【小宮果穂とちょいワル男子のオトナ甘くてコドモ苦い】ぷらすえっくす! 作:形のない者
花海咲季は悪夢を見ていた。
アイドル同士の料理対決番組。司会者にして美食家にして味見係は天道唯我。花海咲季の対戦相手は花海佑芽。たった三人の番組が始まる。
咲季は、作る物は決まっているため一瞬で完成。
佑芽は、咲季のように“先回り”して練習を積んでいたのか、
劣勢の予感。
まずアルファは佑芽の料理を食べる。絶賛。
次にアルファは咲季の料理を食べる。酷評。
────んだこれペーストの掃き溜め盛り合わせか?
────嫌なら食うな? ああ二度と食わねぇよ。
たしかに佑芽と比べれば劣るかもしれないが、咲季の調理技術は達人級に巧いのだ。
それなのにアルファはボロクソに言ってくる。それでも花海姉妹の料理は完食してくれた。その点について指摘する。
────でも完食したじゃない。
すると天道唯我は眉をしかめた。
「人から出されたもんを残すわけねぇだろ。むしろ俺にこんな顔させながら完食させたことを誇りに思え。お前はゴミを食わせる天才だってな」
あまりにも暴言力が高すぎる煽りを面食らった。
かくして料理対決の勝者は佑芽に決まる。
……
「…………うっ……うぅ~ん…………」
花海咲季は汗を流してうなされていた。それは
「──……お姉ちゃん……起きて……」
花海佑芽は複雑を極めた表情で、怯えつつも優しく揺り起こす。
「────んっ……? ……おはよう、佑芽……」
「……うんっ!」
佑芽は何も言わない。悪夢を見てうなされていたよ、なんて言えるはずもない。
自分の所為。否、それは違うと
「……あたし、先に食堂、行ってくるね!」
「うん……わたしは完全休養日だから……ゆっくり休むわ……」
「遊びに行かないの~?」
「佑芽……あなたも休みなさい……ちゃんと休むべき時に休まないと、大切な時に最高出力が出せないわよ……」
咲季は寝ぼけ眼で言う。
もう二度と妹に負けたくないはずなのに、妹に完璧な助言を施す。
「……うん────千奈ちゃんの家でゆっくりするよ! ……じゃあ、またねっ」
佑芽は外出する。
咲季は時間をかけて起床。洗面所で洗顔。冷蔵庫を開けてペットボトルを開封、水分補給。冷蔵庫からSSDを取り出して電子レンジでチン。食べ終われば一階に降りて食堂に向かう。大崎甜花と共にお昼寝するためだ。すると廊下の先にアルファを発見。色々と荷物を抱えている。
次の瞬間、先ほどまで見ていた悪夢の内容をハッキリと思い出した。
「────ッ!!」
ふつふつと煮えたぎる怒り。しかし、あれは夢の中の話だ。現実のアルファには関係ない。だがそれならばこの怒りはどこに発散すればいい? 理不尽で申し訳ないが────元・一時的な担当アイドルのわがままくらいは、その身で受けてもらわねば無責任というもの。
「……アルファ~! 受け止めなさーい!」
完全休養日だが、今だけは全力疾走。
アルファに──甘えるように──タックルをお見舞いした。
§
時は少し遡り。
早朝。アルファは昨日の出来事を思い出す。
────葛城リーリヤが泊まりに来たこと。小宮果穂が死んだ魚のような目で見つめてきたこと。篠澤広が目を回して、吐血したように倒れたこと。
その後、溺死した葛城リーリヤと絶命した篠澤広を布団の上に並べて寝かせ、その横で小宮果穂とヤリまくったこと。やがて葛城リーリヤと篠澤広が覚醒。換気して臭気を払う。101号室から一歩も出ず、四人で夕飯を共にし、すぐさま続きを再開したこと。続きとは、葛城リーリヤを喰みまくりながら小宮果穂を突きまくることである。それを目にした篠澤広が再び卒倒したこと。退廃的な一夜を過ごし、快楽浄土の朝を迎えたこと。
早朝。誰よりも早く目を覚ましたアルファは、窓を少し開けて室内を換気、臭気を取り払う。
外出。くたくたの三人の乙女を放置して、いったいどこに向かうというのか。玄関口で外靴に履き替えて、寒々しい冬の町に繰り出す。歩いて十秒のコンビニへ入店。大量のお菓子とジュースを購入。エコバッグを持ってくるのを忘れた。上着を脱いで袋状にして商品を中に入れる。袖を結ぶが、丸めた上着にはまだ隙間がある。そこからこぼさないよう気をつけながら帰路に就く。帰宅する前に宅配ロッカーを開けて荷物を回収。その中には、昨夜通販で注文したゴム製品が大量に入っている。
「ただいま~」
靴箱に外靴を叩き込んで帰宅。スリッパを履いて廊下を渡ると────
────正面から全力疾走してくる、赤い理不尽暴走車を目撃。
「──え?」
「辻斬りごめーんっ!!」
「なんでぇ!?」
肩と肩の激発。咲季は跳躍して肩打一撃。アルファは完全な受け身を取ってノーダメのまま吹き飛ばされる。
アルファが手に提げていた上着が宙を舞い、服の隙間からポロポロとペットボトルやお菓子の箱が散乱していく。ゴム製品入りの段ボール箱は床を横滑りしていった。
