※この作品はR-18です。

この素晴らしい世界に保険を   作:kuroto xanadu

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ハリー・ポッターの魔法は初回だけルビ振りします。以降はなしです。
忘れてたらすみません。


魔法

 ロキのダンジョン 地下2階。

ケントはまず周囲にモンスターがいないか確認する。

モンスターの気配はなし。

しばらく歩いていると十字路の右側からドスンッドスンッと大きな足音が聞こえてきた。

壁に隠れてゆっくりと覗き込むと視線の先には2メートル超えの巨体がいた。

ゴブリンと同じ緑色の体、垂れ目で、お腹が出ている。

 

「あれはトロールだね。鈍いがパワーはある」

 

ロキがトロールに気づかれないように小声で教えてくれる。

 

「首の位置が高いな。どうやって倒せば…」

 

ケントが壁からもう一度覗き込むとトロールはなぜか目の前にいた。

先程はあんなに大きな足音を立てていたのに野生の本能なのか静かに距離を詰めていたのだ。

 

「ウォォォォ!」

 

雄叫びを上げて棍棒を振り下ろすトロール。

 

「チッ」

 

ケントは床を転がって躱す。

トロールの棍棒が床に亀裂を入れる。

恐るべきパワーである。

ケントの現在のレベルは10。

真っ向勝負では勝てそうにない。

その時、視界の端にドアが映ったのでそこへ走る。

ドスンドスンとトロールが足音を立てて追いかけてくるが何とか部屋の中に逃げ込んだ。

トロールは中に入ろうとしているが入り口が狭くて入ることが出来ないようだ。

 

「ふぅ…」

 

ケントは一息ついて部屋の中を見渡す。

広さは5㎡くらいで奥に銅の宝箱がある。

罠を警戒しながらケントは宝箱を開けるとそこには木の棒の形をしたハリー・ポッターで出てくるような杖があった。

 

「これで俺も魔法が使える…」

 

ケントはまず冒険者カードで使える魔法を確認した。

通常この世界の魔法はスキルポイントを振って覚えるが、ケントは転生特典でレベルアップによって覚えることが出来る。

 

「…あった。やっぱりトロール相手にはこれだな」

 

ケントは剣を納めて杖を構えるとゆっくりとドアを開けて通路に出る。

トロールは離れたようだがまだ足音が聞こえる。

ケントはわざと足音を立ててトロールに近づく。

トロールがこちらに気づいて棍棒を振り下ろそうとする。

 

「ウィンガーディアム·レヴィオーサ(浮遊せよ)!」

 

ケントが呪文を唱えるとトロールの手から棍棒がすっぽ抜けて空中で浮遊する。

 

「ウゥ?」

 

トロールが上を向くと棍棒が顔の上に落ちてきてフラフラとよろめいた。

ケントが少し離れるとトロールはやがて気を失って床に倒れた。

 

「少しだが倦怠感が増した。これが魔力の消耗か」

 

「その通り。魔力切れになると動けなくなるよ」

 

ロキが補足する。

ケントはそれを聞きながら気絶しているトロールの首を剣で切って絶命させた。

ケントのレベルがまた上がる。

トロールは今のレベルに対して強敵だったようでレベルが2つ上がって12となった。

今のケントでは初級クラスの呪文しか使えないがレベルが上がっていけばいずれ上級クラスの呪文も使えるだろう。

その後、トロールやコボルト、ガーゴイルを何体か倒して1地下1階に辿り着いた。

地下11階は今までの石造りと違って砂漠が広がっていた。

しかも何故か太陽がある。

 

「スペースどうなってんだ?」

 

「空間拡張さ。小さい家で広い間取りにすることも出来る。どうだい?」

 

「神様ってのは何でもありだな」

 

「何でもは出来ないさ。出来ることをしているだけさ」

 

「なるほど…っとモンスターのお出ましだ」

 

ケントの前に砂の中から巨大ミミズのようなモンスターが飛び出してきた。

 

「あれはワームだ。地中に逃げられると厄介だよ」

 

ロキの説明も束の間、ワームが口から液体のようなものを吐き出してきた。

ケントが避けるとさっきまでいた場所にバチバチと電気が迸っていた。

 

「麻痺?」

 

状態異常攻撃を持った敵にケントは警戒心を強める。

この世界には毒、麻痺、睡眠などの状態異常がある。

特に麻痺や睡眠は動きを封じられるのでかなり厄介だ。

 

「(さあ、どうする?)」

 

ロキはケントの動向に期待していた。

 

「ペトリフィカス·トタルス(石になれ)!」

 

ケントの呪文を受けたワームが金縛りのように動かなくなった。

 

「ハハハ!逆に動きを止めるとはな!」

 

ロキは爆笑した。

 

「インセンディオ(燃えよ)!」

 

ワームの体が炎に包まれてやがて砂地に倒れた。

ワームが倒されたからかロキの笑い声につられたかは分からないがさらにワームが5体出現した。

 

「あまり魔法も多用していられないな」

 

ケントは杖をしまって片手剣を構えてワームに突撃していった。

 

 

◇◇◇

 

 

あれからワームやコボルトなどを倒して現在の階層は地下20階。

地中にいるワームを探すのはかなり骨が折れた。

もうすぐ地下21階への階段に着くのだがその前にオアシスを見つけたのでそこで休憩を取っていた。

 

「アグアメンティ(水よ)」

 

ケントは試しに呪文で水を出して容器に入れる。

1割ほど入れた後はオアシスの水を入れてから水分補給する。

 

「ゴクッ…ぷはっ…さて、行くか」

 

休憩を終えて地下21階への階段が見えたその時、突如砂嵐が発生し視界が遮られる。

目に砂が入らないように腕でガードしながら正面を見る。

すると、大きな影が現れた。

そして、それは砂嵐が晴れたことで正体を露にした。

大きさは20mくらいで4本の足、獅子のような体で頭はツタンカーメンのよう。

そう、それは、

 

「スフィンクス…」

 

ケントに試練が迫っていた。

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