「・・・すまない、私も、半分は吸血鬼の血を受け継いでいるので、君の血の影響を受けてしまった」
行為を終えた後、紅さんは、頬を赤くしながら、俺に謝罪する。
それに対して、俺もまた、思わず俯いてしまう。
「いえ、こちらこそ、好き勝手にしまって」
「けれど、なるほど。確かに吸血鬼達が狙う理由も納得した」
そうしている間にも、紅さんは、力を込めながら、確認する。
「・・・君、少し確認したい事がある」
「なんでしょうか」
そうして、紅さんは、俺を見つめる。
「君は、キスショットを信じているのか」
「・・・」
その話題を出てしまい、俺は戸惑う。
「信じるですか」
「あぁ、君はキスショットを、どこまで知っている」
「正直に言うと、ほとんど知りません」
あの日、偶然、俺はキスショットと出会った。
そこから、俺とキスショットの関係は始まったが、彼女の事に関して、俺はほとんど知らない。
俺の命を喰らうと宣言されてから。
「奴は、これまで数多の命を奪ってきた。その強さははっきり言えば異常だ」
「それ程までに」
「もしも全盛期の力と合わさって、君の血を飲み干したら」
それを聞いた俺は、どう答えるべきか分からない。
「正直に言えば、あいつの事は、テラコマリとトガとは違って、信用出来ない所が多いです」
俺がもしも止めなかったら、彼女は簡単に人を殺しただろう。
実際に、あの時、俺を狙っていた吸血鬼を簡単に殺した。
そういう意味ならば、紅さんの言いたい事は分かる。
けれど。
「俺、どこか信頼しているんです。あいつは、そんな悪い奴じゃないかもって」
「命を狙われているかもしれないのにか」
「・・・だとしてもです。何度も命を救われたから」
「その思想は、危険だとしても」
「・・・はい」
それと共に紅さんは。
「それならば「おいおい、信頼させておいて、ここで殺すのがやり方か」っ」
その手に、小刀を俺に向けようとした時。
後ろからの声を、一瞬目を向ける。
だが、その一瞬の後、俺の首に痛みが走る。
「あっ」
「なっ、お前は」
俺の後ろに誰かいる。
その正体はおそらくは。
「カカカッ、まさかハーフヴァンパイアの、吸血鬼ハンターが来るとはな」
「キスショット!」
その言葉と共に、キスショットは既に高校生頃の身体に成長すると共に、その手に持った刀を振るう。
その斬撃に対して、紅さんもまた防御して、後ろに下がる。
「どうやってここに」
「決まっているだろ、こいつを誰にも渡さない為にな。まぁ、少しは食べられているようだからな」
そのまま、刀を紅さんに向ける。
「覚悟は出来ているな」