突き飛ばされたアルファはでんぐり返しで起き上がり、即座にツッコミをかます。
「なにィ!? 俺なんかしましたぁ?!」
「何もしてないけどぉっ! ちょっとは自分の口の悪さを呪いなさい……!!」
さらに咲季は先日の
「っ……! こ、この前も……なんか変な夢を見たしっ……!!」
「────、……やっぱそれのせいで、最近俺のこと避けてたんすか」
「ッ!! ~~っ……」
咲季は心を読まれまいとそっぽを向く。気まずい。さっさと部屋に戻ろうとして振り返る。
「まって」
突として手首を握られた。ふと淫夢の光景が脳裏によぎった咲季は赤面。そんな展開になるわけないと思いつつも、ドキドキしながら振り返る。
「な、なによ……」
「俺の部屋に来ません?」
「────、……っ?!」
「や、休日は完全休養日として、のんびりだらだらするのは知ってます。先週の休日にチームピーちゃんと日向ぼっこしてましたからね。実は佑芽さんがそんな五人の写真を撮りまくってたのは秘密なんすけど────」
「! あ、あの子ったら……」
「ですので今週の休日は俺と日向ぼっこしません? どうです? 積もる話もありそうですし」
「…………」
咲季は逡巡する。
アルファは断られる気配を察知。ならばと咲季の
「というのも────勝負しませんか?」
§
早朝の101号室にアルファが帰宅する。
「あ、おかえりなさ────」
アルファの気配がなくて目を覚ましていた小宮果穂が出迎えようとして面を上げると……続けて、しおらしい感じの花海咲季が入ってきた。
「────いっ……、…………────」
小宮果穂は、ついに
布団の上で仰向けに死んでいる篠澤広……その横に添い寝して、掛け布団を頭までかぶる。
対するアルファは苦笑い。
「なら果穂は……またあとで、な……?」
葛城リーリヤは熟睡している。三人ともぐったりと寝込んでしまっていた。
それを目にした花海咲季は疑問を呈する。
「あら? リーリヤに広もいる……あなたから勝負に誘われるのは珍しいと思ってたけど、もしかしてみんなでゲームでもやろうって魂胆だったの?」
「テレビゲームとか? それは面白そうですね。いつかやりましょう」
「……違うのね。じゃあ勝負って何?」
アルファは上着を脱ぐ。机の上にゴム製品の入りの箱を置いて、布団の周りに大量のお菓子やジュースを並べ、お菓子の中から一つの小箱を手に取った。
「勝負は単純────『恥ずかしがったら負けゲーム』をやりましょう」
「……恥ずかしがったら……?」
「恥ずかしさには段階を設けて、勝った人は恥ずかしさの段階の調整を要求できる。つまりギアを上げたければ上げて、下げたければ下げる。同じ段階を宣言することも可能ですよ。で、段階の数は……とりま五つくらいにしましょうか」
「……まだよくわからないけど……恥ずかしさの証明はどうするの?」
「自己申告で。ほかにも指摘して拒否らなかったら同意とみなして証明となります」
「……それ、お互いの信頼がないと成り立たないゲームよね……」
「そうですよ?」
「で、内容は?」
目を細めて微笑むアルファは、チョコスティックの箱を咲季の顔の前に持ってきてシャカシャカと振る。
「まずはパキッとゲーム」
「……────っ!?」
「レベル2は抱っこ」
「?! ハ────」
「レベル3は唇以外への接吻」
「ハァァァーーーーーーッッ!?」
「レベル4は押し倒す」
「あ、あなた……な、なに言ってるか分かってるのォー!?」
「レベル5は甘いお願いをする」
「っ…………!」
「いかがです? 『恥ずかしがったら負けゲーム』……先にスティックを咥えるのはどちらにしましょうか。じゃんけんで決めます?」
「…………、……────」
目を見張る咲季は頬を赤らめて、じっとアルファの顔を見つめている。
対する青年は箱を開けて封を切り、一本のスティックを取り出した。
「一度やってみたかったんすよねー! さぁどうします?」
「っ……?! ……!! ……────わ、わたしは、アイドルよ……だから、そういうのは……」
「アイドルは恋愛禁止なんすよね? これはただのゲームっすよ?」
「そんな屁理屈が通るわけないでしょっ!!」
「じゃー俺の不戦勝~」
「ハァアアアアアア!?」
アルファはスティックをかじって勝ち誇る。勝者の笑みを浮かべていた。いたずらっぽく微笑んでいる。
対する咲季は、どうしても相手の気持ちを確かめたい乙女心が揺れ動く。
「あ、あなた……わたしと、そんなことしたかったの……?」
「はい。俺がプロデューサーだった頃も『咲季さんを気に入っている』と、何度かお伝えしていたはずなんですがね」
「あれは……ただの、褒め言葉だと……」
「では、その誤解を解きに誘いました。……で?
