むし
かわいいね。
トンボなんじゃないかなと思っている。
主語が大きいかもしれないが、大体の人間は気持ちが悪いのが苦手だ。
そしてこれまた主語が大きいかもしれないが、虫というのは種類によっては気持ちが悪いと思う生き物だ。
このわくわくダンジョンランドの施設内でも、"むし"という名前のモンスターがいる。見た目こそお伽噺に出てくる主人公の相棒のような姿をしているが、その気質は昆虫そのもの。最下層から上層まで満遍なく存在している為、数は多いが力がほとんど無い上に体力が低い。そう、ダンジョン内で1、2を争う最弱のモンスター娘である。
だから挑む際はまず彼女らを撃退することが高難易度ダンジョン攻略の糸口となっている。
平凡な人生に飽き飽きし、刺激を求めてわくわくダンジョンランドに遊びに来た氷魚ひおも、ダンジョン挑戦のウォーミングアップとしてむしを倒していた。彼女らを倒して経験を積み、強くなった己で他のモンスター娘に挑むのだ。
しかしその日はダンジョン内が妙な雰囲気であった。むししか見当たらないのである。噂では特定のモンスターしか出ない階層があるらしいとは聞いていたが、少なくとも今いるダンジョンの話ではないことは確かだ。
氷魚ひおは疑問に思いつつも階段、もしくは転送装置を探して階層を歩き回る。流石にここら辺に何かしらあるだろうと自作の地図を照らし合わせながら進むと、推定行き止まりに辿り着いた。だがそこにはやはり目当てのものはない。代わりにあったのは――
「――ひぇっ。」
壁一面にびっしりと張り付いた、むし、むし、むし、むし……。
いくら"むし"と名前の付いた人型のモンスターだとしても、こんなに大量にいると流石に気持ちが悪い。氷魚ひおは思わず回れ右をしようと思ったが、どうせこの階層にいるのは自分よりも経験の無いモンスター娘。ちょっとずつ倒していけば道は開けるし、己の経験にもなるしで一石二鳥だ。
氷魚ひおは改めて構え、むしの大群に挑もうとした。
だが、これは所謂"モンスターハウス"。例え出て来るモンスターが自分よりも弱くとも、数多のダンジョンを探索してきた人間であれば、その場所が危険地帯であることを察知できるだろう。
だが氷魚ひおは察知できなかった。何故ならちょっとダンジョンを攻略できただけの、ただの女子高生だったので。
いつの間にやら背後から寄ってきていたむしが、両側から氷魚ひおの耳元で鈴虫のように囁く。
「あそびましょ。」
「あそびましょ。」
「ひぃっ!?」
「なにしてあそぶ?」
「ナニしてあそぶ?」
「プロレスごっこ!」
「キャットファイト!」
「や~だ、野蛮じゃん!」
「ねこの専売特許取っちゃダメだよ!」
「つまんない!」
ぶぅ~~~~ん……
かさ、かさかさ……
ぞわぞわ……ぞわ……
ぶぶぶぶぶぶぶぶ……
氷魚ひおの周りを飛ぶむしたちは、見た目こそ可愛らしいが、彼女らの身体から発せられる音は不愉快極まりないものであった。1匹であれば気にならなかっただろう。しかし複数、しかも人間の子供とそう変わらない大きさをしていれば、その羽音の大きさは2倍3倍を飛び越えていく。
その内1匹が氷魚ひおの腕を掴んで、こう言い放った。
「いっつもうしばっかりにとられてつまんない!」
「せっかくたくさんいるんだから、ほじくりごっこしよう!」
「そうだそうだ!」
「ほじ……え、何……? って、はうあっ!?」
混乱する氷魚ひおを他所に、むし達はその自由に動き回れる翅と小さな身体を駆使して自分勝手に氷魚ひおの瑞々しい体躯を拘束していく。
指と指を絡ませたり、踝に頬ずりしたり、首元に絡みついたり、髪の毛を掴んだり。特に顔、胸元、下半身は大人気だ。押し合い圧し合い、むしが入れ代わり立ち代わりしては氷魚ひおを拘束しようとする。氷魚ひおは背筋が震えあがり、むし達を引きはがそうと身を捩る。しかし捩れば捩るほど、むしたちの手や頭は氷魚ひおの大事な場所に遠慮なく触れてくるのであった。
