【小宮果穂とちょいワル男子のオトナ甘くてコドモ苦い】ぷらすえっくす! 作:形のない者
まえがき
本話(および本編以降の部分的な話数)には、「グループSEN」および「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の二次創作物が含まれています(これから時折り含まれていきます)
(C)GroupSEN
(C)KADOKAWA
未明のプチパレス。
そこには隠された地下室があった。
・地下1階
┌──┬──┬──┐
│001.┃ ┃E │
│ │廊下├──┤
├──┤ ┃002.│
│003.┃ │ │
│ │ ├──┤
├──┤ ┃004.│
│倉庫┃ │ │
├──┼━━┼──┤
│ └━━┘ │
│ 地下牢 │
│ 闘技場 │
│ │
├━━┬━━┬━━┤
│ │ │ │
│ │ │ │
│ │ │ │
│ │ │ │
│ │ G │ │
└──┴──┴──┘
仮眠室たる001号室にて、アルファは覚醒。布団から飛び起きて廊下側に出る。
そして
「────テメェか? あのクソくだらねぇ悪夢を見せてきたのは……」
闘技場の奥には、鉄格子で仕切られた封鎖空間が三つある。そのうち中央の封鎖空間の最奥には、オーロラのような異彩の光を放つ
そのゲートの輪郭に上半身を倒して寝そべるは────コウモリの羽根を持つ美女。とある世界では“
「422。9h0qdkey]iq50;q0<?」
「……その訛り方、汎用共通語か」
アルファは廊下と闘技場を仕切る第一隔壁の結界式鉄格子を解錠。入室。第一隔壁を施錠。第二隔壁を解錠。闘技場に入室して第二隔壁を施錠。それは厳重な二重式ロックで、外敵を現実世界に放出させない仕組みだった。
「マザーAI。中央封鎖ゲートを解放しろ」
『────命令受諾。コードネーム・アルファ、御武運を』
闘技場とゲートを結ぶ結界式鉄格子が、マザーAIなる存在によって一時的に消滅。
さらにマザーAIは、これからの戦闘行動に必要な必須情報をアルファに伝達する。
『ゲート解析:異世界ラクシア』
『敵性エネミー解析:サキュバス』『推定レベル:12』
『推定能力:操霊魔法。神聖魔法。各種魔法適性。呪系催眠淫夢。飛行』
『メディカルチェック:推定『淫夢』の攻撃を二回ほど被弾。心身が一割ずつ損耗している恐れ有り』
「その程度ならかすり傷だ」
精力を吸われて若干の気だるさを感じるアルファだが、戦闘行動に支障はない。疾走開始。
詠唱するサキュバスは操霊魔法【スケープ・ドール】を行使。手持ちの人形に負傷を肩代わりさせるまじないをかけた。さらに両手の爪を刀剣のように伸ばす。さながら
相対距離50m。アルファの縮地。懐に潜り込んで鉤爪の間合いの内側に入る。いまさら振るってきても斬撃は当たらない。拳打一撃、華奢な体を貫く勢いでめり込ませた。するとサキュバスの腰に提げていた人形が、胴体から引き裂かれて破裂する。
即死級の一撃に恐怖したサキュバスは一歩後退。
その間隙を逃さず、アルファは震脚肩打。サキュバスの胴体を激発して吹き飛ばす。猛然たる体当たりの一撃で突き飛ばされたサキュバスは、背後のゲートの中に落ちそうになる。両手を広げてゲートの輪郭に鉤爪を引っ掛けて落下を阻止。
「────!!」
サキュバスの顔面に影が掛かる。
アルファの
『────戦闘行動終了』
『適性エネミー・サキュバス。元の世界への帰還を確認』
『お疲れ様です、アルファ様』
アルファは闘技場を後にして廊下に戻る。
そして、どこからともなく響いてくるマザーAIの音声に向かって語りかけた。
「あのさぁ。俺さっき変な夢を見てさぁ……あれ射程距離どれくらい?」
『およそ20mかと』
「結構広いなぁ……つーかお前の結界を貫通してくるの地味に怖くない? 地上の人達も変な夢を見せられたかもしれねぇな……」
『花海咲季のメディカルチェック:心身に一割のダメージ。命に別状なし』
『花海佑芽のメディカルチェック:心身に微量のダメージ。命に別状なし』
「……やっぱ住まわせたのは間違いだったな……」
『そんなことはありません。彼女たちのアイドルパワーがあるからこそ、結界は強靭に機能しています。もしプチパレスにアルファ様だけが宿泊する場合、被害範囲はプチパレス内に留まらず、街一つを飲み込んでいたでしょう』
「そうなんだよなぁ……まぁ精神干渉系は結界を貫通しやすいみたいだから仕方がない……」
『無論、速やかにサキュバスの特殊能力『淫魔』の対策を講じて結界を補強します』
「そうしてくれ。……ちなみにいま何時?」
『朝の四時です』
「んじゃ、そろそろ切り上げるか……またゲートからなんか出てきたら教えてくれ。速攻で退治する」
『承知』
アルファはエレベーターに乗り込む。パネルには1階から3階までのボタンがある。
「1階ボタンを1回、2階ボタンを6回、3階ボタンを8回……っと」
『暗証番号の入力を確認。エレベーター、起動します』
一階からエレベーターが降りてくる。ドアが開き、乗車して、閉じる。上昇していくと、一階の階段に突き当たる。その手前で水平移動を開始。102号室、104号室、玄関口の真下を通過して、再び上昇。一階のエレベーター降り場に到着。ドアが開いて廊下側に出る。
ちなみに廊下側からエレベーターを見ていた場合、エレベーターの内部が見えないよう窓が加工されているため、あるはずのない地下からエレベーターが昇ってくる光景を住人が目撃することはない。ただし振動音から違和感を抱くことはあるだろう。
「……あ。ハナワカー!」
芹沢あさひの声が響く。
彼女はゆうべ遊びに来ており、そのまま小宮果穂の部屋に宿泊していた。
「こんな朝早くにどうしたんです?」
「探検!」
「……あまりうるさくしないようにしてくださいね。みなさんまだ眠っているので」
「分かってるよ。……ハナワカ、なんでエレベーター使ってたの?」
「ただの点検です。──では、俺は朝飯を済ませてきますので」
「わたしもお腹すいたー。ハナワカなんか作ってよ!」
「簡単なものでよければ」
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