※この作品はR-18です。

【小宮果穂とちょいワル男子のオトナ甘くてコドモ苦い】ぷらすえっくす!   作:形のない者

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 まえがき

 本話(および本編以降の部分的な話数)には、「グループSEN」および「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の二次創作物が含まれています(これから時折り含まれていきます)
 (C)GroupSEN
 (C)KADOKAWA



sR【プチパレスのひみつ】天道唯我〔バトル〕

 

 未明のプチパレス。

 そこには隠された地下室があった。

 

・地下1階

┌──┬──┬──┐

│001.┃  ┃E │

│  │廊下├──┤

├──┤  ┃002.│

│003.┃  │  │

│  │  ├──┤

├──┤  ┃004.│

│倉庫┃  │  │

├──┼━━┼──┤

│  └━━┘  │

│   地下牢   │

│   闘技場   │

│        │

├━━┬━━┬━━┤

│  │  │  │

│  │  │  │

│  │  │  │

│  │  │  │

│  │ G │  │

└──┴──┴──┘

 

 仮眠室たる001号室にて、アルファは覚醒。布団から飛び起きて廊下側に出る。

 そして地下牢(ダンジョン)とも言うべき闘技場に足を運ぶ。

 

「────テメェか? あのクソくだらねぇ悪夢を見せてきたのは……」

 

 闘技場の奥には、鉄格子で仕切られた封鎖空間が三つある。そのうち中央の封鎖空間の最奥には、オーロラのような異彩の光を放つゲート(G)が佇んでいた。

 そのゲートの輪郭に上半身を倒して寝そべるは────コウモリの羽根を持つ美女。とある世界では“淫魔(いんま)”と呼ばれる蛮族の一種だ。

 

「422。9h0qdkey]iq50;q0<?」

「……その訛り方、汎用共通語か」

 

 アルファは廊下と闘技場を仕切る第一隔壁の結界式鉄格子を解錠。入室。第一隔壁を施錠。第二隔壁を解錠。闘技場に入室して第二隔壁を施錠。それは厳重な二重式ロックで、外敵を現実世界に放出させない仕組みだった。

 

「マザーAI。中央封鎖ゲートを解放しろ」

『────命令受諾。コードネーム・アルファ、御武運を』

 

 闘技場とゲートを結ぶ結界式鉄格子が、マザーAIなる存在によって一時的に消滅。

 さらにマザーAIは、これからの戦闘行動に必要な必須情報をアルファに伝達する。

 

『ゲート解析:異世界ラクシア』

『敵性エネミー解析:サキュバス』『推定レベル:12』

『推定能力:操霊魔法。神聖魔法。各種魔法適性。呪系催眠淫夢。飛行』

『メディカルチェック:推定『淫夢』の攻撃を二回ほど被弾。心身が一割ずつ損耗している恐れ有り』

 

「その程度ならかすり傷だ」

 

 精力を吸われて若干の気だるさを感じるアルファだが、戦闘行動に支障はない。疾走開始。

 詠唱するサキュバスは操霊魔法【スケープ・ドール】を行使。手持ちの人形に負傷を肩代わりさせるまじないをかけた。さらに両手の爪を刀剣のように伸ばす。さながら鉄鋼鉤爪(てっこうかぎ)のよう。

 

 相対距離50m。アルファの縮地。懐に潜り込んで鉤爪の間合いの内側に入る。いまさら振るってきても斬撃は当たらない。拳打一撃、華奢な体を貫く勢いでめり込ませた。するとサキュバスの腰に提げていた人形が、胴体から引き裂かれて破裂する。

 

 即死級の一撃に恐怖したサキュバスは一歩後退。

 その間隙を逃さず、アルファは震脚肩打。サキュバスの胴体を激発して吹き飛ばす。猛然たる体当たりの一撃で突き飛ばされたサキュバスは、背後のゲートの中に落ちそうになる。両手を広げてゲートの輪郭に鉤爪を引っ掛けて落下を阻止。

 

「────!!」

 

 サキュバスの顔面に影が掛かる。

 アルファの跳躍蹴撃(ドロップキック)が顔面を抉り抜いた。蹴り飛ばされたサキュバスはゲートの奈落へ真っ逆さまに落ちていく。

 

『────戦闘行動終了』

『適性エネミー・サキュバス。元の世界への帰還を確認』

『お疲れ様です、アルファ様』

 

 アルファは闘技場を後にして廊下に戻る。

 そして、どこからともなく響いてくるマザーAIの音声に向かって語りかけた。

 

「あのさぁ。俺さっき変な夢を見てさぁ……あれ射程距離どれくらい?」

『およそ20mかと』

「結構広いなぁ……つーかお前の結界を貫通してくるの地味に怖くない? 地上の人達も変な夢を見せられたかもしれねぇな……」

 

『花海咲季のメディカルチェック:心身に一割のダメージ。命に別状なし』

『花海佑芽のメディカルチェック:心身に微量のダメージ。命に別状なし』

 

「……やっぱ住まわせたのは間違いだったな……」

『そんなことはありません。彼女たちのアイドルパワーがあるからこそ、結界は強靭に機能しています。もしプチパレスにアルファ様だけが宿泊する場合、被害範囲はプチパレス内に留まらず、街一つを飲み込んでいたでしょう』

「そうなんだよなぁ……まぁ精神干渉系は結界を貫通しやすいみたいだから仕方がない……」

『無論、速やかにサキュバスの特殊能力『淫魔』の対策を講じて結界を補強します』

「そうしてくれ。……ちなみにいま何時?」

『朝の四時です』

「んじゃ、そろそろ切り上げるか……またゲートからなんか出てきたら教えてくれ。速攻で退治する」

『承知』

 

 アルファはエレベーターに乗り込む。パネルには1階から3階までのボタンがある。

 

「1階ボタンを1回、2階ボタンを6回、3階ボタンを8回……っと」

『暗証番号の入力を確認。エレベーター、起動します』

 

 一階からエレベーターが降りてくる。ドアが開き、乗車して、閉じる。上昇していくと、一階の階段に突き当たる。その手前で水平移動を開始。102号室、104号室、玄関口の真下を通過して、再び上昇。一階のエレベーター降り場に到着。ドアが開いて廊下側に出る。

 

 ちなみに廊下側からエレベーターを見ていた場合、エレベーターの内部が見えないよう窓が加工されているため、あるはずのない地下からエレベーターが昇ってくる光景を住人が目撃することはない。ただし振動音から違和感を抱くことはあるだろう。

 

「……あ。ハナワカー!」

 

 芹沢あさひの声が響く。

 彼女はゆうべ遊びに来ており、そのまま小宮果穂の部屋に宿泊していた。

 

「こんな朝早くにどうしたんです?」

「探検!」

「……あまりうるさくしないようにしてくださいね。みなさんまだ眠っているので」

「分かってるよ。……ハナワカ、なんでエレベーター使ってたの?」

「ただの点検です。──では、俺は朝飯を済ませてきますので」

「わたしもお腹すいたー。ハナワカなんか作ってよ!」

「簡単なものでよければ」

 

          §

 

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