「いやっ、やめてよっ! さわんないでって!」
「やだやだ。」
「うしとかだったら一匹で十分だけど、わたしたち弱いもん。たくさんいないとあなたのこと捕まえられないじゃん。」
「ところでこんな格好でダンジョンもぐるとか正気なの?」
「布一枚しかないじゃん。」
「うすっぺら~い。」
「もうちょっと装甲欲しいよね。」
「あ、もう一枚布があった。」
「ちっちゃ~い。」
「ひっぱったら表皮が見えちゃうね。」
「ちょっと! 何勝手に脱がしてるの!?」
多勢に無勢と言ったところで、氷魚ひおの服はどんどん引っぺがされていく。気が付けば氷魚ひおを覆う布は一枚も無かった。その代わりむしがいるが。
「ぎゃ~~~~~~!!!!」
「うるさ~い。」
「もうさっさと塞いじゃおうよ。」
「はいはい。」
顔周りを飛んでいたむしが徐に下半身を覆う布をズラして、性器を露出させる。そこには人間のものとは思えない形状のチンコがそそり立っていた。例を挙げるとするならば、トンボの下半身。さして太くはないがその代わり、長い。てらてらと光沢を放つソレは、怖気づいた氷魚ひおの口に遠慮なく突っ込まれた。思わず閉じようとした口を、後頭部に飛んでいるむしが小さな手を突っ込んで抑える。
「んぐっ、おごっ、がっ……」
「かんじゃだめだめ。」
「もげちゃう~。」
「ねえねえこの子おっぱいおおきいよ。」
「すご~い、わたしの顔と同じくらいある!」
「舐めると甘いよ。」
「先っぽ硬くなるの何?」
「わかんないけどおもしろ~い!」
「あっ、見て! お股からお汁が出てきたよ!」
「ホントだ!」
「おいし~。」
「もっとほじってほじって!」
「わたしにもちょうだいよ。」
氷魚ひおの頭は複数のむしによって固定されている。上と下、同時に刺激を与えられているせいか、それとも鼻から息を吸う際に入ってくる気色悪い匂いのせいか。その両方かもしれないが、頭がぼ~……っとしてくる。それと同時に耳に入ってくる声はどんどんぼやけてきていて、小さくなっていっているように感じた。
そしてそんな頭ではまともに思考も出来なくなってくるもので、次第に氷魚ひおは抵抗やめかけていたが、それを打ち破る衝撃が彼女の口内を襲った。
それは液体とはまた違った半固体状の何かであった。突然質量のあるものを喉奥に押し込まれてしまった為に、むしの性器ごと吐き出して噎せる。
「おごっ、げほっ、ごほっ、おええっ!」
「あ、吐いた~。」
「いけないんだ~。」
「かわいそうに、しんじゃった~。」
「口に入れたら死んじゃうんじゃないの?」
「この子が飲み込まなければ死なないよ。」
「それもそっか。」
「じゃあもう一回やろう。」
「今度はわたしがやるよ。」
「あに……? あんあの、がぁっ!」
まだ整えることができていない呼吸の中、再び口内にむしの性器が捻じ込まれた。相変わらず口を閉じることができないように抑え込まれており、むしの性器の出し入れを受け入れてしまう。ぐっぽ、じゅぽ、じゅる……。
むしは氷魚ひおの口淫に満足しているのか、時折腰を震わせては小さな嬌声を上げている。
だがそんな余裕も長くは続かない。次第にむしの動きは激しくなっていき、そして遂に限界を迎えたのか、その先端がぷくっと膨れたかと思うと、そこから大量の何かを吐き出した。それはまるでホースから水を出すかのように勢いよく飛び散り、氷魚ひおの顔や髪にまで飛び散る。そして氷魚ひおは、彼女らの性器に入っていたのは何なのかを知る。
「これ……"卵"!?」
そう、それは昆虫の卵であった。そしてそれを見た氷魚ひおは確信に至る。
こいつら、私の身体に産卵しようとしてる!
