紅さんは、その両手に持つ小太刀を構えながら、真っ直ぐと走る。
その速さは、先程と同じく、姿が見えない程に速い。
それに対してキスショットは余裕な笑みを浮かべるように、その手に持った刀を後ろで構える。
キンッという金属音。
同時に見つめると、そこには紅さんが小太刀による斬撃を受け止めていた。
「ほぅ、忍者と吸血鬼の組み合わせはなかなかに面白いじゃないかのぅ!!」
キスショットは、今度は身体を後方に捻りながら、足技を出す。
それに対して紅さんは大きく飛んで躱す。
近くにある壁に着地しながら、そのまま走り出す。
「キスショット、やはり」
「カカカッ力の差は分かっているようじゃないか」
「だとしても!」
キスショットからの挑発の声に対して、紅さんは更にスピードを上げた。
その動きに対し、キスショットもまたギアを上げるように速度を上げていく。
これは殺し合いなのだ。
ただ、どちらが勝つとか、そういう事ではないのだろう。
だからこそ、俺は見守る事しか出来なかった。
しかしそれは本当に僅かな時間だったようで、すぐに決着がついた。
「遅いわ、若造め」
それと共にキスショットは距離を詰め、小太刀で斬りつける。
咄嗟にガードするが間に合わず、紅さんは右肩から左脇腹まで斬られてしまう。
「ぐっ」
「ここまでじゃな」
そう言いながらも、紅さんはボロボロになりながらも。
「逃げないのか?」
「・・・逃げる訳にはいかない。キスショット、お前を逃せば被害が出る」
そう言った直後、紅さんの傷は全て塞がっていく。
その光景を見た俺は驚くが、キスショットは。
「そうか、だとしても関係ない。忍者、貴様はこいつを殺そうとした。つまりは貴様をこの場で殺す」
そう、キスショットは、ゆっくりと刀を真っ直ぐと紅さんに向けながら、言った。
そんなキスショットの前に、俺は立つ。
「・・・何をしているんだ、貴様」
「・・・その、紅さんの命を奪う必要はないと思って」
「そいつは、お前を殺そうとしただろ」
「・・・けど、その理由は、俺が原因だから」
俺の言葉を聞いて、キスショットは黙ってしまう。
そんな彼女に向かって、続ける。
「だから、お願い」
俺は、そのまま真っ直ぐとキスショットを見つめる。
見つめると共に、キスショットは最初は冷たい目で見ていたが、徐々に変わっていき。
「・・・ちっ」
それを聞くとキスショットは舌打ちをして。
「今日の夜は覚悟しろ」
そう睨みながら、キスショットは、それだけ言って、俺を抱えて、その場を去る事にした。