「キスショット」
なんとか、俺は先程まで拘束されている状況から意識を取り戻すと共に、渡我の方を見つめる。
渡我は、先程、キスショットに蹴り飛ばされた事に対して、少し痛みがあるようだが、それ以上に強烈な目でこちらを見る。
「なんですか、あなたは。せっかくの彼とのラブな時間を邪魔しないでください」
渡我は、そう呟くと共に懐から取り出したのはナイフ。
校内でナイフを持っている事に対して、疑問に思うが同時に、今の状況がヤバいとすぐに察する。
「キスショット、さすがに刃物で「ふむ、貴様、そんなに力がないな」っと」
俺がそう、キスショットに叫ぶが、彼女は特に慌てる様子はなかった。
むしろ面白い物を見るように。
「力?何を言っているんですか?私はただただ、彼の血を吸いたいだけですから」
「カカカッ、なるほどのぉ、自分がハーフヴァンパイアという事に気づいていないか。いや、ハーフ所ではないな。かなり薄く吸血衝動がある人間と言った所か」
「先程から、本当に何を言っているんですか」
キスショットの態度が気に入らないように渡我はこちらを見つめる。
「何を言っているか、そうだな、ただ」
そのままキスショットは。
「お前を殺そうか、考えていた所じゃよ」
その一言を発すると共に、渡我から発した殺気など子供だと。
そう思わせる強烈な殺気が、こちらに。
「それでも、彼を渡しません、彼は私のものなのですから!」
「いい加減、しつこいぞ貴様」
「うるさいですよ、羽虫が!」
瞬間、渡我が動いた。
俺も咄嵯に動き、そして。
「ふんっ」「あぎぃ」
それは、あっさりと終わりを告げた。
キスショットが、軽い蹴りで、渡我は吹き飛ばされた。
近くにある壁に頭から突っ込み、そして崩れ落ちる。
……あれだけの力を持っていながらも、この程度なのか。
キスショットにとっては、相手にならないようだ。
そして、俺は。
「ふむ、抱き締めるとは、少し大胆過ぎないか?」
俺は、キスショットを、後ろから押さえつけるように抱き締める。
その目的は。
「こうしないと、お前、殺す気だっただろ」
渡我を、殺させない為に。
「…………」
「何だよ」
「……別に、何でもないわ」
「ん? 何か言ったか?」
「何も言っておらんわ」
「そっか」
しかし、これはまずいな。
そのまま俺は渡我に近づく。
頭から血が流れており、その目は虚ろである。
死んではいないだろうか。
けど、かなり危険な状態には変わりないだろう。
とにかく病院に連れていかなければ。
このままでは死んでしまうかもしれない。
どうすれば。
「まったく、仕方ない」
「えっ?」
するとキスショットはこちらを見る。
「なんとかする方法ならばあるぞ」
「えっ」
それに、俺はキスショットを思わず見つめてしまう。