「────、────…………戦るわ。だから、ちょっと、まってて……」
咲季は退出した。
§
数分後。
様子が一変した花海咲季が駆け戻ってくる。
「ねぇ聞いてぇアルファ~! わたしのプロデューサーがさァ! わたしのこと好きすぎるのよぉ~!」
「はいはい。何があったんでしょうか?」
満面の笑みを浮かべる花海咲季は両手を合わせてルンルン気分。
どうやらしばらく学園プロデューサーと電話をしていたようだが……とりあえずアルファは、あくびをしながら相手する。
「あのねっ? 『今からアルファと“パキッとゲーム”するから』って言ったら、寝起きなのもあいまって急にチョ~低い声になってね! 誰も聞いてないのに『でも俺の方が咲季さんのことをうまくプロデュースできますよ』って言ってきてねぇ~?」
「なんてこと報告してんすか……」
「だってプロデューサーが報告しろって言うんだから、しょうがないじゃない……」
腕を組む花海咲季は呆れ気味に眉を下げる。
それも次の瞬間には、また花開いたような明るい笑顔となった。
「でねっ? あの様子はきっと、プロデューサーとして、わたしがあなたに取られると思ったのかしら? そうに違いないわ! 寝ぼけてるのか、急にプロデュース方針を改まって一から説明されてね? 最後に『咲季さんを幸せにするまでプロデューサーを辞める気はありません』……だってぇ~~~~~~!!」
「たしかに先輩の本気度は、咲季さんに一番向いていますよね」
「やっぱりぃ~?!」
「でも今日はたしか、
花海咲季は笑顔のまま石化する。
しばしの沈黙。
般若のような気迫を発した乙女は、腰に手を当てて声を低める。
「──……あなた、そんなに水を差してきて、絞められたいの?」
「その反応から察するに……正味、恋愛的にどうなんすか?」
「……別に。どうも何もないわよ……」
花海咲季は腕を組んで視線を逸らす。虚空を見つめており、その先には壁がある。
(ふむ。これはどうも、
相手の横顔を見つめるアルファ。
それに気づいた咲季は訂正する。
「……あなたにはバレちゃうから白状するけど。相思相愛のところに突っ込むほど、勝負と競技を取り違えてはいないわ」
恋愛事で勝負と競技は取り違えない。
どういう意味だろうか? アルファは考察する。
「……?? どういう意味です?」
「ひみつ!」
どうやらアスリートとして、複雑な乙女心がある模様。
やがて花海咲季は腰をかがめて、アルファを指さした。
「だからアルファ! 責任を取りなさい!」
「はい?」
「わたしたち姉妹の仲を完っ璧に引き裂いた
「……なるほど。つまり今まで競技を転々としてきたように────」
アルファは言うか言うまいか迷ったが、先ほどの理不尽タックルを思い出し、仕返しをすることにした。
「
────。
……。
。
「わぁ~笑顔の死神が近づいてくるぅ~♪ 謝らないけどホールドスリーパーだけは
轟音。
天罰てきめん。
プチパレスの屋根から小鳥の群れが飛び立つ。
ちょいワル男子は
§
朝方の101号室。
「────ハッ!」
アルファは仰向けで目を覚ます。後頭部がジンジンとして痛い。
起床。眼前には花海咲季が正座していた。振り返ると布団の上には三人が眠っている。どうやら一分ほど気絶していたようだ。
「ほら。
仏頂面の花海咲季は拳を握る。一瞬殴られるかと思ったが、じゃんけんの合図だった。
『じゃんけんポン!』
咲季の勝利。
「あたしが咥えるわ」
「おや。待ち構えるスタイルがお好みですか」
「……」
