※この作品はR-18です。

吸血鬼の王   作:ボルメテウスさん

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全盛期

「・・・本当に、お前はこうやって、何度も攫われて」

 

そうしながら、キスショットは、俺の血を吸いながらゆっくりと語る。

 

それと共に、ゆっくりとその手には既に刀を持つ。

 

周囲の奴らを見る。

 

「ほぅ、まさか、こんなに早いとはな、キスショット」

 

「・・・」

 

雅が、笑って見上げる先では、明らかに殺意に満ちた視線を向ける、キスショットがいた。

 

それに反応するように周りにいた連中も警戒を強めると同時に、それぞれが武器を手に取る。

 

だが……、それを全て無視して、彼女は睨みつけていた。それはまるで威嚇をするように……。

 

「雅、貴様、分かっていないようじゃな」

 

「なっ」

 

その呟き。

 

それと共に、周囲を見ると、そこにいた連中は。

 

全て、斬り裂かれていた。

 

何が起きたのか、分からない顔のように。

 

「これまでの奴らは、こいつに対して、最低限、人として接していた。こいつと過ごすとなかなかに面白いから、こいつの生活を壊さない為に、そういう奴らは殺さなかった」

 

キスショットは、呟きながら、雅を睨む。

 

「しかし、貴様は、それらを壊すだろう。だから殺すのだ」

 

「そ、そんな理屈で殺されてたまるものか!」

 

雅が叫ぶように言った言葉にもキスショットは応じず、ただ、こちらに手を伸ばしてくる。雅はそれから、真っ直ぐとキスショットに向かって行く。

 

だが。

 

「今の儂は、こいつの血を限界まで飲んだ。故に、多少だが、全盛期に近くはなっている」

 

呟く度に、雅の身体はバラバラになっていく。

 

ゆっくりと、まるで最初から。

 

バラバラになっていたように。僕の視界の中で、雅は――

 

消えた。

 

跡形も残さずに。

 

ただ一つ、首だけになって転がった。

 

その顔は驚愕であり。

 

「ふん」

 

キスショットは、そのまま簡単に、雅を踏み潰した。

 

これまで、キスショットの力を見てきたはずだが。

 

ここまで圧倒的だったとは。

 

「キスショット」

 

「なんじゃ?」

 

「今、全盛期に近いと言ったよな」

 

それと共に、俺は少し恐怖した。

 

これまで、キスショットは全盛期以上の力を求める為に。

 

俺の血を飲んでいた。

 

けれど、その力が今、全盛期以上の力を持っている。

 

それはつまり、俺の血がもう必要なくなった事を意味する。

 

それでも、飲み続ければ、きっとそれ以上の力を得る。

 

だからこそ、確かめたい。

 

「キスショットにとって、俺はもう必要ないのか」

 

「・・・」

 

その一言に対して、キスショットは俺を見下ろしながら。

 

「そうじゃな、儂にとっては、全盛期の力を手に入れた以上はな、けど」

 

それと共にキスショットは止まる。

 

「今の儂にとっては、欲しいのが、この生活で手に入れたいのが、あったからな」

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