「あなたは」
疑問の言葉を思わずかけてしまう。
それに対して、女性は、俺を少しだけ見つめる。
「・・・話は、あとにしようか。それよりも、あの吸血鬼に君の血を吸わせる訳にはいかない」
それと共に、女性は両手には、既に武器を持っていた。
両手に二刀の小太刀を握りしめていたのだ。
そして、そのまま、吸血鬼に向かっていく。
その速度は速く、瞬く間に吸血鬼の元に辿り着く。
しかし、それは吸血鬼も分かっているようで、腕で防ごうとする。
だが、それを小太刀で切り裂く。
吸血鬼の腕が地面に落ちる。
「ぐっ、だがなぁあ!!」
その叫びに合わせるように、俺を狙うように、他の場所から飛び出てきた吸血鬼。
その数は凄まじい。
けれど。
「ふっ」
女性は、一瞬で風を身に纏う。
身に纏いながら、一瞬で移動する。
様々な場所で襲い掛かる吸血鬼に対して、女性によって次々と斬り裂かれていく。その姿はまさに舞うようだった。
気付けば、俺の周りから吸血鬼達は消えていて、女性が目の前にいた。
そこでようやく分かったのだが、いつの間にか、女性は手に持っていた二刀の小太刀を仕舞っていた。
「えっと、その助けてくれて、ありがとうございます」
俺は、ゆっくりと話しかける。
それに対して、彼女は。
「その前に聞かせて欲しい。君が吸血鬼の王である事は間違いないね」
それと共に、ゆっくりと問いかけられ、俺は、ゆっくりと頷く。
同時に。
「・・・こういう任務はあまり好きではないけど」
それと共に、俺の方に寄りそうと共に。
「少しついてきて貰う」
「えっ」
俺の返答を聞く前に、彼女によって、俺はその場から一瞬で離れてしまう。
「えっえぇぇ?!」
俺は思わず叫んでしまう。
周囲を見渡しても、まるで知らない場所。
「あのっ、これは一体」
「すまないな、いきなりこんな所に攫ってしまって」
驚く俺を余所に、目の前にいる彼女は、そのまま俺を近くの椅子に座らせると共に。
「まずは、自己紹介を。私は心願寺紅。吸血鬼の専門家だ」
「吸血鬼の専門家」
その言葉を聞いて、俺の頭に思い浮かんだのは、吸血鬼ハンター。
おそらくは目の前にいる彼女は、俺の命を狙っている可能性が高い。
「・・・まず、一つ聞きたいが、君はその力を使って、この世界をどうしたいと考えている」
「えっ、いや、力も何も、俺にそんな力はないですし、何よりも、どちらかと言うと吸血鬼に狙われている立場ですし」
俺はそう、正直に答えると、彼女は少し驚いた表情をした。
「ならば、少し話さなければならないな」
「えっ?」
そう、呟く彼女の、その話は一体。