※この作品はR-18です。

異世界転生した俺は、原作展開を壊して自由に生きる   作:龍いち

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第12章 戦力強化と因縁の対決
侍と忍者【Side 主人公】


ハルバーの迷宮に入りはじめてから4日が経った。

初日は盗賊のせいで躓き、2日目は公爵のせいで躓いたけど、昨日と今日は順調に探索が出来ている。

そして、ついに昼過ぎ、ミリアのジョブが剣士Lv30となり、侍のジョブが派生した。

 

早速彼女を転職させて確認すると、侍には“居合斬り”と“三段突き”という二つのアクティブスキルがあったので、先ずは居合斬りを使わせてみた。

しかし、彼女が何度詠唱しても、上手く居合斬りは発動しなかった。

 

いや、正確に言うと、鞘から剣を引き抜いたのちに手首を返して攻撃動作に移っているので、居合と言うほど素早く攻撃出来ていないのだ。

 

俺の知っている居合は、鞘の中で加速させた剣をそのまま振り抜く。

そのとき手首は自然と返り、腕の振りに剣がついてくるイメージだ。

そのためには...... 剣に反りがないとダメなのか......

 

残念ながら刀は持っていないので、一先ずこのスキルの検証は諦めよう。

 

次に三段突きのスキルなんだけど、こちらは発動出来たものの、魔物に一突き目の刺突が刺さると二突き目、三突き目と、見る見る突きの速度が落ちてしまい、単純に突きを3回連続で放っただけの何とも言えないスキルだった。

 

スキル名から瞬時に3回突きを放つ攻撃だと考えていたけど......

もしかして剣じゃなくて槍で攻撃するスキルか?

それとも刀のような細身・薄刃で片刃の剣じゃないから、引き抜く際に抵抗があるのだろうか?

 

よく分からないけど、刀じゃないとちゃんとスキルが使えないのかも知れない。

 

そんな気がしたのでリリアに聞いたのだけど、異国にはサーベルという細身で片刃の剣があるという噂は聞いたことがあるけれど、刀という名の武器は聞いたことがないとのことだった。

 

どちらにしても、片刃で細身の武器など何処にも売ってなかったので、残念ながら現状では、侍はハズレジョブ扱いだ。

 

そして、実は戦士の派生ジョブに暗殺者があるのなら、剣士の派生ジョブには忍者があるのではないかと密かに期待していたのだけど、残念ながら派生してはいなかった。

少しガッカリしたけれど、何かの条件が足りてないのかも知れないと考えなおして色々と試すことにした。

 

先ずは暗殺者と同じ条件かも知れないと考えて、毒針で魔物を毒化させてみた。

しかし、毒で魔物が倒れても、忍者のジョブは派生しなかった。 

 

次に、毒じゃないなら麻痺ではないか?と考えて、魔物を麻痺させてみたけれど、それでも忍者は派生しなかった。

 

それなら手裏剣か?などと考えたけどそんな武器はなかったので、コボルトにダガーを投げて倒させたり、首でも刎ねないとダメなのか?と考えてデュランダルでコボルトの首を斬り飛ばして倒させたけど、それでも忍者は派生しなかった。

 

流石にそこまでやっても派生しなかったので、忍者というジョブ自体が無いものと考えて諦めた。

そして、仕方がないので剣士を続けさせ、上位ジョブを目指させることにした。

 

◆ ◆ ◆

 

それから3日経ち、ミリアの剣士レベルは34になった。

 

流石に30を超えるとレベルは上がりにくくなってきてるけど、俺とカエデの獲得経験値上昇スキル重ねがけの恩恵は凄まじく、日に2つはレベルが上がっている。

 

但し、探索階層をあげてかないと何れはレベルが上がらなくなってしまうので、一先ず魔物を狩りまわることからボス部屋を探すことに方針を切り替えた。 

 

そして、先ほどハルバーの迷宮16階層を攻略したのだけど、探索方針よりも日々豊かな生活を送る方が大事なので、17階層の攻略は明日にまわして食材確保のために13階層に立ち寄ることにした。

 

ところがダンジョンウォークで入口小部屋に移動したところ、そこには他の探索者パーティーが休憩していて、移動してきた俺たちに値踏みでもするような視線を送ってきた。

 

当然無視してピックホッグを狩りに移動したのだけど、すぐにカエデから「満男君。入口小部屋で休憩していたパーティーが私たちをつけてきてる」と報告が入った。

 

全く、盗賊は騎士団が一掃したんじゃなかったのかよ!