既に勝負は始まっている。アルファが寝ている間に精神統一は完璧。あらゆる羞恥的な展開を予想して心の準備は完了している。ジト目の咲季はチョコスティックを咥えて、やや上向く。上から相手を見下すかのような気迫で、蔑みの視線を上目遣いで送る。
「それで恥ずかしがる人は変態っすよ」
にこやかに言うアルファは正座の状態から距離を詰めて、互いの膝小僧を文字通りすり合わせる。こそばゆい感覚。ぐぐいっと顔を急接近。ぱくりと咥えてパクパクガツガツとなんだか素早く食べ進めていき────
「────っッ!!?!」
猛烈な勢いで急接近してきた青年の咀嚼スピードに対応できず、乙女は面食らっている間に口づけを許してしまった。
「ハイ! 赤らんだ顔いただきました~! 納得できない場合は机の上の鏡をご覧あれ~☆」
妙にハイテンションなのは、ジャーマンスープレックスで頭を打ったせいか。
花海咲季は鏡を見るまでもなく敗北を認める。
「ぐっ……ッ!! ぬぬぅ~……っ!!」
「軽い羞恥の後に、凄い悔恨が湧き上がってきますねぇ……」
若干引き気味に苦笑するアルファは、あぐらをかいて片ひざを叩く。
引き締まった顔つきで微笑み、首をかしげた。
「ほら、さっさと乗れよ」
「……っ!」
アルファは箱の中からチョコスティックを一本取り出し、パクパクと頬張る。
その間に花海咲季は、赤面を隠すようにうつむきながら、勇気を振り絞って少しずつ前に移動。女の子座りの姿勢で腰から上を前のめりに倒し、腕を伸ばして抱き込もうとする。つまりそれは腕だけのハグ。いわゆる、へっぴり腰のハグだった。
「おや~? 抱きつきたくないってことは、恥ずかしいってことかな~?」
「っ?! っ~~~~……は、恥ずかしくなんて……ないわよぉ!」
膝立ちジャンプ。アルファの膝の上に着地。それでも花海咲季の頭頂は、アルファの目元より下にあった。
(……思ったより小さい)
花海咲季は目をギュッとつむって力強くハグする。胸元が触れ合っても意識しないよう努める。それでも自分の顔は青年の胸元に触れないようにして、腹部同士にも幅を開けている。引っ込んでいる部分まで密着する必要はない。
するとアルファは右腕を腰に回して、少女の右脇をわしづかみ、小さな体を思いっきり持ち上げて抱き寄せた。
「ひゃあ!?」
「もっと引っ付けよ」
完全密着状態。乙女の
乙女は確信する。今、
「じゃ、ここから恥ずかし合戦再開です。今までの羞恥心はノーカンにしてあげますよ。その代わり、はい。またパキッとゲームしましょ?」
「……っ!? こ、この体勢、この状態でぇ……?! 聞いてないわ!! 下位の段階はそのまま引き継がれるの!?」
「いいえ? ただ抱っこしながらパキッとゲームしたいなーと思って。それともなんです? 恥ずかしいんです?」
「っ?! ……っ……~~っ!!」
乙女は面を上げた。青年は真っ赤な顔を期待していたが、予想とは異なっていた。
(────、)
青年の
「────ところで見てください。俺の体にスッポリ入る、あなたのちーっちゃなカラダ」
「っ!」
「身長……大きめに申告してません?」
「……ッ?!」
「ほんとは150ジャストなんじゃあないっすか~?」
「そ……そこまで小さくないわよっ!!」
青年はチョコスティックの先端を咥える。
「んっ」
「……っ! ……──」
乙女は「あむっ……」と咥える。
すかさず青年は、低身長の頭をさすさすと撫でた。
「んひゃっ?!
「ん~?
「っ……!!」(まずい……! ここでうなずいたら、恥ずかしがってる証拠になる……!)「別に……!
「つーかぁ……なんで勝手に
「────っ!!!?」
「お前もう
「なっ────
煽られたことで、乙女・花海咲季の競争心に火がついた!
