吸血鬼ハンターから狙われている事実に対して、俺は少しだけ恐れながらも、学校へと向かう。
少なくとも、他の人間を巻き込んでの攻撃を行わない。
そう信じたいと思っている。
「けれど、もしかしたら、うぅん」
相手が吸血鬼ハンターという事もあって、やはり不安はある。
そんな事を考えながら歩きながら、悩んでいる。
周りの雰囲気は相変わらずで、いつも通りの日常を過ごしている。
そんな中、俺は1人で悩んでいた。
キスショットは、俺の隣にはいない。
今は学校に登校している最中だからである。
普段の生活では、キスショットも、テラコマリもいない。
それが当たり前だったのだ。
しかし、その前提が崩れてしまって、そして、今のこの状況がある。
「いや、落ち着けよ、冷静になれ」
自分に言い聞かせるように呟きながら、学校に向かった。
けれど。
「あれ?」
ここまでの登校中、気がついた。
学校に向かっている途中なのに、まるで違う場所。そこは路地裏だった。
それも、俺が知っている裏路地ではなく、本当にただの路地裏だ。
コンクリートの壁に囲まれた空間であり、そこにゴミなどが散乱しており、とてもではないが綺麗とは言えない場所だ。
そんな場所に、何故か今、いた。
「なんで、こんな所にいるんだ? いや、それ以前にここはどこなんだ!?」
見覚えのない光景。
当たり前だ。
だってここは、ついさっきまで歩いていた通学路なのだから。
それに間違いはないはずなのに、どうしてだか、ここがどこなのか分からないのだ。
さっきまでは間違いなく、この道を歩いていたはずだというのに。
「どうなってんだよ・・・」
そう呟いていると、そこで声がした。
「これが、吸血鬼の王か。こいつの血を飲めば、私は最強になれるのか」
その言葉と共に現れたのは、黒いコートを着た男だった。
年齢は20代前半くらいだろうか。髪は短めで、目つきは鋭い。
その目は俺を睨みつけていて、手にはナイフを持っている。
それだけで分かる。この男は、明らかに普通ではない事が。
「あんた・・・誰だ?」
思わず聞いてしまう俺に対して、男は言う。
「私が誰かなんてどうでもいいだろう。お前はこれから死ぬんだからな!」
そう言って、男は俺に襲いかかってきた。
それが、俺を襲い掛かる吸血鬼だと察するが、その場で動けなかった。
どうすれば良いのか。
そう、考えていると、吸血鬼の腕が途中で消えた。
「えっ」
それに驚きを隠せない最中。
俺の前に現れたのは。
金髪のツインテール、水色のボディスーツの上にジャケットを羽織っている女性だ。