※この作品はR-18です。

【小宮果穂とちょいワル男子のオトナ甘くてコドモ苦い】ぷらすえっくす!   作:形のない者

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 まえがき

 本章は、「ポケットモンスター」の二次創作が含まれております。



 もしも小宮果穂がいる世界に、ポケモンが存在していたら────





ポケモンワールド編①〔合世界(マージドワールド)〕
pR【春のベランダ/カホ日記!】小宮果穂


 

『カホ日記!』

 

 あたしは、今アルファさんのおうちにいます。

 マンションの五階です。ジャスティスⅤと同じ数字です!

 

 /

 

 四月○日(土) 晴れ

 

 今朝は、ベランダに桜の花びらが落ちていました。

 風に乗って、飛んできたのかな?

 窓を開けてベランダに出ると、目のはしっこに動いているものが見えました。

 

 よく見ると、いっしょけんめい、壁をよじ登っているキャタピーでした!

 緑色のムニムニした体で、うんしょ、うんしょ、って歩いていました!

 

 最初は落っこちないか心配だったけど、少しずつ、でも力強く、キャタピーはどんどん上に登って行きました!

 あとで、アルファさんにそのことをお話したら、こう言っていました。

 

 「もしかしたら、ベランダで家庭菜園してる人のところに行ったのかもしれない」

 「プランターの若葉や花粉を求めて、食べ物を探しに来たのかもな!」

 

 それがなんだか、ヒーロー番組の「平和な街のシーン」みたいで、ちょっとほっこりしました!!

 

 〔笑顔のマーク〕

 

 /

 

 四月○日(日) 晴れ

 

 今日は、たくさんありましたー!

 

 朝起きてカーテンを開けたら、なんと!

 ……網戸にハネッコが引っかかっていました。びっくりです!

 

 困っているかもしれないと思って、急いでベランダに出たけど……

 ハネッコは、ぐっすりと眠っていました。お休み中です。しーっ!

 

 あたしは、そーっとリビングに戻って、いつもの家事を始めました。

 

 まず洗たく機を回します。そして朝ごはんを作ります!

 昨日の残りのカレーライスは、味見すると、もっとおいしくなっていました。さっそく、カレーライスが大好物な、いろはちゃんに食べさせてあげます。いろはちゃんは、まだ三歳です!

 その横で、マメ丸もドッグフードを食べています。今日は、ちょっと高いやつです! マメ丸も喜んでました!

 

 あたしもカレーライスを食べ終わって、お皿洗いをしていたら、ちょうど洗たく機が「ピー!」って鳴りました。

 カゴを開いて、その中に洗たく物を入れて、ベランダに運びます。ちょっと重かったです。

 

 網戸に引っかかっているハネッコは、もう起きていました!

 目と目が合うと、ハネッコは笑顔で鳴き声を上げました。あたしは、それがあいさつだと思って、元気に「おはよっ!」って返しました。するとハネッコは、頭の羽を回して飛び立とうとしました。でも、網戸に引っかかっているから上手く回せません。

 

 ハネッコは息苦しそうに鳴いて、しゅんとしちゃいました……

 だから、助けることにしました!

 

 ハネッコは、葉っぱの羽を回して、ふわふわ浮かぶと、一度だけこっちに振り返って、手を振ってきました!

 あたしも手を振って、チョコ先輩みたいに可愛いピンク色のハネッコを、見えなくなるまで見届けました!

 

 でも……事件は、ここから始まります!

 

 洗たく物を干していると、後ろでガチャッと音がしました。ベランダの窓が閉まる音です。

 あれ? と思って振り返ると、台の上に乗ったいろはちゃんが、カギで遊んでいました。

 

 きっと、あたしがカギの開け閉めをしていたところを見て、自分もやりたくなったんだと思います。

 可愛いなって思って見ていたら、窓越しにいろはちゃんと目が合いました。いろはちゃんは、にこって笑うと「ばいばい!」って手を振って、脱走を企てました!!!!!!!!!!

 

 でも、大丈夫です! 玄関の扉には、最強の武器『ナンキンジョウ』をかけているので、いろはちゃんは脱走できません!

 でも、何かあると大変です。あたしは、すぐいろはちゃんを追いかけるため、窓を開けようとしました。

 

 あかなかったです……窓が、開きませんでした。

 なんで? と思って観察していると、なんと、カギがかかっていたんです。

 

 たいへんですーーーー!!!!!!!!!!

 

 あたしは、びっくりしました。閉じ込められてしまったからです。

 窓の向こうから、マメ丸が心配そうに鳴いています。

 しばらくすると、脱走できないと思ったいろはちゃんが戻ってきました。

 

 あたしは「いろはちゃん! 窓を開けて!」とたのみます。

 でも、いろはちゃんは首をひねっていました。たぶん、カギを閉めたことを忘れているんです。

 

 そのショウコに、いろはちゃんは「かほ! おそといこっ!」と、にっこり言ってきます。

 いろはちゃんが、カギを閉めちゃったせいで、あたしはリビングに戻れないのに……

 

 あたしは「カギを開けて!」って、何度もおねがいしました。

 でも、いろはちゃんは、よくわからないのか「はやくもどってこい!」と言ってきます。

 