そう至った氷魚ひおは、より一層身体を捩って拘束から逃れようと試みる。しかし試みれば試みるほど、遠巻きに見ていた他のむしが群がって新たに拘束を始めてしまった。それに刺激し続けられていた彼女のおまんことおっぱいが、遂に快楽信号を脳に伝えた。
「んあっ、あぁ~~~~~~❤❤❤」
ぶしゃっ、ぶしゃ~っ!
むしたちの唾液に塗れたおまんこから、愛液が噴き出す。
糸が切れてしまったかのように、氷魚ひおの頭の中は一瞬でピンク色になった。おまんこからは愛液がダラダラと流れ出し、おっぱいは痛い位に立ち上がっている。何か唾液に媚薬のような成分があるのだろうか、清い身体の筈の氷魚ひおは全身が性感帯になったかのように何処を触っても感じてしまうようになってしまった。これが普通の人間であれば、一度絶頂を味わった後でも今まで通りの生活を送れたかもしれない。しかし相手は昆虫だ。しかも産卵という目的がある中でのイレギュラーな性的快楽。氷魚ひおはこれから起きることに絶望した。
彼女は諦めない。こんな訳も分からない虫に犯されてたまるかと抵抗を続けるが、それは無駄な足掻きでしかなかった。むしたちはそんな氷魚ひおの身体を空中でひっくり返し、お尻を突き上げる体勢にする。あられもない恰好に、そしてモンスターとはいえ集団に見られての己の痴態に、顔から火が出るほど恥ずかしくなった。そして愛液が溢れるおまんこに向かって、1匹のむしの性器が突っ込まれる。
……痛くはない。むしの性器は多い日用のタンポンと大体同じか少し大きいくらいなのだ。流石にこれ以上奥となると痛いが、衝撃がそこまでではないことに氷魚ひおは安堵した。
そう思ったのも束の間だった。
「な~んだ、まだ入るじゃん!」
「もっと入れても大丈夫そうだね!」
「わたしも入れよっと!」
「じゃあわたしも!」
「わたしも!」
「んん~~~~!?」
氷魚ひおのおまんこにたくさんのむしの性器が襲い掛かる。1本1本は細長いだろうが、複数入ればそれはもう太いチンコである。氷魚ひおのおまんこが裂けるのではないかと危惧する程だ。
ずぷぷぷ……と2本目が入れば、後は3本目4本目5本目と続く。そして遂には8本分のむしの性器が入り込み、氷魚ひおのおまんこはぶちぶちと音を立てて裂けていった。氷魚ひおは痛みに悶え苦しむが、むしたちはどうでもよさそうに氷魚ひおの穴に突っ込んでいく。お尻の穴に入れたいと誰かが言い出せば、わたしもわたしもと氷魚ひおの未使用アナルに無理矢理突き入れようとする。裂けた時に溢れた血が未熟な潤滑油となって、更にむしたちの性器を呼び込んだ。
びゅるっ、びゅるるる~~~!
氷魚ひおのお腹の中に大量のむしの卵が産み付けられていく。産卵は1匹2匹では当然終わらず、次々と彼女の腹を満たしていった。もう既に卵でいっぱいで子宮にすら到達しているだろう。しかしそれでもなお、むしたちは産卵、もとい交尾を止めない。むしろより激しくなるばかりだ。
ぶぴぃいいい……ぶちゅん! ぶりゅっ、どぴゅっ、ごぼぉっ!
まだ終わらない。まだまだ終わる様子がない。むしたちは飽きることなく氷魚ひおの腹に卵を産み付けていく。いつしか氷魚ひおは痛みと気色悪さで気を失っていたが、そんなことお構いなしにむしたちは交尾を続けたのだった。
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やがてむしたちがほじくりごっこに飽きた頃、ようやく氷魚ひおは解放された。
とはいえ、むし達が産んだ卵は氷魚ひおの喉と耳を詰まらせ、アナルとおまんこは裂けきって一つの大きな穴と化していた。子宮と内臓の中は卵で満たされ、氷魚ひおの栄養を食い荒らしていく。
血だまりの中で倒れる彼女の姿は、もはや生きているとは呼べまい。可哀そうに、虫たちが群がっていなければ階段が奥にあったのに。
だけど大丈夫、地上に戻れば全てが元通りになるから。