心の中で毒づきながらも落ち着いて相手の正体を考えた。

こちらの人数が少なかったら魔物の横取り目当ての不良探索者という線もあるけれど、俺たちは5人だから十中八九盗賊だろう。

 

仕方がないのでいつも通り、ファイヤーウォール作戦で殲滅しようと考えたけど、そこで気付いたことがあった。

それはミリアが盗賊を殺したことが無いことだ。

 

ハルバーの迷宮に初めて入った日に何度か盗賊と戦ったけど、家に帰ってみんなと話しているときに、彼女はファイヤーウォールで生き残っていた盗賊を殺すことに躊躇してしまい、とどめを刺すことが出来なかったことを懺悔していた。

そして、次こそはしっかり頑張ると誓っていたのだ。

 

日本と違い、この世界では相手が盗賊なら当たり前のようにこちらを殺そうとする。

だから、自分の命を守るために奴等を殺すことは当たり前のことだし、躊躇することはNGだ。

 

俺はミリアが自分の不甲斐なさに落ち込んでいたことを思いだしたので、生き残った盗賊のとどめはミリアが刺すよう敢えて指示した。

そうして通路の先で盗賊を待ち構えていると、6人の集団が追いかけてきた。

 

鑑定すると、盗賊Lv38、盗賊Lv31、盗賊Lv7、海賊Lv5、海賊Lv4、探索者Lv11だった。

 

奴等は俺たちに気がつくと立ち止まり、下卑た笑顔を浮かべながらジリジリと近づいてきた。

そして、10mほど手前でもう一度立ち止まると、先頭の盗賊が「女と金を置いてくなら、お前は見逃がしてやるぞ」と話しかけてきた。

 

ヤツは完全に俺を見下しているので、1歩踏み出して剣を構え「お前らみたいにブサイクでモテないゲス野郎は、超絶モテモテの俺様に殺される前に、とっとと家に帰って自分で自分を慰めるんだなw」と言って挑発してやった。

 

すると、ヤツは顔を真っ赤にして「てめぇ、ぶっ殺してやる!」と怒鳴って剣を抜いた。

「男は殺っちまえ!女たちはたっぷり愉しんで飽きたら奴隷商館に売り飛ばすから、なるべく傷つけるなよ!」

 

先頭の男は手下の盗賊たちに指示を飛ばすとこちらに向かって駆け出したので、目の前にサンダーウォールを出してやった。

すると6人全員が突っ込んで、盗賊Lv38と盗賊Lv31の2人だけは、雷壁を突き抜けて俺の目の前に転がった。

 

しかし、2人とも身体の一部が焦げているし、白目をむいて口からは泡を吹き、身体を痙攣させている。

どう見ても瀕死の状態なので放っておいても死ぬ気がするけど、待ってる時間が勿体ないので、俺は一人の首を斬り飛ばした。

そして、ミリアに視線を送ると、彼女はレイピアを構えてもう一人の盗賊の前に立ち、無言で見おろしていた。

 

静かに覚悟を決めていたのか?

彼女は一瞬目を閉じて息を吸い込むと、次の瞬間にはカッと両目を見開いて、痙攣している盗賊の心臓にレイピアを突き立てた。

そして、盗賊が動かなくなると、レイピアを引き抜いて剣を振って血を振り払い、大きく息を吐いた。

 

「ミリア。良くやったな」

「ご主人様......」

俺はミリアを抱き寄せて、ギュッと抱き締めた。

 

「それじゃ、ミリアは袋を作ってくれ。

他のみんなは左手の回収だ」

「わかったわ」

「わかりました」

「かしこまりました」

「はい♪」

 

それから俺たちは盗賊の左手を回収し、奴等の身体が迷宮に飲まれた後に、装備品も回収した。

 

因みに雷壁を抜けてこなかった奴等は、雷壁に接触したままビクビクと痙攣し続け、魔法が消えるとドサッとその場に崩れ落ちた。

そして、そのままピクリとも動かなかったので、どうやら雷壁に触れているあいだに感電死していたようだ。

 

その後、何度かピックホッグを狩ってから帰宅したのだけど、夕食中にみんなのステータスを確認していると、ミリアに忍者のジョブが派生していた。

どうやら忍者になるためには、盗賊を殺すという条件が含まれていたようだ。

 

驚いて思わずむせてしまい隣の席のカエデに心配されたけど、ミリアが忍者のジョブを獲得していることを伝えると、みんなも一様に驚いていた。

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