 あたしは、ふしぎに思いました。

 玄関の扉のカギは開けられるのに、窓のカギは開けられないの? って。

 

 たぶん、カギをカギとして分かっていない。そう思いました。

 もしかしたら、扉はカギで開けるものなのは分かってるけど、窓はちがうと思ってるのかもしれません。カギの形がちがうからです。

 

 いろはちゃんのことは、まだまだ分からないことが多いです。

 でも、たしかなことは……だんだん、いろはちゃんがぐずってきました。

 

 あたしが、あせった姿ばかり見せちゃったから……いろはちゃんも、あたしがリビングに戻ってこないことを不安がっちゃって、「だいじょーぶ?」と聞いてきます。あたしは、本当は全然大丈夫じゃなかったけど、つい、いろはちゃんを悲しませたくなくて、「だ、だいじょうぶ……!」と言ってしまいました。すると、いろはちゃんは、それを信じてしまったのか「じゃあはやくきてね!」と手を振って、別の部屋に遊びに行ってしまいました。

 

 あたしは、しばらくベランダで立ちつくしました。

 今では、あの時は混乱していて、色々と失敗しちゃったと、反省しています。

 

 とにかく! あたしは深く息を吸って、吐いて、なんとか落ち着きました。

 そして、運良くスマホがポケットに入っていたので、助けを呼ぶことにしました!

 

 アルファさんは、新幹線より早く帰ってきました!

 ベランダからでも、玄関の扉のカギが開く音が聞こえてきました。

 

 あたしは、ホッとしました。

 でも……あたしは、ちょっとばかでした。

 

 玄関から『ゴンゴン』って音が鳴ります。扉が開かないんです。

 なぜなら『ナンキンジョウ』をかけているからです!

 

 扉の隙間から、アルファさんの声が聞こえてきました。

 「大丈夫か!? ちょっと別の方法を考えてるから待ってろ!」

 

 まるでヒーローみたいに、たよりになるカッコいいセリフでした!!

 

 でも、これは、あたしの気のせいかもしれないけど……

 今回の事件は、あたしが色々と失敗しちゃったせいなので……

 アルファさんの声が、ちょっと怒ってるように聞こえちゃいました……。

 

 アルファさんは声変わりで、どんどん声が低くなっているので……

 たまに、ほんのちょっとだけ、声が怖く聞こえる時があります……。

 

 あたしは、本当にアルファさんに怒られたわけじゃないけど。

 ずっとベランダで、しゅんとすることしかできませんでした。

 いろいろ頑張って、自分でも解決手段を考えて、行動したけど……何もできませんでした。

 

 くぅんと鳴くマメ丸は、窓の向こうでおすわりしていて、

 無邪気ないろはちゃんは、ヒーロー部屋から、あたしを呼んできています。

 

 その時!

 

 とつぜん、あたしの横に、アルファさんとラルトスが出てきました!

 ラルトスのテレポートを使って、あたしのところにテレポートしたんです!

 

 そして、あたしとアルファさんとラルトスの三人で手をつないで、リビングの中にテレポートしました!

 脱出成功! です!!!

 

 ……。

 

 今日の反省。

 ・窓のカギに気をつける。

 ・いろはちゃんの行動を予測する。予測できなくても、もしかしたら、を予測する!

 

 あたしは、あのあとすぐに「もう窓のカギを勝手に閉めないでね」って、いろはちゃんに注意したけど……まだ三歳なので、よくわからないだろうし、注意した内容も覚えておけない年れいです。でも短く教えることで、きっと分かりやすく伝わったはずです! さらに、アルファさんといっしょに、具体的な対策を検討中です!

 つまり、作戦会議です!!!

 

          /

 

 五月○日(金) 晴れ

 

 もう寝る時間です。

 でも、これだけは日記に書いておきたいです。

 

 あたしは、夜になったので、さっきカーテンを閉めようと思いました。

 

 暗いベランダです。だれもいないはずです。

 でも、青い人影が立っていました。ベランダのヘリに座っているようにも見えました。

 

 あたしは「ゆうれい!」と思って、すぐにスマホのカメラを取り出しました。

 後ろでは、あたしの声におどろいちゃったのか、アルファさんが、すねをぶつけて痛がっていました。

 

 青い人影は、炎みたいにゆれていました。

 パシャリ! 写真をとると、青い炎は消えてしまいました。

 

 あたしは写真を確認します。

 いろはちゃんは、あたしがどんな写真をとったのか気になっていて「みせてみせてー!」と足にだきついてきます。

 

 写真には……なんと!

 ざんねんながら、ゆうれいは写っていませんでした……

 

 でも!

 ポケモンのヒトモシが、写っていました!

 

 これなら、ゆうれいが怖いアルファさんにも、写真を見せることができます!

 アルファさんは、ゴーストタイプのポケモンは、あまり怖くないんです!

 

 そしてアルファさんは、こう言いました。

 

 「きっと部屋の明かりに誘われて入ってきたんだろう」

 「それか窓辺で休憩していただけなのかもしれないな」

 

 それなら、ヒトモシにとって、アルファさんのおうちのベランダは、いごこちが良い場所だったのかな?

 もしそうだったらいいな! って思いながら、あたしはカーテンを閉めました。

 

 おやすみなさい!!

 

          §

 

 

 

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