨大な穴が開いた。
それを見た俺達は、それを放った相手を見る。
「おぅ、これは怖い怖い」
見ると、そこにはテラコマリがいた。
既に襲っていた吸血鬼はテラコマリによって、殺されてしまったようだ。
だが、彼女は今、その表情を変えない。
無感情のまま、こちらを見つめている。
「離れろ」
「カカカッ、それは一体、どういうつもりかのぅ」
「私の友達を吸わせない」
「お前も吸った癖にか」
そうして、まるでテラコマリの挑発に乗せる為に、俺の血を飲んだ。
そして、キスショットの身体は成長すると共に。
テラコマリが、キスショットとぶつかる。
「・・・えぇ、これって、内部分裂なのか」
思わず呟く俺だった。
しかし、その言葉に対して、答えてくれる者はいない。
いや、もしかしたら、いるのかもしれないが、今は、誰も答える余裕がないのだろう。
何故なら、彼女達は今、戦っているのだから。
俺が蚊帳の外になってしまう。