キスショットとの行為から数日後。
俺は、今でもキスショットと行動している。
「けれど、なんというか、なんで一緒に」
「カカカッ、決まっているだろう、他の奴らに得物を奪われない為じゃよ」
まあ確かに、そうかもしれないが。
「けれど、こんな昼に、その吸血鬼は狙わないだろ」
「普通の吸血鬼はな、だが、儂は言ったはずじゃ。ハーフヴァンパイアは日の下でも活動出来ると」
俺の言葉を否定するように、周囲を見渡す。
「ハーフヴァンパイアでも、その血を狙っている者がいるかも知れぬしな」
そして彼女は俺の方を向いて、こう言った。
「それは」
「まぁ、儂がいない方が良いと言うんじゃったら別に良いが、それは死ぬ可能性は十分にあるのじゃがな」
「っ」
それと共に、思い出したのは、少し前に男の吸血鬼に襲われた時の出来事。
死を直面した出来事だった。
正直、あれ以来、少しだけ夜道とか歩くの怖いんだよな。
そんなことを考えながら歩いていく。
「カカカッ、分かったのならば、良いのじゃ」
それと共に、キスショットは、俺の腕を絡ませながら言ってくる。
「ほれ、行くぞ」
「お、おう」
なんだかんだ言って、彼女に助けられていることは多い。
けれども、それはキスショットが完全に餌にさせられる。
そう考えることも少なくなかった。
「どうした?」
キスショットはこちらを振り向いて訊ねてくる。
「えっと、なんでもない」
とりあえず、誤魔化すことにした。
「カカッ、変な奴め」
そんな俺を見て、キスショットは笑うのだった。
学校に着いた。
いつも通り、授業を受けるだけだと思っていたが、ふとある考えが頭をよぎった。
「・・・なぁ、聞きたいんだが」
「なんじゃ?」
「キスショットも、まさか一緒に学校に来る気なのか」
俺は冷や汗をかいた状態で訊ねる。
もしそうだとしたら大変だ。ただでさえ目立つ彼女が学校に来ればどうなることか想像もできない。
「いや、さすがに学校に一緒には無理ですよ。第一、キスショットさんはこの学校の生徒じゃないですから」
「儂には関係ないと思うのじゃがな」
「いや、普通に関係ありますよね!?」
俺は思わず叫んでしまった。
周りの視線が痛い。
俺は慌てて声のトーンを落として言う。
「とにかくダメですって!」
「むぅ・・・仕方ないのう」
キスショットはそう言って、渋々と言った様子で引き下がった。
そのまま俺は、学校に入っていく。
だけど、その際に、俺は気づく事は出来なかった。
「あぁ、彼の臭い、なんだか以前よりもとっても惹きつけられます」
物陰から、俺を見つめている視線。
その視線は、とても熱を帯びている。まるで恋をしているような。
しかし、その視線に対して、俺は気づく事はなかった。