テラコマリが意識を取り戻したのは一時間程経った頃だろうか。
その頃にはもう外は完全に暗くなっていた。
「うぅん」
そう言って起き上がるテラコマリ。
そんな彼女を見て、ほっと息を吐く俺。
良かった、どうやら正気に戻ったようだ。
いや、元々、最初から正常だったのかもしれないけれど・・・。
「あっ、あの!」
そんな事を考えていると、不意に話しかけられる。
見ると、彼女は恥ずかしそうにこちらを見ていた。
顔を真っ赤にしている彼女に対して、俺は首を傾げていると、彼女は言った。
「さっきはごめん、迷惑かけてしまって」
そう言って頭を下げる彼女に対し、俺は慌てて手を振った。
「いやいや、そんな事ないよ!」
実際問題として、特に迷惑を被った訳でもないのだ。
それに謝られても困るというか、むしろこちらが謝るべきだとも思うのだが・・・。
そんな俺を見て、彼女は苦笑した。
「優しいんだね、あなたは」
そう言われるとなんだか照れてしまうな。
「なんというか、君の血を目的にして、もしかしたら命を奪うかもしれない私を優しくしてくれてありがとうね」
そんなお礼を言われる筋合いはないが、それでも彼女が言いたいのならそれで良いだろう。
そんな風に思っていると、今度は逆に質問をされた。
「ねぇ、私の事好き?」
そう聞かれたので、素直に答える事にする。
「・・・嫌いじゃないよ、俺の命を助けてくれたから」
「その、記憶はないけど」
そう、俺の血を吸った時の暴走を思い出したように呟く。
「それでも助けてくれたのは事実だから」
そう言うと、安心したような顔をするテラコマリ。
そして続けるように言う。
「・・・そっかぁ、それなら安心だね」
それから一息ついてから、テラコマリは言った。
「だからこそ」
そう、こちらを見上げてくる。
その瞳は、俺を逃さないとでも言っているかのように、じっとこちらを見据えていた。
「あなたが欲しくなったわ」
その言葉に、思わずドキリとする。
「欲しくなったって」
「えっ、いや、その、雰囲気というかなんというか」
そうして、テラコマリは急に頬を赤くしながら、こちらを見ないようにしている。
そんなテラコマリに対して、俺は寄り添う。
「テラコマリ」
「えっ、あぅ」
その動作に対して、テラコマリは未だに混乱している様子だった。
そんなテラコマリに対して、俺はその頬に触れてしまった。
キスショットとトガの二人との行為を通して、慣れている。
だからこそだろうか。
流れるようなキスを行う事に、抵抗はなかった。
そして、それはテラコマリもまた、同じだった。