一旦瞑想して精神集中。人格を切り替えるレベルで雰囲気を一変。瞳に闘志を灯す。
「わかったわ────三回勝負よ。レベル2の抱っこ勝負はわたしの恥ずかし負け。でもレベル3はわたしが勝つわ。唇以外へのキス……だっけ? 下策だったわね! 最初にチューしちゃったから、わたしはもうチューに耐性ができているのよ!」
「じゃあおっぱいにチューしたらどうなるんです?」
「おっぱいにチューですってぇえええええええええええーーーーーっ!!? あなたそれやったらセクハラで訴えるわよっ!?」
「セクハラで訴えられても裁判所に拒否られそうなくらい、既にイチャイチャしてるんですが……」
「そうだけどっ! そーゆー問題じゃなーい!」
青年は首筋に甘噛みする。
「はぁんっ♥ ────って、なんて声、出させんのよ……! も、もうっ……!! あなたえっちすぎない……?!」
「それはあなたが悪いです」
「────はぁ!? あたしの何が悪いってのよ!」
「可愛すぎるのが悪い」
目を丸くして硬直した乙女は、ポッと赤らむ。
「魅力的すぎるのも悪い」
目線が泳いでうつむく。褒められたことでついついにやけてしまう。嬉しくて悶えてしまう。
「扱いやすいのも悪い」
完全密着状態では身を横に揺さぶることはできないが、それでも肩だけ揺さぶる。すると右肩が青年の胸元に当たり、左肩が胸元に当たり、それの繰り返しで打撃力が増していく。増していきながら、どんどんうつむいていき、ニヤケ顔から満面の笑顔に変化していく。
「えっへへ……急に何よ、褒めちぎっちゃって~! ならわたしも言ってあげる! あなた、わたしのこと実は大好きでしょ~?」
「はい俺の勝ち」
「そうよね~! 知ってた────
噛み合わない会話。
今は
「うわうわ。よっっっっっっっっっわぁ~……」
煽り散らかす青年。
歯噛み歯ぎしりする乙女は羞恥と悔恨で身が張り裂けそうになる。若干、青年の体の中で暴れた。そのたび青年はギュッと抱きしめる力を強める。すると乙女は抵抗できなくなっていく。
「っ……! ~~~~~っ……ッ!!」
徐々に乙女は力負け。男らしい筋力に押さえつけられて、フィジカルで圧倒されていく。
なんとか抵抗して暴れようとするが、完全にベアハッグされてしまい、完膚なきまで屈服されてしまった。もう何をすることもできない。
「たしか、レベル4は
「────っ!!」
「おや? もしやちょっぴり期待してます?」
「は────はぁ!? そんなわけ……ないでしょ!」
「では、レベルはこのままで」
「!?」
しばらく抱き合ったまま。
思考が沸騰する中、乙女は勝ち筋を探す。
「……そ、そんなこと言っちゃって~。ホントは次の段階に進むのが、恥ずかしいんじゃないかしら~?」
「そうですよ」
「! な、なら、今度はわたしの勝ちね!」
初勝利に喜ぶ花海咲季は鼻をふんすと鳴らす。ようやくの勝ち星である。
「ではどうしますか?」
「…………────」
花海咲季は眉をひそめる。
(ぐっ……こいつ、よく見たら全然恥ずかしがってないじゃない……まさか、わざと負けた!? この性根腐れ野郎ならありえるわね……だったら、まだ本当に勝ったとは言えない────じゃあ、どうすれば勝てる? …………)
乙女は決断する。
「────じゃあ……
青年は観念したのか目をつむる。
乙女は火照った。心身が熱くなってくる。変な汗もかいてきた。
小さな手を逞しい胸元にかざす。そっと当てる。
(あっ……堅い……)
押し込む。
(……! お、重い? っ……ぜ、全然、倒れてくれない……)
「ちょっと……さっさと押し倒されなさいよ……」
乙女は思う。
もしや相手は押し倒されるのが恥ずかしくて、体に力を入れてこらえているのではないかと。
「? はい。だから早く押してください」
「……──?!」
しかし乙女は気づいた。気づいてしまった。
逆だったのだ。自分の方が恥ずかしがっており────押し出す腕の力が弱まっていた。
(っ────)
かといって、ここで負けたと宣言すれば本当の負けである。相手は気づいていない。このまま押し切ればごまかせる。否、この勝負は自己申告制だった。ならば自分は今、羞恥を感じていたことを自覚したため────
「……ばかっ」
────どっちに転んでも敗北が確定している。
花海咲季ともあろう人物が、敗北の決まった勝負に打って出ようとしている。
もうやぶれかぶれだ。
全力で。勢いをつけて。
両手で思いっきり押し倒す。
赤桃色の髪がたなびく。
流し目の男はすまし顔。
完敗の悪あがきだった。
「俺の勝ち」
────あたしの勝ち!
