※この作品はR-18です。

【小宮果穂とちょいワル男子のオトナ甘くてコドモ苦い】ぷらすえっくす!   作:形のない者

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sR【HAnaHAna成長譚】鈴木羽那

 

 春先の日中。

 プチパレスの玄関にて。

 

「ただいまー」

 

 アルファが帰宅した。

 

「おかえりなさいっ!」

 

 小宮果穂が出迎える。

 

「おかえりなさ~い、天道さーん」

「あ、天道さんだーっ。やっと捕まえた~」

 

 たまたま通りすがった郁田はるきと、遊びに来ていた客人の鈴木羽那までもが出迎えた。

 

「おや、鈴木さんお久しぶりです。それではさようなら」

「さーて、罰ゲームのお時間でーすっ」

「おやおや。あれから半年以上。すっかり忘れていました。それで? 成長のほどは?」

「まずはあたしの話を聞いてくださいっ」

「はい」

「じゃあ場所を変えよっか?」

「……──そういう意味ではないと分かっていても、心の声がありのまますぎてちょっと怖い今この瞬間」

「えーなにー? またよくわかんないこと言ってー。早く行こっ?」

「はぃ……」

 

 鈴木羽那に連れられたアルファは、二階の廊下にある憩いの間に到着。

 何事かと思った小宮果穂と郁田はるきは尾行して覗き見していた。

 

「あはっ、ここのソファふかふかで気持ちいいよねー!」

「そうですねー」

「春で暖かくなってきたし、つい寝落ちしちゃいそうでさーっ」

「そうなんですねー」

「天道さんも寝落ちすることってある?」

「罰ゲームの話はどこへ……?」

「あ、そうだった~! それがさー? なかなか思いつかなくって~」

「ハハッ」(あ、やべっ。呆れすぎて思ったより乾いた笑いが出ちまった……)「なら無しで良いのでは?」

「えーっ? それはなんかモヤモヤするな~?」

「なぜです?」

「だって君、いじわるなんだもーん」

「つまり仕返しがしたい」

「そう!」

「では好きでもない女の長話は男の嫌がる典型的な罰ゲームなんで、そうされては?」

「あーほらまたそうやって最悪なこと言うー。この生意気小僧さんめーっ!」

「あなたも色々と成長なされたようでお父さん嬉しいです」

「誰が娘じゃっ!」

「それと仲直りされたようで何よりです」

「? ……え、だれと……?」

「なんとなくです。顔見れば分かります。──まっ、罰ゲームなんていつか思いつきますよ。それに俺は頭の弱い人間は少し苦手でね」

「むっ。まーたまたそうやってー」

「昔の自分を思い出す」

「──……え?」

「言葉足らずは不幸の素だ。──ですので、まぁ、はい。いつか俺が困ったら助け返してください。それが俺にとって最高に最悪な罰ゲームですよ。だって悔しいですもん。舐め腐ってた相手に助けられるなんて屈辱以外の何物でもない」

「…………」

「じゃ、そんなわけで。すたこらさっさ」

「あ、逃げたーっ!」

 

 小走りで逃げるアルファは、覗き見していた小宮果穂と郁田はるきのそばを駆け抜けていく。

 

「もーっ!」

 

 牛のように不満を漏らす鈴木羽那。

 そこで緊張した面持ちの小宮果穂が問いかける。

 

「あ、あのっ! 羽那さん! いつの間にアルファさんと、仲良くなって……いたんですか……?」

「えー? 仲いいかなー?」

「は、はい……! あたしには、仲良く見えました……!」

「えーっ、ほんとー? そうかな~?」

「……っ? 羽那さんは……仲いいと思わないんですか……?」

「あはっ、だって、あんな感じの天道さんだよーっ?」

「……? アルファさん、だから……?」

「うん。困った時に助けてくれるのは嬉しいけど、なんかなー?」

「なんか……?」

「えっと、天道さんってたくさんのこと考えてるよね? でもすっごく! すーっごく! いじわるなんだ〜」

「は! それはそうです! あたしのアルファさんが失礼しました……っ!」

「いいえーっ。果穂ちゃんが謝ることじゃないよ~?」

 

 小宮果穂は判断する。

 おそらく鈴木羽那は、ちょこ先輩と同じ枠であると。

 

 一方、郁田はるきは色々と空想していた。

 

(……天道さんと知り合って恋バナができるようになった果穂ちゃん……天道さんと知り合って特に変わらない羽那ちゃん……同じ無垢でも対照的だ~。これは面白い対比になるかも? 材料や題材は何がいいかな~。絵画なら白銀と真紅の塗料で────)

 

 かくして三人は井戸端会議に花を咲かせる。

 今日も今日とてプチパレスは賑やかに、何かが少しずつ変化していくのであった。

 

          §

 

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