「っ……!」
つい、涙が
妹と、重ねてしまった。
あかね
「……やっぱり。どんなことでも。負けるのは。悔しいわね……」
「なら
乙女は崩折れていった。
青年の大きな体の上に。
§
花海咲季はダウンした。アルファの胸の上に顔をうずめて微動だにしない。傷心中にして休養中である。そろそろ健やかな寝息を立てて眠ってしまいそうだ。
「いや逃がしませんよ? レベル5です」
「────」
アルファの胸元から、ドクドクと脈打つ鼓動の音が伝わってくる。
「────抱かせてくれません?」
鼓動が加速した。返答に逡巡しているのか、覚悟を決めようとしているのか。
「────…………、……」
やがて乙女は、返事をした。
「今度、ね……今日は休養するって、決めてるから……」
「はいよ」
§
その時、小宮果穂・葛城リーリヤ・篠澤広の三人が布団から起き上がる。
「アルファさん……」
「センパイ……」
「ふふ……キレそう……」
それは欲情と嫉妬が交じる声色。
実はずっと前から起きていた。あまりのイチャイチャ加減に、起きるタイミングを常に奪われていたのだ。
特に葛城リーリヤは、色々と思うところがある。
(センパイを狙うなら、センパイが色々な女の子に囲まれていても動じない、強い心が必要みたい……で、でも────そんなの、むりぃ……! やっぱり本当は……センパイをみんなと共有できるような、広い心が必要なのかも……センパイは束縛を嫌うし……けど、こっちも独占したい気持ちがある……ふ、ふたりきりになりたいなら、この前みたいにデートに誘えばいいだけで……つまり何もない日は、毎日が
葛城リーリヤは遠い目をする。
一方の小宮果穂は疾うに慣れているのか、思いの丈を正直にぶちまけた。
「あたしもえっちしたいですーっ!」
「っ!? か、果穂ちゃん……! 外に聞こえちゃうよ……!!」
アルファは身を起こす。花海咲季を抱いたまま二枚布団の中央に移動。仰向けのまま両手を大きく開いて寝転がる。
「おらー。好きにしろー。活け造りにでもするがいいさー。踊り食いでもいいぞー」
ならばと少女達は殺到する。
目をギュッとつむる小宮果穂は、青年の右腕を枕にして丸くなる。同じく葛城リーリヤも青年の左腕を枕にする。篠澤広は青年の頭を膝の上にのせた。膝枕である。なお青年の体の上には、花海咲季が寝息を立てていた。
そして篠澤広は赤らみながら至極複雑そうに、小声で物申す。
「ああ……目が回ってきた、ね……スゴく爛れた関係、不健全すぎる……これが佑芽の言ってた脳破壊……多情な男を物にするのは、本当にままならない、ね゛……」
かくして青年は、三人に恥ずかしゲームを提案。同時に三人を相手にする。
まずはパキッとゲーム。
青年は三本のチョコスティックを咥える。三人の乙女はそれぞれの棒を咥えて食べ進める。すると青年の指先が遊び始める。赤毛の少女の局部をいじり、雪の少女の腰を指圧。
『んっ……♥♥』
膝枕をやめて寝そべり、ちゅーしようとした三人の乙女は、途中で恥じらって動きが止まってしまった。
青年は三本のチョコスティックを吸い込んで食べきる。
「俺の勝ち~。ちょっとは俺を恥ずかしがらせてみせろ」
レベル2は腕の抱っことキス。
『きゃあ!?』
赤毛と雪の少女は、突然乱暴に抱き寄せられる。
顔面が青年の横顔に急接近。ほっぺにキスしろ、ということだろうか? かーっと赤くなる。
「もっと近く。……もっと。……もっとだ。キスする気あります?」
垂れる髪を耳にかける乙女は、青年に求められて顔を近づけるが、唇を丸めてムニムニとする。頬を染めた。あと少しのところで視線を逸らしてしまう。やがて赤毛と雪の少女が頬に口づけをしたと同時、青年と向かい合う乙女は鼻と鼻とをつんと突き合わせた。
「広は意外と乙女でかわいい。ではレベル3。好きなところを触れい」
青年の無双が続く。
好きなところを触れと言われても、ほぼ全身が密着している状態でどうすれば。赤毛の少女は青年の首元に抱きつく。その座を取られた雪の少女はゲームに勝つため、なんとマンモスくんに手を這わせる。青年は手を挙げて乙女の首根っこを掴むと引き寄せて────
「──っ!? ~~~~っ……、……、、────」
それだけで腰が抜ける。
「ふっ────よわよわ広」
「っ……!! ……ハッ…ハッ…ハ…ッ…ン…ぷは…っ…ぇぅ…ん♥…ハッハッ…ぁぇ…だ…め…っ…、……♥」
よわよわと煽られた乙女は徐々に興奮していき、ずっと口が塞がれているため鼻呼吸。息苦しくて両目がギュッとつむられる。このままでは溺れてしまう。少しでも息を吸うため逃げようとしても逃がしてくれない。過呼吸。頭がボーッとしてくる。苦しさと心地好さと複雑さで心が乱暴に掻き混ぜられる。
やっと解放された乙女は、
「おに♥ きちく♥ あくま……♥」
目はハートになっていないが、声は高く、掠れゆくように
青年はもう片方の手で、赤毛の少女の局部を攻めてイカせた。声を潜めて痙攣する彼女を放置して、乙女の首根っこを掴む手を交代し、今度は雪の乙女の局部に手を這わせる。
「っ!? だ、ダメですっ……!」
「俺のを触っといて自分のはダメとか通らないっす」
「そ、それは……! ──ひゃん?! せ、センパ……ご、ごめんなさ……!! ぁ♥ やっ、やだ、まだ、やめっ……ぁ♥ あ♥ あっ♥」
「声抑えないと外に聞こえますよ?」
「じ、じゃ♥ やっ♥ やめっ♥ やめてっ♥ あっ……!! んっ♥」
§
昼前。
布団の上では小宮果穂・篠澤広・葛城リーリヤの三人が散乱していた。
アルファと花海咲季は冷蔵庫から昼飯の弁当を取り出してレンジでチン。机を挟んで昼食を取る。
「……ん~……ねぇ聞いて……」
「なんです?」
咲季は寝ぼけ眼でしゃべる。
「この前ね……変な夢を見たのよ……そのせいで
(うそだろ……あれってマジで第三の選択肢としてはあったのか……怖すぎだろこの人……)
「まぁ……思いついちゃったから、用意しただけで……本当に実行する気は…………血迷ったら、あったかもしれないけど……、……ごめんなさい。何を言ってるのか分からないわよね……。わたしが言いたいのは……花海咲季は夢の中で、あなたに二度も負けちゃったの……」(しかも、即堕ち2コマで……わたしのプロデューサーまで混ざって……うぅっ。我ながら、なんて
「なら三度目の正直があります。次は勝てるかもしれませんよ? もしかしたら、それが今なのかも」
「…………じゃあ……レベル5。甘いお願いをするわ……」
花海咲季は、寝ぼけていても花海咲季だった。
「わたしと……ずっといっしょにいて~?」
「────」
まぶたをこすりながら首をかしげ、そんなことを眠たそうに言ってのける。
(…………くそっ。プランCよりも、そっちのほうが破壊力ありますよ……)
アルファは観念した。
「今、恥ずかしい気持ちになっちゃいました」
「……え~?」
「ですので叶えます。ただし俺は三年後に海外で起業しますので、それまでの付き合いですね」
「……なら、わたしも海外進出するだけよ……」
「アイドル文化を海外に? それは面白そうですね」
最後にアルファはやり返す。
「ではこちらもレベル5です。咲季さんが寝ている間に、咲季さんの処女を奪ってもよろしいでしょうか?」
「ええ……いいわよ~……、…………────? …………、……!?」
「眠たげな時に安請け合いはしないほうがいいっすよ。でも今ので恥じらったので受けてもらいますね~」
「?!??!?!?!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!?!?!?!?!!?」
§
昼過ぎ。
復帰した小宮果穂・篠澤広・葛城リーリヤの三人は、冷蔵庫からお弁当を選んで昼食を取っていた。
一方の花海咲季は布団の上で座りながら眠っている。おそらく──寝そべったらアルファにヤられるため──警戒している。
そこでアルファが問いかけた。
「あのさー。食べながらヤるのはイヤですか~? 汚いって思う?」
「……あたしは、ちょっと慣れてますけど……」
「わたしは食べ物をこぼしちゃいそうだから訓練が必要」
「わ、わたしも……そういうのは、まだちょっと……」
「じゃー君らが食べてるとなりで、俺と別の女がヤってるのは?」
『それはやめて(ください)』
一斉に断固反対された。低い声色だったのがちょっと怖い。
アルファは軽いブーイングを飛ばしながら待機。さっさと食べろと言いたげに食事を手伝う。
「んじゃさっさと食べてくださーい。はい、篠澤さん。あーん」
「あーん」
「……! あ、アルファさん! それ、あたしにもやってほしいです……!」
「マジかよ……はい、あーん……」
「あーんっ!」
「…………せ、センパイ……」
「なに? どういう性癖? 趣味? はいあーん」
「あ、あーん……」
アルファはうろたえつつも全員に食べさせる。
そこで小宮果穂が言った。
「あの……あたし、最近アルファさんとのえっちが少ないなって……思ってたんです……」
アルファは押し黙る。
篠澤広が興味深そうに聞き返した。
「そうなの?」
「はいっ……大学を卒業してからで……」
「憑き物が落ちたみたいな?」
「たぶん……? ……で、ちょっぴり、ちょいワルなところも消えて……あ、でも、そこはすぐ復活したんですけど……。あ、それといつもより、自分のことを話してくれるようになったんですっ! この前はスウェーデンの恋愛観? とか!」
「ふむ……どういう心境の変化?」
篠澤広は単刀直入にたずねる。
アルファは自己分析の評価を淡々と答えた。
「長年の夢が叶ったからじゃないっすかね。燃え尽き症候群に近いっすよ。たぶん“大学に行けないこと”を“大人になれないこと”と結びつけて、その不満を“エッチなこと”で解消していた、とか……自分も最近気づきましたけど」
「なるほど。代替行為みたいなものだね。それで果穂は何が気になっているの?」
「えっと……最近また、エッチになってきたな! って……だ、だって! こんなに女の人とご一緒すること、今までなかったから……っ!!」
小宮果穂は赤くなりながら、若干の不満混じりに疑問を唱える。
「ふふ。たしかに。急にリーリヤと咲季が増えた。今までアルファと果穂とわたしの三人だけだったのに」
「ただ盛りの時期に入ってるだけっすよ」
「生命は命の危機に晒されると子孫を残す本能が働く。アルファ、何か危険なことでもあった?」
「やぶからぼうになんです?」
篠澤広の目つきがキュピーンと光る。
「質問に質問で返したね。アルファは嘘がつけないから、ごまかす時は混ぜっ返すことが多い」
「そういうのを考えすぎって言うんすよ」
「じゃあ脱いでみて」
「なんでぇ?」
「プロデューサーの裸を見てみたい。だって────ちゅー……したから……次の、ステップ……」
「……」
篠澤広は言っている途中で恥ずかしくなってきたのか、全部言い切る前に言いよどむ。
対するアルファは無視を決め込んだ。
「早く食べてください。俺は咲季さんとヤリたいっす」
花海咲季はウトウトとしながらもビクッと反応。
目をつむって穏やかな呼吸をしつつも、やや赤らんでいた。
§
窓の外の空模様が、青と赤で半々になる頃。
布団の上では、真紅と群青が激しくまぐわっていた。
立ちながら膝を曲げる青年は、仰向けに倒れる乙女の両膝裏を抱え持って、ガンガンと腰を振っている。
『わ、わぁ…………』
小宮果穂と葛城リーリヤは両手指で目元を覆う。指の隙間から情事を観察している。
一方、篠澤広といえば絶命していた。最初は果穂やリーリヤと比べて、目を隠すことなく
「…………ん~~~~~~…………ンッ♥」
眠れる真紅の乙女は、極まりゆく羞恥をなんとか我慢し続けて、とにかく休養に全力を尽くす。
頭上にくたびれた両腕。後頭部と肩甲骨が枕と布団に擦れていく。背中と両足は抵抗できない屈服感と浮遊感を味わいつつ、腰と股間は激烈な快感で完全脱力。そのまま小一時間ほど飽きることなく打ち叩かれ続けている。既に何度も絶頂しており、たまに気絶してはたまに覚醒して、なおも突かれ続ける悦びと、そこまで自分を求めてくれる悦びに思考が飛び飛び。今が夢か現実か定かではなくなっていた。
§
窓の外の景色が真っ暗闇になった頃。
アルファは夕飯を食いながら、机の下に仰向けでうたた寝する花海咲季を突き続けていた。段ボール箱の中にあった大量のゴム製品は、残り半分といったところ。
なお周囲は死屍累々。布団の上で痙攣する小宮果穂は下着が脱がされており、葛城リーリヤは指先でイカされていて、篠澤広は未だなおキスによる酸素不足で昏倒していた。ただし舌を入れる程度なら慣れてきており、多少は成長しているようす。
「……………………ん~~~~~~♥…………あなた、絶倫、すぎでしょ……」
「三日三晩は覚悟してもらいますよ」
「……っ♥……みんなに……怪しま、れるわ……」
「管理人室は完全防音なので大丈夫です」
「部屋から、出てこないって、ことよぉ……んっ♥」
「ンなもん察しろって話っすよ。それにみなさん休日はよくお出かけに行きますし? 俺たちのことも外出してると思い込んでますって! ──下駄箱で、俺たちの靴を見つけなければ」
花海咲季は眠気によって感覚が鈍っているのか、一向に喘ぐことはない。
アルファも休養を邪魔したくはないため、あえて急所は突かないようにしている。適度に心地よく眠れるような、ほどよい気持ちよさを提供しているのだ。
そのため花海咲季は、まだ急所を突かれる悦びを知らない。
§
深夜。日をまたぐ頃。
小宮果穂は朝・昼・夕方・夜と、アルファに責められて気絶することが多かったため、夜九時を過ぎても目が冴えていた。それは葛城リーリヤと篠澤広も同様である。やがて彼シャツを着る花海咲季が、布団の上でうんと背伸びして起き上がる。
「ん~~~~~~っ! よく休んだぁ……! ──って、青のプロデューサぁ~?! 深夜に起きたらリズムが崩れるじゃないのよぉ!」
「なに言ってんすか? レベル5の約束、忘れてはいませんよね?」
「……は?」
「
「────────────────……へ?」
花海咲季は目を丸くして引きつり笑い。
こいつは何を言っているのか。昼から散々、寝ている自分を好き放題したくせに。あれが本番ではなかったのか。ならば本番とはなんなのか。
「今までのは
「い、いえ……! あたしは、もう、大満足なんですけど……でも、はい……アルファさんは……スゴいですよ…………たぶんあたしが五人いても、受け止めきれません…………」
「えっ……さ、さすがにうそでしょ……? ……────あ、あんなに気持ち良かったのに……もっと上が、あるって言うの……??」
「むしろ良く眠れるSEXなんて存在しないっすよ。俺が超絶巧いから休養しつつヤれたってことを忘れずに」
アルファは部屋を換気。
さっそく皆が寝静まった
「そんじゃー付いてこい! 今まで
にかっと笑うアルファは当然の対価を支払えと言いたげに、ドン引きする乙女達を男湯に連れ込んだ。
§